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「運命と宿命外伝 過去への清算(壱)(GS)」

九十九 (2007-08-11 01:28/2007-08-11 01:54)
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荒んだ大地に立っている。
大小の岩石が無造作に転げ、草等命を感じさせるものは一切存在していない。空は何処までも青く、爛々と世界を焼いていた。じとりと汗が滲む。目元を手の甲で拭った。日光に焼かれた目を瞬かせる、地平線の彼方まで続く悠久な眺めは現実感を無くさせ、シュールだ。

歩いた。
怨嗟に彩られたこの世界。生きたいと死にたくないと、世界が啼いている。圧倒的な死の臭いが鼻腔を否応なく貫いていた。敏感な嗅覚はとうの昔に半ば麻痺している。

かちゃりと背後で音がした。割れた陶器のような乾いた音。振り向いてみると、しゃれこうべが哂っていた。自分の体からとうとう離れてしまったらしい。ふんと、首無しの兵士から顔を背け、再び歩き出した。黙祷する気は全くと言っていいほど無かった。辺りを見回しても、その光景は不思議ではなかったから。

千どころか万に届くほどの死体の群れ。剥がれた鎧、折れた刀、血に濡れた地面。古代印度に中国。そして、日本。様々な時代、世界がブレンドされた地獄絵図。

その中心に、この世界を作った岩、いや、石はあった。
石を取り囲むようにして、四人の美女が円陣を作っている。一人は中国の后『妲己』、一人は印度の妃『華陽』、一人は中国の姫『褒似』、一人は日本の女官『玉藻前』

時代を追う毎に力を弱めた、かつての私達。
彼女たちは皆が一様に、片手を石に当てている。その姿は過去を悔やむ懺悔のようであり、また復讐を誓う憤怒の姿にも見える。哀しみと怒りを抱いた女達の姿は、祈るようにさえ見えた。

私も同じように石に近づいていく。
一歩一歩、強迫観念にも似た行動姿勢。がらがらと荒涼な世界を踏みしめながら、私は世界の中心を目指す。だが、その足取りは、円陣のすぐ傍まできて停止した。

女の後ろにはそれぞれ男がいる。妲己の後ろには殷の王『紂王』、華陽の後ろには陀国の王子『班足太子』、褒似の後ろには周の王『幽王』、玉藻前の後ろには平安の天皇『鳥羽上皇』、皆が傾国の美女に狂わされた男たちだった。果たして、私の後ろにはいったい誰が現れるのだろう。その興味と好奇心が私の足を止めたのだ。

満たされたような、渇望するような、両極端な表情をしている男たちの間を通り抜け、ついに私は石の前に立った。

心の中にどろりとした粘着質の不安が改めて渦巻く。怖いのだ。真っ赤な世界を作り出した石が。物言わず、そこに在るだけで災いを振りまくという存在が。

『殺生石』

女は空いている手に、一抱えもある石の破片を握っている。それは、殺生石の欠片なんだろう。確証も何も無いのに理解できた。この石は、完全な完璧なモノに戻りたがっている。ならば、私を含め、伝説に残る傾国の女達でさえ、これにとっては唯の部品でしかない。吸収され消化され、消え行くただの餌だ。そんなこと許せるはずが無い。私は私でありたいのだ。たとえ非力であろうと、不完全な金毛白面九尾の狐で構わないと思っている。

それなのに、何故、私は手を伸ばしているのだろう。
吸い寄せられるように、引き合わされるように、するすると私の手は伸びていく。意思を離れ、本能の赴くままに、私はとうとう石に触れた。

途端、世界が光に満ちた。
真っ白になった世界、ごっそりと切り落とされる意識。自分自身さえ、あやふやで、海に漂う海月になったよう。羊水に浸かり、蕩け、同化したような極限の陶酔感。自分を失くした、何かを失くした。在りのまま、全てを脱ぎ去り、裸になった。真っ白だ。けれど、漂白された自分、思考さえ出来ない純粋体になった私なのに、一人の男を感じ取れた。色がついた。何かを取り戻した。暖かい。ふわりと包み込まれる優しい感触。温かい気持ちが残留するなか、世界は何時もどおり反転した。


「あー、眠い」
のんべりとした声を上げ、のそりとベッドから立ち上がった。
寝ぼけ眼をこすりつつ、部屋の光景を見渡す。直角ではなく内側に迫る壁、全体が四角の立方体ではなく、台形に近いこの空間。その中に、そこそこ豪華なベッドが二つ、それに本棚とクローゼット。変わりばえのしない、いつもどうりの美神除霊事務所、屋根裏部屋の光景だった。

