ぶおんっ!
たった一振り、それだけで霊団の半分が消滅。
彼が創れる数ある武器の中でも中々に威力の高い西洋剣・『月蛍』だ。
道化師の時間逆行・・・第三話、見られた!? GS界の良心と恐怖のグレートマザー!!
Side 六道
その~、紅いバンダナの子供が~~手に持っている~剣を~~振り下ろしたら~~あれほど強力だった霊団の半分近くが~~吹き飛んだわ~~。
「「なっ!!」」
驚いたのは~~私だけじゃ~~無くて~~唐巣クンも~~かなり~~驚いてるみたいだったわ~~。
「まだまだっ!」
鼠の式の~~クビラを~使って彼を霊視して見たけど~~、彼から放たれてる霊力は~~100マイト以上~~あったわ~~。
霊剣に至っては、150を軽く超えてたわ~~~。
(・・・あの子~~、欲しいわ~~~。)
Side 横島
ゾクウッ!!!!
うを!
な、何だ、今の悪寒は???
まさか・・・お袋!?
そんなまさか、郊外の公園にお袋が来る筈がない・・・。
じゃあ、今の悪寒は?
銀ちゃん・・・んな訳が無い、というか銀ちゃんにあの全身に絡みつくような悪寒は作れないだろう・・・。
夏子・・・ある意味可能性があるかもしれないが・・・今回はそんな事はやってないと思う・・・多分・・・一時保留?
唐巣神父・・・無い、ありえない、絶対に。 あのお人好しを地で行く人が他人に悪寒なんて与える訳が無い・・・。
六道婦人・・・・・・・・・・・・・・・・・・・こいつかっ!?!?!?
六道婦人の方を見れば・・・笑顔です、素敵に眩しい真っ黒な笑顔です・・・。
(俺、どうなっちゃうのかな・・・)(泣き)
横島忠夫・・・世の中で一番、幸せになるのが難しい男・・・。
心の中で号泣しながらも、霊団の隙を窺う横島。
今度は袈裟切りに『月蛍』を振るう。
最早、霊団とも言えない程に散った霊。
「逃がさない。 『淡い光』」
『月蛍』から、光が漏れ出す。
まるで蛍の様に仄かに、月の様に淡く。
その光に当てられた霊は、悉く消滅していった。
Side 夏子
「逃がさない。 『淡い光』」
横っちが、そう呟いた途端に剣が光った。
光ったと言っても薄く、まるで空に浮かぶ月みたいに・・・。
川原で舞う蛍の様に儚く・・・。
「綺麗・・・。」
薄く淡い光を出す剣に照らされる横っちは神秘的で、少しドキドキしたのは・・・乙女(?)の秘密って奴だと思う・・・。
「・・・終わった~~。」
そう言って横っちは座り込んでしまった。
あのまま、怪我とか無い? とか言いながら手を差し伸べてくれたらカッコよかったのに・・・。
まぁ、それが出来たら横っちとちゃうけど・・・。
「君達!
大丈夫かい!?」
・・・なんや?
この人が良さそうやけど幸の薄そうなおっちゃんは?
「あ~~、はい。
全員、怪我とかは無いと思います。」
横っちがそう答える・・・。
心なしか、少し大人っぽかった。
「そうか、それは良かった・・・。」
「ところで・・・あんさん誰や?」
オカンから知らない人に話し掛けられたなら警戒せえゆわれてるけど・・・このおっちゃんは人が良さそうやし・・・大丈夫かな?
横っちもいるし・・・ってウチは何考えてるんや!!
別に横っちがいたっていなくたって変わらんやろが!!
「あぁ、これは失礼。
私の名前は唐巣和宏だ。
一応、プロのGSでさっきの霊団の除霊を依頼されて関西まで来たけど・・・。
今回はすまなかったね・・・、霊団がここまで大規模とは知らずに準備を怠ってしまった挙句、君たちを危険な目に合わすとは・・・GS失格かな?」
「あら~~、唐巣クンに~~責任は~~無いわよ~?
悪いのは~~書類を偽造した~~依頼人なのだからね~~。
それと~~、始めまして~~、私の名前は~~六道冥夜って言うのよ~~。
仲良くしてね~~。」
・・・なんや、えらく間延びした声の所為で警戒心がどっかへ飛んでったみたいやな~~。
「あ、堂本銀一です。」
「私は本田夏子です。」
「俺、横島忠夫っす。」
私らが名乗り終わると、唐巣さんは少しだけ視線を強くして横っちに
「君の家は霊能の大家なのかい?」
と、聞きおった・・・。
横っちの家って確か、お父さんがサラリーマンでお母さんが専業主婦のフッツ~~~の家庭やったよな?
「えっと・・・そんな事無かったと思うんやけど・・・。」
横っちもそう答える。
「それじゃあ、君が使ってたあの剣は一体なんだったんだい?」
そういえば横っち、変なの出しとったな・・・。
唐巣さんの質問に少しばかり間を置いて、横っちは答えた。
「・・・俺の前世、陰陽師で霊波刀の扱いに長けてたみたいで・・・。」
そう答えた・・・。
続く
あとがきと言い訳。
銀ちゃんの苗字って近畿でしたっけ?
いまいち覚えとりません。
知ってる人がいたら教えて下さい。
夏子にいたっては完璧に適当です。
これも正しいのがあったのなら誰か教えて下さい。
次回、横島に魔の手が伸びるかも・・・・。