4月
この時期は、桜が咲き山々が白や茶色から緑へと衣替えをする。
そしてたくさんの「新」がある。
新小学生、新中学生、新高校生、新大学生・・・・
などなど、数えたらきりがない。
大通りを歩いている少年---横島 忠夫も新高校生だった。
横島&雪之丞 極楽大作戦!!第一話
「はあ・・・・」
横島はため息をついた。原因は両親との会話だ。
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「ねえ忠夫」
「ん?なんだお袋?」
俺はその時中学3年生、夏休みも終わりいい加減に進路を決めなくてはいけない時期だったが、けど俺は特になにをするでもなくただ遊んで
いた。
「あんた進路とか考えてんの?」
「うんにゃべつ、にただなるようになればいいかなあって」
母---百合子は一瞬険しい顔をしたがすぐにそれは消えた。
「そうだったら・・・・」
いつもなら「ふざけるなっ!!」てなぐあいに殴られるのだが、殴られなかったので不審に思った。だが次の台詞に言葉を失なった。
「あんた、母さんたちと一緒にナルニアにきなさい」
「へ?」
ナルニア?それってたしか親父が飛ばされる場所じゃねえか?
「なんで?」
俺は、なんで進路の話からナルニアが出るのか分からなかった。
「だってあんた進路決めてないんでしょ?だったら母さんたちと一緒にナルニアに行こうって言ってるのよ」
「ちょ、ちょっと待てよ!たしかナルニアって、ジャングルの中だって聞いたぞ?」
「あらよく知ってるわね。」
「俺は行かねえぞ!」
絶対いやだ!俺は文明を離れて生きていけない体質なんだよ!!
「だったら進路、まじめに考えなさい!!」
その後なんとか六道学園に入学できたら残ってもいいってことになった。
どうも親父の仕事関係で理事長と顔見知りらしい。六道学園、女子高だったが最近男女共学になった。
そのあと友人たちと勉強したり先生に聞きに行ったりした。(その時友人や先生が「横島が勉強なんて!天変地異の前触れだ!!」と失礼
極まりない言葉を吐いた。しかも「六道学園に行く」って言ったらドン引きされた)もともと頭は悪くなかったので、なんとか合格枠に滑
り込むことができた。
だが両親が空港で最後に残していった台詞にまた言葉を失った。
「忠夫、住むところはさっき渡した書類に書いてあるから。あ!それと仕送り光熱費と家賃だけね。」
「え!?ちょ、ちょっと!!」
「じゃあね〜〜〜」
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そのあと書類に書いてあった住所に行ってみたが、かなりボロいアパートだし仕送りもマジで光熱費と家賃の分しか送られてこなかった。
だが両親がいくらか金を残してくれたので、まだ飢え死にはしていない。だがそれも時間の問題になってきた。
「はあ・・・・」
横島はもう一回ため息をついた。
「どうした横島?」
「いや・・・・食費どうしようかなって・・・・」
横島と並んで歩いている少年---伊達 雪之丞が不思議そうに聞いてきた。
伊達 雪之丞---横島の中学からの親友で、小学生のころミニ四駆の全国大会で一位と二位を争ったりとなかなか縁が深い。バトルジャンキ
ーで重度のマザコン。
彼は勉強して六道に入ったわけではない。六道にだけある学科、霊能科の推薦入学である。
霊能---この世界には霊と呼ばれるものがいる。人が死んだあとに未練があったりすると成仏せず、人間界にとどまり悪事を働いたりすることがある。そうゆうもの達を成仏させるためにゴーストスイーパー(以下GS)と呼ばれる人々がいる。六道はGSの卵を育てるための霊能科がある唯一の学校である。
「食費?そういやこの前も教会にたかりにきてたな。」
「しょうがないだろ!?金ないんだから!!」
教会?なぜ教会が出てくる?それは雪之丞が教会に居候しているからだ。
雪之丞に両親はいない、小さいときから母親しかいなかった。だがその母親も悪霊に襲われ死んでしまった。
その時雪之丞は霊能力に目覚め霊達を追い払った。だがその時にはもう遅く、母親はもう息を引き取っていた・・・・
そのときだ、唐巣 和宏---神父にであったのは、神父は霊の気配に気がついてやってきたのだがそこには、女性の遺体とそれにすがり泣きじゃくる子供一人だった。神父は身寄りのない雪之丞を引き取り養った。
雪之丞も最初は「もっと早く来てくれればママは死ななかった!!」と言い神父を恨み心を閉ざしていたが、しだいに心を開くようになっ
た。そして雪之丞は神父に霊能を教えてくれと頼んだ。あのときママが死んだのは俺が弱かったからだ。だからまた大切なものができたと
き、守れるようになりたいと願ったのだ。
神父は最初、教えることをしぶったが雪之丞の決意を聞いて教えることにした。雪之丞はメキメキと才能を発揮し、今では簡単な除霊を任せられるまでになった。
「そうか・・・・そうだ!神父んとこでバイトやってみないか?」
「え?でも俺の霊力なんてたかがしれてるぜ?」
「大丈夫だって!俺だって最初はそんなもんだったんだ」
さて横島君の霊能力、これはたまたま目覚めたって感じだ。唐巣神父の教会では悪魔祓いも行っている。(そのため教会から破門された)
そんなところに前もって連絡もなしに行ったらどうなるか?そう教会内は除霊の真っ最中だった。そこに霊的防御力のない一般人の横島が教会内に入ってきたのだ。悪霊は横島に取り付き暴れまわった。そのときは大事にならなかったが横島の霊能も目覚めてしまったのである。
ちなみに横島も霊能科である。(理事長に相談したらいつの間にか霊能科になっていた)
「そうか・・・・考えてみるよ」
「おう!!」
「それより雪之丞、今何時だ?」
そういわれ雪之丞は時計を見る。時計の針は9時半をさしていた。
「「遅刻だ〜〜〜〜!!」」
横島と雪之丞は大通りを走っていった。
〜続く〜
〜あとがき〜
初めまして。拓哉です。
いままで見ているだけでしたがなんかこう急に書きたくなったので、書いてしまいました。
書いた作品はこれが最初です。
誤字、脱字なんかもあるかもしれません。
日本語がおかしいところがあるかもしれません。
もしよろしかったら指摘してほしいです。
この作品が皆さんに受け入れられたら大変嬉しいです。
では、また会える日まで