半円に縁取られた出窓から外を眺める。嫌味なくらいの青空、爛々と地上を照らす太陽は、先程の夢を思い出させた。

「たっく、夢は夢らしく、地獄絵図の空は焼けるような夕焼けにしときなさいよね」

溜息交じりの愚痴を零しながら、見始めてから早七日目になる夢に駄目出しをした。

別に、見ること自体には然程の不満はない。
あの程度の光景に怯んでいては、美神や横島が関わった事件で、とうの昔に私は死んでいる。確かに、あの死体の群れの中を歩くことには億劫になるが、慣れればそれ程ではない。げんなりする風景、言ってみれば、それだけだからだ。

それは、私が私で無くなる感覚には恐怖を覚えるが、それ以上にあの温もりは、最後の優しい抱擁感には如何ともしがたい魅力がある。それが、誰から、何から与えられたものかはまるで判らないが、私はあの感覚を気に入っていた。つまり、今日も爽やかな朝だということだ。


「おはようございます。タマモさん」
「おはよ、人口幽霊」

階段を降りて事務所に入ると、虚空から耳に親しんだ声がかかる。
無機質な声色ではあるが、そこにははっきりとした親愛が読み取れた。

人工幽霊渋鯖一号。
この建物自体であり、美神除霊事務所の秘書でもある。脱税に人生の何割かを割いている彼女にとっては、人工幽霊以上の事務所、そして秘書はいないだろう。実際、この建物には長年住んでいる私でさえ知らない部屋があるというのだから、真に驚きを隠せない。その影には、ところてんの脳みそから脱却し、天才に返り咲いたどこぞのマッドサイエンティストが関与しているらしいが、私は知らない。知りたくもない。そんなこんなで、この建物は本当の意味でのお化け屋敷である。

「それで、美神におキヌちゃん、それにバカ犬は?」

事務所を抜け、キッチンへ行く途中、確認のために聞いてみた。
カオスの造ったボディで秘書検定一級を首席で合格した、彼というか彼女は、てきぱきと簡潔明瞭に答えてくれる。

「オーナーとおキヌさんは、オカルトGメンに出向中で、戻られるのは明日もしくは明後日の予定です。シロさんも、オーナーとは別件ですがGメンへ出向中であり、戻られるのは三日後になります。それまで、タマモさんはオフを楽しむようにと、オーナーから伝言を預かっています」
「了解。それで、三日後からの予定はどうなっているの」
「B級の依頼が一件、C級の依頼が一件。その、二件が四日後に控えています」
「それ、私は必要かしら」
「そう、ですね。B級にはシロさんが当たればどうとでもなりますし、C級もおキヌさんがいれば容易い仕事になるでしょう。オーナーの気分しだいですが、タマモさん抜きでも十分こなせる物量ではあります」
「ふうん」

流石は人工幽霊。
美神は一週間前からオカGに行っている筈だから、この依頼の段取りは全て彼がしたということになる。その上、依頼の内容から作戦の布陣まで彼女の頭脳は既に弾いているようだ。全く、相変わらずおそろしい建物である。

「それなら、悪いんだけど私のこと外しといてくれる。ちょっと用があって、今日から一週間程空けるから。その用事が早く終わって、間に合ったらちゃんと私も手伝うわ」
「了解しました。それで、今回はどちらに行かれるのですか、また、全国温泉お揚げ巡りでもするつもりですか」
「そんなとこよ」

素っ気なく言った。私が事務所を空け、適当に旅をして適当に帰ってくるのは、さほど珍しいことではない。だから、人工幽霊も余計な詮索はせずそうですかと頷くだけだった。

それがある種の信頼だということは判っているが、やはり少々寂しいものがある。複雑な心境だ。しかし、今回においては都合がいい。今度の旅は誰にも知らせることもなく、私だけの胸の内に秘めておきたいのだ。思わず険しい感情が表情に出そうになる。それを慌てる事も無く何時もどおり隠した。

「ですが、出来ることなら、やはりタマモさんにも加わって欲しいです。きっと、そのほうが皆さんも喜ばれます」

その言葉に苦笑する。
おそらく、少し残念な雰囲気を出してしまった私に、彼が気を配ってくれたのだろう。表情は隠せても微かにもれる雰囲気までは隠し切れなかったらしい。勿論、深い所までは読み取られてはいないし、この微かな雰囲気を読み取ることが出来るのは、美神除霊事務所の人間と後は一握りの人物だけだ。私の外見等しか知らない人間には毛ほども悟らせない自信はある。

何にせよ、親しい間柄とはいえ内心の感情を読み取られたのだ。
悔しい事だが、私の妖狐としの能力はまだまだ未熟といっていい。けれど、打算を抜いた本心の人工幽霊の言葉は私の心を十分に温かくしてくれた。人工幽霊がそうであるように、私も人口幽霊の言葉から彼の感情を読み取ることくらい出来る。伊達に何年も顔を合わせている訳ではないのだ。

だが、拗ねるような、微笑ましい口調を無機質な言葉に乗せれる彼女は、やはりおそろしい存在だと思う。男性体ボディと女性体ボディをTPOに合わせて使い分ける彼、彼女は、本当に私以上に性悪だ。

