「これ、既に登録されてますねえ」
「へ?」
「ですから、貴女が出願しているこの…『美神流除霊術』ですか。登録済みなので、申し訳ありませんが受け付けられません」
「はあああああああああああああああ!?」
出鼻を挫かれる、とはこの事でしょうか。
とある野望を胸にとある場所へと赴いた美神令子は、少なくない時間と手間をかけて作成した書類一式をあっさりぽんと突き返されて、呆然と立ち尽くしていました。
「どういう事よ…!」
目の前の木っ端職員に憤怒のオーラをぶつけてどんなにビビらせても、埒が開きません。
カウンターに置かれた分厚い書類を封筒内に丁寧に仕舞い直し、極力愛想のいい笑顔を浮かべた美神は、何故か捕食寸前の小動物のように震える受付男性を一瞥すると、自動ドアを潜ってその場を去りました。
空気が目に見えて弛緩した瞬間、男性の意識はぷっつんと途切れてしまったりしましたが。東京はおっかねえよ母ちゃん…と田舎の風景を思い出しつつ。
「許せないわね…どこのどいつだか知らないけれど、美神の名を私に無断で使用するなんて…しかも同じ業界内で…っ!!」
電話帳くらいの厚みはある封筒が、苦も無く真っ二つに引き裂かれました。通りを行き交う人々からどよめきが生まれます。
そんな道の脇には、桜の木がぽつぽつと植えられていました。街路樹としてはまだまだ若い木で、植樹自体も最近なのでしょう。
けれども、細い枝にちらほらと咲く花を見て、美神のボルテージも少しだけ下がりました。ビバ癒し効果。マイナスイオン。
そう、季節は春。
だからこそ、美神も柄にも無く正式な手続きや公式の体裁を求めて動いたのですが。
ここは都内某所にある日本GS協会本部。重ねて8つに裂かれて春風に舞った書類には、『GS関連特許及び実用新案登録出願書』と書かれています。
何が起こったのかは、先のやり取りで概ね理解出来るでしょう。
「絶対許さん…!」
…桜の鎮静効果も、溶岩にバケツの水程度にしかならなかったようですね。
春に出でしは… (前編)
秋。
その季節、野生動物達は来るべき厳冬を前に栄養を蓄えるため、東奔西走して食物を集めます。
冬。
大半の動物達にとって、景色が純白に染まるこの季節は決して喜ばしいものではありません。
実りの秋に蓄えたエネルギーを極力消費しないで済むよう、しんしんと降る雪を前に、彼らはじっと春の到来を待つのです。
野性の本能とは即ち、生きるための本能。
魂に刻まれた生きる力は、飼い馴らされた家畜であってもそうそう無くなりはしません。
「おかわりっ! でござる!」
「んあ、あたしもー」
…季節は春。
前述の季節感や本能なんぞお構いなしとばかりにお茶碗を差し出すのは、人狼族の少女犬塚シロと、彼女の相方みたいな存在になりつつある妖狐タマモの二人でした。
傍目には犬猿の仲なのですが、今のように時折見せる息の合った様は長年のコンビを容易に連想させます。
美神令子除霊事務所のエンゲル係数は、肉食を常とするシロが居候するようになってから跳ね上がっています。
特に前述の本能効果もあってか、秋から冬にかけての食欲の凄まじさはそりゃもう見ていてゲップが出るほどで、食卓で隣に座る事の多いタマモや横島忠夫がげんなりと箸を止める事も多いほど。尤も、横島だって引けをとらない位に貪るのですが。
タマモも大好きな大豆製品が食卓に並ぶと、シロのお陰で目立ちはしませんが中々の健啖ぶりを発揮して、彼女もまたシロの仲間なんだなと痛感させられます。
「はいどうぞ。シロちゃんもタマモちゃんも、良く噛んで食べないと駄目よ?」
