第3新東京市、そこはセカンドインパクトで失った東京を、さらなる発展を目指して作られた第3の東京。
日本の中心でもあるソコは首都圏であるから、もちろん近代的な建造物が立っていた。
だが人気が無かった。
誰もそこにはおらず、住民全てがどこかに逃げ出したかのようだった。
「着いたね」
「そうでござるな」
ここに2人、人がいた。
学生服を着た黒髪の少年と、ローブを被り顔すら見えない女性。
黒髪の少年―――碇 シンジはニヤリと顔を歪ませる。
「アハ……アハハハハ!!」
そしてゴーストタウンの第3新東京市に嗤いを言霊す。
「ついに! ついに願いが叶う!! 楽しみだなあ!!! アハハハハハ!!!!!――――――ゲホ、ゲホゲホッ」
「だ、大丈夫でござるか?」
慌ててローブの女性が背中を擦る。
シンジは大丈夫、と短く言うと、女性の手を取る。
「行こう。偽神を信仰する、世界最後の砦、という場所にね」
「御意でござる」
頷いた2人は、歩もうとして、ふとシンジのポケットに目をやる。そこには写真。
『私が迎えに行くから、待っててネ♡』と胸元をチラつかせた女性とそのキスマークがある写真。
ああ、と言い、シンジはソレを手に取り――――――破いた。
1枚を半分に、2枚を半分に、4枚を半分に、8枚を半分に、16枚を半分に、32枚を半分にしようとして、出来なかった。
空にバラ撒き、流れる方向を見ずに傍にある車両を見る。
「ちょっくら拝借だね」
「いいのでござるか?」
「ああもちろん。世界は僕を中心として回り、外枠に近い存在は振り回されるだけの小さな存在さ。この車両の持ち主もその1つ、ってこと」
「主さまが望むなら、拙者はそれについていくでござるよ」
その言葉にシンジはニコリと微笑み、カギが掛けっ放しの車両に乗り込む。
ローブの女性が助手席に座り、ドアを閉めると、
「ではレッツゴー!♫」
いきなりアクセル全開で砂煙を挙げながら消えていった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
誰もいない第3新東京市を、1台の車が走る。
車名はルノー・アルビノで、かなりの速度を出していた。標識なんて無視である。
「ああもうっ! なんでこんな時に遅刻するかなあ私は!」
運転席で毒づくのは片手運転で、片手で化粧をしている器用な女性である。
読者の皆は両手運転しよう! 免許取得の試験だと怒られちゃうぞ!
「でも2時間だからきっといるはずよね? きっとそうだわ。焦る必要ないじゃな〜い」
テヘッ、と外見20代後半の彼女は言うが、あまり似合ってない仕草である。
角を見事なドライビングテクニックでドリフト走行によって曲がると、
「!!」
上空で何かが爆砕した。
「国連の戦闘機!? チィッ!!」
慌ててハンドルを切り、飛んでくる破片を避ける。数個小さいのが当たり、右のサイドミラーが吹き飛ばされた。
「最悪! まだローン残ってるのに!!」
そう言いながらも神経は運転に。さらにアクセルを踏んで速度を上げる。
後ろで爆音が聞こえながらも、彼女は車を左に曲がらせた。
曲がったことで、助手席に置いてあった紙の山が崩れる。なにかの資料だろうか。
崩れた資料の中に、1枚の写真があった。シンジの顔写真だ。
「もうすぐよ! 待っててね!」
と、ハンドルを切ったところで携帯電話が鳴り響いた。某ビール会社CMの音楽が流れる。
空いている左手で胸ポケットからソレを取り出し、出た。
「なに!? 今こっちは」
『あら葛城一尉。この非常事態に遅刻した上に、“忙しい”ですって? 自分で蒔いた種は自分で刈るものよ』
「うっ……」
『でも非常事態だから用件だけで済ますわ』
「?」
『サードチルドレン―――碇 シンジは既にNERVに到着。現在身分照明を行っているわ』
「はあ!?」
ルノーが急ブレーキを掛け、バックで180度回転。すぐに来た道を戻る。
「どどど、どういうことよ!?」
『言葉の通りよ。碇 シンジは車を無断使用し、NERVまで辿り着いた、ってわけ。非常事態だから窃盗などの罪は免除。予定外なことが1つある以外、なんら問題はないわ』