「なにか?」
「なんでもないわ。あんたもオーナーに似てきてるなと思っただけよ」
「嫌味ととるか、皮肉ととるか、判断に迷いますね」
「私も、あんたの言葉を嫌味と取るか皮肉ととるか、判断に迷うわ」

互いに微笑み。
無機物であろうとも、人工幽霊渋鯖一号は確実に私達の仲間だった。


確認事項を終えると、私は冷蔵庫の中にある二百mmlの牛乳瓶を取り出した。緊張した手で瓶の蓋を開ける。これは一つの儀式だ。この行為は無駄ではない、無駄で終わっていい筈が無い。努力は人を強くするのだ。昔から言うではないか、努力は人を裏切らないと。ならば、この牛乳も私を裏切ることはない。

古臭い外見そのままの瓶をきっと睨みつけ、空いた手を腰に当てると、そのまま一気飲みした。ごくごくと、艶ましい首筋を牛乳が滑り落ちていく。脳裏には怨敵達の姿が映しだされていた。今に見ていろ、栄枯盛衰。その言葉を嫌と言うほど噛み締めさせてやる。

最後の一滴まで飲み干し、牛乳瓶に別れのキスをする。この糧を無駄にはしないと誓いを立てたのだ。戦友に別れを告げると、所定の場所に瓶を置いた。艶やかな笑みが零れ落ちる。それは、復讐鬼を彷彿とさせた。私は負けるわけにはいかないのだ。自身の名に懸けて。

「タマモさん。胸の大きさなんて、変化で誤魔化せばいいじゃないですか」

無機質ながら、呆れた口調が身に突き刺さる。
人工幽霊は仲間だが、決して相容れない敵でもあるのだ。

「ふっ。それは、私以上に大きい胸をした貴女だから言えるのよ。そうよね、この純度百パーセントのシリコン胸!!」
「なっ!あれはシリコンではないと何度言ったら判るのですかタマモさん。限りなく本物に近い、もう本物と言っていい完成度を誇る胸を、シリコンと決め付けないで下さい」
「ふん、素材が何であろうと、所詮は偽造。そんなものはシリコンで十分よ!」
「その、シリコンに負ける微乳が何を言うのですか。この、無いチチ狐さん!!」
「私のは形が綺麗だから、別にこのままでも構わないのよ。美乳と言ってくれないかしら、この、嘘チチ事務所!!」
「そんなだから、シロさんに負けるのですよ!横島さんも言ってましたよね、体の色気はシロが勝ると」
「なっ。それとこれとは話が別でしょうが、それに私はシロに負けたくないからではないのよ、あくまでも美の追求のために」
「そうですか、そうですか、では頑張って下さい。色気無し狐さん」
「ええ、ええ、頑張るわよ。この嘘色気事務所!!」
喧々騒々。
ストッパーの無い言い争いは、十分にも及ぶ長いものになった。


全く持って無益な論争を終え、身支度をすまし屋根裏に戻る。
一週間位部屋を空けるから、その準備のためだ。クローゼットにチェストを開け、スポーツタイプの大きなバッグの中に、当面の洋服等必要な物を詰め込んでいく。旅慣れしているからだろう、常識的に考えても、随分早い時間で洋服の支度は終わった。僅か十分の早業、自分の段取りの好さに惚れ惚れしてしまう。

と、自画自賛してしまうが、問題はこれからだ。
用意が済んだバッグをベッドの上に投げると、私は自分専用の少々古ぼかしいシックな机に腰掛けた。セミロングの髪を一度無造作に振り、その中から髪の毛を一本抜く。妖気を薄く髪の毛に纏わせると、右手側にある鍵付きの引き出し、その鍵穴に差し込んだ。

がちゃりと穴の奥から開錠の音が響く。その音色に満足げに頷くと、ゆっくり引き出しを開けた。中には私の髪の毛で編まれた一枚の符が置いてある。九尾の狐が彩られた金色の符は、脈動するかのような強い生命力を感じさせた。

「使いたくないなあ」

ぼやきつつ、慎重な手付きで金の符を手に取る。
髪の毛で編まれた符は、芸術品としてもオカルト品としても一級の値打ちがあるだろう。美術館に飾っても遜色はなく、オカルトに使えば、精霊石並みのもしかしたらそれ以上の力を持つ、この符。

美神はこれを見て目を$マークに変えたのだから、その効力はおして知るべし。まあ、だからこそ、わざわざ鍵付きの引き出しに入れ厳重保管しているわけだが。けれど、厳重に保管している理由は、美神が勝手に使ったり売り払うことを警戒しているわけではない。

ただ、あまり人の目、特に事務所の人間には見られたくないのだ。これの本当の作成方法を知られたくないから。この符は、一応私が自分で造ったお手製という事になっている。無論、私がそんな面倒で、几帳面な事をするはずが無い。というか、そもそも技術的に不可能だ。