食が進む理由には、笑顔でしゃもじを振るう氷室キヌの料理の腕前もあるのでしょう。体が資本のGS稼業です、栄養・ボリューム共に気配りの行き届いたキヌの料理は、当然の事ながら味も格別で。
いっぱいに盛られた白米の艶やかさに眼を輝かせるシロを、窘めるのも気が引けてしまうのが実情でした。
「…ご馳走様でござるー! 今日も満腹っ! さすれば先生食後の散歩にれっつごーっ!!」
「落ち着けと何度言わせれば気が済む…ってオイ?」
「何でござるか?」
「てい」
「ひあ!?」
ご飯粒の付いたシロの顔を訝しげに見詰める横島。徐にひょいっと手を伸ばすと…
シロの二の腕、あのたぷたぷした部分を抓んで一言言い放ちました。
「お前、少し太ったな」
禁句。
NGワード。
種的にはブロックワード。若干違いますが。
言い方は各種あれど、その無遠慮な一言を受けたシロの反応は劇的でした。
「せくしゃるはらすめんとでござる!? 否先生の立場を利用したぱわーはらすめんと!?」
「人をエロ部長みたいに言うな!!」
顔を真っ赤にしたシロは横島の手を跳ね除けると、水に怯える狂犬病患犬の如く、その傍らからキヌの背後にまで一瞬で後退しました。
タマモの目が、ここできらりと輝きました。わんこで遊ぼうタイムの始まりです。
「なーんで今日に限って甘えないのよシロ? 尊敬する先生に触られてセクハラだーなんてらしくないじゃない」
「女狐には関係無いでござる!」
「図星なのね?」
「!?」
「狼が豚のように太ったのは事実なのね?」
「ぶ、豚とは貴様っ!!」
「ぶーって鳴いてみてよー?」
「んなあ…!?」
「ごめんごめん、わんわんだっけ? 馬・鹿・犬♪」
「むがああああああっ!!」
シロとタマモの相変わらずなやり取りを冷めた目で見ていた横島は、くるりと首を廻らせると、タマモのお腹の辺りを指差して言いました。
「お前もだぞタマモ」
ぴきん。
ザ・ワールド発動。タマモ限定ですが。
いつでもシロの急襲から逃げられるよう、椅子を蹴った体勢のままでタマモは凍りつきました。
因みに、タマモの今の格好は体の線が出辛いふわりとした若草色のワンピースです。横島の邪眼力でなければ到底、微妙な凹凸なんぞ分かりゃしません。何処を見てるんだというお話。
「おおお? どうしたタマモぉ? いつもの戯言で煙に巻かぬのか? ええ?」
「にゃ、何よ!?」
「図星でござるな?」
「う、うるさいうるさいうるさいっ!!」
「ほーれ、ぶーと鳴けー」
「馬鹿犬…っ!!」
「うわー、豚狐が怒ったでござるー♪」
「燃やすっ! あんたの醜い脂肪ごと燃やし尽くすーーーっ!!」
いつの間にか、テーブルの上の料理はお皿から何から綺麗に片付けられています。状況を察したキヌと横島の手馴れた手際のお陰ですね。
ちょっとくらい家具が壊れても、人工幽霊一号の管理下にある物なら修繕が効きますし、その際に霊力を供出するのは加害者の二匹。叱り飛ばして抑えるより、少々の犠牲で発散させたほうがストレスにもならずに済むでしょう。
「横島さん、女の子に太っただなんて言っちゃ駄目ですよ?」
「へ? んなこと言ったって、あいつ等まだガキだし…あんだけ食えば成長するもんじゃねえの? 別に他意は無かったんだがー…」
「それでも、です! デリカシー無い人はモテませんよ」
むむむ、と黙り込んだ横島を、キヌは困った人だとばかりに苦笑してみせます。
時々飛来する狐火や白銀色の斬線は、でも決して二人の方へは飛んできません。横島はともかく、キヌを巻き込むような真似をしたら、ご飯が。具体的には肉と油揚げが。
