時は遡って、死津喪比女との決戦前。
祠で導師の残留思念が現れて、あの映像を観終わった後のことである。
「『『「え?(ふぇ?)(へ?)(は?)」』』」
四人の来訪者が上げた、間の抜けた声が揃って洞窟内に響く。
その四人の内、赤いバンダナに黒装束の少年――横島が、空中に浮かぶ導師に向かって手を挙げる。
「え、え~~と。つまりあの幽霊、ワンダーホーゲルを山の神にする必要はないってことですか?」
『うむ、そなたらが何を勘違いしておるのか分からぬが、
別にそこの幽霊を山の神にせずとも、おキヌを生き返らせることは可能であるぞ?
それに地脈の力も十分に溜まっておるから記憶のほうも大丈夫であろう。
そもそも本体が残留思念である私を遺したのはその為でもあるのだぞ?』
会話の内容を聞けばお分かりであろうが、こういう事である。
おキヌ復活の為には、まず、ワンダーホーゲルに山の神に成ってもらい、
地脈のコントロールを覚えてもらう必要があると横島達は考えていたのだ。
そして、記憶の保持についても話をしようと思っていたのだが……
しかし、それを聞いた導師は目を丸くして、驚いた様子でこう言ったのである。
――――曰く、『そのような事をしなくても、おキヌは生き返れる』と。(※注:1)
その返答が、先程の四人が上げた間の抜けた声であった。
『あ、あの~~。つまり自分は山の神には成れないんスか?』
『いや? そんなことはないぞ?
じゃが、折角地脈と繋げて何時でも生き返らせる状態を保っておるというのに、
わざわざその繋がりを切ってしまえば、それこそ誰かの霊を山の神にし、
地脈の操り方を覚え、力をつけて貰わなければならなくなる。
つまりは、時間が掛かる上に二度手間になってしまうのじゃ。
何故そんなことをしなければならないのか、私の方が聞きたい』
おずおずと尋ねるワンダーホーゲルに答えながら、導師は心底不思議そうな顔で横島達を見下ろす。
要するに、元からこの装置はおキヌ復活へのプロセス準備が整っていたのだ。
それを元の時代では美神がおキヌを地脈から引き離し、ワンダーホーゲルを山の神にしてしまった為、
彼の協力なしにはおキヌ復活ができなくなっていたのである。
考えてみれば、元々この装置を作った導師はおキヌを生き返らせるつもりであったのだから、
その為の工程が装置に組み込まれていないわけがないのだ。
そして、その作業を制御する為に導師の残留思念が遺されているのである。
それ故、彼にしてみれば横島達が頼んだことは、復活の作業手順の手間を増やすだけでしかなく、
おキヌの復活を望むはずの彼等が、何故そんなことを言い出すのか不思議に思うのも当然である。
これは実際にその方法でしか復活のプロセスを見ていない横島達と、
元からそのつもりで遺されていた残留思念との、認識の差であろう。
「あ~~。いや、すみません。どうもこちらが勘違いしていたみたいです。
普通、地脈とかに繋がれた霊は山の神になるはずですから、
そういう人が要るのではないかと、勝手に思い込んでいたようです」
『ふむ……まぁ、そう考えてしまうこともあるのかもしれんな。
だが、その話は死津喪比女が滅んだ後でなければ意味はない』
不思議そうな顔で問われた横島は、戸惑いながらも当時の常識を鑑みた言い訳で答えると、
導師も一応は納得した様子で頷いた。
「では、その後ならば彼を山の神にするのにご協力して頂けるのですね?」
『うむ。おキヌの友人として話し相手になってくれていたという貴殿に、私からも礼を言いたいからな。
死津喪比女が滅び、おキヌを生き返らせた後ならば喜んで協力しよう』
『ほ、本当っスか!? ありがたいっス! これで山の神に成れるっス!!』
『これこれ、喜ぶのはまだ早い。
まずは死津喪比女の本体の居場所を探さねばならないが、私も正確な位置が掴めないのだ。
恐らくは彼奴が地脈の流れを乱し、正確な位置を知られないようにしておるのだろう。
無論、方法が無い訳ではないのだが……』
言い淀む導師の様子に、横島が苦りきった表情でその言葉の続きを口に出す。
「それは、おキヌちゃんに霊体ミサイルになってもらい、
地脈の流れを辿りながら本体を探し出すという方法ですね?」
『……“みさいる”というのが地脈の力を運び、目標へと導く役目のことを言うのであるならばその通りじゃ。
じゃが、それは最後の手段でもある。
そんなことをすれば、おキヌの霊体は修復不可能になってしまうくらいに破壊されてしまうじゃろう』
「そんな! 初代様はそっただことをおキヌちゃんにさせるつもりだっただか!?」
導師の言葉に思わず早苗が反発するが、父親が娘の肩を抑え、なだめるように言う。
「落ち着きなさい、早苗。初代様は最後の手段と仰ったのだぞ? まだ、その段階ではないということだ。
初代様、娘が失礼致しました、どうかご容赦下さい」
『いや、かまわぬ。そう思ってしまうのも無理はない。
私もできればそのような手段は取りたくはないのでな。
じゃが、そなた等はどのような方法で探すつもりなのだ?