「予定外?」
『サードチルドレンの保護者と名乗るローブを被った女性が1名いて、そっちは現在NERVの独房に入ってもらっているわ。―――それより、さっさと戻ってきなさい』
「わ、わかったわ」
電話を切り、助手席に投げ捨てる。
今度は両手でハンドルを握り、来た時の半分の時間でNERV本部に戻った。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「で、彼女は今どこに?」
「貴方の保護者ならこっちで保護しているわ。安心して」
長い長いエスカレータを登りながら、白衣の金髪黒眉女性―――赤木 リツコはシンジに言う。
「それなら安心しましたよ。そういえばさっき、どこかに電話をしていたようですけど?」
「貴方がもらった写真に写ってた女性よ。迎えに行く予定だったけど、遅刻したらしくってね」
「駅に着いた時誰もいなかったんでビックリしましたよ。なんでこんな時に呼び出されたんだろう、って」
「貴方のお父さんが会いたいらしいのよ」
リツコの言葉に、シンジの表情が変わる。
眉をひそめ、拳を強く握るが、すぐに表情は戻り、ポケットから一枚の紙を取り出した。
広げてリツコに渡す。
「会いたい、といってもこの手紙じゃ命令しているようにしか見えませんけどね〜」
溜息混じりに言うシンジを見、次に手紙に視線を動かす。
「た、確かにこの文面は凄いわね………」
「でしょう? もうなんていうか。彼の性格をそのまま表わしているかのような文面ですよ。自分が上で、他は下、っていう思想でしょうか。例え自分より高い地位の人間がいても、無視し、自分が世界の中心、と考えているような人間ですね。まったくナルシスト以外のなんでもないですね!」
「そっ、そうかしら?」
両手を広げて言うシンジに、リツコは少し苛立ちを感じた。
普通の学生、と報告があったが、彼の心も又、歪んでいるのではないかとリツコは思う。
シンジが言葉を続ける中、なぜこんな風になったのか、彼女は彼女なりに、ロジック的に解明しようとしていた。
やはり幼少期に捨てられたことが父親への憎悪を膨らましているのだろうか。
そう考えていると、
「赤木さん! 聞いてますか!?」
「……え? あ、ごめんなさい。ちょっと考え事をしていたものだから。それとリツコで構わないわ」
「そうですか。ではリツコさん。下から上がってくる人間がいますけど」
「?」
そう言って見ると、大股で3段抜かしで登っている女性がいた。
「あら葛城一尉。遅かったわね」
「こっ……これでも時速200kmで飛ばしたのよ」
「その割には遅いわね。中で迷ったのかしら?」
「うぐっ………と、とにかく! この子がサードチルドレンね?」
「ええそうよ」
葛城と呼ばれた女性がシンジを見ると、シンジは一瞥し、リツコを見て言う。
「この女性は誰ですか?」
「まだ名前を言って無かったわね。彼女は葛城 ミサト一尉よ」
「ちなみにNERVの作戦部長よっ」
そう言うミサトにシンジは怪訝そうな顔をする。
「な、なによ?」
「……この非常事態に遅刻し、自分が所属する施設すら把握できていない。上は一体何を考えているんでしょうね? この人を推薦するなんて、よほど人材不足なんでしょうか? NERVは」
「な、なんですって!?」
ミサトがシンジの襟元を掴む。
「アンタ、サードチルドレンだからって、良い気になってるんじゃないわよ!」
「あれ、怒っちゃったんですか? やだなあ大人は。少しのことで怒る。最近の若者は、とか言ってますけど、貴方たちが若者だった頃はどうだったんですか? 丁度葛城一尉ぐらいの歳だとセカンドインパクトからの復興の年ですね。やはり暴力と恐怖が世界を覆っていたのでしょう? 貴方の性格だと奪われる側ではなく、奪う側の人間ではないでしょうか。弱い者を踏みにじり、得た物品を見ながら笑う。最低ですね」
「餓鬼が何わかったようなこと言ってんのよ!!」
