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「妖狐の修行 第三話(GS)」

クレイドル (2007-06-01 23:47)
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 その日、美神除霊事務所は異様な空気に包まれていました。
 空は青空、昨日今日は連休でお休み、普通だったら皆うきうき気分のはずなのに、美神さんも、横島君も、おキヌちゃんもどこか憂鬱そうな表情をしています。
「先生、なんでそんな顔してるんでござるか?母上や父上と会えるのでござろう?まぁ昼間のドラマのような展開にはなるでござろうが……」
 シロが横島君に問いかけます。
「そうよ。美神もおキヌちゃんも横島の両親がくるってだけで、なんでそんな憂鬱そうな顔してんのよ?」
 タマモが牛乳のはいったコップを片手に、話しかけてきます。
「ああ、知らないってことは幸せね」
「ほんとッスね」
「ええ」
 三人はシロタマを哀れみの表情でみました。
「いいか、俺のお袋はな、霊力全開の美神さんと気迫でタイマンをはって、霊力もないのに神通棍を使用できる存在なんだぞ!しかもな、やることは大胆不敵!たとえ相手が大統領だろうと総理大臣だろうと売られた喧嘩は必ず買って、勝利を収めるんだぞ!!しかも職業は専業主婦!何処の世界にんな主婦がいるっつーんじゃい!!!」
 横島君がシロタマに熱く演説します。
「「はぁ……?」」
 二人は良く分かっていないようですが、美神さんとおキヌちゃんはうんうんと頷いています。
「私、正直会いたくないんだけど……」
「私もですよ、美神さん……」
 美神さんとおキヌちゃんが深いため息をつきます。
「ねぇ、天気がいいわね、おキヌちゃん?」
「そうですね、美神さん」
 二人が窓から空を見上げます。
 窓を開けると爽やかな風と、雀のさえずりが聞こえてきます。とても爽やかな休日の朝です。
「私たち……お出かけしよっか♪」
「あは♪いいですね♪」
 二人は思いっきりいい笑顔で頷きあいました。
「ちょっとまてぇぇぇぇ!あんたら俺をおいて逃げるきかぁぁぁ!!!」
 横島君が二人に向って叫びます。
「だって、あんたの両親がくるんだから、あんたはいなきゃダメでしょ?」
「ごめんなさい、横島さん。私としてはお会いしたいんですが、こういう家族の問題に他人が入り込む余地はないと思うんですね」
 美神さんは面倒臭そうに、おキヌちゃんは申し訳なさそうにそういいました。
「美神さんは最初から相手にしてなかったけど、おキヌちゃんまで俺を見捨てるなんて……」
 横島君は涙を流しながら、崩れ落ちます。
「まぁがんばりなさい」
 と美神さんは肩を叩き、帰ってきたらちょっとやさしくしてあげよっかなーとか考え、別に好きとかそういうことじゃなくて、このままじゃあとで仕事に差支えがあるからなんだから!という理論武装も完璧です。
 おキヌちゃんはごめんなさいと何度も謝っています。
 でも心の中では心が疲れた横島さんにやさしく接してあげれば、そのまま二人は恋人同士!ムフフとか考えています。氷室キヌ、意外と計算高い女の子です。
『オーナー、朱音様たちが参られました』
「通して」
 人工幽霊の報告に、美神さんがそう答えます。
「おはようございます」
「……おはようございましゅ」
 朱音さんははっきりと、姫都音ちゃんはまだ眠いのか目をこすりながら、ちょっと舌足らずな言葉で挨拶しました。
 皆がそれぞれおはようと挨拶します。
 姫都音ちゃんがトコトコと横島君に近寄り、ぎゅっと抱きつきます。その表情はニコニコととても嬉しそうです。
「お兄ちゃん、抱っこ」
「抱っこぉ〜」
 姫都音ちゃんのお願いに、横島君はちょっと乗り気じゃありません。
「……ダメ?」
 姫都音ちゃんの瞳がじわりと潤んできます。
「ああ!何てかわいそうな姫都音!!忠夫さんは魔族にも神族にも妖怪にもやさしいと聞いていたのに、母の違う妹にはやさしくないのね!!!」
 朱音さんが姫都音ちゃんを抱きしめます。
「横島君……」
「横島さん……」
「先生ぇ……」
「ヨコシマ……」
 美神さん、おキヌちゃん、シロ、タマモがじとーっと横島君を見つめて
「「「「小さい子泣かせるなんて最低」」」」
 と言い放ちます。
