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「Obtained from pain Shiens.4(絶対可憐チルドレン)」

カル (2007-05-30 02:22)
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まどろみの向こう側

万華鏡の如く壊れて消えいくのは向日葵のようなアイツの笑顔

砕けた欠片は新たな欠片と寄り添って異なる表情を作り出す

砕けて 砕けて 砕けて…

最後の笑顔が砕けて消える

荘厳なステンドグラスは積もった塵の成れの果て

描き出されたアイツ顔は思った通りの泣き顔で

本当のお前もこんな風に泣いているのか?

なぁ薫………


Shiens.4 勇気


ひどい夢を見た…気がする。
何で言い回しが曖昧かっていうと目が覚めたとき夢の内容をほとんど忘れちまったからで…
しょーがねーじゃん?夢なんて大体そんなもんだし。
それでもひどい夢だと思うのは、なんつーか胸の奥からモヤモヤした気持ちが溢れかえってるから。
この気分を解消しようと思ったらビルの一つでも粉々にしないと気がすまない感じ。
最低でもこの部屋ぐらいは目茶目茶にしたい。
まぁ…しないけど…
また母ちゃんに文句いわれんの嫌だし。
さすがに三回目は許してくれなさそうだし。

そう、この夢見の悪さは今日に限ったことじゃない。
昨日も一昨日もこんな風にムシャクシャする夢を見てあたしは部屋で大暴れしたのだ。
今やあたしの部屋は余計な丁度品もすっかりなくなって、ただっ広い空間にぽつんとベットが置かれてい

るだけの極めてシンプルな間取りとなっている。
所々窪んだ壁とひび割れた簿窓ガラスが印象的で後は引越しを待つのみって感じだ。
ってここ何処のスラム街だよ!?…まぁ、あたしがやったんだけど。

「あぁ!!もうっ!失敗したなぁっ!!」
溜め込んでた漫画もバラバラにしちゃったし、家具をぶっ飛ばしたせいで秘蔵のエロ本もエログッツも見

つかっちまって処分されちまうし…。
片付けは全部自分でやらされるしもう散々である。
おまけに次の引越し先が決まるまでこの部屋で寝ろってお達しだし。
今が冬だったら凍死してるっての。
夏だけど…
つか隙間風が入ってきて全然エアコン効かねーんだもん。最近熱帯夜だってのに。
夢見の悪いのはぜってーそのせいもあるね!間違いない!もう決定ーー!!

「なんかまたムシャクシャしてきた…」
どうせもう壊すものもないし、すぐに引っ越すんだしやっぱりちょっと憂さ晴らしをしよう。
そう考えて念動力を使おうとして右手に力を込める。
光が収束し純粋な破壊のエネルギーへと変わっていく。
日常的に、呼吸をするように使っているこの力のコントロールを誤ることなんてない。
部屋をバラバラにしない程度に出力を抑えて力を解き放つ。

あたしの目の前に広がるのは一層ボロく無残な様の部屋…のはずだった。
そこにあるのは何もない、塵一つ舞ってないガランドウのあたしの部屋。
「−−−−−っく」
アイツの、皆本の悲しげな表情が目に浮かんであたしは念動力を霧散させてのだ。

「わぁったよ、やらねぇって。だからそんな顔すんなよ…」
返事がないのは分かっていても、そう言わずにはいられなかった。
そう、わかってる。わかってるのだ。
なんであたしがこんなにもイラついているのか、その理由くらい。

とどのつまりあたしは皆本に謝りたいのだ。
ううん、そうじゃない。
それは手段であって目的じゃない。
あたしは皆本に会いたい。あって謝って、許してもらって、いつもの生活に戻りたいのだ。
アイツの家で紫穂と葵と馬鹿をやって皆本を困らせて怒らせて…笑って…甘える、そんな日々を取り戻し

たいのだ。

「まぁ、それができればこんなとこでウダウダやってねーつぅの…」
自嘲気味に笑って布団へと頭からダイブ。
手持ち無沙汰に毛布の毛玉を毟ってみる。
思えばあの日、朧さんに連れて帰られる時、途中で逃げ出して謝りに行けたらこんなに苦しい思いをする

