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▽レス始

「金毛白面九尾の妖狐!?弐(締め話)(GS)」

キミ (2007-02-13 01:19/2007-02-13 02:19)
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「妖孤って何食べるんだろう?」
ちょっとズレた考えを呟きながら買い物をしているおキヌ。
「うーん…稲荷寿司でいいかな?おいなりさんっていうぐらいだし、大丈夫でしょ。」
何気に美神と横島の影響を受けてるような、そんなおキヌだった。


金毛白面九尾の妖孤!?弐


「横島さん…、横島さん…。」
声を潜め、控え目に扉をノックする。

「おキヌちゃん。買い物終わった?美神さんは?気付いてない?」
扉を開け、周りを気にしながらおキヌに聞く横島。

「大丈夫です。それより、どうしてます?」
妖孤を気にしながら、部屋に上がり荷物を降ろす。

「まだ寝てるよ。おキヌちゃんがヒーリングしてくれたから、後は食い物を食べれば大丈夫だと思う。」

座布団に丸まって寝ている妖孤を見ながらおキヌに言う。

「そうですね…。この子、妖力が強いから。…私、今のうちに何か作りますね。」

「あ、ありがとう。おキヌちゃん。おキヌちゃんがいてくれて助かったよ。俺一人じゃどうしていいか…。」
言いながら、ぽりぽりと頭をかき、妖孤を撫でる。

何だか新婚さんみたい。
おキヌはそう思いながらイヤン、イヤンと頭を振る。

「お、おキヌちゃん?どうしたの?」
俺、なんかしたか?と思いつつ、妄想の世界に飛んだおキヌちゃんを連れ戻す。

「そんな…せめてお風呂ぐらい…って、ふぇ?」
一体、どんな事を考えてたのだろう?
「大丈夫?顔が真っ赤だけど?」
普段あまり見ないおキヌの姿に、ちょっと引きながらも声をかける。
「あ、いや、だ、ダイジョブ!大丈夫です!じゃあ台所借りますね!」
言いながら、ダッシュで台所に逃げていく。

「…俺のせいか?」
そんなおキヌに呆気に取られながら、呟く。


私は気が付くと、バンダナをした男の足の上にいた。
(私、生きてる??この二人が助けてくれた?私はこの二人を知ってる?)

「お、起きたのか?身体はどうだ?怪我は大丈夫か?腹減ってないか?」
横島がまくし立てるように妖孤に喋る。
「横島さん!そんなに一気に聞いたら駄目ですよ。
大丈夫?一応ヒーリングしてるけど、辛くない?」
横島を軽く怒ったあと、妖孤に話しかける。

私はコクンと頭を傾けたあと、横島と呼ばれた男の顔を見る。
(ヨコシマ?…バンダナ?私は、ヨコシマの事を知ってる?…私はヨコシマの事…)
「お、俺の顔になんか付いてるのか?」
じぃぃ〜っと見つめられた横島は照れたように頬をかく。
「はい。お腹空いてるでしょ?こんなのしか無いけど、よかったら食べて?」
おキヌはそういいながら横島に作った稲荷寿司を差し出す。

その稲荷寿司に私の九尾の狐としての本能が疼く。
(お、美味しそう!)
そう思いながらも、二人の顔を見る。
「腹、減ってんだろ?」
「沢山あるから、いっぱい食べてね。」
二人の優しい笑顔が温かい。
(そっか…。私、生きてるんだ。…生きてていいんだ。)
そう思うと、自然と涙が零れる。
私は涙も拭かず、稲荷寿司を食べる。
そんな私を、二人は優しく見つめる。

(美味しい。)

私は稲荷寿司を食べて妖力が少し回復したのを感じる。
(…これなら化けれるかな?)
私はヨコシマから離れると、意を決して人化する。
「「な、化けた?」」

ヨコシマとおキヌの声が重なる。

私は人化した自分を眺めてみる。
(……大きい。もう誰にも終わってる!とか、未来がない!何て言わせないわ!…って身体は中学生?くらいかな?ヨコシマってそんな趣味あったっけ?)
妖孤が物思いに耽っていたその時。
「…ドキドキなんかしてないぞー!?俺は、俺は、ロリやないんやー!!」
と叫び、ちゃぶ台に頭を打ち付ける。

「綺麗…。ねぇ、あなた、名前は?」
そんな横島をあっさりとスルーして、おキヌは妖孤に名前を尋ねる。
(どうしよう?名前…私はタマモ?それとも……。)