口ぶりから察するに、なんらかの算段があるようじゃが』
導師の質問に答えたのは横島である。
横島はとりあえず“前”の出来事を頭から追い出し、苦りきっていた表情を改めると、
ポケットから文珠を数個取り出して導師に見せる。
「それは、これを使うつもりです」
『む? …!! そ、それはまさか! 文珠!?』
「流石は導師殿、ご存知でしたか」
文珠のことを知っている様子の導師に、
横島は彼ほどの霊能者ならば知っていてもおかしくないと思ってそう答えた。
『うむ。私の本体は以前、あるお方に教えを請うたことがあってな、
その時、何かの折に見せて頂いたことがある。
そなたの文珠は、それとまったく同じ物だ』
「あるお方?」
横島は小首を傾げて尋ねる。
果たして自分以外に文珠を作れた人物が居たであろうかと思ったからである。
『うむ。その昔、京の都(みやこ)で時の天皇に右大臣にまで登用され、学者としても名を馳せ――』
導師から出た次の言葉は意外な――しかし、考えてみれば十分ありうる――人物の名前であった。
『九州は大宰府にて没し、学問の神様として崇められているお方――
――――菅原道真公(すがわらのみちざねこう)じゃ』
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GS横島!? 幸福大作戦!!
第十一話『月と桜』
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「(チャプ)ふぃ~~~」
カポーンと、そんな音が聞こえてきそうな露天風呂に、まったりとした声が流れる。
(しかし、まさかあそこで道真公の名が出てくるとはな~)
タオルを頭に乗せ、心底心地よさそうな顔で湯に浸かっている横島は、
昼間、祠で導師と交わした会話を思い出していた。
(だけど、あの当時にあれだけの装置を造るには相当な知識が要るのは確かだ。
それを道真公の教えで考案することができたとするならば、十分考えられるな)
パシャっと両手で湯を掬い、顔に浴びながらそう推察する。
導師の話によれば、当時から道真公の教えを受けようと彼の下を訪れる者は後を絶たなかったと言う。
しかし、あまりにもその数が多すぎる上に、そうそう頻繁に教えを施しては神としての威厳が薄れる。
それ故、その中から一部の優れた素質を持つ者のみを厳選して教えを説くようにしており、
導師も運良くその中に選ばれたそうである。
妙神山が“武”を司る修行場であるならば、大宰府はまさしく“知”を司る修行場と言えよう。(※注:2)
しかし、現代では優れたオカルトアイテムの発明や、大規模な結界装置の開発が進み、
当時は一部の霊能者や修験者の秘伝として知られることもなかったオカルト知識も、
今では広く一般に知られるようになった(一般的なオカルト知識の事であり、個人の秘伝は別である)。
その為、覚え難く、複雑な古(いにしえ)の知識を覚えようとする者も少なくなってしまったそうである。
人間、誰しも楽をして儲けたいと思うものだ。
ある程度の霊能力の才能、GSの資格、そして資金さえあれば容易に手に入る除霊道具と、
学校の教科書にも載っているような基礎的な知識(勿論、六道のような専門学科の)。
通常の悪霊を相手にする並のGSであれば、これだけで十分なのだ。
無論、GSとして成功するかどうかは別としてではあるが、
魔族や伝説級の妖怪を相手に出来るようなGSなど、美神を含めた極一握りの優秀なGSのみである。
わざわざ辛く、長い修練を必要とする古の術を習い覚えてまで自己を高めようとするよりも、
楽な方法で稼ぎたいと思う者が増えるは当然と言えるであろう。
尤も、道真公に教えを請いに訪れる者が減った最大の理由は――学歴社会が産んだ弊害、
すなわち、受験生が合格を祈願して彼の下に殺到するようになってしまった為である。
これは“前”に、何かの席で思い出話に花を咲かせていた時に、
平安時代での事を美神と語り合っていた際、ついでに聞かされた話であった。
それはさておき――
横島は祠を出る際に言った導師の、道真公から伝えられたという言葉が気になっていた。
(『もしも自分以外に文珠を使う者が現れたら可能な限り力を貸してやって欲しい』か……
道真公は何故導師にそんな事を伝えたんだろうか?
ひょっとして平安時代で会ったからか? だとすると、一度道真公に会う必要があるかもしれないな)
もし機会があれば会ってみようかと考えながら、
コキコキと首を鳴らしたり、肩を回したりと身体の具合を確かめてみる。
既に霊体痛もだいぶ治ってきていた。
決戦の場から宮司に背負われて神社に戻って来た横島であったが、
その頃には歩けるぐらいまで回復し、宮司からも早苗からも驚きを通り越して、呆れた顔をされたものだ。
流石、かつてはあの折檻の嵐にも負けずにすぐさま復活していた横島であった。
尤も、当の本人は『流石に霊体痛となると直ぐには回復しないなあ』などと思っているのだから、
一体どういう身体の構造をしているのか、一度調べてもらいたいものである。
「さて、そろそろ上がるか。後も痞(つか)えているだろうし……」
誰にともなく呟いて、上がろうかと腰を浮かせる横島であったが、
不意に背後からこの場には居ないはずの人の声が掛かり、その動きを止める。
「別に慌てなくてもいいんじゃない? もう入って来てるし。ね? お兄ちゃん♪」
「ね? じゃねーだろ! 何考えてんだ!? いくらなんでもマズイだろうが!!」
横島は、自分を兄と呼ぶ只一人の人物のお気楽な声に、浮かした腰を落として声を荒げる。
「大丈夫よ、宮司さんにはお兄ちゃんには介護する人が必要だって言ってあるから。