「誰も抱っこしないといってないでしょうが!!」
「じゃ、お願いします!」
 いつの間にか横島君の腕の中にはニコニコ微笑む姫都音ちゃんが。
 しかも、親子でぐっと親指を立てています。
 こいつらウソ泣きかよ!
 横島君はそういいたかったけど、ぐっとこらえました。何か言ったら、今度は涙をためるだけじゃなく、確実に泣き、自分はこの事務所において最低な人間と呼ばれてしまうと思ったからです。
「あらあら、姫都音ったらお兄ちゃんに抱っこされて嬉しそうね〜」
 横島君の腕の中でニコニコ微笑む姫都音ちゃんを、朱音さんは何処からともなく取り出したデジカメでパシャパシャ撮影しています。
「くぅ〜ん、拙者も先生に抱っこしてもらいたいでござるよ……」
「あんたじゃ重いわよ」
「な!拙者は重くないでござるよ!!」
「……昨日体重計にのってしばらく固まってたわね?」
 タマモがシロのお腹をつまみます。
「二キロってところかしら?」
「な、な、な!!」
「図星ね」
「そういうタマモこそ!一昨日体重計とにらみ合いしていたでござろう!!おぬしが体重計とにらみ合うということは、二キロ以上の増加とみたでござる!!」
「きぃぃぃぃ!!」
 二人はほっぺの引っ張り合いを始めました。
 その様子を視界の端に眺めながら、おキヌちゃんも何処なく姫都音ちゃんを羨ましそうに眺めます。
 そんな光景を美神さんはなんだかなぁという表情で見ていたときでした。
 いきなり美神さんの表情が真剣なものに変わり、本能というか、第六感が騒ぎ出します。ただちに逃げろと。
 おキヌちゃんも美神さんと同じく真剣な表情になりました。どうやら彼女も同じものを感じたようです。
「おキヌちゃん!出かけるわよ!!」
「はい!美神さん!!」
 そして、出口に向おうとしたそのときです。
『……オーナー、横島さんのご両親がお見えになりました……』
 人工幽霊の言葉に固まる二人、そして姫都音ちゃんを抱きしめたまま、絶望の表情を浮かべる横島君。
 トントントンと階段を上ってくる音が聞こえてきます。
 それと同時に、三人の脳内に流れ始めるのは、ター○ネ○ターだかダ○ス○イダーのテーマ曲。
 引っ張り合いをしていたシロタマもドアのほうを見つめます。
 ノックの音が響き、ゆっくりとドアが開かれ現れたのは、細身のサングラスを掛け、ニヤリと笑う我らがグレートマザー『横島百合子』と、その後ろで小さくなっている『横島大樹』でした。
「元気にしてたかい?バカ息子。美神さんも、おキヌちゃんも元気そうだねぇ」
 サングラスをはずし、凄くいい顔で微笑む百合子さん。でもその後ろにはゆらりと陽炎のようなものが見えます。その中にはドラゴンのようなものが、大きな翼を広げ、口からファイアブレスを吐きまくっています。龍化した小竜姫様のほうがまだ可愛げがありそうです。
 奥ではシロとタマモがいつの間にか抱き合ってガタガタと震えています。
「あんたが朱音さんやな?」
「ええ、そうですが。横島百合子さん」
 朱音さんがゆらりと振り向きます。
「ちぃっとばっかり、顔かしてもらってええか?」
「ええ、かまいませんよ」
「ほな、近くの喫茶店でもいこかぁ。忠夫、あんたもな?」
「は、はい」
 くるりと振り返り、階段を下りていく百合子さん。
「姫都音、いきますよ?」
「……はい。お兄ちゃんおろして」
「はいはい」
 姫都音ちゃんは横島君にゆっくりと下ろしてもらうと、朱音さんの手を握り、百合子さんの後に続きます。
「それじゃ、俺も……」
「横島君……まって」
 出て行こうとする横島君を引き止める美神さんの声。
 振り返った横島君の目に飛び込んできたのは、凄く嬉しそうな美神さん、おキヌちゃん、シロ、タマモでした。
「「「「グッドラック!!」」」」
 全員、親指をびしっとたてて見送っています。
「あんたら人のことだと思って……どちくちょう!!!!」
 それを見た横島君は叫びながら走っていってしまいました。
「ねぇ、ヨコシマのお母さんって何者?」
「……ただの主婦よ。昔はやり手のOLだったらしいけど……」
「た、ただの主婦がなんであんな霊力を放出できるんでござるか……?」
「シロちゃん、アレは霊力じゃないの、気迫よ。通称GMパワー。アレには、神魔族でも対抗できないかもしれないわ……」
 美神さんとおキヌちゃんの答えに、シロタマはさらに振るえ上がったのでした。


