学校で逢いましょう!
〜プロローグ〜
都内某所、某公園の草むらの中。
朝日を浴びて小鳥が覚醒しだしたちょうどその頃、ムクリと起き上がる紫色の物体が一つ。プルプル震えたかと思うと、美白の女王もはだしで逃げ出す白い手足がヒョコヒョコと飛び出る。
ちょっとの動きで下着が見えそうなくらいの丈のミニスカートと、体格の割には大きめ乳が現れる。
(足…異常なし、腱OK、首も損傷なし、腕も動く…)
身体を動かし調べたい部位を触って、じっくりと確認する。
(……手も問題なし…と)
握って開いて、自分の手が動くことを己の目で確認する。だが、握った拳から力が抜けず、わなわなと震えている。
(あいつめ……)
自身の無事を確認したあとは、自分が何をすべきかを考えるクセがついていたはずだった。
だが、脳裏には一人の人物が浮かび、その人物のことを考えるとひどく心が不安定になる。
(クソッ! クソッ!)
手近な木を思わず殴りつけてしまう。
(よりにもよって、人間なんかに二度も倒されるなんて
……………横島め〜……
……好きだっ!」
突然の叫び声に、ダンボールハウスの住人が何事かと声の主を見やる。
「こんな辱めを受けたって事は、もう嫁になんか行けやしないね。魔族の女にこんな大恥をかかせるなんて……なんてステキな人間なんだ。気に入ったよ!!」
その瞳は感激に濡れ、恋する少女のようなあどけなさを内包し、唇は謀略と愛が混じる微笑という、なんとも微妙な表情をしている。
「覚悟してな横島! 愛してるよっ!!」
己に誓うように宣誓するとメドーサは全速力で、横島の家へ向かって走り去っていった。
愛に目覚めた一人の魔族が何かを決心した時をほぼ同じくして、美神除霊事務所に不意の来客があった。今の時間は飛び掛ってくる存在が居ないのでゆっくり話せそうだと、にこやかな女神二人の足取りは軽い。
「なぁ左の……何か物足りないような気がせんか?」
「コレが普通なのだ、右の……」
黒スーツの二人が、手持ち無沙汰とばかりにクルマ磨きや、タバコふかしに没頭していた。
「はぁ?何だって月神族が地球に来る事に?」
令子の驚きに満ちた声が事務所に響く。意外な来客に驚いたが、その来客の発言もまた、彼女を驚かせるのに十分だった。
「人間の宇宙進出も目覚しいですからねぇ…近い将来、民間の宇宙観光もありえるそうではないですか。そうなった時の為に、今から月神族について人間に理解してもらおうという話しがあるんですよ。今回はそのテストケースですね」
小竜姫はおキヌから差し出されたお茶に口を付けながら、説明する。
「それで面識のある私の所に話がきたのは解るけど…なんで横島君の通う学校に編入する事になったの?」
令子の質問に答えたのは、山盛りのお茶菓子を一人で平らげて満足したヒャクメだった。
「横島さんの実力を見込んでの事なのねー。横島さんってば月では英雄あつかいされてるのねー♪」
あっさりとヒャクメの口からこぼれたこの言葉に令子がすぐさま反応するのは仕方のないこと。
「ちょっと待ちなさいよ!! 私だって居たでしょうが!!」
「月神族は女性神ばかりですからねぇ…異性の横島さんが強く印象に残っても仕方の無い事ですよ」
首をかしげて苦笑する小竜姫の言葉に、令子はまだ納得できないものの理解は出来た。また、月神族に「おねーさま」なぞと慕われてもいい気はしない。そういった関係は高校の頃だけで十分だった。
「でも…オカルトに理解のある所でなくて大丈夫なんですか? …その、私の学校ではダメなんですか?」
おキヌの疑問も最だった。だが、
「月神族の強い希望で……男性について詳しく知りたいと…そういうことも有りまして、六道女学院は編入先の候補にも上がってなかったんですよ…」
との事だ。