「……タマモ。」
少し悩んで、自分の名を名乗る。
(これでいい。私はタマモ。それが…ヨコシマのため。だから、私は…。)
「タマモちゃんか、綺麗な名前ね。」
「……ありがと。」
タマモは、おキヌちゃんの言葉を素っ気ない態度で返す。

「それより、私はどうすればいいの?出来ればヨコシマの所に居たいんだけど?」
(私は、ここにいなきゃいけない。)
「えぇ!?」
「駄目です!そんな…」
横島は驚き、おキヌは反対する。
「ここが駄目なら、どこに行けばいいの?森に帰って追われるのは嫌よ!!」
タマモは、おキヌに詰め寄る。
「じゃあ、私の所に…。」
「おキヌちゃんの所だと、美神さんが…。」
「あっ!そうですね…。」おキヌの提案は美神に説明するという問題がある。
「美神って誰?私を払おうとした人間?そこは嫌よ!おキヌ…だったっけ?貴女、自分を殺そうとした人の所に住める?それから、私の事を知らない人も論外だから。」
おキヌにそう詰め寄ると、「あぅ、あぅ…」と、反論できなくなってしまった。


「しょうがねぇな…。ここにいればいいよ。」
横島が肩を落とし、呟くようにそう言った。
「アリガト!ヨコシマ(はーと)」
タマモは、横島の腕に自分の胸を押し付けるようにくっついた。
「ああぁ〜!腕にやーらかい物がぁ!嬉し…いや、これは罠や!俺は、ロリやないんや〜!」

哀れ横島。タマモの策略(脅迫?)により、タマモと住むことが決定した。


数日後…。


タマモを、GS協会で保護妖怪の申請をした横島は(結局美神にバレたが、タマモが色々と頑張ったらしい)東京タワーに来ていた。

「ルシオラ。この間さ、新しい家族が出来たんだ。…九尾の狐のタマモってんだ。
なんかさ、お前に似てるっていうか、一緒にいて安心するんだ…。」
タマモの事をルシオラに報告する横島。その顔は、若干、悲しみが見てとれる。
「俺はさ、やっぱお前の事を…」
そこまで喋った時、何かが横島の隣に立つ。
「どうしたの?ヨコシマ?」
タマモだった。
「タマモ!?どうしてここに?」
「帰って来るのが遅いから、匂いを辿って来たの。」
それを聞いた横島は「そうか」と呟き、「ここは、初めて心から愛した人との思い出の場所なんだ。」と、タマモに聞かせる。
「思い出の…場所?」
(やっぱりヨコシマはまだ…。)

「その娘は、ここから見た夕日が好きだったんだ。」
タマモの頭を撫でながら、横島は続ける。
「昼と夜の一瞬の隙間…」
その続きを言おうとした時…
「短い間しか見れないから…綺麗……でしょ?」
タマモが微笑みながら横島にいう。
「お、おま…なんで?」
突然のタマモの言葉に、横島は戸惑う。

「ふふっ、今はナイショ!私が大きくなって、ヨコシマが誓いのキスをしてくれたら教えてあげる。」
「何だそりゃ?誓いのキス?そりゃ有り得ん!」
「ふふっ。だから、ナイショ!」
横島は「そっか。でも、いつか聞いちゃる」と、言いながら、タマモの頭を撫で続ける。気付けば、その顔からは悲しみが消え、笑顔が溢れていた。
「やっぱりヨコシマは笑ってなきゃ。ね?」


(今はまだ言えない。けど、いつか、ヨコシマの心の傷が癒えたときに教えてあげる。
私は、花火の様に力強く、けど、はかなく、愛する人を護るため、愛する人がすむ世界を護るために、散っていった蛍の魂を持つ、九尾の妖孤よ!!って…。)


おしまい


後書き

どうもキミです。
かなりのご都合主義です。
狐さんと、蛍さんを混ぜてみました。

こんな話にお付き合い頂いた皆様、ありがとうございます。


レス返しをしてみます。

SS様
ひぐ?私には分かりませんです。
こんな話になりましたが如何でしょう?楽しんでいただけたら幸いです。


kkhn様
ご指摘、ありがとうございます。いざ修正しようとして、改行が全部消えるというアクシデントを乗り越え、修正完了でございます。
続編…ですか。電波を受信出来れは書いてみたいですね。
この話も仕事中に受信しましたし。


レス返し、一応終了。

それでは、この辺で。

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