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「セクシャル・バイオレンス No.1(後編)(GS)」

犬雀 (2006-03-08 20:04)
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『セクシャル・バイオレンスNo.1(後編)』


店主に代金を叩きつけ、問題のビデオとともに全力疾走で横島のアパートに帰ってくると靴を脱ぐ間もあらばこそ、この部屋で一番酷使されている家電製品の前に座る横島とタマモ。

二人で顔を見合わせて頷き合い結婚式のケーキ入刀よろしく手と手を添えてビデオをデッキに突っ込んだ。

祈るような気持ちでテレビの電源を入れ、かすかに震える指でリモコンを操作する。
ウイーンとモーター音が響き、画面はビデオ特有のノイズを映し出した。
ザーーーーと鳴るノイズが心臓に悪い。
砂の嵐が画面を蹂躙する様が自分たちの心を表しているようで少年と少女は知らずに手を握り合った。

唐突に砂の嵐がやむとタイトルロゴが現れる。
薄っぺらいBGMに合わせて浮かび上がってくるタイトルロゴが毒花の花弁のように禍々しい。
毒々しいピンク色の文字がフェードアウトするのと入れ替わるように画面に出てきた少女の笑顔はこのようなビデオには不似合いなほど清らかで。

「うわ!そっくり!!」

「むう…」

確かに画面で微笑む少女の顔はいつも見ているあの優しいおキヌに瓜二つ。
だが横島は妙な違和感を感じる。
それが何か…思考を巡らそうとするが横でうろたえまくったタマモの声が邪魔をする。
何もビデオの中の少女と男優とのインタビューにまでご丁寧に反応しなくてもいいんじゃあるまいか。
ふと目をやれば日頃、シロに対して年上のように振舞っている少女とは全く正反対の幼い表情をしたタマモがいた。


『こんにちはケイちゃん初めまして〜』
『初めまして』

「良かった…名前が違う。」

「この手のビデオに本名を使うことはない…」

「そ、そうなの…さすが横島…よく知っているのね…」

見つけ出した希望を一言で打ち砕かれしょげかえるタマモ。
横島もあまりに素直に感心されて多少落ち込む。
人に誉められて心が痛むという初めての経験に自分がちょっと汚れたような気がして悲しい。
まあ「えろーい」と言われて「おうともさ!」と笑顔で返せるような大人にはなりたくいけれど。


『それでケイちゃんはどうしてビデオに出ようと思ったのかな〜』
『私、住み込みのバイトしているんですけどお給料が安いんですよ。』

「横島っ!お給料が安いんだって!!」

「むうう…」

おキヌがどれほど給料を貰っているか聞いたことは無い。
以前、ちょっとした話の流れで尋ねてみたが笑って誤魔化されてしまった。
しかし自分と照らし合わせて考えても高いとは言えないのではなかろうか。
美神さんがちゃんと払ってくれればこんな心配しなくても済むのに…とここにはいない上司にそっと愚痴を言う。
面と向かって言えば死ぬかもしれないし。

『ケイちゃんの趣味はなにかな〜』
『えーと…盆栽なんか好きかも』

「横島あぁぁ!この子も趣味がババ臭い!」

「むううう…」

『ちなみにサイズはいくつかな〜』
『えーと。言わなくちゃ駄目ですか?…小さいから恥ずかしいな…』

「横島ぁぁぁぁ!しかもこの子も貧乳だって!!」

「お前さっきから何気に失礼なことを言ってないか?」

「だってぇぇぇ」

そりゃこうも状況証拠が積み重なっていけば動転もするのも無理はないだろうけど、無意識におキヌに対する評価をさらけ出すタマモを横島は不思議に感じた。
どちらかと言えば普段はクールな彼女がこのビデオにこうも動転するのはなぜだろう。
横目でチラと見れば、大切なものが壊れるのを恐れる子供の様な真摯さが彼女の目に感じられ、「ああなるほどそういうことか」と顔に出さずに微笑んだ。

何のことは無い。タマモもあの事務所の日常を大切に感じてくれているということではないか。
ならば自分のすることは一つだ。
この違和感ありまくりのビデオを贋作と証明する。
そのためにもと画面に集中しようとするがタマモが悪気無く邪魔してくれるために違和感はなかなか明確な形になってくれなかった。