「まぁ横島さんのクラスなら大丈夫だとおもうのねー。愛子ちゃんにピートさんに、えーともう一人誰だっけ? と…これだけ人外の存在が揃っていても普通に学校生活が送れるんですものね〜今更一人や二人増えても問題なしなのね〜♪横島さんなら、たとえメドーサが転校してきてもきっと上手くいくのね〜」
「何を言ってるんですかヒャクメ! そうそう復活されては困ります!」
「あのヘビ女がセーラー服着て学校生活? 笑い話にしかならないわよ、ソレ!!」
「メドーサさんって横島さんの事嫌ってませんでしたっけ……?」
ヒャクメの言葉に一斉にツッコミが入る。
今日の天気は雲一つ無く、秋日和と呼ぶのにふさわしかった。
こうして横島のあずかり知らぬところで、それぞれの思惑が複雑に絡み合い、一つの物語が始まった。
日も傾き、カラスが鳴きながら飛び去るのを見るでもなく、ボケーっと歩いていた男が自宅に到着した。
そして物語は動き出す――
学校で逢いましょう! 第1話
〜ストーカーメドーサちゃんお色気大作戦!〜
一人暮らしの男子学生の部屋の中なんてものは、ゴミまみれと相場が決まっている。そしてその男がモテなく健全な思春期を迎えていればエロ本だってある。
「ただいまー」
「ん、おかえりー」
「……って、一人暮らしなのにただいまなんて言っても虚しいだけだよなぁー。くそーオレにも可愛い笑顔で出迎えてくれる彼女がいればっ!」
「へぇ、そういうのが好きなんだ…じゃぁ今度からそうするよ」
「おう、次からは頼むな――って… め、メドーサッ、なんでお前がココにっ!!?」
「ちょっと借りてるよ、横島」
彼が帰宅した時、既に部屋の中に居た来客は、彼のコレクションのなかの一冊を手に取り興味なさげにペラペラとページをめくり「ふぅん」などと一人で納得していた。
横島は、突然現れたメドーサにどう対処しようかと、普段使ってない頭をフル稼動する。だが、テンパった彼の頭では何がなんだか解からないまましっかり取り乱したあとに、上司や女神さまの名前を叫びながら外に出ようとした。
しかし、彼の手足は何かに固められたように言う事を聞いてくれなかった。
「あぁっ!! いつの間にっ!?」
横島の肢体は土壁に埋められ、顔だけが壁の外に出ていた。
「別に獲って喰ったりしないよ、落ち着つきな」
「嘘やー! 騙す奴はみーんなそう言うんやー! つーかこんな状況で落ち着けるかー!!」
「香港じゃ美神令子はその格好で寝てたけどねぇ……」
「…………マジか?」
「マジだ。寝言も言ってたよ」
電車で二駅離れた某除霊事務所で、書類仕事と格闘していたゴーストスイーパーが盛大なくしゃみをして居候に心配されたりしていたが、それはあまり関係の無いこと。
――閑話休題。
「……落ち着いたみたいだね。茶でも飲んで話をしようじゃないか。それできっとあんたの誤解もとけるってもんさ」
横島が落ち着いたのを見計らって土角結界を解き、メドーサが勝手知ったるとばかりに台所をあさって急須から湯飲みまで取り揃える。毒気の抜けたメドーサにあてられた横島は、素直にちゃぶ台周辺をざっと片付け始める。
色の薄いお茶を前にちゃぶ台を挟んで向かい合う。
「で、なんでお前が生きてるんだ?」
「お前にやられる寸前に自分に呪いをかけたのさ」
一息に茶を飲み干し、茶受けにと用意された『砕きインスタントラーメンの粉末スープかけ』をばりぼり齧る。
「自分自身に呪いをかけるって…何処の魔族だよ?」
「とんでもない、あたしゃ魔族だよ」
カセットコンロの上に居た警笛付きヤカンが合いの手を入れる。
「ま、順をおって説明してやるよ。私がかけた呪いは『死ぬと即座に魔力を消費して復活する呪い』だ」
「そんな都合のいい呪いがあるかー!!」
勢い良く湯飲みが叩きつけられ、ダンッと音を立てる。ついでにメドーサの胸もぽよんと揺れる。
