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▽レス始

「GS横島・ミラーワールド(GS)TSあり5話」

ミアフ (2006-03-19 21:14)
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『悪魔パイパーと横島』

『横島』

令児さんから至急応援を頼むという連絡があった。
午後の日差しにまどろんでいた俺を現実に引き戻すレイのテレパシー。
銃に破魔札、一式装備を整え、令児さんの指定した教会・・・・・・唐巣教会へ、フライヤーを飛ばす。
なんでも強力な悪魔を取り逃がしたらしく、そいつの退治を手伝いをして欲しいようだ。
珍しく焦ってるのか、報酬は半々でいいとも言っている。
・・・・・・この時期、強力な奴っていたっけな?

唐巣教会。
異教の悪魔を退治し、教会から追放されたシスター唐巣が自分で作った、無認可の教会。
その扉を開け、横島は中の人に挨拶をする。
「ちわーッス! ひさしぶりッスね。令児さん、キヌ」
「おお、横島か!来てくれたんだな・・・・・・助かった」
横島は令児の安堵した表情をみて呟く。
その横に何かを抱きかかえているキヌ。
金髪の少女と老シスターが困惑したような表情で佇んでいた。
「あれ?タダヨちゃんは何処ッスかね?」
横島は唯一この場にいない少女の名をあげる。
いつもなら、令児の助手として健気に活躍しているはず。
一同は困ったように顔を見合わせた。
キヌがふよふよと浮いてきて抱きかかえている子供・・・・・・おそらく5、6歳の幼女を見せた。
「・・・・・・もしかして、この子タダヨちゃん?」
タダヨの面影がその少女にはあった。
「はい、今は寝ちゃってますけどね」
近所の子供好きのお兄さんのようにタダヨをあやしているキヌ。
「事情の説明は俺がしよう」
令児は事の発端、今朝の事務所でのことを語りだした。

「・・・・・・さて、今日はいっちょ大物退治といきますか」
令児は懐から一本の金の針を取り出した。
これはさる僧侶がとある悪魔から奪い取った霊的アイテム。
偶然、その悪魔の居場所を知った令児がそいつを除霊するためにヨーロッパから取り寄せた一品である。
たかだか針一本だが強大な魔力を秘め、その悪魔の力を奪うことも増やすこと可能。
かなり重要なアイテムだ。
令児は拳を打ち合わせて呟く。
「まってろよ、悪魔パイパー!貴様にかかって懸賞金、この美神令児がもらった!!」
「さぁて、それはどうかねぇ?」
「ッ!?」
その声に令児は素早く振り向いた。
壁をすりぬけ、角笛を持った道化師の姿をした悪魔パイパーが現れる。
「さて、この笛の一吹きでお前は子供さ!!」
「神通棍で!」
パイパーが笛を吹こうとした瞬間、
「令児さ〜んおはようございま〜す!」
最悪のタイミングでタダヨが部屋に入ってきた。
それに令児は慌てた。
「タダヨ、さっさと逃げろ!」
「え?」
状況が理解できていないタダヨは戸惑う。
それが命取りだった。
角笛の音色が部屋に鳴り響く。
「しまった!」
令児はとっさに精霊石をパイパーに投げつける。
「ぐはぁッ!」
閃光と共にパイパーの姿が掻き消えた。
精霊石でどうやら撤退したらしい。
そして、残ったのは子供に戻ったタダヨと、念のため常備していた文珠『護』の効果で子供に戻るのを防いだ令児・・・・・・緒戦は令児が生き残った。