だから、この符の存在がばれ、これは、私が変化の応用と文珠で造ったと言った時は、非常に疑わしい目を向けられた。その、マイナス方向での信頼の高さには若干思う所もあったが、そこは大人らしく華麗にスルーした。泣けるから。

ともかく、何とかあのしつこい追求、もう一枚造って見せろ等の要求を、疲れるとか、面倒とか、一枚だから美しいとか、だるいとか、私らしい言葉で誤魔化した。美しいという件意外は、妙に納得されたのが、悲しかった。私は決してニートではないのだ。

「どちくしょう」

あの時の屈辱を思い出し、ついそれが口から迸った。
今頃、横島と私が仕出かした事件の後始末をやっている三人に、とりあえず労いの言葉は掛けなくていいやという気分になった。少なくとも今は。

しかし、皆にはこの符を造るのは相当に難しいと脅してあるが、実際のところは驚くほどに簡単だ。特定の量の髪の毛を準備して、あとは本当の作成者、横島に渡せばいい。

文珠使いたる横島は、数個の文珠を連結させ、この至高の芸術品をいとも容易く造ってしまうだろう。もっとも、ここまで綺麗に造るためには、霊力が通りやすい物、強力な霊能力者の髪等に限られるそうだが。

しかし、髪の毛一本一本を緻密に編み込むイメージと、精密な造詣を心象で形作る事ができる、横島の想像力は計り知れないものがある。流石は文珠使いといったところか。

ただ、この好いこと尽くしに見える横島お手製の符、『文珠符』にも難点はある。それは、特定つまり程よい長さの大量の髪の毛が必要なことと、一人に付き一枚しか造れないということだろう。

一枚に限るというのは、オリジナルの一枚が存在する限り、コピーとなる二枚目は造れない。オリジナルが消失しない限り、二枚目は造れないということだ。

文珠符は髪の毛に篭もっている本人の霊力を、文珠で整え補強し、さらに劣化しないように、符自体を結界で覆うというとんでもない技術の産物らしい。

ここで問題なのは本人の霊力ようは魂をベースにしているということだ。私達のような女の高位妖怪、上級霊能力者の髪の毛には、大抵かなりの霊力が溜めこまれている。それこそ、本人が死んでも残留思念として、この世に現界出来るくらいには。

それを用いているのだから、文珠符には強靭な生命力、さらに精霊石並みの力があるのは至極当然といえる。つまり、この文珠符は簡易のメタ・ソウルというこだ。

だからこそ、オリジナルという本物がある限り、百パーセント完璧な模造は許されない。許されたとしても、共鳴現象が起き、対消滅するだろう。

文珠という奇跡だからこそ成せ、文珠という奇跡だこらこそ許されない。

それが文珠符の基本設計思想の協力者である、復活した天才、Drカオスの見解だった。

メタ・ソウルの創始者であり魂を詳しく知る男の言う事だ、おそらく間違いはないだろう。事実、文珠符の元となった私の九つある髪の一房は、一定の長さ、ちょうどセミロング程の長さ以上に伸びない。だから、私は文珠符をプレゼントされた日から、ずっとセミロング以下の髪型で過ごしている。他の人にばれるのが嫌だからだ。

「もし、皆が知ったら間違いなく造ってもらうわよねぇ」

文珠符を眺めつつ、溜息を一つ。
正直、事務所の皆や横島に想いを抱いている人達には申し訳ないと思っているし、騙している様で心苦しい気持ちはある。けれど、この金色の符だけは、私だけのものであって欲しい。些細な独占欲かもしれないが、共有している時間が少ない私にとっては、文珠符というものは確固たる絆なのだ。その絆を私は何よりも大切にしている。それこそ、文珠符を身につけておかないと、自身の最大妖力が減ると知っていながら、いつも机の引き出しに入れておく位には。

「横島の、馬鹿野郎」

人の気を知ろうともしない、今頃は妙神山で寝込んでいるだろう鈍感男を、とりあえず罵った。久方ぶりに文珠符を手にしたからか、ふつふつとあの時の怒りが込み上げてきたのだ。

私が横島に出会った日。
それから丁度一年たったあの日に、横島は出会いの日プレゼントだと金色の符を渡してくれた。私が美神除霊事務所の一員となった記念日とは別に、あいつは特別のプレゼントを用意していたのだ。当の本人ですら、あのおキヌちゃんですら気にしていなかった、唯の平凡な一日。それが、あの時から私の特別な一日になった。