「せっかちだねぇ…それも今から説明するよ。呪いって言うんだから被呪者に『枷』がかかる。この呪いは戦闘…いや、弱いものイジメが大好きなヤツの作った呪いでね。この呪いの『枷』は復活に使った魔力は二度と戻ってこないって具合さ。つまり、やられて生き返るたびに弱くなる。最終的に復活に使える魔力がなくなりゃ、アンタの上司のいう極楽逝きさね」
自分の湯飲みに茶を継ぎ足しつつ、急須に新しい湯を張る。その一連の動作の最中もメドーサの豊満な胸は右に左に、上に下にと大忙し。
饒舌なメドーサと自己主張の激しい胸――平たく言えば揺れるでっかいおっぱいを前に、横島は茶を飲むのも忘れていた。
「……でもお前、俺を殺したいんじゃなかったのか?」
「まぁ、魔力が低くたって人間は殺せるからね」
メドーサは拳銃の模した右手に左手を添えると、片目を瞑り横島の心臓に狙いをつけ「バーン…ってね」と打ち抜く。
その意味に気づいたのか、はたまた銃を構えるポーズによってより一層谷間を強調した胸に目を奪われたのか、横島は顔を赤らめて冷めた茶を飲み干す。
横島のあからさまな態度に急に真面目な目をしてメドーサは身を乗り出す。その際に胸を強調するポーズで迫るのを忘れない。
「横島、私の胸は好きかい?」
「見た目がコギャルのクセに実はケッコーな年増であろーと、将来タレそーな胸でも愛してますっ!!」
「他に言い方は無いのかっ!」
ガツン! といい音がした。
衣服を脱ぎ去りつつメドーサに飛びつこうとした横島は、メドーサの放ったちゃぶ台返しによって、その役目をバリヤーに変えたちゃぶ台に阻まれる。
「クソー! 500円のちゃぶ台のクセに生意気だぞコラー! しかも500円って牛丼より高いじゃねーか!!」
でっかい怒りマークを浮かべたメドーサが、家具に訳のわからないインネンを付けている男の顔を踏みつける。
「言葉に気をつけな、いくら私でも怒る時は怒るんだよっ!」
禁句は多分「年増」と「垂れる」とそれらを連想させる単語群だろう。
「い、意外…白だ…」
イロイロと懲りていない様だが、メドーサは根性の悪そうな笑みを浮かべると、倒れた横島の耳元に顔を寄せる。
「そうかい? 私はアンタの下着の方が意外だったけどねぇ」
唾液をまとった舌で小さく開いた唇を音を立てて塗らす。その淫靡な仕草に背筋にぞくりと何かが走る。
更に顔を近づけ、メドーサの顔を横島の鼻息が撫でる。メドーサの吐息が横島の耳を包むと――
「7時47分31秒に隣の小鳩とか言う娘に起こされ、寝巻き代わりの『緑色のトランクス』から『青と白のストライプのブリーフ』に履き替え、学生服を身につけ手櫛で髪を整えること3分01秒。コップ一杯の水を飲んでから小鳩と一緒に登校。途中でパン屋に寄ってあんぱん(86円)と紙パック牛乳(95円)とパンの耳500g(10円)を購入。朝ごはん代わりにあんぱんを食べつつ学校へ向かう。自分の席についてから12分32秒で睡眠開始。25分20秒後に寝言を一言、さらにその5分後には机に突っ伏し、よだれを引きずり白紙のノートを汚す。愛子とかいう机に叩き起こされそのまま廊下へ移動し、立ったまま昼休みまで二度寝開始。昼食はパンの耳500g(10円)と牛乳(95円)を3分18秒で食べつくし、バンパイアハーフへ差し入れられた弁当3個を強奪してデカイのと奪い合うようにかき込んだ。午後の体育の授業に備え0,2秒で着替えを終えると、女子更衣室にむかって走り出し、途中で先生に捕まり文珠をつかって目くらましをしてたどり着いた女子更衣室は既に人っ子一人も居らず、やる気の出なくなった体育の授業を手抜きして過ごし、帰りのホームルームで覗き未遂を吊るし上げられて、罰としての教室掃除を追加された。教室掃除を10分11秒で終わらせ「今日はバイトが休みだから何をしよう」と呟いて下校して今に到るんじゃないか♪」
「なんでそんな事知っとるんじゃー!」