ことはなかったのかもしれない。
そんなことを考えても後の祭りなんだろうけどさ。


一日目、あたしはすぐにでも飛んでいってアイツに謝るつもりでいた。
局長からはしばらく謹慎って言われてたけどそんなこと知ったこっちゃない。
そう思って家を飛び出そうとした瞬間、母ちゃんに捕まった。
『行くんなら散らかした部屋片付けてからにしな!』
そんなこと無視して飛んでっちまいたかったけどなんか目がマジだったから素直に従うことにした。
片付け自体にも手間がかかったし、それ以上にどんな風に謝ろうか考えてるうちに気が付いたら日が暮れ

ていた。
暗いのなんてあたしは全然怖くない。そう、日が暮れたぐらいちっとも問題じゃなかったんだ。
けど結局いい台詞が思いつかなくてその日は出かけるのを諦めたのだった。


次の日も似たような感じ。
ボロボロにした部屋を片付けて半日。
昼からは気を使ってくれたのかねーちゃんがでっかいホテルのプールに連れてってくれた。
本当はそんなことしてる場合じゃなかったんだけど時間を置いたせいか謝りに行くタイミングをすっかり

逸してしまった気がしていた。
若いピチピチのおっぱいが魅力的だったのは認めるけどさ。
実際かなり楽しんだし♪


「ってな訳で未だにボロ部屋でモンモンとしているのでした、チャンチャン」
あたし誰にむかって喋ってるんだろ?
そんな他愛もない疑問も溜息一つで毛玉と一緒にどっかへ飛んでいっちゃったんだけど。


「…ホントは…怖いんだ」
そう、なんだかんだと理由をつけて皆本ん家に行けないのは怖かったからだ。
怖いものなしといわれてる天下の特務エスパーである超度7の念動能力者の名が泣くかもしれないけどそ

れでも怖いものは怖いのである。
ちょっと前までのあたしは本当に怖いもの知らずだったのに…。
それがまさかアイツに、皆本に嫌われるってことがこんなにも恐ろしいなんて思いもしなかった。

皆本はどんな無茶をしても、馬鹿をしても、怒ってもいつも最後は苦笑いしながら許してくれてた。
そのアイツが今度は許してくれなかった。

もう一回謝って、それども許してくれなかったらどうしよう…
もう一回、また一回、何回謝っても許してくれなかったらどうしよう…
そう考えるだけで足が竦む、胸が軋む、声が出せない。

多分、今から謝りに行けば皆本は許してくれる。
アイツはホントに優しくて、いい奴だから。
あの時は頭に血が昇っててそのせいで許してくれなかったんだ。
それくらいわかる。あたしはアイツのことを見てきて、知っていて、信じてる。
それでも『もし』を考えると出口のない迷路の袋小路にはまっちまう。

「やめたっ!もう考えるのやめっ!!どうせ謹慎が解ければまたアイツの家で暮らすんだし謝るのはそん

ときでいいや」
昨日考えた最高の逃げ口上だけどかなり良い線いってるんじゃないかな?
あたしには最悪この選択が出来る訳だし。
皆本に会うのが2〜3日遅れるぐらいどってことないさ。
うっさい!空元気いうなっ!!


「うし、寝ててもしょうがねーし朝飯でも食うかな」
気つけにピシャンと両頬を張ってベットから下り、もぬけの空の部屋を後にした。


「あら?あんたがこんな時間に起きてくるなんて珍しいわねぇ」
「ねーちゃんがこの時間にウチにいる方が珍しいよ」
一日の出鼻を挫くような声の掛け方をしてくれたのは、朝シャン上がりだろうかホクホクと湯気を纏いな

がらパンツ一丁というあられもない格好をした姉だった。
金髪の頭をワシワシと拭きながらこっちを見下ろしている。
タオルは頭に載せられているからたわわなスイカは丸見えだ。
いくらオッパイ星人のあたしでもみなれた身内の裸にテンションを上げたりはしない。
今の気分なら尚更。
自分とのプロポーションの差に多少ヤキモキするが、あれが近い将来自分のものになると思うと楽しみで

