コツコツコツコツ・・・・・
「何故私は此処に居るのだろうか?」
目の前に広がる長い廊下を歩きながら彼は考えていた。
「私の役目は終わったはずだ・・・後はただ消え逝くのみだと言うのに何故私は廊下を歩いているのだ?」
ふと壁を見ると一面これでもか!と言わんばかりにペナントが貼ってあった。
日本全国は勿論本当にあるかどうかも疑わしいアメリカやロシア、EU各国に中東のペナントまである。
しかも国名がカタカナである・・・パチもんだろうか・・・。
「・・・日本はともかく海外にペナント文化があるとは思えんが・・・っと思考が逸れたな。」
後頭部に大粒の汗を掻きながらもなんとか軌道修正する。
「しかし解せぬ・・・私は輪廻に組み込まれる事は無いと思っていたが・・・ここがそうなのか?いや・・・それとも・・・」
思考がループし始めた。・・・どうでもいいが一人でブツブツと呟く様子はかなりアヤシイ。
「いや・・・だがしかし・・・だからといって・・・」
ループ状態から三十分が経過した頃、彼は扉の前に立っていた。
「・・・何だ・・・この無闇に脱力させる扉は・・・」
扉の上には(転生るーむ)と書かれた横断幕が掛けられていた。いやに達筆なのがまた脱力を誘う。
真面目に考えていたのがバカバカしく思えてくる。
「・・・まぁここまで来たら進むだけだな。」
考えてみれば転生する事自体に依存は無い。
ふと、自分が知り合った人間の男が頭をよぎる。
彼が「ザコでアホで無能」と言った少年。
だが妙な根性を持ち、泣き喚きながらも強敵に立ち向かっていた少年。
「次はあやつと同じ(人間)に生まれたいものだ・・・」
そう言って彼が扉を開けた瞬間、光が溢れ全てを包んでいった。
「はっ!!」
目を覚ました時彼はアパートの部屋に居た。
「これは・・・本当に人間に生まれ変わったのか!?」
手を見る・・・人間の手だ。
足を見る・・・人間の足だ。
「・・・は・・・ははは・・・本当に・・・本当に人間になれるとはな・・・」
喜びのあまり涙ぐみながら鏡を見た瞬間、彼は凍りついた。
「何だこれはー!!!!!」
鏡に映った彼の顔には・・・
人間には無い第三の目があったからだ・・・
彼の嘗ての名は「心眼」竜の女神に命を与えられ、一人の少年の為にその命を散らした者・・・
今、彼の新たな物語が始まる・・・
~あとがき~
初めて投稿させていただきます。
初めてで連作などと身の程知らずかもしれませんがどうしても書きたくなってしまいました・・・
このお話は逆行ではなく本編再構成の様な物になる予定です。
筆者未熟につき御意見、御指摘等ございましたらガンガンお願いします。