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「GSユータロー極楽大作戦十三話(GS)」

ミアフ (2006-11-04 21:05)
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十三話『窮極変神仮面!!後編』

JL東海、新幹線コダマ。
超高速で失踪する流線型の乗り物・・・・・・の外。

「うぉぉぉぉぉ〜!令子さぁ〜〜ん!!」

優太郎は新幹線の上に命綱をつけて、へばり付いていた。

トランシーバー越しに令子の声が聞こえる。

「首都高あらしを誘き出すためよ。奴が現れるまで我慢して」

「こーゆうのは、僕じゃなく、横島の役目じゃないでしょーか!?」

「今回だけは芦さんが適任なの。理由は言えないけど頑張って」

首都高あらしを退治するため、変神仮面を使うと令子は決めていた。
だが、優太郎には変神仮面のことを告げていない。
理由は、そのことを伝えて優太郎がショックを受けてしまうことを恐れたからだ。

「あいつもついてないよな〜」

「ユータローさん、真実を知ったらどうなるんでしょうね」

横島とおキヌが真上で突風に晒されている同僚を思う。
二枚のパンツで悪と闘う正義の味方・・・・・・猥褻物陳列罪で捕まりそうな格好と戦法だが。
何より正義を愛している男だから、逆に喜ぶ可能性もあるが、真っ当な人間だったらショックのあまり、
人格崩壊を起しかねない。
常識人の優太郎なら後者の可能性のほうが強い。

「しかし、犯行予告を送るなんて、本当に馬鹿よね・・・・・・こっちの抵抗や変神仮面、じゃなくて善

玉韋駄天の追跡を考えなかったのかしら?」

JL東海に送られてきた予告状を令子は読みながら首を捻る。
予告状にはこの新幹線を追い抜き、その後破壊すると記されている。

「あるいはたとえ闘っても、絶対勝つ自信があるってことかしらね」

「でも、こっちはイザとなったら皆で戦えるんだし・・・・・・」

「ッ! 来たみたいね」

令子が窓から外を覗き込む。
外には一匹の鬼が新幹線と並走、いやわずかだが速いスピードで走っていた。
韋駄天九兵衛である。
予告道理にやって来たのだ。

令子は小さく呟いた。

「あんまり頼りにしたくないけど、出番よ変神仮面」


近づいてくる韋駄天の気配に優太郎の身体の奥の何かがざわめく。
それが一定の強さになった時、新幹線の上に居た優太郎の意識がふと消える。
そして、入れ替わって、韋駄天八兵衛の・・・・・・変神仮面の意識が浮かび上がる。
優太郎が立ち上がり、逆風にも負けず叫んだ。

「クロス・アウッッッ!!!(脱衣)」

着ていたシャツとズボンが風に流され、ブーメランパンツを被った、ブリ−フ姿が露わになった。
変神仮面は近づいてくる九兵衛に向かって告げる。

「仏に仕える韋駄天の一族でありながら数々の狼藉、もはや許せん!!この変神仮面が成敗する!!」

ロープを片手に変神仮面が九兵衛に飛び掛った。


「ほう、やはり来たか八兵衛!」

九兵衛の言葉を無視し、変神仮面はロープを投げつけた。

「一気にケリをつける!変神秘奥義・地獄のタイトロープッ!!」

変神仮面の手に持ったロープが九兵衛の首筋に巻き付く。
相手を拘束し、気道を絞めることで攻撃も兼ねた技。

「フォォォォォゥ!!」

ピンとはったロープを滑車代わりに変神仮面が九兵衛にダイビングする。
超高速で迫るお稲荷。
白いブリーフが闇夜に白く映える。
流石の韋駄天もコレには命の危険を感じた。