「悪魔パイパー・・・・・その昔、ヨーロッパを荒らし回った大物ですね。
だから令児君はそれで私の元にタダヨさんを預けることを頼んできたのですね」
ちびタタヨはなにも知らず眠っていた。
「ああ、ガキのタダヨじゃ足を引っ張るのが精々、ここなら安全ですから」
シスター唐巣が皆にお茶を配る。
(この世界の唐巣さんも清貧なんだな・・・・・・三つ子の魂百までってか)
この世界の唐巣はマザーテレサのような人間だった。
やたらと薄い茶を啜る横島。
この教会の貧乏具合がしかと胸に染み入る。
世界変われど唐巣の清貧さは変わらず、といったところ。
悪魔パイパーはそれなりに記憶に残っている横島。
実はパイパーとの闘いより、その後の観覧車の崩壊で死に掛けた印象が強い。
ピエトロが興味深そうに令児の文珠をためすすがめつしていた。
「それにしても便利なアイテムですね。文珠って」
令児を守った文珠に興味を引かれるピエトロ。
横島は一個文珠をピエトロに手渡した。
「じゃ一個タダであげるよ。お近づきのしるしってことで」
「いいんですか?これって結構高いんじゃないんですか」
「い〜のい〜の、原価はタダだし。美女には優しくが俺のモットーだしな」
「確かにそこの横島以外、作れるやつがいないからな・・・・・・出来うるものなら量産したい」
「これって横島さんが作ったんですか・・・・・・」
令児とピエトロのやり取りに横島は呟く。
「それより令児さん、パイパーの居場所はわかってんのか?」
「ああ、N県バブルランド遊園地の跡地に巣食ってる。
奴の発見のきっかけはそこの解体工事の業者が子供にされて発見されてることだからな」
キヌがシスター唐巣にタダヨを預ける。
「なら、さっさとタダヨちゃんを戻しに行こう。パイパーって悪魔も、金の針を狙ってることだし」
そう横島は言って。
「そこかッ!!」
銃声一発。
いつのまにか横島の懐から拳銃が引き抜かれている。
霊力の浄銀弾が不可視の存在を討ちぬいた。
「く、よくおいらの接近に気がついたなぁ〜」
「「「「悪魔パイパー!!」」」」
横島以外の声がハモッた。
横島はやや得意気に呟く。
「並の霊能者に比べて、俺の魔力の感知能力が高くてな!てめぇの禿げ頭が光って見えたぜ」
「ぬぬぬ・・・・・・言わせておけばおいらを馬鹿にしてぇぇぇ〜」
軽口を叩き、横島は素早く文珠を一個形成し、パイパーの身体に投げつける。
すなわち『滅』である。
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
一瞬でパイパーの分身体が消滅した。
あまりにもあっさりとしたやられぶりにピエトロが呆然としたように呟く。
「・・・・・・いくら本体じゃないって弱すぎます・・・・・・」
「油断しすぎだな、みんな」
横島の言葉に誰とも無く頷く。
横島が気づかなければ、今ので全員子供にされていた。
令児がタダヨをシスター唐巣に預けた。
「じゃ、シスター、タダヨのこと頼みます。ことが終わるまで」
「分かりました令児君。三人とも頑張っておいきなさい」
慈愛に満ちたシスター唐巣の表情に令児、キヌ、横島は力強く頷いた。

『横島』

いや〜あのはげピエロ『パイパー』なんてすっかり忘れてたぜ。
当時の俺は霊能力なんてない、単なる荷物持ちだったからなあ。
しかし、いま当時を振り返ってみると随分と無茶なことをしたと思う。
あの美神さんが子供にされてしまったのを助けるため、バブルランドまでおキヌちゃんと一緒に遊園地巡りしたんだもの・・・・・・頼れるGSは誰もいないし。
まあ、今回は令児さんがいるし、俺も圧倒的な霊能力がある。
楽勝とはいかないまでも、極楽に逝かせるには十分だろうしな。