横島もその事を承知しているので、最近は犬神コンビのケンカ時はキヌの傍へ行くようにしています。キヌ的には、そんな口実が無くてもいつでも傍に寄り添ってくれていーのに、なんて思ったり。
「ただいまーっ!! みんな出入りの支度しなさい!! カチこむわよ!!」
じりじりと互いを牽制し合う膠着状態に陥っていた二人のケンカを止めたのは、人工幽霊一号がおかえりを言う間もなく居間に乗り込み、修羅の表情で美神が放った一言でした。
「お…おかえりなさい美神さん。カチこむなんて乱暴な言葉、女の子が使っちゃ駄目ですよう」
「地獄組も真っ青やったなー…」
どがし、と美神の裏拳がドア横の壁にめり込みました。人工幽霊一号の声にならない悲鳴が聞こえます。
「み、美神どの…? 殿中でござる故、ご辛抱を…」
「なんかあったの? ミカミ」
今朝の美神は、GS関連特許法が生む巨万の利益を想像してか、えらくご機嫌でした。
彼女の気分が山のお天気状態なのは、横島達も身をもって知っていることではありますが、ここまで急激な落差を見せる時は少なく、出先で何があったのか聞くのも憚られます。
「敵の所在は既に割り出したわ! この私を差し置いて美神流の名を騙る愚か者に天誅を下すのよっ! 横島君! ありったけの武器弾薬車に積むのよ!!」
「…何となく状況は察しましたけど、それって力づくでどうにかなるもんでもないでしょうに」
「先生が正論を!」
「春の魔力ねー」
「シロちゃんタマモちゃん……もうケンカはいいの?」
美神の登場で風向きが変わったせいか、二人のテンションは下がっています。毒を持って毒を制した形でしょうか。
横島の正論に、美神は邪悪な微笑で応えました。
「当然、実力行使は最終手段よ? …こちらの覚悟を示すための道具に過ぎないわ、その火器類は!」
「脅迫なら脅迫と素直にー…失礼しました示威行為って奴ですね流石美神さん!!」
どんな火器のそれよりも濃厚な殺意で嬲られ、横島は脊髄反射的に美神の言葉を正当化しました。骨の髄まで丁稚根性が染み付いていますね。奴隷根性へのステップアップも間近では。
「なんか面倒くさそーだからパス。ミカミの説得ってワンパターンなんだもん」
「拙者も圧倒的な戦力差で踏み潰すような真似はちょっと…結果の見えた戦はつまらんでござるよ」
毒気を抜かれてやる気も失せたタマモは、ソファにころんと横になると適当にファッション雑誌なんかを読み始め。
シロはシロで、人狼の誇りとは正反対な行いに消極的で。
美神はフン、と人狼妖狐の二人を見やると鼻を鳴らしました。
「まあいいわ。横島君とおキヌちゃんは行くわよねえ?」
「…歯止め役頑張ります」
「…右に同じ。人死には勘弁やしなー」
「社会的に抹殺するくらい何よ。GSやれてたんなら、他の職業でも潰しが利くでしょうに。私の邪魔さえしなければいいの!」
「善悪とかもう…」
美神の不穏当極まる発言に、横島は達観気味に呟きます。何を言っても無駄だと理解しているので、それ以上は控えました。変に突くと蛇どころかヤマタノオロチが出ますし。
「全く、余計な手間よね。何が『美神流除霊&痩身術』よ…んな付加価値付けないと仕事一つ満足に出来ないわけ?」
ぴくり、と。
美神の吐き捨てるような台詞の一部に…犬神の聴覚が反応しました。無論、二人ともに。
タマモはゆっくりと雑誌を閉じ、ソファから立ち上がりました。
「…この本詰まんないから、私もやっぱりついてくわ。勘違いしないでね? 別にヨコシマの言った事とは無関係でフィクションなんだから」
「体重計の数字はノンフィクションだぞ」
呆れた様子の横島を無視して、タマモは獣形態に戻ると早足に居間から出て行きました。狐姿のほうが、赤面を隠しやすかったようです。
