≫≫RINN
「そういえば、今日は魔力診断の日だよな。」
と俺がそういうと、和樹はげっそりした顔で、
「まじか・・・・?
って言うか今はじめて聞いたぞ俺。」
とため息をつきながら言った。
「ああ、っていうかお前ホームルームのときいつも寝てるじゃないか。」
「まあな・・・・。
ったく、魔力診断って、どうせ俺後魔法回数七回しかないから計っても計らなくても同じだと思うんだよなあ・・・・。」
と和樹が言うと楓が、
「まあまあ、なんかの弾みで魔法使ってるかもしれませんし、後七回魔法を使うと塵になって消えちゃうんでしょう?だったら受けておいたほうがいいと思います。」
と優しい声で言った。
「そうだぞ和樹。」
「へぇ〜い・・・・・。」
そう話しているうちに学園の敷地内に入った俺たちは、昇降口のところで靴を履き替え、教室に向かった。
そのとき、
「おっはよ〜〜〜〜〜☆」
という声が聞こえたかと思うと、
バッシ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!☆☆!!
と背中を思いっきりたたかれた。
・・・・・痛い・・・・・
俺たちが後ろを振り向くと、そこには俺たちの先輩の時雨亜沙先輩がいた。
そしてその後ろには亜沙先輩の友達の神族のカレハ先輩がいる。
「亜沙先輩。カレハ先輩」
「はろ〜〜〜〜☆」
と亜沙先輩がにこやかな顔で挨拶する。
「おはようっす亜沙先輩。カレハ先輩」
「おはようございます、亜沙先輩、カレハ先輩。」
「おはようございますですわ。」
と挨拶を交わす和樹、楓、カレハ先輩。
・・・・じゃなくて!
「何するんですか亜沙先輩!!」
「ん?なにが?」
「何がじゃないですよ!!すっごい痛かったんですから!!」
「いいじゃんいいじゃん。男の子でしょ?」
「だからってねえ・・・・・!!」
と俺が亜沙先輩に文句を言おうとしたそのとき、
「そうそう稟ちゃん。」
と亜沙先輩がぐいっと顔をこちらに近づける。
「な・・・・なんですか?」
と俺が聞くと、
「ちょ〜っと来てくれないかなぁ?楓も一緒に。」
とニコニコ微笑んで亜沙先輩がそういう。
「・・・・なんでですか?」
「う〜ん・・・・それは来てからのお楽しみということで。
で、どうするの?」
「拒否権はないんでしょ?」
「わかってるじゃない、それじゃ、行こう!!」
とそう言って俺の首根っこをつかみながら引きずっていく。
「ちょ、亜沙先輩!?」
「いいから、いいから。」
そして俺は亜沙先輩に引きずられていった。
・・・・・楓、和樹、助けて・・・・(汗)
≫≫KAZUKI
稟が亜沙先輩に連れ去られ、カレハ先輩と楓がその後についていった後、
俺は教室に向かった。
と、保健室の前を通りかかろうとしたそのとき、
保健室の扉の前で俺や稟と同じ2−Bのクラスメイトで学校一の問題児、仲丸由紀彦がなにやら怪しい行動をとっている。
関わり合いになりたくないと思い急ぎ足でその場を離れようとするが、
「おお、我が友式森和樹ではないか!!」
とそう中丸の声が聞こえ首根っこをつかまれ、無理やり引き寄せられた。
・・・・ってか、今腕伸びなかったか?
まあいい、そして俺を引き寄せた仲丸は俺に自分の両手で作り出した内部の様子を映し出す魔法を見せた。俺はそれを覗き込んで見てみるが何も見えない。
(ま、当然だよな・・・・。)
「で、これがどうした?」
と俺が仲丸に聞くと、
「この中にいるのは三年の風椿玖里子。生徒会から学校の理事まで操る影の実力者だ。この結界を破って、あられもない姿を掴んで脅せば・・・・・・・・どうなる?」
「・・・・・覗きってのは犯罪だってことはサルでもわかるぞ。」
と俺がため息をつきながら言う。毒を吐きながら、
「今むかつく言葉が聞こえたがまあいい、
それよりも式森、これは友好的な取引だ!!弱みを見せたやつが悪い!!」
「どういう理屈だ、どういう。」
「馬鹿かお前は!十年前の、神界・魔界との『開門』のせいで地位と名声と権力を作ってくれるのは、学力や成績じゃない!魔法を使える回数だ!!で、お前何回だっけ?一般庶民で平均二桁。ここでの平均が八千回。で、お前は?」
「七回だけど、それがどうした。」
「そう七回。いくら運動神経がよくても魔法が使えないと落ちこぼれだよな〜」
「A・Tの世界じゃ魔法なんて意味がないがな。(ぼそっ)」
「ん?なんか言ったか?」
「いや・・・」
俺は仲丸にそう言ってふと仲丸の後ろを見た。
・・・・・・・
「おい」
「なんだ?」
そう仲丸が聞くが俺はその問いには答えず仲丸の後ろを指した。
仲丸が振り向く。そこには・・・・
「な〜〜か〜〜ま〜〜る〜〜!!!!!」
修羅?
いや、仲丸と同じく俺たちのクラスメイトで仲丸と同じ問題児、松田和美だった。
「ま、松田!?」
「身代わり魔法を使ってのエスケープと覗き行為は、B組協定第三条第七項に違反だって、何度言ったら分かるの!?」
といって攻撃魔法を仕掛けようとする松田。
B組協定というのは仲丸と松田のためにあるようなものだ。ちなみにそれを作ったのは・・・
「黙れ、松田!いつから権力側についた!?」
「作ったのは、あんたでしょう!!」
そう、B組協定を作ったのは仲丸だった。ちなみに理由は松田に出し抜かれるのがいやだとか何とか・・・って言うか、自分で作ったのをやぶんなよな仲丸。
「戻ればいいんだろ!戻れば!!」
「問答無用!!」
松田が攻撃魔法を放ち、それを仲丸がよける。
その隙に俺はその場を立ち去った。
・・・・・死ぬなよ仲丸・・・・・・。
ちなみに、教室の前で稟と楓と合流したのだが、稟は異様にぐったりしていた・・・・。
・・・・・聞かないでおこう。
あとがき
どうも、木葉です。
【『刃の王』と『神にも魔王にも凡人にもなれる男』】第二話どうだったでしょうか。
ちなみにこの前の訂正。
文章の前に『≫≫○○』とついたらその人の視点です。
ここでレス返し
九尾さん>ありがとうございます。ご期待に沿えるようがんばります。
カッァーさん>魅力を損なわないように・・・難しいけどがんばるつもりです。応援よろしくお願いします。
それでは次回はいよいよシア、ネリネ、夕菜、玖里子、神城凛を出します。
ってなわけで、次回に続く!!