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!警告!インモラル、壊れキャラ有り

「ひのめ にんぽうちょう(GS)」

摩夜摩夢 (2006-07-16 01:50)
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 のどかな町並みとは不釣合いなバイクが低速で走ってくる。

 HONDA ゴールドウィング15OOGL トライク仕様

 抑えても抑えきれない重低音。 その姿を見れば中学生や子供達が蟻の様に寄ってくるだろう。
 かなり古いアパートの前に緩やかに停止、ハザードランプを点灯する。
 レイバンのサングラス。 どこかの制服に似せた衣装。
 分かりやすく言えば
          『白バイ野郎 ジョン&パンチ』
                         風である。 拳銃は持っていないと思うが、彼女ならどこかに隠し持っていても可笑しくない。
 なぜなら、彼女の名は『美神美智恵』だからだ。

 後部座席の幼女が美智恵の背中を突く。
 美神ひのめ おしゃまな5歳児である。 幼稚園の制服姿は妖精の様に軽やかだ。
「ねぇママ。 もうおりてもいい?」
「ちょっとまっててね」
 そう言いながら美智恵はバイクから降り、ひのめの脇に手を入れて持ち上げて抱き寄せる。
 ひのめのぷくぷくとした頬に、そっと唇を寄せて触れるようにキッス。
「ママくすぐったい♪」
「ママはこれから3日ほどお仕事で帰ってこれないのは分かってくれたよね?」
「うん♪ おしごとがんばってね」
 輝くような笑顔がまぶしい。
「で、横島君の所でいい子にして待っててね」
 美智恵はちょっと考えるように眉を寄せて。
「お姉ちゃんが何か言っても、これを見せて横島君の側にしっかりと居なさいね」
 そう言って美智恵は、茶封筒をひのめの幼稚園バックの中に入れる。
「うん♪ ちゃんとおにいちゃんのそばにいる」
「ひのめはいい子ねぇ〜 ママは安心してお仕事にいけるわぁ」
「うん、ひのめはいいこなの」
 一見、ほのぼのとした母娘の風景だが。 母娘のお尻の辺りから覘くスペード型の黒い尻尾が見えたり見えなかったりなんかする。


 “よいしょっ” と小さな体を動かし一段一段登っていく。 無事に上りきったひのめは、横島の部屋まで一目散。
 玄関横に置いてある洗濯機の背部を探り磁石で止めてあった鍵を取り出す。 鍵穴に鍵を差込ドアを開けて中に入る。
「おじゃまします」
 横島は部屋に居ない、居ないが美智恵曰く『人が見ていない時ほど礼儀をちゃんとしましょう』と、自分の姉を例題にされてとことん教育されている。
 子供心に納得したのかそれ以来ちゃんと言いつけを守っている。
 靴をそろえ出船にして部屋に入る。
 台所にはカップ麺の容器の残骸。 小さな冷蔵庫の上に忘れられたように置いてある電気釜。 冷蔵庫の横に積み上げられたダンボール箱、関西風味のきつねうどんとびたわん。 それに、仕事で伝が出来た○衛隊の隊員から分けてもらっている色々な缶詰(戦闘糧食1型等)と乾パン。
 横島の食事に対して今でもおキヌ・小鳩の差し入れが生命線だ。
 なぜなら、よく遊びに来るようになった狼と狐と、たかりに来る三白眼の親友のせいで食費に関してはとんとんなのだ。
 痛ましい横島の食生活にひのめは小さなため息をする。

 部屋の奥に視線を移すと、こじんまりとしている部屋だが、ひきっ放しの万年床に丸いちゃぶ台がアクセント。
 ひのめは部屋の奥へ入り、横島の枕の中を漁る。
 そば殻の中に手をいれ、その探す指に触れる銀シートに包まれたゴム製品を丁寧に取り出し数える。
「いちまい… にまい…            じゅうにまい…
 よかったまだだいじょうぶ」
 何が大丈夫なのか分からないが、横島が知らないひのめの点検。 枚数が足りなくなっている場合は血の雨が降る可能性が伺われる。

 安心したのか漸くひのめは帽子と鞄とスモックをきちんと纏めて部屋の隅に置く。
「えっと、ママがいってたのは… かえってきたおにいちゃんにいうごあいさつはおふろとごはんとなんだっけ???」
 頭をちょこっと傾げて考える。 思い出す事数分。
「あ、おもいだした。 ごほんっ

 おかえりなさいおにいちゃん♪ ごはんにする? おふろにいく? それとも わ・た・し(は〜と)         きゃ〜〜〜〜〜 ひのめはずかしぃ〜〜〜♪」
 いきなり飛び込んでくる黒い影。
「わいはろりこんでもぺ度でもなーーーーーーーいっ!!」
 泣きながら必死に自己弁護する横島。
「おかえりなさいおにいちゃん♪ ごはんにする? おふろにいく? それとも わ・た・し(は〜と)」
「うわっ、さくっとスルーですかひのめちゃん」
「だっておにいちゃんの えっと じこべんご? ってひのめしんじてないもの」
「なんでやっ!」
 関西風の突っ込みを入れるが、ひのめは指を折りながら声をだす。
「えっと、わたしでしょ、シロおねえちゃん、タマモおねえちゃん、パピちゃん、」
 いきなり心臓が痛み出した横島。
「がるちゃんたちに、メドおねえちゃん。 ほら、わたしといっしょで、おにいちゃんがすきなおんなのこがかたよっていっぱいいるよ♪」
「うぐぅっ!」
「それに、シロおねえちゃんとタマモおねえちゃんにどきどきしているじてんでだうとだぞ♪」
「ぐはっ!!!(何か)」
「タマモおねえちゃんは6さいだし、シロおねえちゃんは9さいだよ。 ほら、ちゃんとげんじつをみないといけないぞ」
 得意そうに指を振りながら続けるひのめ。
「それに、なんねんたってもちぢまらないから10ねんたっても20ねんたってもようじょしゅみなんだよ♪」
 がっくりと膝を付き項垂れる横島。
「それに、わたしなんかすいじせんたくそうじによるのおあいてまでかんぺきよ♪ もうちょっとまってもらえれば、ぴちぴちとしたわかあゆのようなからだが、つかいほうだいなのよ♪」
「わいは… ろりでもぺどでもないんや。 どきどきなんかしてへんのや…」
 どこからか10カウントゴングが聞こえてきた。


 5歳児に理論武装を剥ぎ取られてしまった横島。 
 君の明日はどっちだ!!

「わいは、ろりでもぺどでもねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

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