―――――蘇らせる、何をしてでも………何を失っても…あなたを
「つまりは、調査ってことか?」。
俺は、茶をすすり生八橋を食べながらそう言った。
「まあ、調べるだけでなく解決まで持っていけば追加報、ってそれは俺の分だろうが!」
雪之丞が俺の手から八橋を奪っていった、まったく部屋に置いてある土産の見本くらいで剥きになるなってーの。
雪之丞の説明を要約すると、この町に何の害も無い浮遊霊から悪霊までが大量に集まったらしい。そしてそいつらが一気に消えたらしい。
そしてその消え方が尋常じゃなかったらしい、その霊たちは無数の霊団となりさら霊団同士がくっ付いてひとつになったところに何者かが現れ、手に持っていた何かに吸い込んだというのだ。
「んで、その何者かって言うのは何なんだよ。」
とりあえず、話の中で一番わからないことを質問してみる。
「んなもん、わかってたら調査の依頼じゃなくて退治の依頼が来るだろ。」
雪之丞はあきれ気味に言うが、美神さんが調査なんて、地味でめんどくさい依頼に自ら出てくるのは変なのだ。いつもなら俺とタマモかシロに押し付けたりする内容だ、そこを聞いてみると雪之丞は今度こそ本当に呆れましたといった感じで
「美神の旦那だぞ、報酬が良いからに決まってるだろうが。なんでも政府からの依頼らしいぞ。」
「政府ねぇ、てゆーかなんでお前がいるんだ?」
政府かアシュタロスのあの事件以降、心霊事件に過敏になってるからなかなり高額の報酬だったんだろうけど、それをわざわざ助っ人を呼んでそれを減らすようなまねを美神さんがするとは考えずらい。しかも調査なんて出来そうに無いバトルジャンキーなんて
「なんか失礼なこと言われた気がするが、まあさっきも言おうとしてたんだが解決まで持っていくと追加報酬が出るんだとよ。旦那の見立てじゃあかなり強い奴らしいからな、この俺を呼んだってわけだ。」
こいつを呼んだのは、強いからとかじゃなく(いや強いんだけど)扱いやすい上に、助っ人の料金安くしても良いからなんだろうな
「そうか、そういや美神さんたちは?」
苦笑しながら、さっきから気になっていることを問う
「聞き込みに言ったぞ、俺らは留守番だ聞き込みには役に立ちそうに無いってよ。」
こいつ目つき悪いからなぁ、裏の奴らなら逆に信用してもらえるかもしれないけど
「よしゲームコーナー行こう。」
「え、あるのか?」
「お前なあ、旅館に来たらまず確かめることは、ゲームコーナーの有無と混浴かどうかと、覗きスポットはどこかだろうが!!」
雪之丞は横島の叫びに頭が痛くなるのを感じつつも、暇だしなーという理由でゲームコーナーについてきたのを後悔していた。なぜなら―――
「第一印象から決めてましたー!」
なんていうふざけた叫びとともにそこで脱衣マージャンをやっていた美女に飛び掛っていたからである。
その美女は横島をひらりとかわすとたしなめる様な口調で話し始めた
「駄目ですよ、まだ名前も知らないのにこんなことしちゃ。」
「俺は横島忠夫、こいつは伊達雪之丞。あなたのお名前をお聞かせ願えませんか、美しいお姉さま。」
横島は雪之丞を隣に引っ張りながら自己紹介を始めた
「私の名前は茨木、茨木季姫ですよろしく。」
「キキさんっすか美しい響きですね、どんな漢字を書くんですか?」
横島が隣で口説いているのも雪之丞は聞こえていなかった。
雪之丞が其処まで意識を惹かれているのは、その女性が隻腕だったから――
ではない、GSなんて職業についていればそのような相手に合うこともそう珍しいことではない、雪之丞が其処まで見入っていたのは―――
雪之丞の唇がゆっくりと動いて言葉をつむぎだしたその言葉は
「マ、ママに似ている………」
あとがき
オリキャラ登場で終わってしまいました、今回。
内容が薄い感じになってしまいました。
次回は事件がやっと動き出すはず……
レス返し―
>tomo様
ご指南ありがとうございました、今回は其処に気をつけてみたんですがどうだったでしょうか?
最後にここまで読んでくださってありがとうございます
BACK<