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「Fate/capture night(Fate+CCさくら)」

SK (2004-12-22 00:34/2004-12-22 01:59)
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十年前、大きな火事があった
そのときの事は、よく覚えていない
唯一残っているのは、自分を護り続けてくれた優しい手のぬくもりだけ


「さくら〜朝やで!はよ起きな!」

「主、起床の時間だ」

ゆさゆさと、思いっきり揺さぶられる感覚と耳元の大きな声

「う〜、おはよ、ケロちゃん、月(ユエ)さん」

目を覚ますと、ぬいぐるみ?と綺麗な顔が覗きこんでいた
ぬいぐるみみたいな方は、本名ケルベロス。私はケロちゃんって呼んでる
綺麗な男の人の方は月さんっていう名前
二人とも、私の使い魔・・・って言うらしい、多分

「お兄ちゃんは、もう起きてる?」

「まだ土蔵で寝てるみたいやで」

普段はお兄ちゃんの方が早いんだけど、鍛錬で疲れているときは、私の方が先になる
それでもケロちゃんや月さんに起こしてもらわないと先に起きれないんだけど

「そっか。じゃあ、封印解除!鏡(ミラー)!」

一枚のカードから、長い髪の女の子が出てくる

「一緒にお兄ちゃん起こしに行こう?」

「は、はい!」

嬉しそうにはにかむ
ミラーちゃんはお兄ちゃんの事が大好きだ

「おにいちゃん、朝だよ〜」

土蔵を覗きこむ
少し顔を歪めてる。なんだか苦しそう

「昨日も、遅くまで鍛錬してたのかな」

お兄ちゃんと私は“魔術使い”だ
でも、私がそれを知ったのはケロちゃんと出会ってしばらく立った後だった
その後、ケロちゃんや月さんに色々教えてもらって、私達は“魔術使い”になった

「あ、あの、起きてください。士郎様」

ミラーちゃんが一生懸命お兄ちゃんを揺さぶってる
でも今日は、なかなか起きない
おかしいな、いつもならすぐに起きるのに

土蔵を見渡す
お兄ちゃんが“投影”したと思われる剣がいくつかあった
ケロちゃんが言うには、お兄ちゃんは武器専門の投影術士らしい

『兄弟そろうて、なんて規格外なんや』

って言ってたなあ
本とかで読んだのはダメみたいなので、お兄ちゃんは博物館に通って投影できる剣を増やしてる

「う・・・・・・ん」

ぼんやり考え事をしてると、お兄ちゃんが目を覚ました

「あっ、おはよう!お兄ちゃん」

「おはよう、さくら」

「お、おはようございます!士郎様」

「あっ、ミラーもおはよう」

お兄ちゃんがにっこり笑って挨拶してくれる
ミラーちゃん、とってもうれしそう

「ご飯作ろう。もうそろそろ、桜さんと慎二さんが来るよ」

「おっ、そうだな。じゃあ俺は、顔洗ってから台所に行くよ」

「うん、早めにきてね。鏡(ミラー)、戻って」

ミラーちゃんをカードに戻す
さあ、今日もがんばろう!

「おはようございます、先輩、さくらちゃん」

「おはよう、衛宮、さくらちゃん」

お兄ちゃんと朝ごはんの準備をしていると、桜さんと慎二さんが来た
桜さんとは、名前が一緒。でも、私はひらがなで、桜さんは漢字だから少し違う

「おはようございます、桜さん、慎二さん」

「おはよう、桜、慎二」

あいさつを返しながらも、私もお兄ちゃんも手を止めない

「あっ、さくらちゃん、盛り付け手伝うよ」

「衛宮、使うのはこの皿か?」

桜お姉ちゃんと慎二さんが手伝ってくれる
前にお兄ちゃんが怪我をした時から、二人とも時々家に来て、こうしてお料理を手伝ってくれる

「今日は藤村先生こないんですか?」

「あ〜、昨日藤村組で宴会あったらしくてな、まだ二日酔いで寝込んでると思う」

そんなお話をしつつ、お箸は進む

「「「「ごちそうさまでした」」」」

今日もおいしかった♪

「そうだ、僕はしばらくここへこれなくなるから」

朝ごはんの後、慎二さんがそんな事を言った

「そうなのか。桜もか?」

「え、えっと」

はにゃ?どうしたんだろう、お姉ちゃんはもじもじと言いにくそうにしている

「いや。僕が家の用事を任されちゃってね。桜にも最初の方は手伝ってもらうけど、僕より長くはないから。その間、桜のことよろしく頼むよ」

そういった慎二さんは、何かを決めた目をしてた


前に、桜さんと慎二さんの仲が悪くなっちゃったことがあった
桜さんに、慎二さんが酷いことしたらしい
あの時は、桜さんと私が話して、慎二さんをお兄ちゃんがしかって、仲直りしたけど
それに近い空気があった