新幹線内。
男三人は唯ひたすら無言だった。
真剣な表情で二人、令児と横島は駅弁をほうばりキヌは不安そうな顔でタダヨのことを考えている。
腹は減っては戦もできぬ、であろう。
キヌは駅弁を平らげた令児に尋ねた。
「タダヨさん、連れてこなくてよかったんですか?もし、パイパーが彼女を人質にでもしたら」
「大丈夫だ。シスター唐巣がしっかりと結界を張って守りに入ったからな。
いつもの結界ならいざ知らず、対魔結界ならばあのでもパイパーでも破られない。
ああ見えてシスター唐巣の実力はこの業界でも十指にはいる・・・・・・一見、優しそうなおばちゃんにしか見えなかっただろうが」
キヌはその言葉を聞いて納得した。
「ち、俺もタダヨも妙神山で修行したってのにたいして変わって無いな」
礼児が悔しそうに拳を握る。
ほんの数日前、霊峰妙神山で霊力アップの修行したばかり。
基本的な能力は底上げされたはずだった。
「まあまあ令児さん、このままパイパーをさくっと倒して、皆でぱーとやりませんか令児さん」
そこに横島が口を挟む。
「それは賛成。けど危険なのはむしろこっちだろう?相手にとって生死を分ける重要なアイテム『金の針』を持って、パイパーの本拠地に向かっているんだから・・・・・・パターンなら、ここらでいっちょ仕掛けるか待ち構えて罠を張るか、のどっちかだろうな」
「ああ、奴は分身体を作ってちょっかい掛けてくるかもしれない・・・・・・」
その直後、新幹線に急ブレーキがかかった。
「わぁ!?」
「くぅ・・・・・・?」
「げ、まだ弁当残ってんのに!!」
三者三様、バラバラである。
横島にいたっては床に落した駅弁を未練がましく見つめている。
貧乏性なのは相変わらず。
キヌは状況を把握するため、新幹線の壁を抜け、外を見た。
慌てて新幹線内に戻って二人に報告する。
「令児さん、横島さん大変です。外にパイパーと何万匹、何十万匹のドブネズミが!!」
がりがりと新幹線の壁が削られる音がする。
ねずみはパイパーが操っている使い魔だろう。
外ではげっ歯類の大群が、新幹線のアルミボディを自慢の前歯で削っているのだ。
「パイパーめ、使い魔をこんな大群で操れるなんて。バブルランドまであと少しだってのに」
令児が足止めに悔しそうな表情で呟いた。
「大丈夫、俺のカオスフライヤー犬鯤玄遒如惱漫戞愍』して持ってきてる。
こいつに乗ってバブルランドまで一ッ跳びッス!」
「なら、新幹線から脱出するぞ。もたもたしてたらネズ公共に金の針を奪われる」
令児は神通棍で天井に穴を開け、そこから外にでる。
駅員が天井に穴を開けたことを怒鳴っていたが、札束を握らせることで黙らせた令児。
普段から現金を持ち歩く主義で良かった。
「カオスフライヤー、『戻』れ!」
横島はミニチュアサイズのカオスフライヤーに『戻』の文珠を使い、元のサイズに戻らせる。
「令児さん、乗ってくれ。しっかり掴まってろよ。まったく、ニケツならナイスバデーの姉ちゃんが一番なのに・・・・・・」
ブツブツと呟き、横島はフライトモードでカオスフライヤー犬魑動させた。
結界発生装置を押し横島が叫ぶ。
「レイジ、VーMAX始動ッ!!」
「・・・・・・ラジャー?でいいのか?」
「GJ、令児さん」
蒼いリュウセイが空を駆け抜けた。
カオス特製の結界を展開しつつ。

『ぶべしッ!!』

行きがけの駄賃にパイパーの分身体を撥ね飛ばして。


バブルランド。
建築半ばで放り出された遊園地ほど虚しい風景はないだろう。
半分までのメリーゴーランドやゴンドラの数が欠けたメリーゴーランド。
令児はフライヤーから降りて、神通棍を取り出した。
その上に金の針を置いて命ずる。
「金の針よ。パイパーの居場所を教えろ」
神通棍の上で金の針がコンパスに磁石を近づけたように猛回転する。
そしてピタっと一所を指し示した。
「・・・・・・地下か」
そこは地底を走るジェットコースターの入り口だった。
横島は電気系統を調べた。
一応、完成しているらしく、カートは動くようだ。
「令児さん、カートに乗っていきますか?」
それに令児は首を振った。
「それだと、カートに足場が固定されて身動きがとれんし、なにか細工されてたら厄介だ。
悪いがカオスフライヤーで突っ切っていこう」
「じゃ、キヌはどうする?ここで待ってるか?」
「いえ、僕も行きます!役に立てるかわからないですけど」
キヌもついてくる気のようだ。
横島は文珠をキヌに三つ程渡した。
「・・・・・・念さえ込めれば幽霊でも使えるから。これならキヌもぱいぱーと戦えるだろ」
「はい、これでタダヨさんの仇を取ります!」
「おいおい、タダヨは生きてるんだけど」
ぼそっと令児が突っ込む。
三人はぽっかりと口を開いた地下道への入り口へと乗り込んだ。