けれど、あのプレゼントされた瞬間の、感激とも感動とも違うような、とにかく不意に湧き上がった零れる程の大きな気持ちを、あいつは全く理解していなかった。

なにせ、私が嬉しいと言った直後に、「タマモが喜んでくれるなら、プレゼントとして問題ないんだな」と、とんでもない言葉を放った奴である。

あれか、このプレゼントは試作品ですか、練習品なんですか、そう私が思ったのは無理も無い事だと思う。流石に三分の二殺しにした。ウェルダンだった。

その後、私以外に造るなと強制的な約束を取り付け、カオスには文珠符に関する記憶を文珠で『忘』れさせた。それは、梅雨時に入ったばかりの、じっとりとした暑い夏の日のことだった。


「さて、それじゃあそろそろ行きますか」

名残惜しく、妖気を注入した文珠符を引き出しに戻すと、壁に掛かった時計を見る。時刻は九時三十分を指していた。

新幹線の出発時間は、十時三十六分東京発盛岡行きだ。ここから東京駅までは車で三十分程だから十分な余裕がある。仮に乗り遅れても問題は無い。急ぐといえば急ぐのだが、多少の誤差は問題ない、次のに乗ればいいだけだ。

とにかく、今日中に栃木県の那須町湯元、つまりは殺生石の所に着けば文句は無い。正直、面倒なこと甚だしいが、仕方ないだろう。あんな夢を一週間も見続けたのだ。別段、これから見続けても私としては全然構わないのだが、殺生石に何かあってたとしたら拙い。

アシュタロスの乱から数年経つが、各国政府、日本も未だオカルト関係にはぴりぴりしている。ここで、殺生石に不穏な気配が感じられたら、再び九尾の狐を本格的に暗殺する計画が浮上しても、なんらおかしくはないのだ。

美智恵も、私を表面上保護してくれてはいるが、正直信頼は出来ない。彼女は一番を守るためなら、その他を切り捨てる事に躊躇いを持たない女だ。その辺は私も同じような考えを持っているので、よく判る。

オカルトGメンも一枚岩とは言い難く、当然GS協会も当てにはならない。かといって事務所の皆に迷惑を掛けるわけにはいかない。妙神山のヒャクメに遠視をして貰ってもいいが、やはりリスクが高いだろう。インドそれに中国の神族、特に仙人と呼ばれる奴らが、日本の神族に圧力を掛けてきているのは周知の事実。

仮に、殺生石という危険度の高い高密度霊場を、ヒャクメが隠れて遠視していた、そんな事が知れたら彼女ひいては妙神山の皆にさらなる負担を強いることとなる。それだけは、駄目だ。

かといって、ワルキューレ達に頼むのも同様の結果、それ以上に悪い事になるのは想像に難くない。ワルキューレ=魔界正規軍なのだから。

となると一か八か自分の目で確かめるしかない。九尾の狐の転生体が今になって殺生石に近づいた、これだけでも私を殺す材料になるのは判っているが、何かあってからでは遅すぎる。

一週間という時間を空けざる負えなかったのが、今更ながらに痛い。昨日以下、今日という日まで殺生石の様子を見に行くことが出来ない状況だった、それは理解しているが、それでも何か出来ることがあったのではないかと、悔恨の念が湧き上がる。

私だけが持ちえた予感夢という情報を、他の誰かが違う形で手に入れる、一週間という時間はその可能性が起きるには十分過ぎる長さだ。だから、急いで殺生石の様子を見に行かねばならない。それが、私に出来る唯一のことであろう。

けれど、一抹の疑念が心に渦をまいている。ぐるぐると、メビウスの輪のように終わりのない思考が私の行動を阻害していた。

もし、殺生石に何らかの反応が本当に見られたら、私はどうすればいいのだ。美神に教える?妙神山に連絡を入れる?美智恵に報告する?どれが最良の選択なのかは今の所は判らない。けれど、これだけは判っている。

結局、最後は私以外の誰かに任せるしかないのだ。

それは、諦観という感情だった。九尾の狐が動けば動くほど収拾は付かなくなり、被害は拡がっていく。私の仲間達に迷惑が及び、私の敵達に好機を与える事にしかならない。

その事実がたまらなく悔しい。どうして、私は何時もこうなのだろう。自分の事なのに、最後は遠くで見ていることしか出来ないのだ。

傾国の美女。その単語が、いやでも脳の襞に絡みつく。きっと、この罪から私は一生逃れることは出来ない。私は、そんな自分が嫌いだった。


「人口幽霊、後よろしくね」
「了解しました。お気をつけて、いってらっしゃい」
「ま、できるだけね」

左肩にバッグをかけ、人口幽霊に何時もどおりの軽い挨拶をする。
今日の服装は汚れても目立たないような、そんな格好だ。下は、ストレッチタイプで細身のストレートジーンズ。シャツは胸元を強調するカットソー、その上に淡い黒色の丈の少し長いジャケット。上着の内、腰には張り付くようなヒップバッグを装着している。

そして、ヒップバッグの内側に挿してあるのがワルサーP99。
横島に、これなら人を殺しにくいだろと言われ、渡された護身用の銃だ。実際、妖怪や悪霊には銀の銃弾等、特殊な弾を使わなければ、あまり効果はない。それがこんな小口径なら尚更だ。