「横島っ!揉んでる!揉んでる!!」

「言わんでいい!」

「横島っ!吸ってる!吸ってる!」

「いちいち解説するなっ!!」

「横島っ!松葉崩し!松葉崩し!!」

「若い娘がそんな言葉を口にするなぁ!!」

「横島っ!かけてる!かけてる!!」

「しまいにゃシバクぞお前はあぁぁぁぁぁ!!」

結局、ビデオはこの手のシリーズ物のセオリー通りの展開になり最後はハードなプレイに脱力した少女の顔の大写しで終わりを告げた。
ちなみに作者はこの手の映像媒体をよく知らないのであくまで想像であるところをご理解いただきたい。

再び砂の嵐に戻った画面の前で重い息を吐く二人。
しばらく意味のなくなった画面を見詰めていたタマモが縋るような視線を横島に向けその手を取る。

「ね。ねえ…エッチのプロのあなたならこのビデオの人がおキヌちゃんじゃないって…」

「誰がエッチのプロだ!」

「そんなことよりどうなの!!」

真剣なタマモの目に横島も不本意な評価をされたことを一時棚上げにする。
無論、彼の結論は最初から一つだ。
しかしそれを実証する方法がない。
だが今は一刻も早くこの「キタキツネストーリー」とやらに出ていた子ギツネのように怯えている少女を安心させてやりたい。

「結論は最初から出ている…おキヌちゃんがこんなビデオに出るはずはない。だからこれは偽物だ。」

「そ、そうなの。」

あからさまにホッとした様子で肩の力を抜くタマモの頭に手を置いて優しく撫でながら横島は先を続けた。

「だけどこんなにそっくりってのも妙だ。それにさっきから感じているがこのビデオには変なところがある気がするんだよ…」

「うまく言えないが」と言葉を濁す横島にタマモはまた不安そうな目を向けた。
タマモの願いの篭った視線を感じながら目を閉じて横島は思考の海に沈む。
体中からかき集めたブドウ糖が脳内で次々と燃焼していく。

「鑑識を呼ぶか…」

「え?」

「タマモ…ちょっとそこのコンビニまで行って俺の言うものを買って来てくれ。」

「う、うん…良いけど…その間横島は何を…って…はっ!私が居ない間に発電する気ね!」

「とっとと行けやぁぁぁぁ!!」

尻を蹴飛ばされ涙目のタマモが大慌てで買い物に行くのを溜め息とともに見送って、横島はテレビの前に座ると問題のビデオを巻き戻し始めた。


「ただいま〜。入っても良い?もう出た? 「何を世迷言を言うとるかお前はぁぁぁ!!」 あうっ!」

帰ってくるなりとんでもないことを言い放ったマセっ子キツネの顔面をいつのまにか用意していたハリセンで一撃する横島。
顔面を押さえて蹲るタマモとそれを肩でゼーゼーと息を荒げながらハリセン片手に仁王立ちする横島というのはなかなか見られない光景だ。
もう今のタマモは年相応の少女にしか見えない。
かなり歪んだ形でのオマセさんだけど。
やはりあの事務所は教育によくはないのではなかろうかと横島は本気で心配した。
彼の心の棚の収納力は並みではないらしい。

「痛ひ…」

「いいから入れっ!世間体が悪いっ!!」

鼻からタラリと一筋流血を見せて涙目のタマモの襟首を捕まえると部屋に引きずり込む。
よほど痛かったのかされるがままになっているタマモにちょっと罪悪感を感じティッシュを手渡し、横島は袋の中身を取り出して一つ一つ床に置いた。
鼻に捻ったティッシュを詰め、首の後ろをトントンと叩きながら見ているタマモの前で商品による奇妙な円陣が次々に組みあがっていった。

「ね、ねえ…そんなアイスとかヨーグルトとか一杯並べてどうするの?」

「鑑識を呼ぶ。」

「へ?鑑識?」

「ああ。前に遊びに来たパピリオに聞いたんだよ。こうすれば奴は必ず来る!」

並べられたのは様々なアイスとかヨーグルト、しかし共通点がある。
そのどれもがブルーベリーを含んでいることだ。
腑に落ちないものを感じながらも黙って見ているうちにブルーベリー製品は組みあがり、仕上げとばかりに真ん中に文珠を置いてついに円陣は完成した。

「さあ隠れるぞ。」

「隠れるってどこに?」

狭いアパートだ。
隠れる場所など見当たらない。
あるとすれば部屋の奥の薄汚れた押入れだけだ。しかも何だか嫌な気配を放っている。
妖狐の本能が彼女の背中に冷たい汗を流させる。
何かは知らないが…あそこは良くない場所だ。
だけどそんなタマモの気持ちなどお構い無しに当然の如く横島は押入れを指差した。