もある。
身内の裸って感慨深いなぁなんて今更ながらに考えてしまったりもする。
アンニュイな気分ってすごいな〜。

「あんた百面相してないでさっさと顔洗ってきたら?」
「ういぃぃ〜〜〜」
不審げな姉を尻目に洗面所へ向かう。
多分あたしすっげー面白い顔してたんだろうな。


「あら?あなたがこんな時間に起きてくるなんて珍しいわね?」
「母ちゃんがこの時間にウチにいる方が珍しいよ。あと同じリアクション二回もさせんなよぉ」
「ん、なぁに?」
「さっきねーちゃんに同じこと言われた」
さすがにムカっときて抗議の声を上げる。
「それはあなたが休みの度に昼まで寝こけてるからでしょ」
一息に切って捨てられた。
さすがのあたしにも反論の余地はないので黙って朝飯が出てくるのを待つ。


久しぶりの家族全員そろっての朝食は思った通り騒がしいものだった。
仕事柄家族全員そろっての食事はそれほど多くない。
その分そろったときは近況報告から、どうでもいい話から相談事目いっぱい喋るのが慣わしである。
いつもは自分も紛れてベラベラ喋るもんだから気付かなかったけど傍からみるとかなり騒々しい。
てかむしろ五月蝿い。
自分がもう二人いる感じで喋ってるんだから当然か。
ただ、こんなに賑やかだと思い出してしまう。
賑やかで楽しかった皆本の家での生活。
つい三日前のことなのに随分と昔のように感じてしまう。
自然と食事の手も、口数も減っていく。

「ふぅ、あなたまだ皆本さんのこと気にしてるの?」
的を射すぎていた母の言葉に息を呑む。
「やれやれ、図星かぁ」
にやけ顔で参戦してきた姉の言葉に顔面の温度が上がっていくのが分かる。
ちくしょう…恥ずい…

「あなた、あれからすぐに謝りに行ったんじゃないの?」
「行こうとしたのに引き止めたのは母ちゃんだろ!?それにあたしは謹慎中っ!!」
心底不思議そうな顔をしている母に抗議の声を上げる。

「謹慎を気にするあなたじゃないでしょ?片付けだったパッパっとやっちゃえばそんなに時間掛からなか

ったのにモタモタやってっるから」
「うっ…そうだけど…」
「それに引き止めたのは一昨日の話で昨日は丸々暇だったでしょ?」
「昨日はねーちゃんがプールに誘ってきたからっ!」
逃げ場がなくなって恨みがましげに姉を睨む。

「そんな顔しないでもいいじゃない。気分転換にって思ったのよ。それに行く?って言ったら飛びつくみ

たいについて来たのはあんたじゃない?」
「うぅぅぅぅぅ〜」
「それにあたしももう行った後かと思ってたの。まさか天下の薫ちゃんがお家でウダウダしてるなんて思

わなかったのよ」
コメリカ人みたいに両手を肩まで上げて口笛を吹いている。
冗談めかして言ってる姉の言葉も、全部が全部この二日あたしが考えに考えていたいたことで、それを人

から言われるのはかなりクるものがあるわけで…
あぁ…ダメだ…泣きたくなってきた…

目頭に熱いものがいっぱい溜まって、鼻は鼻水でグシュグシュで、口の中はしょっぱい味でいっぱいにな

っている。
大粒の涙が溢れそうになった瞬間母ちゃんが大き目の箱をあたしの前に差し出した。

「………?」
「皆本さんへのお見舞いの品、ひとっ飛びして届けてきてくれない?」

「あぁ、これは私からね♪傷み物だから今すぐ届けてきてくれると嬉しいな」
目の前にドンと置かれたのは果物の詰め合わせ。
どれも美味しそうに熟しててこんな鼻じゃなかったいい匂いがしたんだろう。

