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「GS美神〜求めるモノ〜(GS)」

零式 (2006-06-21 19:08)
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そこは、光も闇も関係の無い、ただ全てが混沌とした空間

その中で、一つの存在が再び覚醒しようとしていた


― 此処は、どこだ

― 私は、消滅したのではないのか

― ・・・まだ、”世界”は私を開放してはくれないのか


その存在は、両手をただ見つめながら過去に己が起こした戦乱を思い出していた


どれ位の時が経ったのだろう
自分の思考に浸っていると、嘗て己の存在を表したモノを呼ぶ二つの声が聞こえてきた
一つは圧倒的な神気にあふれ
もう一つは同じく圧倒的な魔力がふくまれている

その存在は己を呼ぶ者達の方に意思を向け、その方向に向かっていった

 『アシュタロス』 と自分を呼ぶ声の方へと


「来ましたね」
「そのようやな」

二つの存在は自分達がいる空間に、待っていた存在が現れるのを確認すると、相手が言葉を発するのを黙って待っていた

暫くの沈黙の後、アシュタロスが

「お久しぶり・・・・と申し上げたほうが宜しいのですかな?
神・魔の最高指導者よ」

と二つの存在に、幾らかの憎しみをこめた視線と共に声をかける

「まあ、そんなに怒らんといてや
色々と言いたい事もあるやろうけどな」
「そうですね
折角、貴方の真の望が叶えられ滅びへと向かっていた所を意識だけとは言え、呼び戻したのには理由があるのですから」

そう言われてアシュタロスは己の姿を確認する
確かに、今の自分は実体(霊体)を持たない意識だけの存在としてこの場所にいる
そして、神の最高指導者の発した言葉に疑問を持つ

(私の真の望みが叶えられた・・・?
ならば何故、自分を意識だけとはいえ神・魔の最高指導者が滅びへと向かう者を呼び寄せる必要があるのだ?)

「なんで自分が再び呼び出されたか訳がわからん様子やな?」

表情から察したのか、或いは波動からわかったのか、魔の最高指導者の方がアシュタロスに言う

その言葉に頷くと神の最高指導者の方が

「実際に見てもらったほうが早いですね・・・」

と魔の最高指導者に言う
同意したのか魔の最高指導者が己の掌に光の玉を作り出しアシュタロスの方にゆっくりと差し出す。

「・・・・これはな?
未来のわし等から送られてきた記憶のコピーや
触れてみてくれんか」

少しの間があり、アシュタロスは黙ってその玉にふれる
断った所で、今の殆ど力を持たない自分にはどうにも出来ないのだから大人しく従うことにしたようだ

アシュタロスが玉に触れると鈍い光を放ちながら玉はアシュタロスの意識体の中へと消えていった

どれ位の時が過ぎたのであろうか
アシュタロスの意思体はなんともいえない感情に支配されていた

その記憶の中には自分が起こした戦乱の後の約400年分の流れが記されていた

―人間達の非道
―自分が残していった二人の娘達の悲劇
―自分が死闘を繰り広げてきた存在達の末路
―その中心となった嘗ての自分の娘だった存在の未来
―そして、何より自分の真の願いを叶えてくれた1人の男のあまりにも哀れな姿

―そして世界の終焉―


「・・・いかがでしたか?」
神の最高指導者がアシュタロスに声を掛ける

「・・・まさかな
このような流れになるとはな
しかし僅か400年で世界は終焉を迎えるのか
人間共が起こしたおろかな行為のせいで・・・・」

アシュタロスは願いを叶えてくれた1人の男の姿を・・・魔法陣と大規模な装置の組み合わせに、まるでその一部だとでもいうような形で組み込まれている”横島 忠夫”の姿を思い出しながら答えた

「しかしだ
それと今回私を呼び寄せた事に何の関係がある?
・・・確かに僅か400年という短い期間で世界が終焉を迎えるというのは早すぎるが、それも世界の流れのひとつだろう?
ある意味仕方の無い事ではないのか?」

と再び疑問を口にする

「確かにその通りや
でもな、ちーっとばっか問題があるんや」

魔の最高指導者がこめかみに指を当てながら答える
それに続くように今度は神の最高指導者が

「実は、今私達が見たこの未来の世界は”根本の世界”・・・植物でいう根の存在ともいえる世界での事なのです
このままでは、他の平行世界も含めた全ての世界が、少なからず影響を受け
滅び・・・全ての世界の終焉・・・”無”へと向かってしまうのです」

と少し疲れたように言葉を続ける

「それで・・・私にどうしろと?」
アシュタロスはある程度の予測をたて再び問いかける

「・・・お前さんのこっちゃ
もう判ってるとはおもうけどな
どうにかしてこの真の終焉への道を避ける方法を考えてほしいんや」

「あなたはコスモ・プロセッサを研究していた時に、何かしら宇宙意思の影響を最小限にして歴史を変える術をも研究していたはずです
お願いです・・・世界のためとはいいません
彼らの・・・否、自分の大切な存在と世界を天秤にかけ尚、あのような過ちを犯した人という種を憎みきれずに消えていった”彼”という存在の為にも
是非力を貸してください」

と神・魔の最高指導者は己の置かれた立場も省みず、アシュタロスの意識体前にひざまづき懇願する

暫くの静寂が光に包まれた空間を支配する

そしてアシュタロスが告げる

「・・・良いでしょう
己の願いを叶える為とはいえ、私も彼に負い目が無いわけでもありません
世界の為・・・ではなく、私の義理の息子ともいえる存在の為にもやってみましょう」

決意した表情を浮かべ2人と向かい合う

「「感謝します」」

と、2人の最高指導者は立ち上がりアシュタロスの手を握る

少しだけ流れる暖かな雰囲気
そこでアシュタロスが呟く

「・・・しかし・・・我が義理の息子も大したものだ
未来での事とはいえ、神・魔の最高指導者をも魅了する存在になるのだからな・・・
・・・敵として死闘を繰り広げた、私自身も含めてだが・・な・・・」

と、苦笑を浮かべ

「それは、仕方の無いことでしょう」

「せやな
なんせ”人類最強の人外こまし”やからな
・・・なんのかんのいっても、あの戦と未来からの記憶で、わし等も”横島 忠夫”っちゅー存在に魅了されたんやろ?」

「私達だけではないでしょう・・・
きっと私達が”宇宙意思”と呼んでいる存在も魅了されているのでしょうね
でないと、記憶だけとはいえ最高指導者たる我々の逆行ともいえる行為や、すでに消滅していたはずのアシュタロスという存在の引き上げ等も成功するはずがありませんからね」

「・・・かもしれませんな」

と三つの存在はこれからの事に思いをはせながら互いに納得していた


あとがき?
はじめまして。零式と申します。
皆様の作品を読んでいるうちに自分自身でもちょっと書いてみたくなったので、投稿させていただきました。
まだまだ文章的にも内容的にも至らない所ばかりですがよろしくお願いします。読んでくれる方がいらっしゃればですが^^;

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