「ああそうか。辛い過去があって、それから逃げるために何かしらの快楽に溺れたんですね。目に映る限り少ない快楽をずっと得ていようとしたんですね。―――最低だ」
「っ! いい加減にしないと」
「止めなさい、葛城一尉!!」
拳を振り上げようとして、リツコに制される。
「で、でもリツコ」
「今彼に危害を加えることが、後にどれだけ響くかわかっているの!? もっと作戦部長としての自覚を持ちなさい!!」
「わ、わかったわよっ」
ミサトは手を離し、シンジより上の段へ上がる。
シンジは衿のヨレを直しながら、ふぃ〜、と息をつく。
「ごめんなさい、シンジ君。でも貴方ももう少し、言葉に気をつけるべきよ」
「ええ。わかりましたよ、リツコさん。僕も馬鹿な人間じゃないですし、馬鹿になりたくもないですから」
大げさにジェスチャーをして溜息をついた。
そして3人はゆっくりとエスカレータを登る。
「―――で、状況はどうなのよ?」
ミサトがリツコに問う。状況とは、この緊急事態の現在状況のことだろう。
「国連の迎撃部隊は壊滅。N2地雷の使用により使徒の28%の構成物質の焼却に成功」
「次の侵攻はいつ?」
「もう既に再生は終わっているわ。いつ、ではなく進行中なのよ」
「さすが使徒、ってわけね」
ミサトが前を向いたまま言っていると、後ろから声がした。
「あの〜……質問いいでしょうか?」
「どうぞ」
「使徒ってなんですか?」
まだ説明して無かったわね、とリツコは言う。
「使徒はセカンドインパクト後、必ず来襲するとされる兵器の一種よ。生体兵器らしいけど、その詳細は不明。ここNERVは、いずれ来る使徒を迎撃するためのモノで、世界各国に支部があるわ」
「大体の内容はわかりましたけど、僕が呼ばれたことと関係があるんですか?」
「ええ」
「ではなぜ?」
「それは、貴方のお父さんから直接聞くと良いわ」
「………わかりました」
言うと、エスカレータの終わりが見えた。
エスカレータから少し歩くと、1つの横にスライドするドアの前で立ち止まる。
リツコがドア横に設置されているパネルを弄ると、ドアが開く。
「暗いから、気をつけてね」
中に入ると、中は真っ暗だった。
リツコが指で何かを押すと、小さな音が響き、蛍光灯に明かりが灯る。
「ロボット!?(ナイス演技!)」
光が照らし、シンジの目の前には巨大な鬼のような頭があった。
「これが使徒に対抗すべく作り出された汎用兵器、人造人間エヴァンゲリオンよ! これはその初号機」
「大体読めてきました。これに僕が乗って使徒と戦え、ということですね?」
『そうだ』
シンジに声に答えるように、上から声が響いた。
シンジが見上げると、そこには会いたくも無い人間が立っていた。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
『出撃』
シンジの父―――碇 ゲンドウはシンジと目を合わすなり、そう告げた。
「なっ!? レイでさえエヴァとシンクロするのに8ヶ月掛かったんですよ! 今日着たばかりのこの少年には無理に決まっています!!」
異論を上げたのはシンジではなく、ミサトだった。
『座っていればいい』
「しかし!」
「葛城一尉。レイの状況がわかっているでしょう? 今この状況で、可能性のある人間に頼るしかないのよ! 私たちは」
「………」
リツコの声に、ミサトは黙る。
「僕がコレに乗って戦え、と?」
『そうだ』
「………イヤだね」
「「なっ!?」」
『……』
シンジの言葉に、リツコとミサトが驚き、ゲンドウは眼鏡をくい、と上げる。
「ちょっとシンジ君、アンタ何言ってるのかわかってるの? アナタが乗らなきゃ、世界は滅びるのよ?」
先ほどとは全く違った意見を言うミサトに、シンジは平然と答える。
「はい、構いません。世界が滅びる? 人間いつかは死ぬんです。僕は何時死んでも構いません。死にたくない人たちだけで、必死に足掻いて下さい」
それにですよ、とシンジは言葉を繋ぐ。