自分の今日一日の生活を余す所なく聞かされて驚愕する。目が丸くなり顎が落ちるのも仕方ない。先ほど背中を走り抜けた何かは悪寒だったようだ。
「コレも愛の力さ、横島♪」
立派なストーカーである。ヘビ女の面目躍如といったところか。
「ちょっと待て! いま『愛』とか言わんかったか?」
「そうさ、横島。私はあんたに惚れてる。愛しちゃったのよ」
耳朶を甘噛みし、長い舌が耳穴を犯す。顔に添えられた手は優しく頬を撫で、左手は起立した肉棒を掴み上下にゆっくり動いている。
思いもかけない刺激に横島は大いに慌てる。
「な、何するだー!!??」
「言わなきゃわからないのかい? こんな時間に男と女が二人っきり。その意味がわからないほど初心じゃないだろう?」
実際はまだ空は夕焼けに差し掛かった辺りである。場合によってはでっかいしゃもじをもったタレントさんが夕飯をたかりに来る時間だ。だが、そんなことは押し倒したり押し倒されたりしている男女には関係が無い。
「…………つまり『ヤっちゃう』の?」
「それ以外に何があるってんだい?」
頬やうなじを舐めていたメドーサが、まだ迷いを宿している横島の目を見る。きっと他の女の顔でも思い浮かんでるんだろうとあたりをつけ、自分の体をめいいっぱい使って押し切ろうとする。
「…おっぱいがオレの胸でつぶれて。…あぅ鎖骨に舌がぁぁぁ」
横島の顔に赤みが差してきたのを見てメドーサは全ての動きを止める。
急に刺激が無くなった横島が物欲しそうな顔をする。
メドーサはことさら意地の悪い笑みを浮かべて問いかけた。
「建前とかはいい、本音を聞かせてよ。目を逸らさず見つめておくれ。あんたは私が『性悪ヘビ女』だと思ってる……だけどね、あんたにもしちょっとばっかりの勇気があれば……今すぐにでも私とヤれるよ?」
「ヤりたいですっ!!!」
「ふふふ…素直でいいね。そういうのも嫌いじゃないよ」
今度はゴミの散らかった安アパートの一室でディープキスを交わす。
横島とて、健全(?)なる男子。このような状況に陥って断れるはずも無かった。
「けっこう大きいね……でも、もっと大きくなるんだろ?」
挑発的な仕草で横島の肉棒を扱く。
横島は慣れない刺激に歯を食いしばって耐えるだけだった。
「さぁ、コレを私にどうして欲しいんだい?」
「乳で挟んで、舐めて吸ってー!!」
初体験のはずなのにリクエストがいやにナマナマしいのは彼の煩悩のなせる業なのか。先ほどまでは耐えるだけだった坊やが今ではいっぱしの女誑しの如く振舞っている。
「ふふ……注文が多いね……それじゃぁ失礼して……ん……」
舌を伝って手のひらに落ちた唾液をはだけた胸になすりつけると、口を使って横島の下着を下ろす。
「そ、そんなマニアックな!」
「初めてでこんな要求するのはマニアックじゃないってかい?」
肉棒に吐息を吹きかけつつ、愛しそうに胸の谷間に導く。
「おぉ、やわらけー!!」
「喜んでくれて、私も嬉しいよ……はぁ…んっ…」
メドーサは谷間から飛び出た先端にその長い舌を這わせる。
ピチャピチャと液体の踊る音に混じり熱に浮かされたような吐息が絡み合う。
器用に舌先を動かし、先端のえらの部分を刺激する。異臭を放つ垢を次々に舐め取っていく。
「ン、少ししょっぱいねぇ……ちゃんと風呂に入って洗ってるのかい?」
「銭湯は週に4日だからなぁ…おぉぅ……」
舌を這わせたまま上目遣いで覗き込み、肉棒を包む胸を揺する。陰嚢をマッサージするのも忘れない。
新たな刺激に横島の手は踊り、なんとなくメドーサの頭部へと行き着く。それが合図とばかりに、胸から肉棒を解き放ち、口の中へいざなう。唇と頬で締め付け、添えられた手も不規則に動く。それまでの刺激で高ぶっていた肉棒は新たな刺激に耐え切れなかった。
「のぉぉぉぉ、それだめぇぇぇ!!」