それにちゃんと湯帷子(ゆかたびら)も着てるし、問題ないでしょ?」(※注:3)
「湯帷子?」
聞き慣れない単語に、それまで姿を見ないように前を向いたままでいた横島は疑問の声を上げ、
妹の方に振り向く。
そこにあったのは、温泉宿などで女性客が身に着ける白い布を纏ったタマモの姿であった。
「そうよ、知らないの? 昔の人は湯に浸かるときには、こういう白い着物を着て入浴してたのよ?」
そう言いながらタマモは、スタスタと湯船に近づき、風呂桶で湯を掬い、自らの身に掛ける。
その自然な動作に思わず「そうなのか?」と横島が質問し、
タマモも「そうよ」と答えながらソッと湯船に浸かり、兄の隣に腰を下ろす。
ちなみに湯帷子とは、タマモの言うように平安時代から始まった貴人の入浴スタイルであり、
浴衣の語源ともなった着物であるが、どうやら少々記憶違いをしているようである。
タマモが前世の朧気な記憶から、これが現在の湯帷子と思っているようであるが、
正確に言えば、汗取りと裸を隠すことを目的とした入浴時の専用着である湯帷子は、
現代に例えるとバスローブがその用途に最も近いであろう。
温泉場で、単に裸を見せないようにする為の白い布とは、少しばかり意味合いが異なる。
確かに、裸を見せないようにするという意味では間違ってはいないのだが……
「って、問題あるわ!! いくら兄妹でもこの歳で一緒に風呂に入るなんて問題がありすぎる!」
思わず『そうか、あれって湯帷子っていうのか……』と、若干間違った知識を刷り込みながら、
元の時代、温泉場などに除霊依頼で行った時に、苦労して女湯の覗きに成功したものの、
あの白い布に折角の絶景を阻まれ、血の涙を流して悔しがっていたのを思い出していた横島であったが、
ハッと我に返ると、猛然と妹に向かってそう抗議する。
「アラ? お兄ちゃんにしては常識的なことを言うじゃない?」
しかしその抗議も、あっけらかんとした表情で言うタマモに返されてしまう。
「お前なあ! 『ごめんなさい、タマモちゃんがどうしてもって押し切られちゃって』って、おキヌちゃん!?」
更に文句を言おうとした横島であったが、
上から申し訳なさそうに言う妻の声が聞こえてきて、上を見上げる。
「お、おキヌちゃんまで……」
『ごめんなさい、横島さん。お養父さんやお養母さん、
早苗お姉ちゃんには背中を流すだけで服は脱いでいないって言ってありますから』
「おキヌちゃんが謝ることはないわよ、私の我儘(わがまま)なんだし。
お兄ちゃんが気にしなければいいだけの話なんだから」
「ハァ~~~……ったく。それよかおキヌちゃんこそいいのか?
家の人に知られたらそれこそ大騒ぎだぞ?」
『私は、月が見たくなったからちょっと外に出ますって言ってきましたから』
「月?」
おキヌの言葉に日が落ちてすっかり暗くなった夜空を、おキヌの頭上から更に見上げてみる。
「うわぁ~、綺麗な満月じゃない。確かにこれは見たくなるわねぇ~」
確かにタマモの言う通り、夜空には見事な満月が煌々と神秘的な光りを放っていた。
「へぇ~、確かにな。この満月を見ながら温泉に浸かるってのも乙なもんだ」
「それに家族一緒で見るから尚更ね♪」
「家族一緒ってお前な……はぁ、ま、それもいいか」
「そうそう、それでいいのよ。さ、おキヌちゃんも早く♪」
『(クスッ)そうですね。それじゃお邪魔して……』
「邪魔なんかじゃないわよ! ほら、もっとくっつくの!」
タマモの誘いに微笑みを返して温泉に浸かりながら横島の隣、
タマモとは反対側に腰を下ろすおキヌであるが、まだ幽霊の身であるために気分だけのものである。
しかし、入る時のおキヌの言葉に何故か抗議の声を上げたタマモは、
もっと側に寄るように言うと、自身も兄の身体に密着するように肩を寄せる。
そんなタマモの様子に、おキヌは苦笑を返して言われた通りに夫の身体に身を寄せたのであったが、
一方の横島にしてみれば落ち着かない状況になっていた。
右に妻のおキヌ、左に妹のタマモと、美少女二人に挟まれる格好となった横島は、
自分の心拍数が上昇していくのを感じとっていた。
(な、なんなんだ、この状況は……)
余人が見れば羨ましさに身悶えする状況であったが、
ふと、家族一緒と言ったときのタマモの表情に陰りが差していたような気がしたのを思い出す。
そして、昼間の決戦時のタマモの様子も一緒に思い出していた。
「なあ、タマモ。昼間何があったんだ? いつもよりもずっと強引な気がするが」
「え? えっとぉ~~別に何も『タマモちゃん?』って、なに? おキヌちゃん」
『あの最初に出てきた死津喪比女の“花”。あれだけが他と違う感じがしたけど、それと関係あるの?」
「う゛……」
「やっぱり何かあったんだな? ほれ、正直に言ってみろ」
二人に詰め寄られたタマモは、顔を俯かせ、悪戯を咎められた子供のように話し始めた。
◆◆◆
『そう、それであの花だけが他と違っていたのね』
「ったく、それならそうと早く言えってんだ。
まぁ、俺も株分けされていた可能性を見落としていた訳じゃないが、
文珠を叩き込んだ時に、他に手応えを感じなかったからな。
それで、本体はあれだけだと思って思いっ切り全力で霊力を叩き込んじまったから、
お前に文句を言う筋合いはないんだが……それでも、一言くらいは欲しかったぜ?」
「ゴメンね? お兄ちゃん、おキヌちゃんも。
でも、あの時のお兄ちゃんじゃどうしようもなかったでしょ?」
「まあ、その通りなんだけどな。
でも、運良くソイツが地表に出ていてくれたからよかったものの、
地中に潜ったまんまだったらどうするつもりだったんだ?
