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「EVAGEAR THE METAL ACT/1『待ち人、来たらず』エヴァ+メタルギア)」

ホワイトウルフ (2004-12-29 12:03)
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『現在、目標地点より20km離れた上空。高度3万フィート。まもなく降下ポイントに到着します。ご準備ください』

機内に放送が、入る。

「雷電、空からのダイブは初めてですか?」
「ああ、VRにはないシュチュエーションだ」
「マニュアルを読んで、訓練はしましたか?」
「ああ、アンカー。大丈夫だ。実戦で初めてなだけで訓練では、何度かダイブした」
「なら、いいです」

機内後部の椅子に座って、年齢問題を無視して煙草を吸っているアンカーの横には、酸素マスクをつけた男がいる。あいにく、戦闘機用の酸素マスクをつけているため、顔は見えないが・・・。だが、年はアンカーより上のようで20代後半位だろう。しかしながら、アンカーの背は実年齢の平均より高いせいであまり年の差を感じない。

『機内減圧開始、降下ポイントまで15分を切りました。装備チェック終了』

「さて、鳥になりますか」


EVAGEAR THE METAL
ACT/1『待ち人、来たらず』


『アームメインパラシュート(自動開傘装置のアーミングピンの解除)終了』
【よし、準備はいいか? アンカー、雷電】

体内通信からのコールがかかり、機内放送の人物とは違う声が頭に響く。

「こちら、アンカー。問題なし」
「こちら、雷電。同じく問題なし」

『高気圧、依然として目標地域に停滞中』
【さて、現在、第三使徒と呼称される巨大生物が目標地点より離れた地点にいる。とはいえ、我々がサポートできるのはここまでだ。何かあったときのために、待機ポイントより、数十M離れた地点に、足としてバイクが二機、配置している。非常時に利用してくれ】

『大佐。悪いが、俺はバイクは運転できない。車なら操縦できるが』
【そうか。では、雷電。アンカーの後ろに乗せてもらえ】
『だそうだ。アンカー、たのむぞ』
『はいはい。現時点では、コードネームで呼び合いますが、向こうではジャックさんと呼ばせてもらいますからね』

「そろそろ、煙草を捨ててください」

機内の補助員が、アンカーの煙草を『代わりに捨ててあげる』とばかりに手を差し伸べる。

『酸素ホースを機体のコネクターに接続。マスクを装着してください』

「了解っと」

アンカーはそう言うと、煙草を壁の鉄筋に押し付けて消し、それを補助員に渡すとマスクを装着する。

【いいぞ。視界は良好だ】
『気分は最悪ですけどね』
【そういうな】
『雷電はいいかも知れませんが、私は任務帰りですよ』
『アンカー、それはご愁傷様だ』
『それより、日本語のほうは大丈夫ですかな、雷電殿?』
『う! なんとか・・まあ』
『頼りないですね』
【大丈夫よ。ジャック。・・・いや雷電】
『・・・おや、ローズさんですか?』
【お久しぶりです。アンカー中佐】
『ローズ!!』
【あれだけみっちり、私が教えてあげたんですから】
【今回の記録係兼、精神面でのケアとして彼女を呼んだのだ】
『精神面のケアねえ。・・・主に、雷電のでしょう、大佐?』
『【う!】』

アンカーのあきれたような声が体内通信に流れる。

『まあ、私は二人にあてられないように精々、注意しますよ』
【ちゅ、中佐!! からかわないでください!!】
『はぁ〜〜、ローズさん。この回線はプライベート用じゃないんですよ』
【は!! す、すみません】