悲鳴と同時に横島の腰が跳ねる。肉棒の芯を熱い精液が走り抜ける。
「!! んん……んっ……んっ……ケホッケホッ」
口内を暴れる精液に目を丸くするメドーサ。
「はぁ…はぁー……いきなりでむせちまったよ」
唇の端から零れ落ちるそれを舐め取り、舌の上で転がす。
「……いいね。思ったとおり、若くて…健康な、良い味がするよ」
どんな味だ! と突っ込むよりも、初めての口淫とその刺激に呆然とする。今は荒い息だけが部屋に音を与えている。
大の字に倒れている横島の上にまたがるメドーサ。以外にしっかりした胸板に指を走らせつつ、少々くたびれた肉棒を後ろに回した手で刺激する。
「くぁ……」
絶頂直後の敏感な時に、追い討ちをかけられた形になった横島は情けなく声を上げることしか出来なかった。
それでも目の前で揺れる胸に手を伸ばすのを忘れない。ぎこちなかった手の動きも次第に複雑に、そして強くなる。
それはテクニックなどとは程遠いものだが、必死なのはメドーサにも良く解かった。
「ほら……手だけじゃなく口も使って……」
抱き起こして顔を寄せる。舌と舌を絡め合わせる。
「…ぬぉっ! なんじゃコレは! まさか…」
唾液とは違う何かが舌に触れると目を見開く。
「その『まさか』さ」
「おえぇー」と顔を顰める横島。
「ふふ……口直しといっちゃぁなんだけど、舐めてくれないかい?」
横島の目の前に胸を突き出して誘う。片手で自身を慰めつつ、横島に体重を預ける。
横島も、すぐさま目の前の乳首にしゃぶりつく。舌を限界まで伸ばし、乳房全体を舐め回し、尖った乳首をこね回し、時折噛み付きながら。
粘性の高い液体が互いの全身を彩る。横島の体にはメドーサの唇が触れてない所は無く、またメドーサの体は胸を中心にひたすら舐めあげられた。
ゆっくりと互いを刺激し続ける愛撫の時間は終焉に近づいた。
メドーサは自ら腰を浮かせ、濡れた下着をずらす。花弁から零れた蜜が太股を伝って落ちる。
息を整え腰を徐々におろす。侵入される快感に顔を歪めるメドーサ。
(うぉ…こ、これがっ!)
横島は全てが包み込まれるその感覚に酔った。
しばらくそのまま抱き合い、お互いのぬくもりを全身で感じていた二人だが、どちらからとも無く少しづつ、腰が動き始める。
ぎこちなかった動きはやがて激しくなり、安普請の床板が軋む音が響く。
メドーサのぬくもりが、匂いが、横島の理性を支配する。
「……うあ……あっ!」
声のトーンが上がると二人の動きは更に激しくなる。
どちらが動いているのか、
どちらが求めているのか、
二人の繋ぎ目が何処にあるのかわからなくなる。
「あぁっ!!」
抱きしめる腕に力がこもる。お互いに限界が近づいているのを感じる。
迫り上がる何かと、メドーサの声が横島の感覚全てを解き放った。
気だるい脱力感に包まれた横島は、そのまま気だるさに身を任せて深い眠りについた。
意識を失う直前に、メドーサが何かを言っていた様な気がするが、虚脱感に勝てず応えることが出来なかった。
目を覚ました横島がちゃぶ台の上に何かがあるのを見つけた。
『今度は学校で逢いましょう』
短い書置きにキスマークが添えられていたそれは途中下車の利かない旅へのいざない。
今の横島にはそのことに気づける経験も余裕もなく、これから己の身に降りかかるであろう事態を都合よく想像するのに忙しかった。
――後書き見たいなモノ
皆様、こんにちは。こちらでは二度目になります純米酒と申します。
このSSは「セーラー服着たメドーサと神無が書きたい」というだけのモノです。
故に出てこないキャラが居たり、出てきても脇役になっちゃったりと、いろいろとメチャクチャです。どうかお許しください。
実はこのSSもたかすさんの絵に萌えて書き始めたものだったりします。
たかすさんの絵の魅力を、一部でもいいから伝えられたら幸いです。