「うわぁぁぁぁぁ!!」

「なに!?」

思わず恐怖の悲鳴を上げた九兵衛の姿が掻き消える。
ロープの拘束から逃れ、変神仮面の後ろで荒い息を吐く九兵衛。

「まさか・・・・・・今のは超加速?」

「そ、そうだ!これこそ天才こそが学べる神速の極意!!超加速だぁ!!」

どこか誇らしげに自分の技を語る九兵衛。
まだお稲荷さんの恐怖が抜けてないのか声は震えていたが。

信じられない物を見たかのように変神仮面は呟く。

「超加速はそのエネルギーの消費の高さから、一度使えば立ち上がる力すらのこらないはず・・・・・・」

振り向こうとした変神仮面の胸に九兵衛の拳がささる。

「がはッ!!」

その一撃で崩れ落ちる変神仮面。

「この地上での修行を重ねた俺は違う!!ただひたすらに速くなることを願い、修羅の道を歩めばこそ!!」

九兵衛の手が変神仮面の首を掴んで持ち上げる。
まだ腹部へのダメージが残っているのか、変神仮面の抵抗は弱弱しい。

「我は韋駄天は元々鬼!鬼に戻った俺こそが、貴様よりも優れているのは当然だ!!」

そのまま、地面に向けて変神仮面を投げつける。

「く、外道に負けるほど、この変神仮面の正義は薄くないッ!!」

受身を取って変神仮面は立ち上がり、

「ならば、こちらも超加速だ!!」

変神仮面の全霊力が開放され、全てがスローモーションで動く世界へと変わる。
九兵衛も同じタイミングで超加速を発動させたらしく、変神仮面に向かってくる。

(・・・・・・かかった!!)

九兵衛の拳が当ろうとした瞬間だけ、変神仮面の超加速がホンの少しだけ強まった。
長時間、超加速を使うなら九兵衛の方が上だったが、短期間なら変神仮面でもそれを上回るパワーを引き出せる。
九兵衛のパンチをかわし、変神仮面はその懐に入る。
その瞬間お互いの超加速が解けた。

「ふ、九兵衛。これが私の最後の技だ!!」

「八兵衛!?一体なにをする気だ?」

「フォォォォォッ!! 変神秘奥義ぃ!!悶絶地獄車ァァァ!!」

変神仮面の脚が九兵衛の顔に絡みつき、股間のお稲荷さんが押し付けられる。
そのまま、体重移動を応用し、風車のように地面をゴロゴロと転がっていく二人。

「うえぇぇぇぇぇ・・・・・・眼が、アレが、ぬくぃぃぃ!!」

高速回転で三半規管がやられる九兵衛。
この技の真の恐ろしさは転がるたびに変神仮面のお稲荷さんが九兵衛の顔に押し付けられ、そのなんともいえない不快感が意識を混濁させる・・・・・・

「・・・・・・すげえ、新幹線と同じ速さで転がってるよ」

変神仮面と九兵衛の闘いを新幹線の中から見ていた横島は呟く。
繰り出された地獄車は推定速度270kmで走っている新幹線と並走している。
一秒間にどれだけ回転しているのかは不明だが、一回転するたび、変神仮面のお稲荷さんの洗礼を受けるはめになった韋駄天はいと哀れ。

「これで決着がつきそうね・・・・・・よかった。コレでもう、変神仮面に悩まなくてすむわ!!」

心底嬉しそうな令子。
実は除霊の際、変神仮面の起した騒動をもみ消すため、結構な額のお金とコネを総動員していた。
収支は一応+なのだが、精神的には−である。

「それにしても、いつまで転がってるんでしょうねぇ」

結局、新幹線が駅に着くまで九兵衛は地獄を見た。


泡を吹き、四つの目玉を廻して伸びている九兵衛。
それをロープで亀甲縛りにした変神仮面は令子たちに礼を言った。

「君達には迷惑をかけてしまったが、すまない。もう気づいていると思うが、私の名は韋駄天八兵衛という。そこで転がっている不埒者を捕まえにきた韋駄天だ」

ふっ、と変神仮面の身体から、八兵衛が抜け出す。

「・・・・・・んん。僕はなにを?なんでパンツを被っているんだ?というか、なんで半裸」

「優太郎君と言ったね。君には特にすまないと思う。
バイク事故の際、私とぶつかった所為で、君は大怪我を負ってしまったのだ。
そのままでは命に関わるので、君に憑依し、私の神気で治療させてもらったのだ。
しばらくは治療する必要があったため、君の身体を借りて悪と闘ったのだが・・・・・・」

戸惑いながら被っていたパンツを脱ぎ捨てた優太郎。
勝手に身体を使われたことに怒っていいのか、命を助けられたお礼を言うべきか迷っている。
八兵衛が抜けたことで、変神仮面だった時の記憶がおぼろげながら蘇ってきた。
おもわず、頚動脈を掻き切りたい衝動に駆られる。

「あの〜」

そんなやり取りの中、おキヌが八兵衛に訊ねた。

「どうして、そんな格好で闘っていたのですか?」

「ふむ。憑依した際、芦君の記憶の中でもっとも印象の強かった格好を真似したんだが・・・・・・まあ、マスクみたいに顔を隠す手っ取り早いものも他になかったし・・・・・・」