「B級アニメじゃないんですよ、現実は。何も知らない少年に世界を守るなんてデカ過ぎる荷物を背負わせて、それで世界が丸く収まると思いますか? そんなことはないはずですよ。ご都合主義も甚だしいですね」
そう言ってシンジは踵を返そうとする。
「し、シンジ君、どこに行くのよ?」
「どこって、僕は帰りたいだけなんですけど。開けてくれますか? このドア」
「帰るってアンタ。自分の嫌なことから逃げるの!?」
「逃げる? 逃げるとはなんです? それは主観的、それとも客観的に判断したものですか? ああでもコレは逃げる、という行動に値するかもしれませんね。でも、前もって戦闘訓練を僕に与えなかった大人が悪いですし、僕の他にもコレに乗って戦える人材は世界に山ほどいるはずですよ?」
「アナタじゃないと『シンクロ』できないからよっ!」
「『シンクロ』? それは僕ではないとこのロボットが動かせないと言うこと?――――――今度こそアニメの世界に入りましたね葛城一尉! 絶滅危惧種だったオタクがこんなところに生息していたなんてビックリ仰天!!」
「ふざけないで頂戴!!」
そう言ってミサトは行動に出た。
左手でジャンパーを動かし、右手でその下にあるホルスターに装着されている銃を引き抜いた。構える。
「今度は武力ですか? まるで昔の米帝だ」
「黙りなさい!」
そんな光景を見ていたゲンドウは、無言のまま通信ボタンを押す。
『冬月、レイを起こしてくれ』
『使えるかね?』
『死んでいるわけではない』
『……わかった』
冬月と呼ばれた初老の男性はそう言って画面の向こうで動いた。ゲンドウは通信ボタンを切る。
しばらくすると、シンジたちが入ってきたドアとは正反対のドアが開き、そこから中に入ってくる人間が数人。
移動式ベッドを動かし、そこに寝せられている少女を運ぶ。
部屋の中央辺り、丁度シンジがいる目の前で止まった彼等は、少女に刺さっている点滴などを取り払い、そそくさとドアの向こうへ消える。
『レイ、予備が使えなくなった』
「………はい」
そう言って起きるのは傷だらけの少女。
「くうっ!! はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
苦痛に表情を歪ませながらも、ゆっくりと上半身を起こす。
そんな彼女の動作を、シンジは冷ややかな目で見ていた。
「………(ああ、まだ生きていたんだ。偽神の落とし子の妻であり、全ての元凶の始まり。偽神の物語のままに動いたバケモノ)」
レイが着たことで、周りが慌しくなった。
「初号機のシステムをレイに書き直して再起動ッ!!」
リツコは周囲の整備員に命令を下す。
同時、天井から何か重たいものが地面にぶつかる様な音が聞こえた。
「この音は」
『奴め、ここに気付いたか』
ミサトが顔を上げ、ゲンドウも顔を上げる。そう、この音の正体は、
『司令! 使徒が装甲板を攻撃中! あと数発で天井都市が崩壊します!!』
そう、使徒が侵攻している音だった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
使徒の攻撃は止まるを知らず、ある場所を連続して攻撃していた。
両目が輝き、途端爆音。地面が抉れ、上空に十字の光を迸らせ、それによってジオフロント天井装甲を突き抜けて地下にも逆十字の光を迸らせた。
爆ッ!!
ジオフロントの一部が崩壊し、ジオフロントの中央にあるピラミッドことNERV本部に落ちてきた。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
NERV本部ケイジ内では、前とは比べ物にならない激しい揺れが来ていた。
揺れも収まらず、シンジとゲンドウを除いた誰もが地面に立っていられるのが精一杯だった。
「ッ! はあッ!!?」
揺れの大きさにベッドから転落したレイが苦痛による声にならない悲鳴を上げる。
「あ、危ないッ!! シンジ君、レイ、避けてッ!!!」
頭上の鉄骨が崩れ落ち、2人に降り注ぐ。
「よっ、と♪」
シンジは横に跳んで難なく避けたが――――――
バキィッ!!