 近くの喫茶店に入った横島ご一行様。
 喫茶店の中に彼らが入ったとたんに、お客さんが一斉にお店から出て行ってしまいました。
 それはそうです。背中にドラゴンのオーラが見える人と、狐火を吹きまくっている九尾の狐のオーラを出している人が入ってきたら、そりゃ皆出て行きたくなります。
 全くもって、営業妨害のなにものでもありません。
 一行は、一番奥の席を陣取りました。
「忠夫来てもらって悪いんやけど、その子姫都音ちゃんやったか?その子と遊んできてもらえへんか?大人の難しい話になるやろうし、子供には見せられへん場面も出てくるやもしれんからな」
 そういうと、百合子さんは財布の中から横島君に二万円をだします。
「頼むで?」
「わ、わかった。姫都音ちゃん、いこうか」
「うん」
「忠夫さん、お願いしますね。姫都音、迷惑かけるんじゃありませんよ?」
「話終わったら、携帯に電話くれよ。番号教えるから」
 横島君は、百合子さんに携帯電話の番号を教えると姫都音ちゃんの手を引いて外へ出て行きました。
 ちなみに余談ですが、横島君の携帯電話は美神さんから社用ということで渡されています。でも実は美神さん名義。法人契約ではなく個人契約です。しかも指定先割引も組まれており横島・美神間はメールも通話も定額です。
 なんていうか、ここまでやったらもう彼にぞっこんなのは明白なのに……。あ、おキヌちゃんも横島君とは通話・メール定額です。
 さて、それは置いておいて。
「さて、朱音はん……」
 百合子さんがテーブルの上に両手を着きます。
「うちの宿六の命助けてもらってありがとうございました!!」
 そういって百合子さんが頭をテーブルにつけます。
「朱音さん、あの時は本当に助かりました。……そしてすみませんでした」
 隣にいた大樹さんも頭を下げます。
「あ、いえ、どうぞ面をあげてください」
 真正面からぶつかり合う覚悟をしていた朱音さんは、いきなりのことに面食らってしまいました。
「七年前、うちのが山で遭難して発見されたとき、綺麗な女の人に助けてもらったとか言っていたけど、幻かなんかだと思っていました。でも、うちのから聞いた容姿とあんたが一緒や。それに、あんた妖狐っていう狐の妖怪なんやろ。ならうちの宿六の前から一瞬にして消えたのも納得できるわ」
「私はあなたのことを一日も忘れたことはなかった。命を助けていただいたのに、その、薬のせいとはいえ、強引にヤってしまって……」
「あほんだら!うちはいつも薬に耐性つけとけいっとったやろ!!」
「あのな!見たことも聞いたことも無い薬に耐性付けろっていわれてもつけられるか!!」
「あの二人とも落ち着いてください」
 朱音さんは冷静に、二人を静めます。
 丁度店員さんがコーヒーを持ってきました。三人がそれぞれ一口飲みます。
「実は、娘の姫都音のことでお願いしたいことがあるのですが……」
 朱音さんが静かに口を開きます。
「私達の一族は七歳になると、人間達の街に一人で修行に出る決まりです。ですが、姫都音は人見知りが激しく、変化の術も満足に使えません。私も、守り神としての仕事があるのでそうちょくちょく様子を見ることもままならないので、出来ればあなた方に面倒を見ていただきたいと思った次第でして……」
「う〜ん、困ったなぁ……」
 朱音さんのお願いに、大樹さんが頭を掻きます。
「私も貴方にあんなことをしてしまった負い目と、自分の娘ってことで世話したいが……。今海外勤務だし、行っている国の治安がお世辞にもいいとはいえないところだし……」
「せやなぁ……。あない小さな子を連れて行ける国やあらへんな……」
「そうですか……」
 三人は頭を抱えてしまいます。
「なぁあんた」
「ん?」
 百合子さんの呼びかけに、大樹さんが返事をします。
「あとどのくらいで日本に戻れそうや?」
「そうだな……。レアメタルの採掘は順調だし、向こうの電子機器メーカーと共同で開発した新型ICチップもそろそろ生産に入る。あとナルニア北部の山脈からアメジストの鉱脈が見つかったから、ナルニア政府から採掘許可が下りるのを待つだけだな。上手くいけばあと一年ほどで戻れるかもな」
「なら決まりや!うちらが日本に戻る間は、忠夫や美神さんたちに見てもらおうやないか!忠夫はあーみえても子供の扱いは上手いよって。それに飯ならおキヌちゃんにまかせとけば安心や。となると、後は住む所や。忠夫のところは狭いよって、新しいアパートかマンション見つけんとなぁ」
 百合子さんが素早く携帯電話を取り出すと、電話をかけます。
「もしもし、クロサキ君か?少し頼まれてほしいんやけど。実はな、うちの忠夫と小学生くらいの女の子が住める物件探してもらいたいんやけど?それじゃ頼んだで」
 百合子さんは電話を切ると、朱音さんに微笑みます。
「住居の手配もしたし、養育費とかは全部うちで出させてもらうわ」
「そんなご迷惑を」
「いや、いいんですよ。自分の娘の存在を知らなかったし、貴方を探そうともしなかった私からの償いと思ってください」
「そんな……」
「朱音はん、もらえるものはもらっとき」
 百合子さんと大樹さんが朱音さんに笑みを向けると、彩音さんも微笑みました。


