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「君の笑顔をもう一度    プロローグ(GS)」

玄多 (2006-05-04 00:11/2006-05-04 03:02)
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深夜2時、闇が空間を支配するその時間、赤い鉄塔の中腹あたり東京タワーの展望台の上に横島忠夫は立っていた。

彼の手に握られているビー玉のような小さな珠、‘文珠’それは霊力を凝縮しキーワードで一定の特性を持たせて解凍する技。使いようによって奇跡すら起こせるその文殊を握り締め。横島は、儚く短かった一生を自分のために散らした彼の恋人、ルシオラのことを思い返していた。

その思いを乗せ握った文珠に文字を込める。


『宇』『宙』『処』『理』『装』『置』


あれから1年、彼女を救う方法を考え抜いた結果、あのコスモプロセッサを文珠で再現することが1番確実だと結論を出した。あの時これを利用できていればルシオラを救うことが出来たのだ。宇宙で散ったメドーサや中世に地獄炉に吸い込まれたヌルまで復活できたのだから、時間がたってしまったことなどの問題も関係ないだろう。
宇宙意思の反作用もあるが大して気にしなくていいだろう、アシュタロスですら手こずっていたそれだが、彼のように世界全体の革変を起こすわけではない、一人の魔族を復活させるだけなのだ。あの時アシュタロスは世界中に妖怪や魔族を復活させていたが、そのときに反作用が起きている様子はなかった。


「ルシオラ……」


横島は愛する人の名前を呟き、手の中の文珠を発動させる。文珠が光を放ち辺りを包みこむ、その光の中でルシオラの復活を強く願う、彼女の蘇えるさまを思い描く、彼女がまた自分に笑顔を向けてくれることを強く願う。強く強く――――


が、何も起こらないうちに光は弱くなり始める。

「そんな馬鹿な!」

横島は焦燥感に駆られ叫ぶ。

だが無情にも光は完全に絶え、さらに六つの文珠は砕け散った。

「何で!何でだよ、何で何も起こらない!」

横島は叫んだ、頭の中は真っ白だが考えなくてはいけない。

(落ち着け落ち着け。クールになるんだ横島忠夫。なぜ何もおきなかったかそれを考えるんだ。まず文珠の制御の失敗、イヤそれはないな今は8文字までなら安定して制御できる、え、何でそんなに制御できるようになったかだって?実はこの方法でルシオラを復活させるって決めたのは最近じゃなくだいぶ前なんだ。だけど決めた当初はせいぜい3文字が限度なんで修行したんだ。老師に相談したら……って誰に説明してるんだおれはっ!!!)

「はぁっ、はぁっ。ふぅ、よし。」

焦りからか完全に脱線していた思考を止め、横島は場所を移動した。


「やっぱりエネルギー不足か。」

自分の部屋に戻り、考え抜いて結論を口に出した。

「そうだよなあ、アシュタロスでさえエネルギー結晶を必要としてたんだし、文珠だけでどうにかしようなんて甘かったか〜」

そういいながら布団に倒れこむ。

(エネルギー結晶の代用品になるものか、妙神山に行って文献でも調べさせてもらうかな……)


何か手があるはず、そう信じて横島は思慮を巡らせながら眠りに落ちていった。


あとがき

まずここまで読んでで頂きましてありがとうございます。
はじめまして、玄多(くろた)というものです。
SSを書くのは初めてなうえROMオンリーだったのですが、皆さんの作品に触発されぜひ書きたいと思い、遅筆ながらも筆を執りました。
変なところなどがありましたら、ぜひご指摘ください。
アフター物の中編のつもりですがよろしかったら、ぜひ温かい目で見守ってください。

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