「え?ここ?」

「ここしかないだろ。」

押入れの戸をガラリと開け放つとたちまち湧き出る男の異臭。
無理も無い。そこは夥しい洗濯物が嫌な気配と臭気を放ちつつ堆積していたのである。
幾層もの地層を形成している洗濯物はパンツやシャツなどの下着が中心。
鼻の良いタマモにとって近寄ることすら憚られる魔空間。
ザーーーッと顔から音を立てて血の気が引き、ご自慢のナインテールが逆立った。

「嫌よぉぉぉぉぉ!こんな場所にぃぃぃ。あんたいつから洗濯してないのよぉぉぉ!」

「うーむ…確か年末にはしたような気が…お盆だったかな?」

「嫌あぁぁぁぁぁ!こんな場所に隠れたらにおい死ぬうぅぅぅ!」

「臭さで死んだ奴はおらん!」

言い放ってタマモの襟首を掴むと、されるものかと必死の形相でジタバタと抵抗してくる。
そりゃあ無理も無い。
仮にも彼女は大妖怪の転生。
それが男のパンツ(しかも使用後放置)に埋もれるなど妖怪のプライドが許さない。
ていうか妖怪・人間関係無しに若い娘にとってこの仕打ちはまさにこの世の地獄。

「ええい!事態は一刻の猶予も無いのだ!諦めろ!!」

「放してぇぇぇ…う゛っ!…」

抵抗むなしく問答無用と首筋に手刀を落されてがっくりと力の抜けたタマモを押入れに放り込み、横島も潜水よろしく大きく息を吸い込むと戸にわずかの隙間を残して押入れに潜んだ。

待つことしばし、失神していたタマモが目覚める。
この場合、目覚めた方が苦痛かも知れないけど。
案の定ジタバタと暴れだすタマモを横島は必死に宥めた。

「臭っ!臭いよー横島。ていうかむしろ苦いっ!!」

「安心しろ俺も臭い。」

「ヒイイ。なんかパンツに変なキノコが生えてるぅぅぅ。」

「食うなよ。」

「食うかっ!あうううう…私…汚されちゃったよう…なんかこう…メンタルレベルでっていうか…魂魄そのものがって言うか…」

「人聞きの悪いことを言うな!…って来たぞ!」

「えっ?」

慌てて口を押さえ、かすかに開いた戸の隙間から見てみれば確かに玄関の前に何者かの気配があった。

色々な意味で息を殺しているタマモと横島の前で静かに玄関ドアのノブが回り、空き巣よろしくこっそりと入ってきたのは神族の情報士官のヒャクメ。
ヒャクメはおどおどしながらも引き寄せられるように円陣に並べられたブルーベリー製品たちに近寄っていく。
しばらく何かに葛藤するかのように身を震わせて佇んでいたが、ついに我慢が限界を超えたのか手近にあったアイスを手に取るとフタを開けスプーンで一口すくって口に入れた。
今だ!と飛び出す横島に引っ張られるように頭に乗った男の股間を包む布製品を吹き飛ばしてタマモも飛び出す。
タマモと横島の出現にヒャクメは心底驚いたのかスプーンを口に咥えたまま固まっていた。

「フリーズ!!動くなっ!!手を上に上げろ!!」

「横島さん!」

ピストルよろしく握った手をヒャクメに突きつけてやれば、アイス片手に呆然としていたヒャクメはやっと状況が飲み込めたのかオロオロとうろたえ始めた。

「よーし。おとなしくしていろ。お前には弁護士を雇う金はない!」

「人権蹂躙なのねー!冤罪なのねー!」

「現行犯が何を言う!お前が目に良いと言われるブルベーリーが大好物だということは知っているのだ。キリキリとお縄につけい!」

「囮捜査は卑怯だと思うのね…」

観念したのかがっくりと項垂れるヒャクメの手から食べかけのアイスがポロリと落ちた。


「つまりこのエッチビデオの真贋の鑑定を私にさせたくてあんな召還方法をとったということなの?」

「ああ。まともに美神さん経由で頼むわけにはいかないしな。」

「なるほど…」と頷くヒャクメ。
確かにおキヌの目に触れる可能性がある場所にこんなビデオを持ち込みたくないというのはわかる。
もし万が一にもでもおキヌの目に触れたら彼女の心はズタズタに傷つくだろう。
たとえ偽物であることが判明しても気分がいいものではないことぐらい横島だって容易に想像がつく。