 一方、横島君と姫都音ちゃんは映画やご飯などを食べてゲームセンターにやってきました。
 相変わらず耳と尻尾が出っ放しですが、皆コスプレ幼女だと思っているので問題ないようです。時々怪しい視線を感じているようではありますが。
 二人でレースゲームやガンシューティングなどを楽しんでいます。
「お兄ちゃん、あれやりたい」
 姫都音ちゃんが指差した方向には、ギル○ィギ○という素人と玄人の差がはっきり出てしまう人気格闘ゲームがあります。
「姫都音ちゃん、あれ難しいよ?」
「やりたい」
 横島君が注意しますが、意思は固いようです。
 姫都音ちゃんが人差し指を咥えて、横島君を見上げます。
 基本的に小さな子には優しいというか、甘い横島君なのでお金を渡しました。
 ちょこんと椅子に座って、百円玉を投入する姫都音ちゃん。早速キャラクターを選びます。
 どうやらカンフー技を得意とする女の子キャラを選択したようです。
 横島君は缶コーヒー片手に姫都音ちゃんの様子を見ています。
 戦闘開始の合図が流れ、姫都音ちゃんのキャラクターがぼろ負けするのかと思っていたら、開始早々ガトリングコンボを決めて相手を上空に持ち上げて追撃。着地すると同時に、ゲージを開放して落ちてきた相手に技を打ち込みます。
『『天』『上』『天』『下』『唯』『我』『独』『尊!!』 YOU WIN!!Perfect!!』
 筐体から流れる声が完全勝利を告げます。
 唖然とする横島君。彼もこのゲームを何度かやっていますが、はっきりいって次元が違います。
「き、姫都音ちゃん上手だね……」
「……さっきやってる人の見て覚えた……」
 いや、見ててもできねーよと横島君は心の中で静かに突っ込みます。
 てか、はっきりいってさくさく進みます。しかも全部、完全勝利です。
 ガチャガチャと真剣な表情でゲームをしていると、突然乱入表示が現れました。
「……あと一人で完全クリアだったのに……」
 可愛らしい姫都音ちゃんの瞳に怒りの炎が宿ります。
「……ぶっ潰すの」
「お、お手柔らかにね?」
 なんということでしょう!あの横島君が、七歳狐っ娘の気迫に押されています!!
 画面内で対峙する姫都音ちゃんのカンフー娘と乱入者のエセ忍者。
 そしてゲームが始まると、一気にガトリングコンボを決める姫都音ちゃん!
 しかし相手もかなりの玄人のようです!ガトリングコンボを完全には受けず、きちんとガードしてカウンターを当てていきます!
「……上等……」
 姫都音ちゃんがにやりと微笑みます。
 姫都音ちゃんのキャラが間合いを取ります。
 互いに、一進一退の攻防が続き、乱入者が至近距離で超必殺を出そうとしたとき、姫都音ちゃんの目がきらりと輝きます。
「これを凌げば勝ち……」
 姫都音ちゃんのキャラがガードの体勢に入ります。
 相手の超必殺をガードしきると、今度は姫都音ちゃんが超必殺を打ち込みます。相手もガードしますが、必殺技のダメージ量で削り倒されてしまいました。
「……勝ったの……」
 ぐっと右拳を上げる姫都音ちゃん。
「おい、あの子。クイーンに勝ったぞ」
「マジかよ」
「すげーな」
 ざわざわと皆が姫都音ちゃんのことを話しています。
 クイーンかぁ。ゲーセンにも女王がいるのかねぇとか横島君が考えていると、向かい側の筐体から一人の人物が現れます。
「へーボクに勝ったから、どんな人かと思ったらボクと同じくらいの子だなんて」
 現れたのは、Tシャツに青いスカート、その下に黒いスパッツをはいたボーイッシュな姫都音ちゃんと同じ年くらいの女の子でした。
「君、名前は?」
「姫都音。……あなたは?」
「ボクは九龍院あやめ。今日はもう帰るけど、機会があったらまた対戦させてもらおうかな?」
「受けて立つ」
 二人は握手をすると再戦を約束しました。