「私はあなたをお使いも出来ない子に育てた覚えはありませんよ?」
「そうそう、ぱぱっと行ってついでにあんたの用も済ませちまいな」
その言葉で母達が何を言ってるのか、グズグズの頭がようやく理解した。

泣き顔を見せるのは癪だったから、朝飯を一気に流し込んで、ひったくるように荷物を奪ってウチを出て

きてやったのだった。


****************************************************************


「ひゃっほ〜〜〜〜〜〜♪」
こんなにいい気分はいったいどれくらいぶりだろう?
「あぁ、たったの三日ぶりかぁ〜〜〜〜〜〜♪」
下らない独り言を大声で叫んでしまうほどあたしは今上機嫌である。
いつもは全部なぎ倒してしまいたい眼下に広がるビルのむれも今日ばかりは太陽の光を反射してあたしを

讃えているようにすら感じる。
むしろ全力で讃えろ。じゃないと壊す♪

よくよく考えてみればウチと皆本ん家は同じ都内で目と鼻の先。
電車を使ってもすぐだし、超能力で飛んできてしまえば文字通りあっという間なのだ。

「ししし、こっそり忍び込んで後ろから『わっ!』ってやるのもいいかな。皆本のやつぜってービビるぞ


…やめとこ。
はじめはちゃんと玄関からはいってちゃんと謝ろう。
「そういえば葵も紫穂も謹慎中なんだよな。やりぃ、皆本独り占めじゃん♪」
もう楽しいことしか想像できない。
ビバ、あたしの未来って感じ?

「母ちゃんのお許しも出てるから今日は泊まってけるし♪夜は皆本としっぽり………♪ぐふふふふふ、か

なりいいかも」
幸せな未来を胸にあたしはジェット機も追い越す勢いでスピードを上げた。


****************************************************************


あたしは最近人生はなかなか思ったようにはいかないってことを学んだ。
あっ、今の台詞カッコイイかも!ってそれはいいんだった。
だってひどくね?あんなに幸せだった気分が一気にどっか遠くへ飛んでっちまったんだから…

尋常じゃな速度で飛ばしてきたおかげで皆本の家までは本当にものの数分と掛からなかった。
ひどく懐かしい玄関がみえて少し泣きそうになってしまう。
そう、あたしはそれほど幸せだったのだ。

扉の前に立ち深呼吸をしチャイムを鳴らそうとした瞬間、ガサゴソという人の気配に心臓が爆発しそうな

くらい高鳴った。
-ちょとタイムっ!!まだ心の準備がっ!
突然の出来事に思考はグチャグチャになるばかりでちっとも落ち着く様子はない。
だというのに気配は近づいて来るばかり。
ガシャンと鍵の開く音。
ギっと扉が開ききる瞬間情けないことにあたしは空の上へとエスケープしていた。

ドアの向こうから出てきたのは当然のように皆本だった。
この数日一瞬たりとも忘れてことのないその顔を見ただけで安堵の息が漏れる。
それと同時に胸の奥がぽっと暖かくなるのを感じていた。
『その後ろに続くもう一人の姿を見るまでは』だ。


あたしがあいつ等を見間違えるはずはない。
そりゃ何年も一緒にチームをやってきた親友なんだから。
「紫穂…あんた…」
と昼ドラの浮気現場を見つけたみたいに言ってみたけど実際はそんなに深刻な問題じゃなかったりする。
まぁノリだよね。

そもそも皆本はあたしのものではない。う〜ん、違うか?
あたしだけの物じゃないのだ。
あたし達にとっての皆本は言ってみれば皆のもので共有財産みたいな扱いになっている。
だから誰がどのように皆本に手を出しても問題はないはずなんだけど…

それでもこんな風に胸の奥がチクチクするのはあの二人が自然に、以前通り、ううんそれ以上に仲良さげ

に寄り添っているからだと思う。
「ちくしょー!あれは抜け駆けしすぎだろっ!!」
このモヤモヤが抜け駆けされた嫉妬から来るものなのか、それとも自分が出来なかったことを先にやられ

てしまった焦りなのかわかんない。
わかることといえば…
「あんな雰囲気じゃ近づけねぇじゃんよ…」
ってことだけだったりする。
それって最悪じゃね?


