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▽レス始

「リスタート プロローグ(GS)」

(´ω`) (2007-05-04 10:37)
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「あ」

「い」

「う」

「え?」

「お?」


ゴクン…


横島忠夫は飲み込んだ

頭から被った透明な液体


「時空消滅内服液」を…


――リスタート――

プロローグ


30分前


美神除霊事務所


「令子、済まなかったわね」

事務所の応接室では珍しい光景が展開されていた
美神美智恵が娘である美神令子に頭を下げていたのだ
逆のパターンなら月に1度の恒例行事なのだが・・・

「まったく冗談じゃないわよっ。あんなの民間GSの扱う
事件じゃないわ!あれこそオカルトGメンの仕事じゃないの!」

「ホントにごめんなさいね。今回の事は確かにウチのミスよ」

「違法オカルトアイテム密輸の摘発なんて個人事務所で扱う
事件じゃないし下手すればこっちが疑われる所だったのよ!
ウチじゃなかったら危ないところだったわ!」


違法オカルトアイテム

悪用されれば完全犯罪も可能な道具であり、使用はおろか
所持しただけでもGS免許剥奪も有り得るという危険性が
極めて高いアイテムである。

だがそれ故におしなべて高価であり闇市場では億単位で
取引されるのも当たり前という物ばかりでもある


「書類のミスで民間GSに斡旋する方に流れちゃったのよ。
令子の所に流れたのは不幸中の幸いだったわ。
他のGSに流れてたら・・・」

「間違いなく変死体で発見されてたでしょうね……
まったく冗談じゃないわ!
私だって横島クンがいなかったら・・・」

「へぇ・・・・・・横島君に助けられたんだ」

悪戯っぽい笑みを浮かべて紅茶をかき混ぜる美智恵

「なっ・・・・・・べっ別に横島クンがいなくてもあんな連中にこの私が
どうにかされるわけないでしょっ!ま、まぁ横島クンがいたお陰で
楽になったのは事実だけど・・・・・・ってそうじゃなくて横島クンは
私の丁稚なんだから主の危機を助けるのは当たり前でしょっ!」

「はいはいそういうことにしときましょ・・・さてと・・・令子、今回は
完璧にオカルトGメン側のミスよ。そのせいで美神除霊事務所職員
一同を身体的にも社会的にも危機に陥らせてしまう所だったことを
オカルトGメン日本支部を代表して正式に謝罪します。
後で正式な書類で謝罪文を届けるわ」

「損失補償も忘れないでよね」

「ちゃっかりしてるわねぇ・・・・・・で、今回の摘発物はどれなのかしら?」

「これよ」

テーブルの上の発砲スチロールの小箱の中から透明な液体が
入れられた試験管が取り出された

「これは?」

「時空消滅内服液よ」

事も無げに令子は告げたが美智恵は顔をしかめた

「AAA危険指定オカルト薬物とはね・・・どこで手に入れたのやら」

「さぁね、ボケたカオスにだって作れるぐらいなんだから案外簡単なんじゃないの?」

「ドクターカオスは例外よ。痴呆が進んでるとはいえ今でも
ヨーロッパの魔王と呼ばれているのは伊達じゃないのよ」

「じゃ案外カオスが昔作ったのが流れてきたんじゃないの?」

「・・・後でドクターに確認してみるわ」


カオス南無


「とにかくそんな危なっかしいクスリさっさともって行って頂戴」

「ええ、これは証拠物件としてGメンで厳重に保管するわ」


手に持った試験管を箱に戻そうとする美智恵


ここでありえない偶然が重なるとはラプラスでも予測できたであろうか


「ちわーすっ横島忠夫ただいま出勤して参りましたっ!」

勢いよくドアを開けて右腕にシロをまとわり付かせ――散歩の帰りである
後ろに寝起きなのだろう眠たげに目をこすっているタマモを伴って
横島忠夫が出勤してきた


――――グラッ――――


突然応接間を大きな揺れが襲う


「えっ?地震?」

「大きいわねっ・・・って・・・あっ!」


地震の揺れに足を取られてソファーに沈み込んだ美智恵がその手にもった試験管
――時空消滅内服液――が放物線を描いて横島の頭に当たり――


カシャン


割れた試験管の中身の一滴は横島の前髪を伝って横島の口の中に――


ポタリ


「あ」

「い」

「う」

「え?」

「お?」


ゴクン


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


揺れが収まった応接間を沈黙が支配した


「「きゃああああぁぁぁぁぁはっ吐きなさいっすぐ吐きなさいっ!」」


「え?な、なんスか?」

「時空内服消滅液よ!さっさと吐きなさい〜〜〜〜〜〜!」

「なんですと〜〜〜〜〜〜!?」

横島の襟首を掴んでガクガクと揺らして吐き出させようとする令子

「令子落ち着いて!横島君早く文珠で解毒を!」

「じくーしょうめつないふくやくとはなんでござるか?」

「私が知るわけないでしょ」

いまいち自体が飲み込めていない獣っ娘コンビ


「だあぁぁぁぁ文珠っ出ろっ〜〜〜〜〜!」


キィィィィィン


手に集約された霊気が更に収束し、そこにビー玉の様な物が2つ現れる


文珠


横島忠夫の霊能力の集大成でありこの世の森羅万象全てを操るという
究極のオカルトアイテム


”解” ”毒”


