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▽レス始

「The person who handles all(絶チル・現代世界)」

ZERO (2006-08-31 21:09)
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「出て行ったか・・・」


訓練施設から人の気配をなくなったのを確認し、

皆本は戦闘態勢に入る。

目の前には目がうつろな薫が立っていた。

あたりかまわず破壊活動をやっているが、

その殺気は皆本のほうに確実に向いていた。


「自らのプライドを傷つけられただけでこうなるとは、

 メンタルトレーニングはやってないみたいだな」


そんなことを考えている隙に、

皆本の懐に一瞬で入り込む薫。

破壊力の篭った拳を間髪いれずに放ってくるが、

それを皆本は軽くいなす。


「直接攻撃をするならば、力任せにするんじゃなくて

 流れるようにやるんだ」

「アタシに! 説教たれてんじゃねぇぇぇぇ!!!」


間合いを空けた皆本に追撃をかける薫。

遠距離からの押しつぶしを図るが、見事に避けられてしまう。

対する皆本のほうは。


「ほらほら! 僕はこっちだ!

 よく見て攻撃をしなよ!」

「ふざけやがってぇぇぇ!!!」


この戦いを心底楽しんでいた。

時が過ぎていくうちに皆本の顔は、

戦いという快楽におぼれていた。


「なぜ勝てないか教えてやろうか!」

「!!!!」


空けていた間合いをテレポートにより一気に詰める。

薫はその隙を逃さず渾身の力でねじ伏せようとするが、

またも避けられてしまい、今度は背後を取られてしまう。


「君が人の死を見たことがないからだ!」

「かはっ・・・!!」


その言葉の直後、薫は部屋の端から端まで速度を落とすことなく

飛ぶこととなった。

壁にめり込んだ薫の頭をつかみ、

皆本は狂気の混じった声でさらに告げる。


「強くなるには人を殺すしかない!

 レベル7なんて過保護に育てられた超能力者に過ぎない!

 つまり僕はこの手を朱に染めていたんだよ!

 君らの年の頃にはね!」

「う、あ、ぁぁああぁぁぁぁ・・・」

「止さないか、皆本君!

 それ以上やってしまえば薫君は死んでしまう!」


止めを刺そうと手に力を込めようとしたときに、

桐壺の静止がかかった。

皆本は手の力を抜きその部屋をすばやく出て行った。

桐壺が見た皆本の横顔は、怒りに満ちていたという。


「ウェ・・・」


皆本は男子トイレで勢いよく吐いていた。

吐き終わったあと、うがいをしてその場をあとにした。

男子トイレ出口には、紫穂と葵が立っていた。


「何のようだい?」

「話があるんや・・・」

「あぁ、解った。薫の病室だね。

 すぐに行こう」


二人の手をとると、皆本たちはその場をあとにした。


薫の病室。

薫は今まであったことを思い出していた。

しかし、思い出す度に自らの力のなさを痛感してしまう。

その思いを流すために外を見ようとしたとき、

来客者が三人やってきた。


「薫、大丈夫?」

「あんま無理しちゃアカンで?」

「・・・」


紫穂に葵、皆本だった。

薫は皆本の姿を見たとたん、

先ほど感じた歯がゆさが戻ってきた。


「てめぇ、何のつもりでここに・・・」

「葵たちから話があると聞いてね」


近くにあった椅子にゆっくりと腰掛ける。

一時の沈黙。

その沈黙を葵はうちやぶった。


「まず一つに、国際S級犯罪人って言うのはどういうことや?」

「簡単だ。日本に降りかかった二百年間の災い、

 その全てが僕の力により行われていたことだからだ」

「それはどうやって?」


話に関心を持ち出した紫穂が話しに入る。

薫の方は関心がなさそうだった。


「僕の力の一つ、催眠能力〈ヒュプノ〉を使えば楽勝さ。

 それに長生きするのだって念動力で無理やり

 細胞を永久活性化のもとに置けばいいんだから」

「でも、どうしてそんなことをする必要が・・・」

「力がないやつが牛耳る世界。

 それが嫌いだったからさ。

 今では気にしなくなったけどね」

「それをやり始めたんはいったいいつから?」

「八歳のころから。

 君らより歳は下のときにさ」


皆本は窓際に立った。

薫は皆本の行動に苛立ちを覚えてきそうだった。


「力を欲するあまりに、たくさんの力を手に入れた。

 でもその分、犠牲がでかすぎたんだ。

 僕の生活環境に比べれば、

 君達はどれほど良い環境で育っているか解るだろ?」


薫の方を見てやわらかい笑みをする。

一瞬だが、薫はその笑みに見ほれてしまった。

だが同時にその笑みには悲しみさえも含まれていることも感じ取れた。


「薫、そろそろ帰ろうか?」

「でも足が・・・」

「そうだったね。

 それじゃあ・・・」


皆本が薫をお姫様抱っこする。

紫穂や葵はうらやましそうな目つきをするが、

薫の方は真っ赤になりそうだった。


「お前にはホントにかないそうにもないや・・・」

「そうやっておとなしくしておけば可愛いんだがな」

「なんだと! 言わしておけば!」


薫は少し、超能力を持たない者に対しての意識を改めた日になった。

同時に、皆本光一に対しての意識もがらっと変わった。

しかし、薫は抱かれている間、気になったことが一つあった。

皆本の体についているらしき、強烈な血の匂いを。


―――パタン


ようやく続きが見れましたね。
私としては嬉しい限りですが。
悲しみを持った人間がいかにして動くか。
興味深いことこの上ない。
それでは皆さん、また会いましょう・・・


あとがき


どうもZEROです。
更新が遅くなってしまい申し訳ありません。
この話については、皆本の力のすごさ、過去について少し
かじりつく様なものです。
と、いうわけでレス返し!


クチナシ様

毎回読んでいただきありがとうございます。
少しは長くなったでしょうか?
またの感想をお待ちしております!


黒夜叉様

楽しみにしていただきありがとうございます。
どうかまた感想をお願いします。


SS様

見ていただいて、なれてもらえれば結構です。
こちらも見てもらえるよう、努力をします。


レン様

文のほうは長くなったでしょうか?

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