紫穂の表情が浮かないのと、マンションの下に黒塗りの車が止まってることから考えると紫穂はこれから

実家に帰るために皆本ん家から出てきて、皆本はその見送りらしい。

「おい、おめーいっつも面倒臭がってエレベーターしか使わねーじゃん」

「あ、紫穂のおっちゃんだ。相変わらずいかちーなぁ。あっ、皆本たち出てきた」

「おいおい、あんまりベタベタするなって!おっちゃん後ろ手で拳銃握り締めてるって!」

「紫穂帰っちゃったな。うん、今度はあたしの番だ」

気合を入れるため軽く両頬を叩いて玄関の前に降り立つ。
準備時間は皆本がここに戻ってくるまで。
多分エレベーターを使うからそんなに時間はない。
ドクドクと心臓の音が五月蝿い。頼むから黙っててくれよ。

日差しが肌を焼いている感覚、汗が滴り落ちる感覚を気持ち悪いぐらいに敏感に感じてる。
「こんなに待たせるなんて皆本ってサド?」
拷問みたいな待ち時間に耐えかねて抗議の言葉を零しても皆本の現れる気配は一向にない。
-もしかしたらあのまま出かけてしまったのではないか?
そんな想像が首を擡げてくる。

不安に駆られそうになったその瞬間突然名案が閃いた。
「中で待ってればいいじゃんっ!合鍵持ってるし」
なんで今まで気付かなかったんだろうと呟いてポケットから鍵を引っ張り出しドアノブに差し込む。
これでもう暑っ苦しい場所からはおさらばだと思った。

「何してるんだ薫?」
「あ」
突然の呼びかけに息を呑む。
その拍子にガシャンと鍵の開く音が木霊した。

「ってこれなんてコント?」
「知らないよ」

「知らないじゃないって!あたしずっとここで待ってたのに皆本全然来ないんだもん」
「あぁ、今日は階段で昇ってきたから」

「何で今日に限ってっ!?」
「いいだろ、別に」
「よかないよっ!さっきまでのあたしのトキメキドキドキ返しやがれ!コンチクショーっ!!」
予定とは全く違った展開でグシャグシャになったあたしは思いっきり喚き散らした。
あぁ、もう!なんでこんなにあたしは締まらないんだろう…
気分はすっかり自己嫌悪色である。


「それで今日はどうしたんだ?」
尋ねてくる皆本の声は優しい。
その声にあたしは心底安堵した。
また泣き出しそうになって、俯きながらバスケットと箱を念動力で差し出す。

「それ、母ちゃんとねーちゃんからお見舞いだってさ」
「届けに来てくれたのか?」

「うん…」
「そっか、ありがとな」
「それじゃ、あたし帰るから…」
下手に喋ると涙がこぼれそうだったから身体を念動力で浮かべてそのまま飛び去る体勢をとる。

「--------!?」
あたしの手が大きな何かに掴まれる。
それが皆本の手だとすぐにわかった。

「すごい汗だぞ?冷たい麦茶なら用意できるんだけどな」
「…うん………飲む」
自分では気付かなかったけどあたしの顔はすっかり汗だくらしい。
汗は皆本の胸で拭ってやることにした。


皆本に手を引かれて玄関をくぐる。
そこはあのときのまま、懐かしい、幸せな匂いに満ちていてまた目頭が熱くなってくる。
それでも泣き出す前にどうしても言わなきゃいけないことがあった。
繋がった手を力いっぱい握り締める。

「…ごめんなさい」


あとがき
久しぶりすぎる投稿。
ボクを知っている方はいらっしゃるでしょうか?
今回は薫メインとあって難産を極めました。
本当は半ば諦めていたのですが新たな単行本に火をつけられこのような駄文を書くに至りました。
今回は全編薫の一人称という形式をとっておりアマアマムードはサッパリです。
そこが残念でなりません。
気が向いたら後編を書きますので期待しないで待つ人は待ってて下さい。
感想、批評伴にお待ちしております。

それではカルでした。

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