「あ、それとこれが偽物なのははっきりしているんだ。お前に頼みたいのはこれを作った奴の手がかりを掴んで欲しいんだ。」

「偽物なの?」

「このビデオには致命的なミスがある。」

「え?どこに?」

一緒に見ていたタマモにはミスなど感じられなかった。
確かにあの奥手の見本みたいなおキヌがこんなものに出演するはずはないが、それは直接的な贋作の証拠とは言えないだろう。

「まず第一点。このビデオはな。ビデ倫を通ってない。」

「へ?」

「レンタルのAVってのはな。まず最初にビデ倫の警告文が入るんだよ。著作権がどーとかこうとか。」

「そうなんだ…」

「さらにっ!未成年はエロビデオに出ちゃいけません!!おキヌちゃんは未成年。故にこのビデオにおキヌちゃんは出ていない!」

「おー!!」

自分の完璧とも思える三段論法?にタマモが向けてくる賞賛の声がむずがゆい。
心底安堵したと顔一杯に浮かべているタマモに「まーまー」と手で応えて胸を反らす。

「借りるのも駄目だと思うのねー。」

ポツリと放たれた突っ込みに一瞬固まったけど、さりげなく無視して横島は推理を展開していった。

「つ、つまりコレは正規のルートで出たものじゃない。だけどあのビデオ屋は怪しいルートの商品を扱っていない…だからコレはあそこに存在するはずのないもの。贋作を誰かが置いたということだ。」

「なんのためにそんなことを…」

「その手がかりをヒャクメに掴んで欲しいんだ。」

「わかったわ。私にまかせるのねー!」

ヒャクメが自慢のカバンからケーブルを引っ張り出しビデオデッキに繋ぐと、手馴れた様子でキーボートを操作する。
それに伴ってデッキから吸い出された情報が次々に解析されていった。

やがてチーンと晩飯のおでんが温まったことを知らせるような間抜けな音ともにヒャクメのカバンのディスプレイに様々な情報が表示される。
ふむふむ…と読み取っていたヒャクメが得心がいったと言うように頷く。

「わかったのか?」

「ええ。これは間違いなく偽物ね。」

「なんでわかるの?」

「この女の子のスリーサイズなんだけど胸以外はおキヌちゃんより細いのね。」

「そ、そうなんだ…」

聞いてはいけないことを聞いてしまった罰の悪さが部屋に満ちるがヒャクメはそんな空気など読むつもりも無いのか嬉しそうに先を続けた。

「結論から言えばこれは魔族が作ったビデオみたいね。かすかに魔力も残っているし。」

「魔族がなんのために?」

「恐らくは嫌がらせだと思うのねー。」

「くっ…陰険な真似を…」

「んでその魔族の正体はわかったの?」

「その魔族の名は『メズースヌイ』よ。」

「はあ?なんじゃそいつは?」

「能力とか詳しいことはわからないけど召還方法はわかるのね。割と気軽に呼び出せるみたい。安っぽい奴ねー。」

それを言ってしまったらここに安っぽい神族もいるわけだが、タマモも横島もあえて突っ込まないことにした。
兎に角、今はこの悪質なビデオを作った贋作者に正義の怒りを叩きつけねば気がすまない。

「俺らにも召還できるか?」

「まかせるのね!」

ビデオからコードを抜きながらヒャクメは自信ありげにニッコリと笑った。


しばらくして横島のアパートから少し離れた場所にある空き地には異様な気配が満ちていた。
霊能のあるものが見れば不吉を、霊能の無いものが見ればマヌケを感じさせる光景が三人の男女を中心に広がっている。
無造作に置かれたスーパーの袋と古びたバケツ。
そして一際目立つ新品のザルがその奇妙な空気の原因だった。

「んじゃそこに買ってきたものを並べるのね。」

「ああ…」

何となく腑に落ちないものを感じながら横島とタマモはここに来る前に近くのスーパーで買った色々な品を並べ出した。
仮にも魔族を呼び出すのにスーパーで済んでしまうというあたり、ヒャクメが言うように安っぽい魔族らしい。
だけどこの品揃えはどうかと思う。
品揃えから言っても場所から言っても魔族を呼び出す儀式という感じは皆無だった。

「ドッグフードと…鳥の餌?」

「好物らしいのね。」

「ねえザルとバケツは何に使うの?」

「どっちか一つで良かったんだけど、とりあえずザルを使いましょう。こうして…と。」

ヒャクメは並べたドッグフードとかの上にザルを立てかけ、つっかえ棒で押さえるとそれに紐を結びつけて近くの物陰まで引っ張った。
魔法陣ですらない。
ぶっちゃけて言えばスズメを獲る罠である。