だから、この銃を使うときは大抵が対人用。
私に何かあった際に、殺人をさせ辛くするための拳銃である。横島に渡されて以来、あまり拳銃というの物が好きではない私の、数少ないというか、ただ一丁の愛銃、それがワルサーP99だった。

人口幽霊を、事務所を後にして、心がざわついた。私は何時も通りのタマモだっただろうか、何かおかしい所があれば、直ぐに人口幽霊は不信に思うだろう。もし、思われていたらアウトだ。

心配性の人口幽霊は余計なおせっかいを焼くに違いない。そのこと自体は嬉しいが、やはり面倒なことになる。何もないことを確かめに行くのに、それが阻害されてしまうから。

だからこそ、今回の事は出来る限り内密にしておきたい。人口幽霊から見えない所まで歩くと、変化の要領で自身の髪の毛を黒くし、九つに纏めていた髪を全て下ろした。

これで、何かあっても多少はカモフラージュになるだろう。携帯を取り出し、無言でボタンを押した。


「悪いけど、先に乗せてくれる」

事務所から出て、五分。人工幽霊の死角になった所で、タイミング良くタクシーを見付けた。スーツを着て、柔和な顔をした、年齢は二五歳位のおそらくは営業マンが止めたタクシーだった。

すかさず、何食わぬ顔で近づくと、少々高慢とも取れる口調で男を呼び止める。一瞬不可解な表情をした営業マンは、直ぐに機械的な動作で柔らかな人当たりの良い顔になる。

「すみません。お嬢さんの気持ちは大変よく判るのですが、私も少々時間に余裕がないのです。だから、申し訳ありませんが、ここは私に譲ってください」

その営業マンの言葉に、私は思わず感心してしまった。
外見上は、高校生か大学生。そんな小娘の常識知らずな言葉に、ここまで腰の低い対応を取ってくれるとは、何か営業マンの鑑を見た気分だった。

「そこを、何とかお願いします。貴方も急いでいるのは承知していますが、どうか、私に譲ってはもらえないでしょうか」

私の固いとも取れる言葉に、営業マンの瞳が微かに揺らいだのを、私は見逃さなかった。高慢的と思っていた女が、途端に殊勝な態度を取ったので、動揺し少なかった筈の良心の呵責が、増えたからだろう。

しかし、相手もさる者。そう簡単には譲らず、言葉巧みにかわそうとする。

「しかし、私もお客様との大切な会談が迫っているのです。それを、ふいにするわけにはいきません。本当に申し訳ありませんが、他のタクシーを、何なら運転手さんに新しいタクシーを、」

はきはきとした、歯切れの良い言葉は途端に止まった。
営業マンは言葉を言い終わる前に、急に口を閉ざしたのだ。その表情は軽い驚きに染まっている。

私が、営業マンの言葉の節を狙って、彼の手を強く握ったのだ。普通なら振りほどくか、得意のやんわりとした口調ではぐらかすのだろう。しかし、彼は何も言わずただ、私の潤んだ鳶色の瞳を見詰めている。もはや、勝負は決していた。

「お願い」

甘く、掠れた欲情を誘う声がもれる。
その一言で営業マンはおちた。頬を微かに赤色に染めた彼は、優しく進路から外れてくれた。しなを作ってタクシーに潜り込むと、名残を惜しむように手を離す。残照を惜しんでか、営業マンが口を開こうとする。しかし、私は指一本でそれを防いだ。人差し指を彼の唇に一度押し付け、戻した人差し指を舌先でちろりと舐める。それで、彼は何も言えなくなった。

「ありがとう」

呆然とした営業マンを路肩に残し、頃合を見た運転手がタクシーを発進させた。背後に、口を半開きにした営業マンの姿を見て、私は微かに微笑んだ。前に向き直ると、運転手に言った。

「東京駅、お願い」


後方に流れる高層ビルの群れを見ながら嘆息した。
走りはじめて五分。都内の一等地にある事務所から、大きなバイパスに乗る所だった。代わり映えのないビル、相変わらず込み合っている道路。その見慣れた景色から視線を正面に戻すと、私は自分を嘲笑した。

さっきの営業マンは、私が事前に連絡を入れていたタクシーに既に乗って、トラブルもなく目的地に付けるだろう。それ自体は良い。流石に急いでいる人物を、何も考えずに誑かすほど、私も鬼ではない。

しかし、けれど、と思うのだ。あの行為は、はっきり言うと無駄でしかない。正に一分一秒を争う状況なら何の躊躇いもなくやっていただろうが、今回は違う。自分が呼んだ、三分後に着くタクシーでなんの問題も無かったのだ。

