闇夜に金色の光がはしる。
―EXCEED CHARGE―
「はぁぁ!!」
灰色の怪物が光をあびて灰になった。
「今度、生まれてくる時はオルフェノクなんかになるなよ」
金色のラインのある漆黒の戦士が一人が少年の姿に戻った。
「お疲れ様、和樹先輩」
「神代もお疲れ様」
「私なにもしてないよ」
「あのオルフェノクをここまで誘導したじゃないか」
「ライオトルーパーだからね」
「ライオトルーパーじゃ、不満なの?」
「不満って言ったら殺してくれる?」
神代は決して軽い気持ちで言ってはいない。和樹のそばに居続けたいという想いからなのだ。
「やだ。それに自分で死なないのは僕が望んでないって知っているからでしょ」
「……今回は引き下がる。話し変わるけど、先輩、もう帰れないよ。終電も出ちゃったし」
「タクシーがある」
「え~~!!私疲れた~あそこに泊まる」
神代はホテルを指差す。
――――――――
「本当にいいんだな」
「うん」
和樹…狼化
二人の長い夜はまだ始まったばかり
第三の帝王
一話『嵐の前のなんとやら』
和樹は神代を送り、学園に向かった。
「おはようございます。和樹様」
「来花、おはよう。それと学校では…」
「わかってる。急ぐわよ。このままじゃ遅刻しちゃう」
――――――――
自分の机で和樹の居眠りを始めたがすぐに起こされた。
「和樹…」
「兄さん…」
杜崎沙弓と式森涼が殺気を放ちながら近づく。
「な、なに?」
「「昨日どこに泊まったの?」」
「神代とホテルに…」
「「ふ~ん」」
和樹達の周りの温度が5度下がった。
「か、神代も一応だけど許嫁だぞ」
「最近ご無沙汰だし、今日にでもかまってくれれば、許してあげるわ」
「兄さん、今日はとことんがんばってもらうから」
言うまでもないが、彼に拒否権はない。
「そういえば、今日、魔法診断があるけど、和樹は出る?」
「ん、一応」
「式森家に必要ないのにね」
「涼は式森になったこと後悔してる?」
涼は和樹とは血のつながった兄弟ではない。彼女は式森に保護されている。
「まさか、感謝しているわ。親にまで拒絶された私を受け入れてくれたんだもの」
――――――――
学校が終わって和樹達を待っていた舞穂と涼と和樹は家路についた。
前まで男子寮、女子寮とわかれていたがあることがおこり二つがくっつき共同寮になってしまった。
「和樹君」
「何?舞穂」
「いるよ。しかも暴れてる」
舞穂も式森に保護されている。彼女の感知能力目当てというのは、わかっていたが式森家は彼女を優しくむかえた。舞穂のもう一つ、魔力略奪は式森にとってなんともないどうでもいい能力だったので彼女の親のように拒絶する理由がなかったのだ。
「わかった。先、帰っててくれ」
「家で待ってるから」
涼も舞穂も和樹が負けることなど考えていない。
――――――――
和樹が駆けつけた時その場には一体のキリンのオルフェノクと大量の灰があった。
「保護対象外…絶対に倒す!」
ジラフオルフェノクは和樹に気づいた。
「下等な人間がうるさいな」
ジラフの影が人の形になってしゃべる。
「お前はここで死ね!」
和樹は黒い金色のラインの入った携帯・オーガフォンを出した。
=0・0・0・ENTER=
―STANDING BY―
「変身!」
オーガフォンをベルト・オーガドライバーにセットする。
―COMPLETE―
金のライン・フォトンブラッドが和樹の体をなぞり、漆黒の鎧が和樹を包む。
「ま、まさか!」
さっきまで強気だったジラフの声と体が震えだした。
「我が名は地の帝王仮面ライダーオーガ」
「仮面ライダー!?」
恐怖で理性を失ったジラフは和樹に…いやオーガに飛びかかる。
「う、うわぁぁぁぁぁ!!!!!」
「ふん!」
予備動作なしにはなたれた拳でジラフは吹き飛んだ。オーガは腰にさげている冥界の剣・オーガストランザーを抜き、オーガフォンに組み込まれたミッションメモリーをセットする。
―READY―
「はぁぁぁ!」
オーガストランザーでジラフを切り裂く。ジラフは青い炎を上げて灰になった。
和樹は変身を解き、ケースにベルトをしまうと妹達が待っている。家に向けて歩き出した。
家で面倒なことが起こるとも知らずに…
あとがき
どうも555です。ファイズと名乗ってるくせにオーガのほうが好きな555です。神代嬢が和樹よりのSSがあまりない気がしたのでなんとなく和樹の毒牙にかかってもらいました。
解説
ライオトルーパー…普通の人間が装着すると中級オルフェノク並の力を得ることが出来るベルト、フォトンブラットはないためこれといった必殺技はない。各自専用に設定されている。
では