土の中じゃお前の鼻だって効かないだろうに」
「うん、実を言うとね、あの時風に乗ってアイツの気配って言うか、臭いを感じたの。
ほんのわずかな、かすかな臭いだったけど、あの場所が丁度風下だったから運がよかったわ」
『それで急に立ち上がったのね』
「ええ、アイツに逃げられない内にね。ま、なんとか間に合ったわ」
「で、難しい顔していたのは俺に相談しようかどうか考えていたからか?」
「その通りよ。お兄ちゃんに文珠で探して確かめて貰おうかと思ってたけど、
あの時の様子じゃ文珠の制御も無理っぽかったし、どうしようかと思っていた訳よ」
「まったく、無茶しやがって」
「お兄ちゃんほど無茶はしてないわよ! 大体ぶち切れて霊力が底尽くまでぶっ放したのはどこの誰よ!?」
「う゛……」
『まあまあ。でも、みんな無事でよかったです』
タマモから事情を聞いた後、そんな会話を交わしていた彼等であったが、
そろそろ横島がいい感じに茹ってきたために、一旦会話を打ち切って温泉から上がることにした。
その為、タマモが見せた陰りについては聞きそびれてしまっていたのだが、
一方のタマモも、死津喪比女との最後の会話については一言も触れなかったのだ。
そして、あの時感じた胸の軋みと一緒に心の奥底にしまい込むことにしたのである。
いつもと変わらぬ二人の温もりを感じながら……
◆◆◆
夜の帳(とばり)がおりて、夜空の闇が深まってきた時間帯。
既に、神社の家人達はそれぞれの寝室で夢の世界へと旅立っている頃であり、
客人達もあてがわれた部屋で明日の為に眠りに尽いている――
――はずであった。
「(クイッ)ふぅ~……ん? まだ起きていたのかね?
君は身体を休めなければならんだろうに」
縁側で一人、手酌で晩酌をしていた宮司であったが、
不意に感じた人の気配に振り返ると、夕食後、部屋で休んでいるはずの横島が立っていた。
「ええ、ですが温泉のお蔭でだいぶ良くなりました。
それにこんな見事な満月は中々見られませんから……
よくここで晩酌をされているのですか?」
「ああ、この時期の私の楽しみでね。庭の桜も丁度良い感じに開いてきておる」
その言葉に庭に眼を向けると、松などが植えられている庭の中に、
一本だけある見事な桜の木が、これまた見事な花を咲かせていた。
昼間、この庭に入ったときはあまり気に留めていなかったが、
改めて見る満月の光に照らされた桜の花は、幻想的なまでの美しさを誇らしげに放っていた。
東京では既に散り始めるか、散ってしまっているのだが、
標高の高いこの地では満開……とはいかないまでも、五分咲きの桜が楽しめるようである。(※注:4)
「これは見事な……月見に夜桜、なかなかできない贅沢ですね」
「ハハ、それにこの時期はまだ雪がちらつくこともある」
「これに加えて雪見酒ですか。東京のお父さん方が聞けばさぞ羨ましがるでしょうね」
そう言いながら横島は“前”の記憶を思い返していた。
(そう言えば、元の時代じゃこの時期にこちらに顔を見せられないかって何度か誘われたんだっけ。
結局忙しくて来ることができなかったけど、この人はこれを見せたかったんだな)
そう思うと、元の時代で義理の父親であった宮司に対して申し訳なさが募ってくる。
結婚後は何度か妻の実家に顔を出していた横島であったが、
それは年に何度もなく、ほとんど正月ぐらいであった。
除霊依頼で最も忙しくなるお盆の時期には、ほとんど妻にも帰省させることができず、
それを考えれば、妻の両親に対して孝行らしい親孝行もしていなかったのである。
(おまけに孫の顔も見せてあげることもできずに……か。
ま、結局それは早苗ちゃんが叶えてあげてたけど)
ちなみに義姉の早苗は、妹に遅れること二年で念願の山田先輩と結婚していた。
(しかも出来ちゃった婚ってベタな結婚式だったもんなぁ。
あの時の早苗ちゃんの慌てっぷりは見物だったっけ)
その時の早苗は『恥ずかしくて死にそうだぁ~』とか、『やっぱりあの時に……』とか、
真っ赤な顔で色々と独白したあげくに、更にドツボにハマったりしていたものである。
そして、やがて産まれた子供は男の子であったが、早苗にもよく似ていたものであった。
(あれを見て、いつかは俺達もって……いかんいかん、前は前、今は今だ。
とにかく、明日はおキヌちゃんを生き返らせるんだから、しっかりしないとな)
「? どうしたんだね? いきなり首を振ったりして」
宮司は黙り込んで桜を見ていた横島が、急に頭を振った様子を見て訝しげに尋ねる。
「ああ、いえ、なんでもありません。
それよりも、ご相伴させていただいてもよろしいですか?」
「ご相伴って……君ね、いくらなんでも未成年の君を晩酌の相手にするわけにはいかんよ」
「しかし、これだけ見事な満月と桜。一人で飲むにはもったいなさ過ぎると思いますが?」
その言葉に「むぅ……」と唸る宮司。
確かに晩酌の相手が欲しいとは思っていたが、さすがに未成年者を相手にするわけにもいかず、
されど目の前に居るのは、大人顔負けのことをやってのけた少年であり、
その実力、物腰から実際の年齢を忘れがちになりそうなほどの人物である。
さて、どうしようかと悩んでいる所に、更に、もう一人の声が聞こえてくる。
『ごめんなさい、お待たせしてしまって』
「いや、いいタイミングだよ。おキヌちゃん」
居間の奥からフヨフヨとおキヌが姿を現す。
その両手に持つ盆の上には、徳利と猪口、そして酒の肴の漬け物が入った皿が乗せられていた。
これには宮司も思わず目を丸くする。
「すみません。奥方には了解を取ってありまして、おキヌちゃんに運んでもらったんです」
『勝手をして申し訳ありません。奥様には無理を言って私にやらせていただきました』
二人の謝罪に宮司は、目を丸くしたまま何か言いかけようとしたのだが――
途中でそれを止めると、やがて静かに苦笑しながら首を左右に振る。
そして、やれやれといった感じで小さく溜息を吐くと、横島に視線を合わせ、
「今日だけですぞ?」と言うと、隣に座るように施す。
横島も「はい」と頷いてそれに従う。
縁側に腰を下ろした二人の間におキヌが盆をそっと置くと、静かに一礼してその場を後にする。
彼女の姿が居間の奥に消えると、横島が盆から徳利を手に取り、まずは一献と宮司に差し出す。
宮司もそれを受け取って注がれた酒をクッと飲み干すと、杯を横島に返す。(※注:5)
互いに無言のまま、杯を酌み交わす二人。
二人の間に流れるは静寂。
時折聞こえるは酒を注ぐ音と、酒の肴を食(は)む音、そして虫の声のみ。
ふわりと流れる夜風が、桜の花びらを二人の前に運ぶ。
いつしか天空の満月も高く昇り、満天の夜空と神社の庭を、更なる銀色の世界に染め上げていた。
◆◆◆
「う゛~~~~頭痛ぇ……」
「まったく、まだその身体はお酒に慣れていないんでしょ?
