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「Career of mistake-04-(ネギま!)」

金 (2005-02-10 02:24)
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「う、う〜ん」

女生徒達にもみくちゃにされ、意識をなくしたネギが目を覚ますと、目の前に高畑が居た。
彼を覗き込んでいた高畑は、ネギが意識を取り戻した瞬間、安堵の表情を浮かべた。

「大丈夫かい? ネギ君」

「タ、タカミチ?」

「ああ、酷い目にあったそうだね、立てるかい?」

「え、ええ。なんとか」

「そうか、良かった。
 ああ、そうそう和泉君、もうすぐ2時間目も始まる。君は教室へ戻りなさい。」

高畑は彼の後ろでジッと立っていた生徒に対して話しかけた。
彼女は、ネギの意識が戻った後も申し訳なさそうな表情のままだったが、高畑の呼びかけに対しハッとなる。

「あ、はい。
 その、ネギ、先生? すみませんでした。」

和泉と呼ばれた生徒は、ネギに向かって勢い良く頭を下げると、そのまま小走りに保健室を出て行った。
ネギはその様子を、寝ぼけ眼で追っていた。


魔 法 先 生
ネギま!
Career of mistake
第04話


ネギが意識を失った後、しずなと2−Aの保健委員の二人がネギを保健室へ運び、保健委員の生徒はそのまま保健室へとどまり、しずなは職員室へ高畑を呼びに行った後、2−Aへ戻りお説教をしていた。
高畑が来るまでは、保健委員の生徒―和泉 亜子がその場で看病していた。
高畑が来た後も、一緒に残り看病をする為に保健室へ残っていたのである。
そして、一時間目が終わった休み時間の中、ネギは目を覚ましたのである。

「そうか、授業も出来ないで失敗しちゃったのか・・・。
 うう、やっぱり僕って駄目なのかなぁ・・・。」

「ま、新任の先生には、どこもあんなものだよ。
 ネギ君の場合は、『10歳の』っていう更にとんでもないモノが『新任の先生』の前に付くんだ。
 しかも、2−Aはこの麻帆良学園中等部の中でも、元気な子が多いからね。
 一度や二度の失敗で落ち込まないでもいいさ」

「うん。ありがとう、タカミチ。
 そうだね、ネカネお姉ちゃんとも頑張るって約束したんだ。
 頑張らないとね」

「そうさ、まあ、初めの内はみんな物珍しさから騒ぐだろうが、その内下火になるさ」

「あはは、そう願うよ・・・。
 あんなのが毎日続くと、さすがに怖いからね・・・。」

「フフ・・・。
 ああ、そうそう、さっき居た生徒は2−Aの『和泉 亜子』君だ。
 彼女としずな先生が保健室へ運んでくれたんだ。
 後で礼を言ったほうがいいよ」

「うん、ありがとう、タカミチ!!」

ネギはそういうとベットから立ち上がり、職員室へと高畑と共に歩いていく。

「次の授業こそ、ちゃんと授業しないとね!!」

「う〜ん、それは無理だと思うが・・・。
 まあ、学園長先生からのお達しもあるし、次は僕が同行しよう」

「あれ? しずな先生は・・・。」

ネギがそう高畑に質問すると、高畑は思いっきり視線をネギから逸らし、天井を見つめる。

「ああ、彼女は今、忙しいだろうしねぇ・・・。」

そんな彼の額には、何故か汗が垂れていた。


その頃2−Aでは――――

「いいですか、みなさん!!
 いくら『10歳の可愛い新任の先生』が着任したからと言って、やっていい事と悪い事があります!!
 大体ですね、皆さんは常日頃やる事なすこと―――!!」

こんな感じでしずなの説教はとどまる事を知らなかった。
普段は温厚なしずなだが、さすがに今回ばかりは冷静では居られなかった様だ。
新任の先生を呼吸困難で失神させる、しかも自分はそれを止めなければならない立場に居たのに―――。
そんな無念な思いと自分の不甲斐なさを、そして2−Aの生徒達への愛の為、あえて怒っている――のかどうかは不明だが、凄まじい怒気だった。
授業時間まるまる使ってのお説教、さらに正座のオプション付きという、ゴージャスバージョンのお説教であった。
今現在、休み時間に入っても、この状態は解ける事がなかった。
しかし、そんな長い間座らせられていると、さすがに声を出してしまう人間の中には出てくる。
彼女たちも例外ではないらしく、辺りでヒソヒソと話し声が聞こえてくるようになっている。
少し生徒達のヒソヒソ話を聞いてみることにしよう。


(だれですか、こんな失態を招いたのは・・・。
 ハルナですか?)

(ア、アタシ〜!?
 そりゃないよ、夕映・・・。)

(ケ、ケンカしちゃ駄目だよ、二人とも。)

(のどかは甘いのです。
 ハルナは明らかにあの先生の喉元を絞めていました。)

(し、絞め!? 抱きついただけだってば!!)

(ケ、ケンカしちゃだめぇ〜!!)


(足痛くなっちゃった〜!!)

(こら、桜子!! アンタちゃんと反省してる!!)

(うぇ!? 美砂がマジ怒り!!)

(美砂じゃなくても怒りたくなるってばぁ!!)

(円も!?)


(ああ、もう!!
 なんで訳も分からない内に正座させられて、説教までさせられてるのよ!!)

(アスナさん、あなた何を言ってますの!?
 今まで一体何をしていたんです!!)

(そりゃこっちが聞きたいわよ!!
 いいんちょ達こそ、一体何した訳!!)

(私はしてませんわ!!)