『機内減圧完了、酸素供給状態確認。後部ハッチ開きます』

そう機内放送が流れるとともに後部ハッチが開く。すでに、お分かりと思うが現在、第三新東京市の上空3万フィートの最新鋭のステルス航空機にいるのだ。

『降下4分前』

「はぁ〜、まったく今回の任務には、私の身内が絡むからややこしくなりますが、サポートよろしく頼みますよ雷電」

『現在、摂氏−36℃。降下2分前です。ご起立ください』

「了解」
「了解。まあ、精々足は引っ張りませんよ中佐殿」
「そう願いますよ」

『後部ハッチに移動してください』

そう言いながら、二人は機内後部に移動し、飛び降りるまでの指定時間まで待機する。

【時速130マイルで落下する。精々、風速冷却による凍傷には気をつけることだ】

『酸素装置作動。それでは、中佐、お気をつけて』

「ああ、ありがとう。『そんな、馬鹿はしませんよ。では、先に行きますよ雷電』」
『了解、2分後に俺も降ります』

『降下、十秒前。スタンバイお願いします』

「スタンバイした」

『全て、正常オールグリーン! 降下準備・・・カウント5・4・3・2・1』

「では、久々の空を満喫してくる」

そう言って、アンカーこと碇シンジは、待ち合わせである地点に向かってダイブした。



「十五年ぶりですね」
「ああ、間違いなく使徒だ」

暗闇の中、二人の男が話している声が聞こえる。そこには、初老の男で立っており、その傍で、椅子と机についている眼鏡をした髭面の男がいる。

『ビィー!! ビィー!!』
「「!!」」

突然、警報が鳴り響き、二人の男はビクリと突然の音に驚いた。

「な、何事かね!?」
『はい!! それが・・・』
「要点をとっとと言え」
『は、はい。現在、第三新東京都市、約3万フィート上空に所属不明の航空機が出現』
「む。・・・いったいこんな時にどこの国のものだ? それにいったい、なぜ今まで気付かなかったかね?」
『それが、突然あらわれま・・・ああ!!』
「ど、どうした!?」
『こ、航空機。ロ、ロスト』
「何!?」
『明らかに、普通の航空機ではありません!! 速度確認もできませんでしたし、それに』
「それになんだ?」

髭眼鏡(仮)が机に手のひらを組みながら聞く。

『レーダーのステルス機能に加え、視覚効果のステルス効果までもが完全に再現されています!!』
「ち! どこぞの新型偵察用航空機というわけか」
「しかし、碇。今更どこのモノだと思う?」
「・・・分からん。だが、所詮は隠れるだけしかない技術だ。どうということもない」

・・・何やら、思い当たる節が多いようだ。怪しいこと、この上ない。



『ドサ!!』

アンカーが、パラシュートで目標地点に降下した後、すぐに雷電が到着する。

「ふぅ、とりあえず待機ポイントに行くまでにこのパラシュートを隠さなくては」
「そうだな」

そう言って、雷電とアンカーは当たり障りのないところにパラシュートを隠す。
さて、ここで気になるのは二人の服装だが二人ともライダースーツのような服の上にジャケットを着ている。もっとも、アンカー・・・いやそろそろコードネームより本名で呼んだほうがいいだろう。シンジは黒い服。雷電は灰色っぽいスーツと色分けをしており、両方とも材質は違うようだ。

「ふぅ」

シンジは、酸素マスクをとりながら辺りを見渡す。その横に雷電が立つ。

「・・・雷電。いや、ジャックさん」
「なんだ?」
「いい加減マスクを取ったらどうです?」
「!・・あ、ああ、そうだったな」

『バサ!!』

マスクをはずしたそこには銀髪で短髪の米人の顔がある。中々の2枚目だ。とはいえ、シンジのほうも年齢には似つかぬ精悍な顔立ちをしている。ちなみに、シンジの髪型の方は、というときれいな黒髪の長髪を肩までたらし、それを首のところくらいで一纏めにくくっている。間違いなく、二人とも女性にもてるだろう。しかし、雷電・・いや、ジャックのほうはローズという彼女がいるのでその辺は関係ないようだ。