なのに深酒なんかするからよ」
「朝っぱらからガミガミ言わんでくれ、タマモ。頭に響く……」
『ごめんなさい、やっぱり三本は多かったみたいですね』
「おキヌちゃんも、そういう問題じゃないんだから……」
翌朝、不景気な顔の横島を中心に、三人がそんな会話をした後、
朝食を摂るために食堂へと向かう。
「あ、おはようございます。おばさま」
「おはようございます。昨夜は無理を言ってすみませんでした」
「あら、おはようございます、横島君にタマモちゃん。いいんですよ、うちの人も喜んでましたし」
『おはようございます。昨日はありがとうございました。あ、お手伝いしますね』
「あら、いいのよ、おキヌちゃん……って言う所だけど、家の子になるんだし、手伝って貰おうかしらね」
途中で出会った早苗の母親に挨拶すると、おキヌも手伝いに後をついて行った。
既に、昨日の夕食時におキヌが生き返ったら氷室家で引き取る話をしていたのだが、
急に決まった話にも関わらず、母親はもうおキヌを自分の子のように扱ってくれているのだ。
決戦の場から戻る際、一度導師の所に寄って横島が無事であることを報告していたのだが、
その時に導師からこのように頼まれていたのだ。
――『この氷室家は、おキヌの行く末を見守る為に興したものでもある。すまぬが頼まれてくれるか?』――
尤も、現当主たる宮司は元よりそのつもりであったようだし、早苗は妹ができたと大喜びであったが。
その日の朝食は楽しいものであった。
母親が「娘が増えるばかりじゃなくて、そのお婿さんまで出来るとはね~」と言えば、
父親である宮司が「うんうん」と頷き。
その言葉に横島とおキヌが揃って顔を赤くすれば、
早苗とタマモが「「ヒューヒュー♪」」と声を揃えて二人を冷やかす。
横島が「お前らな!」と、わざとらしく怒ったフリを見せれば、
冷やかした二人が、これまたわざとらしく「「キャーー!」」と逃げるフリをする。
そして話を振った張本人であるはずの母親が「食事中は静かにね」と窘(たしな)めると、
宮司が「まあ、いいじゃないか」と言いながら、おかわりをよそってくれたおキヌから茶碗を受け取る。
『はい、お養父さん』と言われて茶碗を受け取ったときには、嬉しそうに顔をほころばせていた。
そこにあるのは、正に『家族』の『一家団欒』の風景であった。
◆◆◆
「いよいよね、お兄ちゃん」
「ああ。だけど本当に記憶の方は大丈夫なのかな?
導師の言葉を疑う訳じゃないが、万が一ってのがあるからな。
やっぱり一応は予定通り、文珠に≪記≫≪憶≫って込めておいた方がいいかもしれん」
『そうですね。記憶がちゃんと残るかどうか不安ですし』
騒がしくも楽しい朝食も終わり、出立の準備をする為に一旦部屋に戻った三人は、
そこで記憶に関しての相談をしていた。
「それなら他にもいい物があるわよ♪ ちょっと待っててね」
兄の言葉にそう返したタマモが、自分の荷物をゴソゴソと探ると何かを取り出してこう言ったのだ。
「“記憶記録装置”~~~♪」
どこかで聞いた事のあるような声をタマモが真似して言うと、
どこからともなく『テケテケテーン♪』と、これまたどこかで聞いたような擬音が聞こえた気がした。
「……お前はどっかの猫型ロボットかっつーの……
で? それは一体何なんだ? 名前からして『記憶を記録する装置』でいいのか?」
「その通りよ♪ ま、そのまんまな名称だけど、これってドクター・カオス謹製のオカルトアイテムよ」
横島が額を押さえながら尋ねると、カオスが作ったものだとタマモが答える。
大きさは縦十五センチ、横十センチで、脳波計のような表示板と、その下に赤と緑の四角いボタンがあり、
その両端には電極のような吸盤が付いていて、厚みは五センチほどであった。
「カオスのじーさんが? 成程な、最近ボケた所を見せなくなったと思ったら、
それで自分の記憶を保存していたのか」
「それはちょっと違うわね。これは記憶を“保存する”装置であって、記憶を“移す”装置じゃないわ。
カオスのおじいちゃんの場合はその記憶を移す装置で、この保存する装置に転送してるらしいの。
で、おキヌちゃんの記憶の話をしたら『こんなこともあろうかと!』って言って渡しておいてくれたの」
「……あのじーさん、どっかの技術班長かっつーの……
まあいいや、元々文珠を使うつもりだったけど、保険の意味でそれにも記憶を保存しておこうか」
『そうですね。それじゃタマモちゃん、お願いできる?』
「ええ、いいわよ。まずはこの電極を延ばして……」
そう言いながら、タマモがおキヌの額に電極のコードを伸ばし、ペタペタと貼り付けると、赤のボタンを押す。
