ここで待っていれば良いのか?
そうだ。間違いない。
しかしあの六大魔王が一柱、アシュタロスが相手とはのう………。
どうした?らしくないじゃないか。あ、もしかして怖いのか?
なっ!そんなわけなかろう!大体私はあの二人と対峙したことだってあるんじゃ!だいたい…
わかったわかった、悪かったよ。それににあの二人と比べりゃアシュなんか可愛いもんだよな(対峙ねぇ。まったく、俺の後ろからちらちら顔見てだけじゃねーか。それにアシュは霊格だけならあの二人と比べてそう見劣りするわけでもねーし…あー、何か緊張してきたな)。
…ふん。
って拗ねるなよ、こんな時に!ホラホラもうすぐやって来んぞ?“鍵”がな。
もうすぐだ。力さえ手に入れば道真ごとき簡単に退けられる。今ならアシュ様は基地には居ない。奪うだけなら容易い筈、護衛なんて最初からいないからね。ま、居たとしてもあの変な人形位か。
もうすぐだ。高島殿を助け出して二人で一緒に暮らすんだ。ずっと、ずっと…いや、あの高島殿の事、子供なんてすぐできるわね。じゃあ三人、四人?それとも五人、ううんもっとね。
フフ、気が早いわね。まだ力を手に入れてないっていうのに。…基地に近づくにつれて、胸の鼓動が否応なしに高まるのを感じるわ。コレは何のかしら?恐怖とも焦りとも違う、期待でも喜びでもない。強いてあげるなら高揚感…なのかな?
さあ着いたわ。ゲートは「すいません、ご協力お願いしまーす。」…はい?
「悪いな。アンタの望みは叶えてやるから、今は大人しくしていてくれ。」
(眠)、(模)。
ただいま。最初の関門クリア〜、ってな。
では次はどうする?あの怨霊を倒しに行くのか?
怨霊…道真、か。あいつはどうしようかな、操られてるだけなんだよなー一応。そうだな、道真を善人にしてみようか。
ふむ、では道真の所に向かうのだな?
いや(反/転)を(転/送)、でもって(道/真)(追/尾)だ。これでこの場を動く必要は無い。
わかった。で、だ。さっきから大事そうに抱えているその女魔族はどうするつもりだ。さっさと降ろして眼を覚まさせれば良いではないか。
…何イラついてるんだ、お前。
イラついてなどいない!それよりさっさと準備をしろ、これからいよいよ本番なのだからな!エネルギー結晶無き今、メフィストの魂の波動が増えたことなど気にも留めていない筈だ。今更こやつらのことなど眼中に無い。だからそこらに放置しても大丈夫。ほら、早くしないか。
そりゃそうだけどさ…念の為に(結/界)と(隠)、それに(魔/力)(遮/断)を使っとく。こんだけやっとけば問題無いな、じゃあここに寝かせておこうか。
…ふん。では行くぞ。アシュタロスはもう待っているのではないか?
ああ、多分そうだな。今頃相当お冠だろうな、アイツ。いきなり問答無用で攻撃してきたりしてな。
うぅむ…
やっぱり怖いのか?
怖くなど無い!
あとがき
初めて投稿します、森田渚です。よろしくお願いします。
とりあえずこの作品は長編を目指しています。
この話を読んだだけでは設定が分かり辛いと思いますが、後々説明します。至らない部分が多々あるとおもいますが、読んで頂けると嬉しいです。
それでは、また。