「さて、それもパラシュートと同じ場所に隠しておきましょう。後で、別チームが回収してくれますから」
「わかった」

さて、そう言って二人はその場所を移動して待機ポイントへと着く。

一時間後

『大佐、聞こえますか?』

シンジが自分の首筋に手を当て、体内通信を行う。

【ああ、聞こえている】
『待たせましたね。待機ポイントに到着したのですが』
【そうか。とりあえず、第一段階は終了だな】
『・・・いえ、それが』
【どうした?】
『ターゲットが現れません』
【は?】
『復唱します。今回、接触するはずの葛城ミサトが1時間もオーバーしても待機ポイントに現れません』
【何!?・・・ま、まさか、ローズ君の言ったとおりなのか?】
『は? どうことだローズ?』

回線を静かに聴いていたジャックが、会話に参加してくる。

【いえ、それがね。今回接触するはずだった彼女のことを事前に調べたんだけど。・・・かなり勤務態度に問題があるの】
『といいますと』
【はい。それが遅刻・早退は当たり前のいわゆる給料泥棒と呼ばれる人種です】
『・・・なんで、そんな者がクビにならずにいるのです?』

本当だ。どのようなところであっても、そのような人種は働くものたちにとって敵といっても過言ではないのだ。

【それが、彼女の緊急時における作戦立案能力は高いようで、それが買われているとのことです】
『・・・ローズさん』
【はい。何でしょう。アンカー中佐?】
『クビにならない理由は、ほかにも在りそうです。調べておいてください。それと私のIDの使用を許可します。大佐に言って情報の閲覧用ライセンスをもらっときなさい。これからも、随時、調べてほしいモノができたときは頼みますので』
【分かりました】
『・・・ということは、今回は寝坊とかで来ないということなのか?(汗々)』

ジャックが、いや〜な汗をかきながら話す。

『・・・のようですね。・・・・はぁ〜〜〜』
【こうも早く、非常時用のバイクを使うことになるとはな】
【そ、そうですね(汗々)】
『・・・仕方ないですね。ここも非常警戒態勢で誰もいません。ここいら一帯も危険になるでしょう』
【わかった。君たちはAポイントに配置したバイクで独力でネルフに向かってくれ。Aポイントは、そこから北に30Mの地点にある建物の裏だ。それではよろしく頼む】
『了解』
『了解・・・ああ、そうそうローズさん』
【何ですアンカー中佐?】
『それです。これからは本名で潜入しますからシンジと呼んでください』
【わかったわ、シンジ】
『OK、それでは引き続き任務を続行します』


「エ、エビチュ〜〜・・・Zzz」
ネルフは、最低な人種に案内役を任せたようだ。待ち人との出会いは、もっと後になりそうであった。


[後書き]
はい! というわけで、第一話ですw いかがでしたでしょうか? とりあえず、ここでメタルギアの原作を知らない人のために、体内通信について説明します。体内通信とは文字通り体内に埋め込んだ通信機を用いて行われます。骨の振動によって音声を相手に伝えますから、外界の人には一切聞こえません。無論、体内にあるからして、通信機の有無を相手に察知されることなく、堂々と交信することができるといった優れものですw

さて、こんかいは第三新東京都市に潜入ということで次回で、エヴァとの出会いがあるのですが・・・本作では、あまりエヴァの重要視されません。・・・汎用と言いつつ全然、汎用じゃないですからw

さて、ここで前回のレスの返事をしておきます。

>らりるれろさんへ

>ところで「レイ」というのは量産型メタルギアRAYですよね。綾波のほうじゃないです>よね(笑)
はい、激しく綾波レイではありませんw 彼女を兵器にするのはちょっとw というわけでまちがいなくメタルギアRAYのことです。というわけでレス、ありがとうございます。次回も本作をよろしくです。

>Pr.Kさんへ

MGS3は、僕はクリアしてただいま2週目に突入ですw ソリトンレーダーがない分。今までより難しいかもしれませんw というわけでレスありがとうですw 次回もよろしくですw

というわけでみなさん、次回よろしくです。以上、ホワイトウルフでした。

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