赤のボタンで記憶の受信、緑のボタンで送信できるそうだが、これは別人には仕えないとのこと。
そんなことをすれば、脳が拒絶反応を起こして脳神経が焼き切れるそうである。
つまり、別人の記憶を移すことはできないとのことである。
「しっかし、あのじーさんもよくこんなのを作れるもんだ。どんな構造になってんだろうな?」
「なんでも“メタ・ソウル”と言うのをこの中に入れてるそうよ。それで記憶を保存してるんだって」
タマモが兄の疑問に答えながら装置の表示板を見る、
そこには≪……Now Recording……≫の文字が右から左に流れていた。
「メタ・ソウルだって? マリアの中にある人工霊魂の?」
「らしいわね。まあ、これはその廉価版だそうだけど……っと、終わったわ」
表示板には≪Complete≫と点滅して表示され、おキヌの記憶が保存されたことを知らせる。
「成程な、そのメタ・ソウルのお蔭でお前もじーさんも、マリアと一緒にこっちに来れたわけか」
「正確に言えば、それもちょっと違うらしいけどね。
ま、ホントは私もあの薬を飲むつもりでいたんだけど、それはおじいちゃんに止められたわ」
『そう言えば、その辺りのことは私も聞いてなかったけど。どうしてなの?』
おキヌが額から電極を外してタマモに返しながら尋ねる。
「おキヌちゃんも知らなかったの?」
『ええ、私はマリアさんから薬を受け取っただけですから』
おキヌが意外そうな顔で聞く横島にそう答えると、タマモが事情を話しだす。
「なんでも、人外である私があの薬を飲んだ実例がないらしいの。
改良型と言っても、へたをすれば私の前世の玉藻前の頃まで戻る可能性もあるそうだから。
それで私もおじいちゃんの方法に便乗することにしたのよ。
マリアは薬を飲む事が出来ないからその方法しかなかったんだって」
ま、私の場合は魂だけじゃなくて身体ごとだったけどね、と、最後にそう付け加えると、
タマモのその答えに、二人が「『そうだったのか(のね)……』」と声を揃えて言う。
その様子にタマモはクスッと笑いをこぼし、兄に準備を急ぐようにほどこす。
「さっ! 早いとこお兄ちゃんも文珠を使って! 早くしないとおじ様達が待ちくたびれちゃうわよ?」
その言葉に「おっと、そうだった」と横島は答えながら文珠におキヌの記憶を込めていく。
その様子を見ながらタマモは――
(ゴメンね? 便乗したのは私だけじゃないの。おじいちゃんから多少は聞いてるかもしれないけど、
まだ話せる段階じゃないから……)
と、内心で二人に謝罪していた。
「さて、最後の問題は、魂と身体の同調だな」
『そうですね、やっぱり文珠を使うんですか?』
文珠に記憶を込めた後、最後に残った問題――おキヌの魂と肉体のズレ――に取り掛かっていた。
「いや。これもカオスのじーさんに作って貰ったんだが……」
そう言いながら懐から取り出したのは、複雑に編みこまれた糸の束であった。
『それって……ミサンガですか?』(※注:6)
「ああ、この頃はプロミスリングって呼ばれていたけどね。
これで魂と身体のズレを直し、同調させるんだとさ」
「そ♪ それで、そのミサンガの結び目が切れたときが、完全に同調したときなんだって。
おじいちゃんにしては中々洒落た物を作るわね~♪」
「まったくだな。しかし記録装置といい、これといい、ボケた所をみせないじーさんは頼りになるな」
『本当に、カオスさんにはお世話になりっぱなしですね。
今度、ちゃんとお礼を言いに行かないと』
「ま、いつかは借りを返すさ。それじゃそろそろ行こうか?」
横島が話を締めくくると、二人の少女も頷いて荷物を纏める。
尤も、おキヌは二人の荷物を纏める手伝いをするだけであるが……
タマモは装置を荷物の中に収めながら、カオスが最近愚痴っていた言葉を思い出していた。
(『自爆装置を仕掛ける事ができないものばっかり作らせおって!』か、これは言わない方がいいみたいね)
タマモは内心で溜息を吐くと、纏め終わった荷物を背負い、兄に続いて部屋を後にするのだった。
◆◆◆
『では、よろしいかな? まずはおキヌに地脈の力を注ぎ込む。
しかる後に、そなたの霊波刀でこの氷を切り崩すのじゃ。
それでおキヌは復活できるが、くれぐれも慎重にな?』
『はい』「分かりました」
二人の返事に導師は頷き、地脈をコントロールするために集中し始める。
説明だけを聞けば簡単なように思えるが、地脈のコントロールには相当な集中力が要るはずである、
二人以外の者達も神妙な面持ちでおキヌの復活を静かに見守っていた。
その場に居るのは、昨日の面子に加え、母親もあの崖を慎重に下りながら着いてきていた。
『では、いくぞ!』