カオスフライヤーを飛ばしながら、地下道を進む3人。
襲い掛かってくるロボットを、結界で跳ね飛ばしながら大空洞へとたどり着いた。
無数の風船が漂う洞窟・・・・・・風船の一つ一つに人間の顔が描かれている。
令児が何かを発見したように言った。
「お。あれはタダヨの顔が書いてある・・・・・・この空間にある風船全てがパイパーに年齢を奪われた人間なのか?」
「そうみたいだな。奪われた年齢と記憶を風船にしてるみたいッスね。針で割っちゃえば元に戻ると思いますよ」
キヌがタダヨの風船を持ってカオスフライヤーに近づく。
「なら令児さん、金の針で割っちゃってください。はやくタダヨさんを元に戻しましょう!」
「そうはさせんぞぉぉぉ〜!!」
「あれはッ!?」
洞窟の奥から巨大なドブネズミが現れる。
しかもパイパーの上半身がねずみの身体から生えている。
どうやら本体のお出ましのようだ。
横島はフライヤーを着陸させる。
フライヤーには搭乗者の霊力を変換するレーザー砲が付いているが、この洞窟内では機動性が損なわれて、使用するのに向いてない。
令児と横島がタッグでパイパーを除霊する方が効率がいい。
「それが貴様の本体かパイパー!薄汚いネズミなんざ、これで十分だぜ!」
令児が素早く破魔札をパイパーへ投げつけた。
「ぎゃおッ」
込められた霊力が爆発し、パイパーを襲う。
そして金の針を取り出して、
「横島、キヌ、俺が奴に接近する隙を稼げ。
俺はこいつをぶち込んでやる!」
神通棍に金の針を取り付けた。
「わかった。なら、キヌ文珠を使え!」
キヌには三つ文珠を持たせている。
「分かりました!なら『凍』れッ」
パイパー本体の足元に『凍』の文珠を投げつける。
一瞬でパイパーの本体の半分が氷塊に包まれる。
「うわ〜すごい」
その威力に使ったキヌが驚いた。
パイパーは眷属のネズミに氷を齧らせて脱出しようとする。
が横島がそれに続けと文珠を投げる。
「ぐぎゃぁぁぁぁぁ!!!」
パイパーがその四文字の文珠を喰らい悶絶する。
令児はその苦しみ振りが気になった。
「横島なにを投げたんだ?」
「へへへ、『石』『見』『銀』『山』っスよ」
「なんじゃそりゃ?」
令児は知らないらしい。
「ああ、ねずみ退治用の猛毒ですね」
キヌが江戸時代の人間だったので解説する。
「鼠系統の妖怪変化に効果抜群なんでね。さすがのパイパーもこれを喰らえばひとたまりもない」
猛毒を浴びせられ苦しむパイパーに令児は語る。
「大人を子供に変えるなんて悪事、これ以上はさせる気はない。
悪魔パイパー。この金の針で極楽に逝かせてやるぜ!!」
パイパー本体、巨大ねずみの頭部に金の針をセットした神通棍を突き刺す令児。
パイパーが忌々しそうに叫んだ。
「ぐぎゃぁぁぁ!!おいらがなにもできずにやられるなんて」
「ドブネズミ風情が粋がんじゃねぇッ!!」
パイパーを令児は完全に消滅させてから呟く。
「この美神令児に逆らう阿呆は極楽送りの刑に処す・・・・・・なんてな」

『横島』

こうして悪魔パイパーはあっさりと退治された。
俺はお礼として500万ばかり令児から貰った。
しかし、国連のかけた懸賞金からすれば微々たるもんだ。
やっぱりこの世界でも美神さんはケチだな。
まあ、あっちよりは気前がいいからよしとするか。

あとがき

パイパーはほとんど雑魚扱い。
まあ、子供にする以外に攻撃ができないし。
文珠使えれば大抵の妖怪を圧倒できます。
次回は天竜妃編です。

レス返し


†としあき†肉球さん

ネタの錬度が低いため、人物描写が薄いみたいですみません。
これは筆者の力量不足。でもありがとうございます。

meoさん

カオスはたぶん西洋人なんで。

ryoさん

ハルマンってなんですか?

虹色インコさん

精一杯努力します。

LINUSさん

う〜んタマモ以外はそうなるかも。
シロはたぶん男です。

無虚さん

いえ、あのアパートです。
理由は学校に一番近い物件だったので。

hiさん

男女比はそう変わらないです。
以外と男も多いのがGSですから。


TS大好き(男→女限定)さん

西条は女性です。
イメージ的にはクールビューティーな女性。
シティハ○ターの冴子さんみたいな。


黒炎さん

ならギャグよりで行くことにします。
たまにシリアスで。


あつきさん

いえ、予定では魁六道高校っす。
むっちゃ濃いのを考えてます。

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