「ふぅ・・・こんなところか・・・体に異常は無いな。(しかし思ったよりも弱かったな・・・これで試しになっているのだろうか・・・)
体についた砂埃をはらいながらチャクラのチェックをする深山。心の中ではかなり失礼なことを考えているが・・・
「6秒・・・素晴らしいですね、美神さんの記録を超えましたよ?」
パチパチと拍手しながら賛美を送る。
「ではこれで修行を受けさせて貰えますね。」
「えぇ、問題ありません。どうぞ中へ。」
ギギギギギ・・・と重々しい音を立てて門が開かれる。
(・・・人間界最高峰の修行場か・・・一筋縄では行かぬであろうな・・・。)
前回浴びた霊圧を思い出し、掌に汗を掻く深山。緊張感が高まっていく。
「さ、着きましたよ深山さん。」
小竜姫の言葉に顔を上げる深山、その視線の先には・・・
銭湯があった
「・・・・・・・・・」
絶句する深山。確かにこれは一筋縄では行かないだろう。
いろんな意味で
「俗界の衣服をここで着替えてください。中に服を用意してありますから。」
「・・・。(何故銭湯?・・・何故番台?・・・何故脱衣所?これはアレか?ド○フのも○もシリーズか?〜もしも神様が経営している銭湯だったら〜とかいうヤツなのか?)」
言われるままに中華服に着替えるが思考がどんどん逸れていく深山・・・というか○リフとかの情報はどこから仕入れたんだ?
(ワイらに決まっとるやないか。)
(そうですね。何に転生するにせよお笑いは欠かせませんから。)
あんたらが原因かい!っていうか地の文に突っ込むな!
(えぇやんか別に〜。)
(そうですよ、少しくらい大目に見るべきですよ?)
やかましい!話が進まんじゃないか!散れ!散れ!
((しっつれいしましたぁ〜。))
ハァ・・・ハァ・・・まったく・・・さて、視点を戻すと・・・。
「・・・(きっとどこかにい○りやがいるはずだ・・・そうだ・・・そうに違いない。)」
深山はまだ思考が定まっておらず、ブツブツと呟いていた。
「・・・と、各コースに分かれていまして厳しいものから順に番号がついているんです。ちなみに・・・。」
小竜姫は何やら熱弁を振るっていた。どうやら修行コースの説明をしているようだが深山はマッタク聞いていない。
・・・修行する気あんのかオマエは。
「以上です、では深山さん4つのコースの内何番にしますか?」
「・・・へ?あ、じゃあ1番で。」
話半分で適当に選択する・・・
「わかりました、ではこの契約書にサインをお願いします。」
「はい・・・み・や・ま・・・と。」
契約書をよく読まずにサインをする・・・
実社会でやってはいけない事を次々と実行する深山・・・ある意味では勇者と言えよう。
「はい、確かに。これで当修行場最高峰ウルトラスペシャルデンジャラス&ハード修行コースの契約を完了しました。」
「・・・は?」
にこやかに契約完了を告げる小竜姫と目が点になる深山・・・顎が限界まで落ちている。
「・・・は?ってあなた今サインしたじゃありませんか。」
「え?・・・あー!!」
事の重大さに気付くのが遅すぎである。
しかしいくら叫ぼうともすでにアフターカーニバル・・・後の祭り。
「まったまったまったあぁぁぁ!!契約の変更を要求します!!」
「それは無理ですねー。」
小竜姫が「あはは」と笑った瞬間契約書から真っ赤なローブを纏い大鎌を手にしたナニカが現れた。
「おわっ!」
「私は契約の神エンゲージ(C.A)なるぞぉぉぉ!契約の守護者としてここにくくられておるぅぅぅぅ!!」
叫びながら深山の首筋に素早く大鎌を当てるエンゲージ(C.A)
「ちなみに私の霊力でくくっていますから通常の3倍の力を持ってますよ。」
「なっ!」
「その証拠にローブが赤で、名前に(C.A)がついてるじゃないですか。」
「赤い○星!?」
「さ、逝きましょうか?深山さん?」
ガシッ!
「せ、せめて普通の修行を〜!!ていうか小竜姫さま字が違います!!」
ズルズルズル
「人間であの方を引っ張り出すのはあなたが初めてですよ〜私も楽しみです。」
「い〜や〜だ〜!!!」
「契約は絶対ぃぃぃ!!破る者には死と地獄ぅぅぅ!!!」
ついに始まる深山の修行!!
小竜姫が言った「あの方」とは!?
彼が手にする新たな力は!?
そもそも彼は生きて修行を終える事が出来るのか!?
続く!
〜あとがき〜
・・・え〜ずいぶんと久しぶりの投稿となりました黄龍です。皆様覚えていらっしゃいますでしょうか?
ここまで投稿が遅れた原因としましてPCのデータクラッシュにより書き上げてたデータが消失するという事件が起きてしまいました。
ですが何とか書き続けて完結まで持って行きますのでこれからもよろしくお願いします。
以上、黄龍でした。