「あ、あー! 拙者も後学のためにー、美神殿の海千山千の交渉術をー…見ておこうかななんてでござったりー…」
「…シロちゃんの不器用なところ、横島さんにそっくり…」
タマモもまあ、上手く誤魔化したとは口が裂けても言えませんが…
シロの腹芸は小学生のお遊戯レベルです。実年齢を考えれば仕方ない、のかも。
「…何だか知らないけど、あんた達も行くのね? いいわ、大人数の方がプレッシャー掛けれるしね」
真っ当な人生を送った人間からは決して漏れないオーラを垂れ流す美神。横島とキヌは顔を見合わせると、それぞれに疲れた表情を見せるのでした。
「さー、れっつごーでござるよー! 別に痩身術が気になるわけではござらんよー!」
「自分からバラしてどーする…」
「シロちゃんの迂闊なところも横島さんそっくり…」
一同が目指すは、美神言う所の怨敵…美神流を騙る不届き者の住まう場所。
…正直その人に全く非はないのですが。
今の美神に聞く耳はないようです。
都心から離れ、都市からも離れて。
一同の乗ったコブラが最終的に辿り着いたのは、閑静な住宅街の一角、極めて普通なお宅の前でした。
コブラがそぐわない事この上ありません。
「…美神さん、ほんとにここなんですか?」
「住所的には間違いないわ、よ? あ、ほら! あそこに看板出してんじゃないの!! こ、この恥知らずめっ!」
美神が指差した先には、臍高の門柱と錆びの浮いた鉄扉、鉄扉に少し右肩下がりの状態で下げられている『三上除霊事務所』の看板があります。看板自体も薄汚れていて、繁盛しているようにはとても見えません。
「思ってたのと違うんすけどー…」
「こちらも三上さんって言うんですね。そっかあ」
ミカミという音の持つ圧倒的なバブリー感に騙されていましたが、普通ミカミと聞いて思い浮かぶ漢字はこっちですね。
「弱いもの苛めの匂いがする…」
「んなっ!? 被害者はこっちなのよ! 見た目に騙されちゃいけないって母親に習わなかったの!?」
「習うかい! …って習ったかもですけどね」
美神・横島共に、偉大で破天荒な母親をもっています。横島はそういえば小学生の時に聞いたよーな…と考え込んでしまいました。心当たりがあったようです。
と。
「「たーーのーーーもーーーっ!!!!」」
静かな住宅街に轟き渡ったのは、二人の少女の大声でした。美神達が漫才に興じている隙に、乗車スペースの関係で獣姿でいた二人は、人型に戻り彼の事務所の玄関先へと乗り込んでいたようです。
何の目的で、なんて言わずもがなでしたね。
「美神殿が全てを無に帰す前に、拙者に痩身術とやらを伝授するでござるーっ!」
「別に私はどうでもいいけどー、ミカミが根こそぎ持ってく前にー、こっそり教えてくれたほうがいいかなーなんて?」
「あんた達ぃぃっ!? 無に帰すとか根こそぎ持ってくとか物騒なこと言わないでくれる!?」
「トランクにバズーカ入れてる人が言っても説得力無いっすよ…」
「だから! それは最後の手段よ!」
「選択肢にある時点でおかしいと気付かんかいっ!!」
他に美神がどんな選択肢を抱えているのか、横島は知りたくありませんでした。主に恫喝とか脅迫とか実力行使とかその辺が充実していることでしょう。
「あ、美神さん! 人が出てきますよ!」
横島の顎にヒールで蹴りを入れ、げしげしと追い討ちもかけていた美神に、キヌがそこはかとなく失礼な物言いで三上宅の玄関が開くのを知らせました。そりゃこれだけ玄関先で騒げば家人の一人や二人、出ないほうが不思議です。
シロとタマモが何かに期待するかのような目で、開いていくドアを目で追っています。