それなのに、私は目立つ行為、咎められる行為を行ってしまった。わざわざ黒髪にし、象徴的な髪型まで変えたというのに、これでは全く意味がない。

知られたくないのに、わざと足跡を残しアピールをする。まるっきり子供の有様ではないか。さらに、九尾の狐があそこまで危険視されているのは、その強大な妖力もあるが、人を誑かす事に長けているからに他ならない。

その転生体である私が、あんなことをした事がばれれば、さらに危険と見なされるだろう。無駄どころかマイナスだ。それが判っているのに、私はやってしまったのだ。嘲笑が表情に出るのは当たり前といえた。

ネガティブに流れる思考を止めるため、腰に挿してある、小さいけれど無骨な愛銃をジャケットの上から撫でた。

横島が始めてプレゼントしてくれた物が、このワルサーP99だった。いつも、私はネガティブになった時、不安になったときにワルサーを撫でる。たった、それだけの行為で私は大丈夫と思えるのだ。

ワルサーに触れる。たったそれだけのこと、その単純な行為が私にとっての心を安定させる儀式だった。心臓が規則的な音を奏で、呼吸も平常、私は常に戻った。

あれだけ危惧していた行為、それに殺生石でさえどうにかなると今は思える。楽観的な思考で単純なことだが、決してわるいことではないだろう。きっと、これをプレゼントした助平にどくされたのだ。

やれやれと溜息をついた。
けれど、いい気分だなと思う。うん、やっぱりわるくはない。その感情に、もう一度、やれやれと溜息をついた。


それにしても、私は、横島忠夫に対していったいどういう想いを抱いているのだろうか。

おキヌちゃんにバカ犬は言うに及ばず、一応は私の上司である美神。彼女たちは明らかに横島に恋慕を抱いている。他にも恋慕というほどでは無いが、淡い想いを抱いている女性は少なくない。そこをいくと、私はどうなのだろう。

横島に対してだけは、本当に不思議な程に答えがでない。好意は間違いなくある。それは確かだ。けれど、それが恋とか愛などと問われても、返答に窮してしまう。

その、好きというレベルが、友愛なのか親愛なのか、それとも別のものか、それが一向に判らないのだ。横島はいつも私を護ってくれる。どんなときでも、矢面に立ち、私に襲い掛かる苦難を出来る限り遮ってくれる。

横島という男がいなければ、私は今頃ここには居まい。最初の出会いもそうだが、それから起きた事件も横島が居なければ、という場面がしばしばあった。

横島を危険に巻き込み、助けられ、そこまでされてなお、私はこの気持ちに答えを出せないでいる。怖いのかもしれない。この気持ちに名前をつけることが。

横島が護ってくれる度に思うのだ。私の感情は本物なのだろうかと。横島を利用したいから横島に好意を抱く。赤ん坊が庇護してもらうために、可愛い姿、表情をしているように、ただ庇護してもらいたいから、好意を抱いているのではないか。そう、思ってしまうのだ。

自分の感情が、九尾の狐の本能から生じたものなのか、タマモという一人の女が経験し共感したから生じたものなのか。それが判らない。だから、いつまでも横島に対する想いに整理が付けられない。

こういう時は、いつもシロを羨ましく感じる。自分の想いを、あそこまでストレートに表現できたら、私も悩むことはなかっただろうに。好きとはっきりと言えるのに。だから、私はあの真っ直ぐとした在り方が、どうしようもなく尊いと眩しく映るのだ。このことは、誰にも、口が裂けても言えないが。


「お客さん。悩み事ですか」

突然、前方から声が掛かった。
あのどだばたにも、一切口出しをしなかった、タクシーの運転手からだった。

「別に大したことではないわ。ただ、電車の出発時間に間に合うかしらと思っただけよ」
「はは、これは手厳しい。私も出来るだけ急いでいるのですがね、何しろ車が多くて、上手く進まないのですよ」
「それは、言えてるわ」

平日にも関わらず、道は車で埋められている。
一台が通っても、すぐまた一台が、そして、また一台が。限りのない無限直線。それが、東京の主要道路だった。

国道一号に入り、横手の窓からは皇居が見える。あと十分ほどで東京駅に着くだろう。腕時計を見る、時間は十時ちょうど、予定通りだ。

「お客さんは、皇居を見てどうおもいます?」
「えっ」
「いや、すみません。貴女ほど日本人らしい人はなかなか見ないので、つい日本の象徴である天皇家をどう思っているのか、気になってしまって」
「ふふっ」

つい、笑ってしまった。
日本人らしいと初見の人から言われたのが初めてだったからだ。おキヌちゃんの様な、綺麗な黒を目標に変化させたのだが、それだけで日本人らしいと言われるなんて。なんだが、少し嬉しい気持ちになる。

