高く険しい山がある、その山は人のみでは登りきる事は厳しく、難しい
その山の名を妙神山という
今、その山に一人の青年が立ち寄ろうとしていた
赤いバンダナを頭にまいたジージャンジーパンの青年、彼の名は横島忠夫
私はナルニアでおきたある事件により彼の手に渡り、彼と契約を交わす事となった
「ここが、妙神山か」
「うえ、こんなに高いのか・・・帰らないか?」
「ふむ、では何のためにここまできたのかね」
「やっぱだめかー、んじゃさっさといくとしますかー」
横島はそういい山を登り始める
その手には私が宿った黒を基本とし紫のラインが数本入った篭手と少量の荷物が入ったリュックをもって進む
私の名を紹介しておこう、私の名はロキ
横島忠夫の相棒だ
始めの1
長く険しい道を登りきり、ようやく私達は目的の場所へと辿り着いた
妙神山修行場・・・本来ならば横島のような未熟者が来るべきような場所ではないのだがとある事情によりどうしても行かざるを得なかった
『この門をくぐる物 汝の望みを一切捨てよ 管理人』
管理人とはな・・・洒落がわかってるのかそうでないのか。私がそう悩んでいると横島が辺りを見始める
「んで、こっからどうすりゃいんだ?門開けちまってもいいんか??」
横島がきょろきょろと周りを見渡すが鬼の顔がついた門と首の無い像が左右にあるだけで何もない
「小僧!」
「うぉ、なんだぁ?」
突然声が聞こえてくる。横島も間抜けな声をあげ飛び退く、同時に左右の像が門を護るように陣取っていた
「我らこそ妙神山修行場の門番!右の鬼門!!」
「同じく!左の鬼門!!」
「「この門をくぐりたくば我らを倒してゆけぇい!」」
「ほぉ、横島・・・やれるな?」
「おぅ、いつでもいけるぞ」
横島が私を装着し身構えたところで門が内側から開き女性が出て来る
「あら、お客様?」
「・・・あいたな」
「なんて間抜け・・・」
私がコントのような展開に頭(?)を抱えているのも関係なく話は勝手に進む
「しょ、小竜姫さまぁぁぁぁ!!」
「不用意に門を開かれては困ります!我らにも役目というものが・・・」
「かたいことばかり申すな!ちょうど私も退・・・!?」
「生まれる前から愛してましたあぁぁ!!!」
一瞬で左右の鬼門をル○ンダ○ブで飛び越えた横島が小竜姫と呼ばれた女性に向かって飛んでゆく
その女性も突然のその行為に一瞬だけ驚き、目が見開く
っが、やはり門の内側から出てきただけあるようで横島をあっさりと吹っ飛ばしてくれた
「エスカリ!?」
横島はその一撃で謎の叫びを上げながら目を回し倒れる
ついでにいえば、左右にいたはずの像も吹っ飛んで横島を頂点に三つ子亀よろしく折り重なっていた
「えっとー、え?修行希望の方?・・・ですよね??」
女性の困惑する声が私にはやけに印象に残った
1時間後
結局あの後で横島はすぐに目覚め客間に一応通してもらえたのだが
そこにたどり着くまでに何度も飛び掛りそのたびに撃墜されていた
ようやく客間に辿り着いた現在は、16回目?くらいの土下座中だ
「ついついなんども・・・煩悩を抑制しきれませんで、すんません!!」
「抑制ですか?」
「ふむ、それについては私が説明したほうがよいだろう」
横島が今なおつけている私に小竜姫(自己紹介自体はすぐ終わった)のうろんげな目が向く
「横島が先ほどのように煩悩全開なのはありていに言ってしまえば私のせいなのだよ」
「はぁ」
納得できないような話が変な方向にいったぞみたいな声音ではあったが事実なのでしょうがない
「私と契約し、私を装着したものは潜在霊力を引き出す代償としてその心のうちにある物が出やすくなる。本来ならば抑えることが出来ている自分、そうだな・・・『潜在的に起こしうる行動』が常に出ていると言ったほうがよいかね」
「つまり、本来の抑えてる彼はそうではないと」
「簡単に言えばそうなるな。もっとも彼の場合はメリットが多く、デメリットといえば最初から規格外な煩悩だけがなぜかさらに膨れ上がったのことなのだが」
ついでにいえば1〜2回くらいの飛び掛りがデフォなのが本来の彼だ
それと横島、そろそろ土下座はといたらどうだね?
「ま、まぁそういうことっすね。ただ俺の場合は他はそうでもないんですけど煩悩的な・・・なんというか綺麗な人に対しての耐性がマイナスっていうか逝き過ぎるくらい逝っちまったていうか・・・とにかくめちゃくちゃ低いんです」
横島が土下座の姿勢から戻りながらそう言う
今の台詞は中々危険なのだがわかっているのだろうか
案の定というべきか
「そ、そうですか」
美人だと言われたのがわかったのか頬を少し染めながら小竜姫は返事をした
「それで、これをどうにかするためにナルニアにいた神様に相談したらここを紹介して下さったんで来たんです」
「では、紹介状を持っているんですね?」
「あっはい、これです」
横島は貰っていた紹介状を取り出し小竜姫に渡す・・・というかそのまま手を握る
さらにそのまま小竜姫の手をなですり頬ずりしだした
「うぉおぉぉ、すべすべやぁ〜やらかいな〜あったかいな〜」
小竜姫はピクリと眉を動かし
「仏罰!」
気合のこもった声と共に小竜姫の空いていたほうの手の拳が横島の頭に決まる
「ふむ、素晴らしいまでの横島に対して見事な対応」
「はぁっはぁっ、だ・・・大丈夫ですか?横島さん」
「いや、あれでよいのだよ。横島はあの程度のダメージは日常茶飯事だった」
「ま・・・また、すみません」
「あ、いえ、仕方ない事なのでしょう?構いません」
再び変わりの速さに困惑顔になる小竜姫、私としては困っている者を見るのは面白い
まぁ、あたふたしている横島の動きもかなり面白いが
それから小竜姫は紹介状を読み終える
「では、ご希望の修行内容は紹介状に書いてある精神修養と霊力強化に霊的格闘、ということでよろしいですね」
「はっはい、よろしくおねがいします」
さて、私の相棒は果たして・・・私を本当の意味で『扱う者』へとなれるのだろうか?
それが楽しみでもあり恐ろしくもある
あとがき
デタントはすでに成功してて、横島が一度ナルニアへ行ってそこで事件が起きて日本の妙神山へ行くことになったら?というのを考えながら書きました。なので、アシュ戦役はありません。
ロキ篭手に関してなのですがあれはロキとは関係はありますが別の存在ですのであしからず(。。
ちなみに篭手と契約した横島のメリットといえばGMの血が少しだけ覚醒したことですかねぇ(だから変なとこで策士)
次回は横島がなんで妙神山にきたのかとかちょこちょこ書きつつ話を進められたらなぁ思ってます
殆ど書くのはじめてなんでおかしいとこ多いかもしれませんが生暖かく見守ってくれると幸いです
追伸、間違って失敗してるほうまで投稿してしまったようでご迷惑おかけしました
Tシローさんご指摘感謝です