 二人は百合子さんからの電話を受け、喫茶店に戻ってきました。
「忠夫、姫都音ちゃんは俺の娘でお前の妹だ」
 開口一番、大樹さんは横島君にそういいました。
 そして、ことのあらましと今後のことを横島君に告げます。
「てことは、親父達が戻るまでの間俺が姫都音ちゃんの面倒を見るというわけね」
「そういうことだ」
 大樹さんが横島君の言葉にうんうんとうなずきます。
「まぁ、きちんと面倒見るよ。よろしくね、姫都音」
「……よろしくお兄ちゃん」
 二人はしっかりと握手をしました。
 その後、横島御一行は高級レストランに入り楽しく夕食をとり、百合子さんと大樹さんが飛行機の時間が迫っているというので、簡単な挨拶をして別れました。
「では、私も里に帰ります。忠夫さん、姫都音のことよろしくお願いします」
「ええ、安心してください。美神さんもおキヌちゃんもシロもタマモもいますから」
「……お母さん、またね」
 姫都音ちゃんはそういうと、朱音さんにぎゅっと抱きつきます。
「姫都音、がんばるのよ」
 朱音さんの言葉に姫都音ちゃんがこくんと頷きます。
「それじゃ……ね」
 朱音さんはそういうと、すっと消えてしまいます。
「お母さん…」
 姫都音ちゃんの目から涙が溢れてきます。
「姫都音ちゃん、帰ろう?」
「うん……。お兄ちゃん、私がんばる……」
「おう!がんばれ!!」
 そういって横島君は優しく姫都音ちゃんの頭を撫でました。


あとがき
 はい、第三話お届けしました。
 なんか大樹の陰が薄かったな……。あれ?もうちょっと活躍するはずだったのに、何処をどう間違えたんだ?
 次はもうちょっとがんばろう。
 ちなみに姫都音=きつね、朱音=あやねと読みます。

レス返し

ラーメン大王さん
 血の雨は降りませんでした。残念ながら。

菅根さん
 もち娘認定です。そして可愛い娘は宝です。本当に

鳳凰さん
 何とか生きて変えることが出来ましたw

BLESSさん
 確かにダースベイダーの曲もアリですね!今回は使わせていただきました!

ばーばろさん
 お約束は宇宙の真理です!

Februaryさん
 どうやら大樹さんは『必中』持ちのようです。

内海一弘さん
 激しい対決を希望されていたようですが、ごめんなさい。
 姫都音ちゃんはおにいちゃんがきっと幸せにしてくれます。

DOMさん
 次回からタマモとの訓練も始まる予定ですので、ご期待ください。

七死さん
 これから姫都音ちゃんは、可愛さをどんどん武器にしていく予定です。(恐らく)

遊鬼さん
 まぁ、彼ならヤルでしょうね!
 姫都音ちゃんと横島家の人々の関係は良好です。

スケベビッチ・オンナスキーさん
 はい、お待たせしました。前回より姫都音ちゃんの含有量が増えました。
 次回はもうチョイ増える予定です。

ZEROSさん
 シロタマはトラウマ手前でした。本当はトラウマにしても良かったんですがw

ウィルさん
 書いてる本人も、横島君が羨ましいです!!

鹿苑寺さん
 別にばちは当たらないので思う存分やちゃってくださいw

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