「ちょっといいかい?さくらちゃん」

食事の後片付けをしている最中、慎二さんに手招きされる

「慎二さん、もしかしてたのみごと?」

少しそわそわしてるのが、お兄ちゃんが私にたのみにくいことをたのむ時に似てた

「ああ、僕に何かあったとき、衛宮に伝言をして欲しいんだ」

「何かって?」

すごく、嫌な予感がする
慎二さんは、曖昧に笑うだけで何も応えてくれなかった

「“遠坂に、桜を頼むって伝えてくれ”って言ってくれ。それで多分伝わる」

「遠坂って、お兄ちゃんの話にたまに出てくるよ。お兄ちゃんの学校の、とっても綺麗で頭のいい人だよね。どうして、お兄ちゃんに言わないの?」

ここでうなずいたら、慎二さんと二度と会えなくなりそうで嫌だった
お兄ちゃんが無理をしてるときと、同じ感じがしたから

「はは、衛宮も男だな。学園のアイドルにはやっぱ興味あるのか。・・・・・・分かったよ、降参だ。だからそんな目でみないでくれ。衛宮に言わないのは、怖いからだよ」

不安を込めてじっとみつめると、まいったというように慎二さんは手を上げた

「こわい?お兄ちゃんは時々きびしいけど、こわくはないよ?」

「うん、あいつは馬鹿がつくほどのお人よしだからね。だからこそ、恐いんだ。あいつが受け入れるのも、許すのも、助けようとするのも。そうする度に代償になってるのはあいつ自身だって、あいつは気づいてないし、気づいてもやめないだろうから、余計にね」

慎二さんのお話は難しくてよく分からなかった
それに気づいたのか、慎二さんは少し笑って私の頭を撫でてくれた

「別に分かろうとしなくてもいいよ。それに、衛宮にはさくらちゃんがいるからね。最後の最後で、衛宮はさくらちゃんを護るだろうから、僕も少しは安心できる」

じゃあ、また

そう言って、慎二さんは家を出た


「う〜ん、どうしたんだろう。慎二さん」

「なんか最近ここら一帯の魔力の流れが変やからなあ。大掛かりな魔術儀式でもあるんとちゃう?」

部屋に戻って、学校に行く準備をする途中、ケロちゃんに聞いてみる
ちなみに、桜さんと慎二さんがいるときは、ケロちゃんは隠れてる
月さんはたまに姿を見せるけど、やっぱり避けてるみたい
何でも、“魔術の匂いがするからか”らしい。ケロちゃんが言うには、魔術師同士はお互いのことを明かしちゃいけないんだって
二人が言うには、間桐の家は魔術師の家なんだろうって

「ああ、大掛かりな魔術には危険が伴うからな。その男がメインで妹がサポートなのだろう。兄妹揃って魔術師というのは珍しいが、まったくないと言うわけでもないしな」

う〜ん、ちょっと違う気がする。理由は分からないけど

「まあ、魔術師ならそんくらいのリスクは常に覚悟しとるもんや!それより、そろそろ出んと間に合わんで?」

時計をみる
ちなみにお兄ちゃんは、桜さんと一緒に出かけて行った
お兄ちゃんは、慎二さんと桜さんと藤村のお姉ちゃんと、後主将さんに頼まれて時々弓道部に顔を出してるらしい