どうやら、レジャープールでであったヴラドーの所為のようだ。
変なところで余計な影響を与える男である。

「まあ、私の任務は終わった。もう君達に逢うこともなかろう。さらばだ
!!」

九兵衛を掴んで八兵衛が夜空に向かって飛んでいく。
その後ろ姿に向かって優太郎は叫んだ。

「二度と来るな〜〜〜!!」

その場に居た全員の代弁でもあった。


後日。

「芦の奴、今日も休みっすかね」

事務所のバイトをここ数日休んでいる優太郎。
韋駄天騒動の後、変神仮面だった記憶に悩まされ、げっそりとした表情で帰宅していた。

「まあ、私だったら、あんな格好で世間に晒されるくらいなら自殺を選ぶわね」

お茶を啜り、横島と他愛無い会話をする令子。
周りに強烈な印象を与えた変神仮面。
当事者の優太郎の心中はいかばかりか・・・・・・

と、そこで勢い良く事務所のドアが開く。

「すみません!令子さんいますか!?」

「あら、芦さん!」

慌てた様子で駆け込んできた優太郎。
勿論、格好はYシャツにグレーのスラックス。
まかり間違ってもあのおぞましいヒーローではない。

「あの、ちょっとこれを見て貰えますか」

優太郎は指を指す。
示されたのは彼の脚だった。
はぁぁぁっと優太郎が気合を込める。

「え、これって・・・・・・」

優太郎の脚から金色のオーラが立ち上っている。

「これは、霊波を放出しているようね・・・・・・しかもかなり強力な」

ぽりぽりと頭を掻きながら、優太郎は説明する。

「あの韋駄天の憑依が終わった後から、妙に脚がむずがっていて、気合を込めたらこんなんなっちゃいました」

霊波を纏った脚を踏ん張って、優太郎はジャンプする。

「よっと!」

一足で、部屋の端から端に移動する。
強力な霊波を纏っていることで、脚部の能力が上昇しているみたいだ。

「どうやら、韋駄天に憑依されたことが原因で、芦さんのチャクラが開いたみたいね・・・・・・霊力もそれなりに高いみたいだし。修行しだいではGSとしてもやっていけるわよ。この能力なら」

そこで令子がにんまりと微笑む。

「どう芦さん、この能力、私が指導するからきっちり伸ばしてみない?」

オカルトGメン志望の優太郎にとってはこの能力の目覚めは神の贈り物に等しい(実際韋駄天という神のおかげだし)。

「お願いします美神さん」

ひょんなことから霊能力に目覚めた優太郎。
珍しく有頂天になっているが、横島だけは気づいていた。

(・・・・・・美神さん、芦が霊能に目覚めたのを利用しまくる気だな)

弟子になった優太郎をこき使おうと企む令子になぜか自分もその二の舞を踏みそうな予感に横島は襲われる。
令子の弟子は早まった選択かもしれない・・・・・・


あとがき

あー中篇でネタを使い切ったため、オチが弱いし、中身が薄い。
本当なら、原作のように体内のエネルギーを使うネタを入れたかったのですが、それは次回に持ち越しにします。
まあ、二度あることは三度あると言うので変神仮面はもう一回だけ登場する予定です。
次回こそ苦蜘蛛地獄を出したいです。
一応、霊能力に優太郎は目覚めました。
これで次回から主役を張れるでしょう。
韋駄天→脚→芦とプロットで構想していたので。
横島が手なので対という意味もあります。
そのうち合体攻撃でもさせようかな・・・・・・優太郎に跨った横島が巨大な栄光の手を使うとか。


8月32日さん

始めまして。
まあ、女性にやれば男性恐怖症になるでしょう。
ちなみに雪女は除霊されてはいません。
変神仮面の攻撃で人間恐怖症になったので。
被害者はぬくもりアタックで治療されましたし。


内海一弘さん

ヴラドーのせいです。
精神汚染120%、使徒も真っ青な汚染ップリ!
これは優太郎の脳内にしっかりと刻まれ、次回悲劇を起します。


青空ハルさん

個人的な推察では横島の能力の系統は霊波砲(放出)サイキックソーサー(具現)栄枯の手(変化より具

現)文珠(特質)かと。
心眼は持ち主の霊能を引き出す道具ということは放出もできるはずなので。
ユッキーは魔装術(具現)霊波砲(放出)かな。
令子は道具を使う(変化)でしょう。


azumaさん

いやもっと迂闊な発言してください。
レスが増えればネタも増えますから。
文珠こそ特質だと思ってます。
しかしあの漫画いつになったら再開するのやら・・・・・・


とろもろさん

霊能が目覚めてヒーローへの道が開けたのでプラマイゼロです。
それでもしばらくひきこもってましたが。
彼は時速270kmのお稲荷さん車でドライブです。
確実に成敗されました。

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