「よしっ間に合う!」


ドクンッ


「えっ?」


文珠が光を放つより僅かに早く横島の身体が徐々に透け始める


「横島クンっ!!!」

「先生っ!?」

「横島?」

「横島君!」


「のおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」


文珠が光が収まった応接間は何事もなかったかのように元通りであった


たった1つを除いて

「ただいま帰りました〜ちょっと大きめの地震でしたね
あ、隊長さんいらっしゃいませ
今日はひのめちゃんは一緒じゃないんですか?」

買い物から戻ってきたおキヌが美智恵に挨拶する

いつも通りの日常
何一つ変わらない平和


この日

三界唯一の文珠使いであり魔神大戦の影の英雄であった横島忠夫は


この世界から消失した


19XX年

東京のとある一軒家

そこには大阪から引っ越してきたサラリーマン一家が住んでいた

夕食であったのだろう親子3人がテーブルを囲んで団欒のひと時を過ごしている

何の変哲もないどこの家庭でもありふれている平和な一コマであった


その瞬間までは


「―――ぐがっ!」

突然横島家の一人息子――横島忠夫がうめき声を上げてテーブルに突っ伏した

「どうした忠夫?喉に詰まったか?」

「よく噛んで食べなさいっていつも言ってるでしょ」

突然苦しみだした息子に横島家の大黒柱・横島大樹は平然とビールを飲みながら声をかけ

横島大樹の妻であり忠夫の母である百合子はコップの水を忠夫に含ませて背中を叩いた

「あー死ぬかと思った・・・ってえええええ!」

「なんだなんだ騒々しいぞ忠夫。男はいつも冷静に構えてだな・・・」

「ご近所迷惑でしょ忠夫!」

「なんで親父とお袋がっ!?ってしかも何気に2人とも若返ってるし!?」

「俺はまだまだ若いわ!会社でも女子社員の熱い視線を全身に浴びて・・・はっ!」          ・・・クン

「ア・ナ・タ?」      ・・・・ドクン

「イヤダナァ百合子サンジョウダンデスヨジョウダン」    ・・・ドクン!!

「後でゆっくりと話し合いましょうね・・・・・・・・・主に拳「ガタッ」って忠夫?」

「おい忠夫!」

「グッ・・・ううううぅぅぅぅ・・・・・・」

顔を真っ青にしてうめき声を上げて床にうずくまる息子を大樹が抱え上げてリビングのソファーに横にする

「忠夫!おい忠夫!クッ・・・母さん救急車を!」

「まって・・・くれ・・・おや・・・じ・・・」

「忠夫!どうしたの!?お腹が痛いの!?」

「ち・・・がう・・・おふくろ・・・俺の中・・・の・・・霊気が・・・」

「「レイキ?」」

「俺の・・・中の魔力と・・・シオラとせめぎあって・・・ぐあぁぁぁぁぁ!」

「忠夫っ!レイキって何のことだ!?それに魔力って「アナタっ!忠夫の身体がっ!」なにっ!」

突然忠夫の身体が眩いばかりの閃光に包まれ大樹は咄嗟に百合子を全身でかばった

「「忠夫!」」

「がああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

獣じみた咆哮を忠夫が上げた刹那


――閃光が物理的な圧力を伴い


爆ぜることなくかき消えた


後には


「忠夫?」

「一体何が・・・」


先程の咆哮が嘘のように静かに寝息をたてる忠夫と


「温かい」


東京タワーで消えたはずの


「やっと会えた・・・」


文字通りその身を代償に横島忠夫の命を救った


「ヨコシマ・・・」


蛍の少女が


慈母の様な笑みを浮かべ


寝息を立てる少年の身体を愛おしげにかき抱いていた


                       続く


とりあえずここで一旦区切ります


皆様初めまして(´ω`)と申します

なんて読むの?とか聞かないでください

筆者も知りません(´ω`)


NT様や他のサイトのGS小説を読み漁っていましたが
一念発起して自分で書いてみようということで挑戦してみました

拙い文章で恐縮ですがしばしのお付き合いをして頂ければ幸いです

よろしくお願いします

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