「…どなたですか…?」
薄く開いたドアの隙間から顔を出したのは、美神と同年代に見える女性でした。つまり20代前半。そして美人。
つまり。
「こんにちは僕横しまはっ!!?」
「早っ!?」
横島忠夫のストライクゾーン…だったのですが。
煩悩の導くままに物理的障害…美神の折檻だったり門扉だったり…を突破した横島が高速で彼女に擦り寄り、名乗ろうとした瞬間。
こちらは神速どころか縮地もしくは超加速によって接近していた美神が、居合い一閃見舞った神通棍の一撃できれいに昏倒させました。
キヌの目には二人が消えたようにしか見えません。
「どなたですかぁぁぁ……?」
彼女の声も、弱弱しくなろうってもんです。いつのまにかドアにはチェーンがしっかりと掛けられています。
「御免あそばせ。ひょっとしてあんたが『美神流除霊&痩身術』の三上伊代さん?」
「はい…ああ! 貴女はもしかして!?」
美神はその反応に、ニタリと口許を歪めました。自分の知名度はGS業界なら知らぬものはいない、と断言出来るクラスです。仮にも美神流を名乗ろうとした三上氏が本人の登場にビビらない筈がありません。
「こんにちは偽者さん? さあどういう了見で美神流を名乗りやがったのか詳しく聞かせてもらお「初めてのお客様!?」ってそうくるわけ面倒ねっ!?」
伊代はチェーンを外すと扉を全開にして、満面の笑みで美神を迎え入れます。
そうして現れた彼女の姿を見て、シロとタマモは互いに頷きあいました。
「流石に痩せてるでござる!」
「痩身術師範を名乗ってんだもん、このくらい当然よね」
「俺的にはもー少し肉が付いてた方が好みだけどスレンダー系それはそれで良し!!」
「横島さん私の後ろ、そんなに好きですか?」
自分の背後に隠れながら復活した横島に、じとっと冷たい視線を送るキヌ。あんまり防波堤代わりにされるのは正直面白くありません。ですがキヌが色んな意味で事務所の最後の防波堤なのは確かです。最後の良心とも言いますね。
野次馬一同は無視して、美神は少々怯みながらも言葉を連ね、当初の予定通り圧力を掛けていきます。
「あんた自分が登録した美神流って名前の重さとか分かってるの? 美神の名はね私みたいに力・財力・権力の全てが揃った選ばれた人間しか名乗れない神聖なものよ! 申し訳ないけど貴女じゃ役者不足も甚だしいわ!!」
「…ぇえ? あの、お客様…? えと…」
「ぬがああああああ!? 本気で首傾げてるわこの女ああっ!!」
六道冥子を相手にしたときと通じる苛立たしさを感じ、美神は髪の毛を掻き毟りました。
首を傾げて困惑する伊代は、シロが感嘆したように線が細く、背は美神よりも低いけれど十分にモデルでも通用する容姿を誇っています。
「あの…お話が見えてこないんですけど…御用なら事務所で伺いますので…」
「あ、済みません。ウチ、まとまりが無くて…ほら美神さん! とりあえず落ち着いて!」
「む、ぬぬぬ…いいわ。決着は中でつけましょう」
「車の重火器はどーしましょ?」
「…んなもん使う気失せたわ」
「やっぱり使う気だったんや…」
「(ひそひそ)おいタマモ…これは期待が持てるでござるな?」
「(ひそひそ)私は別にー…でも秘伝書とかあるかも?」
重火器満載のコブラを路駐したまま、一向はがやがやと三上邸へと乗り込んでいくのでした。
後編に続く
後書き
竜の庵です。
季節は初夏の装いですが、取り急ぎ春話の前編をお届け致します。例によって馬鹿みたいに分量が多くなりそうだったので分割させていただきました。じゃないと読み辛いので…今更ですけど、ね。
では後編でまた。