導師の言葉と同時に、おキヌの霊体に力が注ぎ込まれ、明るく光り出した。
『ク……ハァッ!!』
「「『「「おキヌ(ちゃん)(さん)!!」」』」」
溢れ出そうなほどの力の奔流に、思わず声を漏らしたおキヌの様子に、
導師と横島以外の全員が声を上げるが、それにはかまわず導師が横島に合図する。
『今じゃ!!』
「おう!!」
ガラガラガラ……崩れていく氷の壁、そしておキヌの身体が落ちてくる。
『おキヌ!!』
『は、はい!!』
続いておキヌに合図する導師の言葉に応えながら、おキヌは魂を身体に重ね合わせていく。
「おっと!」
落ちてくる氷の欠片をよけながら、おキヌの身体をしっかりと受け止める横島。
氷が崩れる音も止み、静寂が洞窟内を支配する……
そしてその静寂の中、誰もが動かずに……いや、動けずにいたが、
やがてタマモが静かに二人の側に近づいていく。
その動きに釣られるように他の者達も、おキヌを抱かかえたまま動かない横島の側へと集まる。
やがて、全員が見守る中、おキヌの身体がピクリと動く。
「う……あ……よ、こ、し、ま、さ、ん?」
「おキヌちゃん……おかえり」
「……た、だ、い、ま」
三百年の間、氷漬けになっていたからであろう、たどたどしく言葉を紡ぐおキヌに、
横島が精一杯の笑顔で言うと、おキヌも微笑みながらそれに答えた。
その直後に周りを囲んだ者達から、ワアッ!! っと歓声が上がる。
早苗が母親と抱き合って喜び、涙を流し合い。
ワンダーホーゲルは、それに貰い泣きして号泣し。
宮司はホッとした表情で、初代である導師に会釈し。
導師もそれに応えてゆっくりと頷く。
そしてタマモは――
(装置も文珠も無駄になったけど、本当によかった……おキヌちゃん、おかえりなさい)
そう心で呟くと、未だに抱き締めている兄に近づき、そっと肩を叩く、
横島もそれに応えて、おキヌを離して妹に預ける。
まだ冷たさの残る身体を思いっ切り抱き締めるタマモ。
おキヌも、まだ自由に動かない腕をゆっくりと回してタマモを抱き返す。
横島はそんな二人を優しく見守りながら、そっとおキヌの手首にミサンガを巻き付けるのであった。
続く。
注釈の解説。
※注:1 原作で、導師が最初からおキヌを生き返らせるつもりであったという言葉から、
地脈との繋がりが切れていなければ生き返れるのではないかと判断しました。
※注:2 原作でこのような設定はありません。ですが、妙神山以外の場所に居る神様ですから、
大宰府がそのような場所ではないかと解釈し、設定いたしました。
※注:3 湯帷子についてはWikipediaと関連HPで調べて、そのように描写しましたが、
違う点がありましたらご指摘下さい。(それと、温泉場の白い布は正式名称が分かりませんでした)
※注:4 早苗の方言から東北地方ではないかと思い、桜の開花が東京より遅れている描写をしました。
今回の話は四月半ば辺りと設定しておりますので、五分咲きぐらいではないかと見ております。
※注:5 横島に飲酒をさせておりますが、あくまでもフィクションであり、展開上の演出であります。
≪お酒とタバコは二十歳を過ぎてから!!≫
※注:6 他にもペンダントや腕時計、指輪にリングと考えていましたが、
他のSSに既に描写されている物もありますので、ミサンガにしてみました。
おまけ。
【タマモンのショート劇場】
「(ガチャ)ただいま~」
「あ、おかえり~」
「お? いい匂いだなあ。今夜は中華か?」
「そうよ♪ ほら、私って元々が大陸の生まれだから、こういうのが懐かしくなるのよ」
「そういやそうだったな。でも、その頃の記憶なんてほとんど残っていないんだろう?」
「まあね。でも、魂がっていうか、懐かしいって思うときがあるのよ」
「そういうもんかねぇ。ま、いいや。いっただっきま~す」
「ちょっとぉ、手ぐらい洗いなさいよ」
「固いこと言うなよ。ん! こらうまい! ちょっと変わった味だけど旨いぞ」
「そ、そお? えへへ。今日はスーパーで中華料理の調味料を探してたんだけど、
その中に変わった調味料があったから、ちょっと使ってみたの」
「へえ? どんなんだ?」
「えっとねぇ、これなんだけど……」
「んんっ? ……なあ、タマモ。これ中華とちゃうぞ?……」
「……へ?」
バルサミコ酢~~~♪
(※注:バルサミコ酢はイタリアの特産品です)
【タマモンのショート劇場】 終わり。
後書き。
はい、ようやくにしておキヌちゃん復活です。
あ、挨拶が遅れました、前回、調子こきまくってネタ全開で皆様を引かせてしまい、少しばかり後悔して、
今回の十一話をお送りいたします、チョーやんです。(長っ! つーか、少しかよ!?)