(ああ〜ん! 亜子ってばいいなぁ〜!!
 私も行けばよかったよ〜!!)

(そう思ってるのは、まき絵だけじゃないと思うよ。)

(私もそう思う。・・・足、痺れてきた・・・。)

(あ、アキラも? 実は私も〜♪)

(何でまき絵は嬉しそうなのよ・・・。
 うう〜、私達運動部には、正座は堪えるよ〜。)


(まあ、叱られてる原因は、間接的に言えば風香の所為かな?)

(ちょっと、美空!? 美空こそ乗り気だったでしょ!! 裏切る気!!)

(う、まあ、そうだけど、さすがに水バケツはやり過ぎだって言ったじゃん)

(それを言ったのは私ですぅ!! 美空ちゃんは嬉々として準備してましたぁ!!)

(う・・・。)


(あっちは何やら騒がしいでござるな。ニンニン♪)

(う、楓、余裕そうアルね・・・。
 ワタシはモウ、キツイアル!!)

(忍耐が足りん。)

(そういう問題と違うアル、真名は何故平気アルか!!)

(慣れだ。)

(あっさりと返すアルな・・・。)

(コレも修行でござるな。ニンニン♪)


(クソ、何だってこんな目にあうんだ!?
 ああ〜!! コレだからこのクラスはぁあああ!!
 大体『10歳の可愛い新任の先生』ってなんだよ!!
 『可愛い』関係ないだろ!! そもそも『10歳』なんてマジかぁあああ!!!)


(マスター、先ほどからお怒りの様ですが、何かありましたか?)

(なんでもない、黙っていろ、茶々丸。)

(はい、分かりました。)

(クソ! まったく気分が悪い・・・。)


(そういえば、このか?
 あんたさっきから静かだけど、何かあったの?)

(え? な、なんでもあらへんよ?)

(そう? 何か変よ、アンタ・・・。)

(なんでもあらへんってば。
 ちょっと考え事しててん。)

(考え事〜? ああ、あの生意気なガキが先生って事に腹立ててるの?
 ウンウン、それは同感。
 ガキが先生したって、勤まるわけないじゃんねぇ?)

(あはは、そういう考え事とちゃうねん。
 あの子知り合いに似てたから、同一人物かな〜? 思うてん。)

(へ? 知り合いなの!?)

(ううん、ちゃうみたい。
 年齢が合わんし、あっちもウチの事知らんみたいやし・・・。)

(ならいいじゃない、ただの他人の空似よ。)

(うん・・・、そやね、他人の空似や〜。)


「あなた達!! 聞いてますか!!!」

「「「「はい! 聞いてます!!」」」」

仲がいいのか悪いのか・・・。
とにかく、ここぞと言う時には息の合う2−A生徒一同であった。
ちなみに、しずなの所為で2時間目を受け持つ先生は、半分の時間しか授業時間を貰えなかったそうだ。
しかし、2時間目を受け持った優男、瀬流彦はぐったりした2−Aの生徒達に授業を進める事も出来ず、泣く泣く教室を後にしていた。


そんな2−Aの騒動も知らず、ネギは高畑と共に残りの授業を消化していた。
しかし、何処に行っても質問攻めに遭い、結局授業を進める事が出来ないのであった。
そんなネギは高畑と別れ、一人麻帆良学園のいこいの広場の一つ、ダビデ広場の噴水の脇に腰を下ろしていた。

「はあ、やっぱり僕って駄目なのかな・・・。
 ネカネお姉ちゃんと約束したのに、はぁ・・・。
 タカミチは『気にしないでいい』なんて言ってたけど、そんなの無理だよ〜・・・。」

ネギは夕日に染まりつつある景色を見ながら、思いっきり黄昏ていた。
彼の容姿が10歳ではなく、もっと年上であったなら非常に絵になる状態だが、彼の容姿は子供。
それ故に、なんだか微笑ましい絵になってしまっている。
しかし、本人にはそんな気持ちはなく、思いっきり意気消沈。
そんな彼の目の前に、本を運ぶ女性との姿が映った。

「あれ? 危ないなぁ、あんなに荷物持って・・・。
 アレじゃあ足元が見えない――」

彼の懸念は現実のものとなった。
本を大量に抱えていた女性とは、階段を踏み外し落下しようとしていたからだ。
彼は咄嗟に杖を構えた。
そう、彼はこんな時躊躇はしない。
たとえ『魔法使い』という事実がばれる事により、自らの都合が悪くなるとしても、彼は己の信念だけは曲げない。
すなわち、『人を助ける事』。
それ故に、後のことなど一切考えず、彼は『魔法』を使った。

「『風よ!!』」

落下していた女生徒は地面と接触ギリギリの所で浮いていた。
その女生徒と地面の間に滑り込むネギ。

「はぁ、良かった・・・。
 もしもし、大丈夫です・・・か・・・。」

女生徒を抱きかかえ、安否を気遣っていたネギだったが、彼の語尾は徐々に弱弱しくなっていった。
その理由は、彼を驚いた表情で見つめる女生徒―神楽坂 明日菜の存在の所為だった。


〜あとがき〜
こんにちは、初めまして。
いきなり書いてしまいました、ネギま!のSS。
突発的に書き始めてしまったものですが、折角書いたんだし、読んで感想なり注意なり受けようと思い、一気に投稿。
とりあえず、少しでも原作と相違点を出そうと頑張りました。
まあ、大筋は変わっていませんが、個々の生徒の心のうちは少し変化があります。
それらも何時か大っぴらになってきたらいいな〜と思っています。

では、今回はこの辺で、金でした!!

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