「いっけない!」

ぬいぐるみのケロちゃんと、青い宝石になった月さんをバックに入れて家を飛び出す
勿論、どんなに急いでいても戸締りは忘れちゃいけない


り〜んご〜んか〜んこ〜ん

「きりーつ!れい!」

学校が終わった

「今日はお兄ちゃん遅くなるって言ってたし、私がお買い物しなきゃ」

今日の晩御飯は何がいいかな〜って考えながら歩いてると

「こんにちわ。あなたが衛宮さくらね」

すごくかわいい女の子がいた

「ほえ〜きれい。私のこと、知ってるの?」

私がきれいって言うと、女の子は少し赤くなった

「ふ、ふん!私がきれいなのは当然よ。あなたは、どっちなのかしら?」

赤くなった顔を少し振ると、きびしいカオになって、そうきかれた

「ほえ?どっちってなにが?それに、お名前はなんて言うの?」

お兄ちゃんもお父さんも言ってた、初めてお話しする人には、まず名前を聞きなさいって

「はあ、まあ順当に考えれば士郎の方よね。こんなほえほえした子に継がせるはずはないし。私の名はイリヤスフィール・フォン・アインツベルン」

「い、イリヤス・・・何?」

名前が長くて覚えられないよう

「はあ、イリヤでいいわ。特別にそう呼ばせてあげる」

ため息をついてそういった女の子は、私と同じくらいにも、ずっとお姉さんにも見えた

「ありがとう、イリヤちゃん!」

「じゃあね、私は士郎に挨拶してこなきゃいけないから。また、縁があったら会いましょう?」

手を振り合って、私達は別れた
また会えるといいな、と思いながら


「え〜と、後はお肉屋さんと・・・あっ!」

持っていた買い物袋を取り上げられた
こんなことをするのは

「このくらい我(オレ)にとってはなんともないが、お前には重いだろう。持ってやる」

「ギルお兄ちゃん!」

お父さんが死んじゃった後、私とお兄ちゃんによくしてくれたのがこのギルお兄ちゃんだ
お葬式が済んで、一週間くらい立った時に、初めてあった
本名はとても呼びにくかったから、私とお兄ちゃんは略して呼ぶ事に決めた

“衛宮切嗣が死んだというのは、本当だったのだな”

家を見渡して、そう呟いていたのをお兄ちゃんが見つけた
その後、お食事を出したら、とても感動された

“今後、我の食事を作ることを特別に差し許す”

そう行って、家によくご飯を食べにくる
時々、褒美だと言って食費もくれる。私とお兄ちゃんがいらないといっても、強引に渡された
お父さんのお仕事で関係があったらしい
ケロちゃんと月さんが隠れていたときもすぐに見つけて、驚いた

“そこな使い魔。こそこそと隠れられるのは不快だ。今すぐでて来い”

あの時は、とても怒っていた
仕方なく私がカードのことを正直に話すと、なぜか誉められた
ケロちゃん達が言うには、ギルお兄ちゃんは魔力が桁違いに多いらしい
若く見えるけど、本当は一級の魔術師なのかもしれないって

「他の店も回るのであろう?我が持ってやると言っているのだ、素直に甘えろ」

「えへへ、ありがとう。今日は桜さんも慎二さんもこないって言ってたから、一緒にご飯食べよう?」

「それは良いな。お前達の料理は美味い」

ギルお兄ちゃんは、桜さんや慎二さんが来てるときは絶対にこない
一度だけ理由を聞いたことがあるけど

“我が食を共にすることを許したのは士郎とさくらのみだ。まあ、フジムラや桜の使い魔は許してもよい。だがそれ以外の雑種は許さん”

そんな、よく分からない答えが返ってきた
分からないなりに、ギルお兄ちゃんは人見知りが激しいのかな、って思った

「頑張るから、楽しみにしててね!」

「当然だ。我は能力のない者に期待などかけぬ」

そういったギルお兄ちゃんの目は優しくて、私はとってもうれしかった


そのとき、私達はまだ知らなかった
運命の夜が、近づいていることを


To be continued...?

えー、先を思いついたため、前に投下した一発ネタの改訂版です
聖杯戦争までたどり着くのも時間がかかりそうです
CCさくらの方はだいぶ忘れてるんで、口調とか違うかも
月はオリジナルです。いやだって、雪兎さんはヤバイです。話が違う方向へ行きます。なので、普通に使い魔です。仮の姿も、適当に考えました
カードは原作版です。アニメ版は反則過ぎます

慎二とかギル様とか士郎とか性格違います。理由はありますよ?
本編中、親友のはずがかけらもそんなとこがなかったとか、十年間現界してるのに何で一度も会ってないんだとか。私が本編で納得いかったので
士郎に関しては、あの大火事で“誰も救えず一人だけ助かった”ことにあの性格の由来があると思うので

マスターとサーヴァントの組み合わせも、二組ほど違います

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