「運転手さん。貴方なかなか良い眼をもっているわね」
「ありがとうございます」
「それで、皇居ね。正直あまりいい感情は持ってないわ。日本の象徴だから当然なんだけど、やたらガードが厳しいし、これだけ広い土地を占有していながら、どこか寒々しい印象を与える庭造りがちょっと気に入らないわ。隔絶した雰囲気っていうの、それが私は好きじゃないのかな」

窓の外の、広い広い公園を見ながら答えた。
ビルが立ち並ぶ東京駅周辺において、そこだけが平面的で、現代と過去をすり合わせたような、そんな、ちぐはぐな印象を抱かせる空間は、おそらくここだけだろう。

皇居外苑内に立ち、周辺を見渡すと、それが余計に強調される。
砂漠に一人で立ったような、孤独感。辺りが雑然としているから、尚更にそう感じるのか、とにかく寂しいそんな気さえした。

けれど、私はあの空間で一つだけ好きなものがある。あの、地平線ですら見えるのではないかという、広大さ。ごみごみした詰め込めるだけ詰め込んだという狭小な都心において、あの爽快感はなかなか味わえるものではない。

けれど、そんな時は決まって聞こえてくるのだ。
全てを壊せと、瓦礫と廃墟、本当に地平線を眺めれるように、動乱を起こせと。破壊と絶望、怨嗟に満ちた、心の底から響く、暗褐色の寒々しい、そんな声が。

だからか、皇居自体はともかく、この公園が本当は好きなくせに、こうして憎まれ口を叩くのは。

「そうですか。私は、実は好きなんですよね。皇居も、公園も。日本の象徴の格式を表しているというか、お客さんの言う、隔絶した雰囲気。それが、私は好きなんですよ」
「貴方って珍しい運転手ね。そこまで、客の意見と反対の事を言う人はいないでしょうに」
「貴方も中々に珍しいお客さんだと思いますよ」

中々、痛烈な皮肉を言ってくれるではないか。
先程の営業マンとのやり取りを言ったのだろう。言葉を詰まらせた私に、運転手は微かな微笑みを零した。

「ほんと、珍しい運転手ね」
「褒め言葉として受け取っておきます」

まったく、可笑しな運転手もいたものだ。


タクシーは一号線を曲がる。眼前には赤レンガ造りのレトロな駅が見えていた。運転手との会話はそれきりで終わった。私が真摯な、見ようによっては険悪ともとれる雰囲気を意図してもらしたからだ。

私は真剣な面持ちで東京駅を見詰める。いよいよだと思う。ここまで来たら、後戻りは出来ない。私は新幹線に乗り、あと数時間後には目的地、殺生石の所に着いているはずだ。知らず、舌なめずりをした。獲物を見付けようとする、獣じみた仕草だった。


後になって判る。
運命と宿命という言葉があるのなら、この事件が私にとっての運命と宿命だったのだ。


あとがき
やっちまいました。
短編というか中編の物語。主人公はタマモ。ヒロインが横島、そんな物語。
本編も書いていますが、あれです。ただ、中編が書きたかった。本編を楽しみにしていた方は、真にごめんなさいです。

それでは、久方ぶりのレス返しです。
今までレスを返さないで申し訳ありませんでした。

aki様
これからも、たまに出てると思うので、機会があったら、またお読みください。

yanagi様
前作を二回連続でログ落ちさせてる遅筆野郎です。これからも、中身のレベルを落とさないように気をつけ、書いていくので、気長にお待ち下さい。流石に、もうログ落ちはさせません。

九頭竜様
凛と横島。突っ込みとぼけ、うっかりと突っ込み。いい、コンビなので大変書きやすく、面白いと言って貰えれば幸いです。多分、ライダーとのフラグは付きますよー。

うけけ様
横島=芸人。横島の幼馴染、近畿剛一こと銀ちゃん。トップアイドルであり、映画俳優、バラエティーまでこなす、幅広い人気層を持つ、彼お墨付き。ちなみに今は月刊を目指しています。外伝を書かなければいける!

とり様
今回は、間違いなく横島が割りくってます。何せ、発言数が多分過去最低。登場しても即効で退場。次は暴れます。多分。

galdia様
話の不都合さについては、明らかに自分のミスです。
話を進めよう、進めようと思って、話をぶつ切りにしてしまいました。今後も、アドバイス等あればよろしくお願いします。

なまけもの様
誤字指摘。毎回、ありがとうございます。
話の不都合さについては、次回以降で徐々に出来る範囲でフォローしていきます。貴重な意見ありがとうございます。

nob様
始まりが唐突なのは、自分の悪癖ですね。
今後は、話の繋がりを意識していこうと思います。

CALLET様
毎度の遅筆、申し訳ありません。
これから、ペースアップしていこうと思います。

今後は、放置しすぎて、レス返しをしないという事は無くす様、気をつけますので、どうか、鋭い指摘、コメント等待っています。
どうも、ありがとうございました。


初めての中編。
ここまで読んで頂き、真にありがとうございました。

それでは、九十九でした。

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