肉の潰れる音、骨の折れる音が響き、少女が鉄骨の下に沈んだ。
『レイ!!』
意外にもゲンドウが叫ぶが、レイに反応はない。ただ手が鉄骨の山の隙間から生えていた。
「可哀相に。六分儀さんに目を付けられたのが最後だったんだね。冥福を祈らせて貰うよ。南〜無〜」
わざとらしく掌を合わせ、わざとらしい発音で拝む。数秒後、シンジは拝むのをやめて扉目指して歩き出した。
「ではサヨナラ♩」
「なに言ってんの! 貴方、そうやって逃げていいの!? 皆から、お父さんから、なにより自分から逃げて、それで
良いと思ってるの!!?」
「はい、構いません。それに『逃げる』のは『戦略的撤退』と同意義ですから」
「ふざけないで!!」
叫んだミサトが銃口をシンジに向ける。
「やっぱり力づくですか? だから僕は大人は嫌いなんだ」
「大人だろうと子供だろうと関係ないわ! シンジ君、貴方には乗って貰わなきゃ困るのよ! 今死んでしまったレイのためにも、彼女を殺した“使徒”を倒さなくていいの!?」
「・・・・・・」
「答えなさいッ!!」
安全装置を解除し、激鉄を起こすミサトを見ながら、シンジは溜息交じりに口を開き、
「わかりました。今回だけですよ」
告げ、その後リツコから操縦の説明を受けた。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
『冷却終了! ケイジ内、すべてドッキング位置』
『パイロット・・・エントリープラグ内コックピット位置に着きました!』
『了解! エントリープラグ挿入!!』
冷却を終え、オレンジ色の液体が排出される。全身が現れると、それは使徒ほどの大きさだった。
『プラグ固定終了!! 第一次接続開始!』
『エントリープラグ注水!』
モニターに映るエントリープラグの足元から液体が注水され、満たしてゆく。
『何ですか、これ?』
肩まで浸され、既に頭を浸されたのに、叫ばずにただ無表情に言うシンジに、少し驚きを感じた。
「LCLと言って、肺がLCLで満たされれば、直接酸素を取り込んでくれるの」
『ふ〜ん。酸素ボンベとかもこれに変えたらよっぽど儲かりそうだけどなあ』
などとLCLを見ながら言う。
『血の味がしますけど』
「男の子でしょう! 我慢しなさい!!」
『別に嫌だとは言ってませんよ、葛城さん。こんなのは慣れですから』
シンジが言うと、彼が拒絶反応を見せないことに少し安堵の息を漏らした。
ミサトとリツコの前では、3人のオペレーターが忙しくキーボードを叩く。
『主電源接続』
『全回路動力伝達』
『起動スタート』
『第二次コンタクトに入ります。A10神経接続異常なし』
『思考形態は日本語を基礎原則としてフィックス』
『初期コンタクト問題なし。双方向回線開きます』
『シンクロ率60.3%。ハーモニクス誤差0.03%以下。暴走ありません』
「すごいわね……ミサト、いけるわ」
「――――――EVA初号機、発進準備ッッ!!」
『発進準備』
『第1ロックボルト外せ』
『解除確認』
『アンビリカル・ブリッジ移動開始』
『第2ロックボルト外せ』
『同じく第2拘束具を除去』
『1番から15番までの安全装置を解除』
『内部電源充電完了』
『内部用コンセント異常なし』
『EVA初号機射出口へ』
『5番ゲートスタンバイ』
『進路クリア、オールグリーン』
「了解! 司令、構いませんねッ!!」
ミサトがゲンドウに最終確認を取る。
「使徒を倒さぬ限り、我々に未来はない」
ゲンドウの言葉に、ミサトが頷き、
「EVA初号機、発進ッッッ!!!」
あとがき
今後とも頑張りますので、暖かい目でお願いします。
以下レス返し
suimin様>
お久しぶりです。全然変な感想でないですよハイ。
今後ともよろしくお願いします。