なんだかあっさりと復活しましたが、その前の展開にちょっとグダグダ感がありましたので、
ここはすんなりと復活させました。
ですが、申し訳ありませんが、次話はおキヌちゃんの出番がほとんどありません。
流石に生き返ったばかりでは、しばらくの間、静養が必要でしょうから、
しばらくは氷室家で預かるという形になります。
でも、こっちに来たときのおキヌちゃんの住所はどうしよう……<マテ
いやまあ、大体の所は皆様が予想していると思いますので、ここでは書きませんが (^^;
それと今回、台詞と描写、説明文の間には二、三行ほど行間を空けてみました。
やはり行間が詰まると読み難いですし、描写と説明文をきっちりと分けてみた訳ですが……
それならこうしたほうがいいのでは? と思われたのであればご指摘願います。
では、次回は美神さんが再登場です。
遅筆な筆者ではありますが、次回をお待ち下さい。
では、レス返しです。
●リオ レウス様
はい、その通り、ローゼンの銀様こと水銀燈です (^^
それと確かに技の描写は仮面親分の方ですが、霊波刀の元ネタが親分の『零式斬艦刀』ですので、
そちらを元ネタにいたしました。
●いしゅたる様
>これなんてジョナサン
ば、バレたああああああああ!!<マテ
>詳細は地の文で説明
うう……確かに仰る通りですねぇ。最初はそうだったんですけど、二人が口々に言ったほうが、
二人の怒りが伝わりやすいかなあと思いまして……(^^;
>死津喪の戯言に耳を傾け過ぎ
ううむ……これもその前に、タマモが耳を貸さずに歩き去ろうとするシーンがあったんですが、
ダイレクトに伝わり難いかなと思って削ったんですよねぇ……やっぱり心理描写は難しいです。(汗)
>夫婦の夜の営みを
……以前からお聞きしたかったんですが、ピンク大好きなんですか?w<激マテ!
いや、私も大好きなんですがねw<更にマテ!!
まあ、いつかは書くつもりですのでその時にでもw
H描写はしっとりとした純愛風が好みなんですが……ハードな方がお好みで?w<色々とマテや!!!
●ながお様
>雑音が多く
申し訳ありません、調子コキ過ぎました。今後気を付けますのでお見捨てなきよう……(^^;
>「森」を破壊するのはいかがなものかと
これも勢いでやっちゃいました。確かに仰る通りですねぇ。(汗)
草薙の剣に関しては、日本武尊(やまとたけるのみこと)が草原の草を薙ぎ払ったことからきているそうで
ながお氏が仰る通り、元々は須佐之男命(すさのおのみこと)が八岐大蛇(やまたのおろち)を討伐した際、
その尾から出てきた剣であり、その八岐大蛇の頭上に常に叢雲が掛かっていたことから、
天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)と名付けられ、天皇家の三種の神器の一つとなったものだそうです。
確かに、日本神話の伝説級の剣にあやかるのは少々不謹慎だったかもしれませんが、
あくまでもフィクションであり、演出効果を狙ったものですので、ご容赦下さい。
それとタマモが出した技も、剣と対を成すために大蛇としたのですが……どうでもいいですね。はい(^^;
●Tシロー様
初レスありがとうございます。今後ともよろしくお願い致します。
>裏技ちっくに記憶を保つ術が
はい、今回出てきましたが、その出番はありませんでした。
本当は今後の展開の為のちょっとしたネタフリで出てきただけであります。
この幸福大作戦に出てくるタマモというキャラは、原作からはかなりかけ離れたキャラになってしまい、
ほとんどオリキャラと化しておりますが、私自身、かなり気に入っておりますので、
不幸な結果にだけはならないようにするつもりであります。
●月猫様
ああっ!! 水をかけちゃいましたね、ごめんなさい! (と、言いつつ雑巾で……)
いやまぁ、冗談もこれぐらいにしましょう。(^^;
おまけのショート劇場は、投稿する際に即興で書いているのですが、
思った以上に好評で、私自身、戸惑いながらも嬉しく思います。
タマモンの今後の活躍(?)にご期待下さい。
●ヨッスゥイ~様
ご指摘ありがとうございます。
今回『…(三点リーダー)』を使わないと、かなり描写に気を付けなければならないと分かって、
氏が何を伝えたいのかが良く分かりました。(^^;
今回もかなり使ってしまっていますが、前よりも少なくしたつもりではあります。
今後はなるべく『…』に頼らないよう挑戦してみたいと思いますので、
今後ともご指摘、ご指導のほどよろしくお願い致します。
●wallakia様
え、ええと……海外の方でいらっしゃいますか? 正直、仰ってることがよく分かりませんが、
私の拙い小説を読んで下さっているようで、ありがとうございます。
●クロト様
はい、思いっ切り力押しでしたw<マテ
>死津喪が地上に出て来なかったら
今回はそのフォローにタマモの描写を加えましたが、やっぱりあのままでは分かり難いですよねぇ(^^;
>中傷された程度でゆらぐとは……
人から言われたのならともかく、同じ妖怪から言われたのなら反応するのではないかと思ったんですが、
やっぱり不自然だったでしょうか? (^^;
第七話でもネタフリしていましたので、くどくならないようにしたつもりでありますが……
やはり描写不足ですね、はい。(^^;;
●ビス様
レスありがとうございます。
>技名を叫んだりしているあたりがちょっとヒキます
はい、私もヒキます<マテコラ
いえ、元は少年漫画ですから、やっぱりそういうノリもあったほうがいいのではと思ったのですが……
はい、悪乗り過ぎましたですね。反省しております。orz
ですが、今後も出てくると思いますのでお見捨てなきよう願います。
後、技名を叫ぶのではなく、技を出す前にボソッと呟くようにしてみるつもりです。
>その場合にはどうやって倒すつもりだったのか?
はい、元々は文珠で探し出した後、前回でも出ました≪枯≫≪渇≫か、もしくは≪枯≫≪死≫を込めて、
本体に≪転≫≪送≫するつもりでした。
だからこそ文珠が出来るようになった時に、「目処がついた」と言っていたんです。
そして、そのまま倒せればよし、倒せなくてもいぶり出してフルボッコにする予定だったのですが……
結果として穏便にはならず、かなり派手にやり合うことになってしまいましたが、
山奥のことであまり目撃者が居ないだろうと判断したようです。
居たとしても、関係者が何も言わなければ怪奇現象として片付けられ……るといいんですが(^^;
どうなったのかは筆者にも分かりません。<マテマテ
では、レス返し終了です。次回の更新をお待ち下さい。