「さあ。横島さんたちも隠れて。」

「ああ…って本当にこんなんで召還できるのか?」

「大丈夫なのね。奴は馬鹿だからこれで充分なのよ。」

「お前が言うか」と口に出す前にタマモが横島の腕を強く握る。
どうやら変化が現れたらしい。

「来たみたい!」

「早っ!?」

慌てて視線をザルに移せば確かにそこには黒い影がわだかまりこの世のものではない気配を出し始めていた。
息を殺して見守る一同の前で黒い影はだんだんと濃くなると、下に置かれたドッグフードたちを包み込むように覆いかぶさる。

「今なのね!」

「おう!」

掛け声とともにザルは落ち、黒い影を覆い隠した。
ほんの数秒、ザルはその場で静止していたが閉じ込められた異形が我に返ったのかジタバタと暴れだした。
中の魔族がどんなんだか知らないけどザルを跳ね除けようという考えは無いらしいのがなんだか虚しい。

結局、ザルは横島たちが駆けつけるまできちんと罠としての役割を果したのであった。

「開けるぞタマモ、準備はいいか?」

「いいわよ!」

タマモもヤル気充分でいつでも最大火力の狐火を放てるように霊力を漲らせている。
何しろこの魔族のせいで自分は色々と理不尽な思いにあったのだ。
顔面ハリセンとかパンツ地獄とか…。
しかもコイツはあの優しいおキヌちゃんまで辱めようとした。
許して許されるものではない。もしザルが開いたとたんに暴れるようなら存在そのものを抹消してやると身構えるタマモの前で勢いよくザルが宙に舞う。

「え?」

「キューン…」

「柴犬?」

そこに居たのは何の変哲もない一匹の茶色い柴犬。
突然の罠に怯えているのか尻尾を股に挟んでいる。

「騙されちゃだめ!背中を見るのねー!!」

ヒャクメに言われて柴犬の背を見ればそこには犬らしくないものかチョコンとついている。茶色に黒のストライプのそれも朝の電線の上とかでよく見かけるものだった。

「スズメの羽…?」

背中にスズメの羽の生えた犬など居るはずが無い。
ということはやはりコイツはこんななりでも魔族なのか?とアングリと口を開けて固まる横島。
今までGSとして積み上げてきたものが色々と崩れていきそうでちょっと悲しい。

「違いますよ。私は通りすがりのごく普通の柴犬ですから。」

「喋るごく普通の犬などいないっ!」

「ああっ!しまった!!」

自爆気味に正体をばらしてうろたえた柴犬?だったが、弱そうに見えてもそこは魔族、ちょっと見には可愛い顔に不似合いな邪笑を浮かべると得意げに名乗りを上げる。

「うけけけけけけけ。いかにも俺は魔族の中の魔族『メズースヌイ』だ。小童どもよくも俺を呼び出して罠にかけてくれたな!その蛮勇は誉めてやるぞ!」

「貴様がビデオを作ったのか!」

「うけけけけ。その通りよ。」

「なんてことを!許さないわ!」

「うけけけけけ。許さなければどうするというのだキツネよ!」

「消し炭も残らないぐらい焼き尽くしてあげるわ!」

狐火を叩きつけようとしたタマモの前を横島が塞いだ。
その肩が小刻みにプルプルと震えているということはそれだけ彼の怒りが深いのだろう。
考えてみれば横島は自分よりずっとおキヌたちと一緒に居たのだ。
おキヌのことも人一倍よく知っている。それだけに彼の怒りの方が自分よりはるかに深いはずだ。
だったら最初の一撃は横島に譲ろうか、タマモは心の中から湧き上がる怒りを無理矢理ねじ伏せた。

「おい…」

「なんだ小童。今更、命乞いか?うけけけ。」

「それ以前にだな…お前のその格好はなんだ?」

「うけーけっけっけっ!人間とはなんと無知で愚かしいのだ!犬が腹を見せて寝転がる時は「全面降伏ごめんなさい」という意味だ!」

両前足を胸の前でそろえて仰向けに寝て、ハッハッと舌を出しながら澄み切った青空に恥ずかしげも無く腹を見せている魔族。
痛むコメカミを押さえながら横島はなんとか声を振り絞った。

「つまり謝っているということか?」

「ほう。小童にしては察しがいいな。誉めてやろう。褒美に俺を許してくれるとありがたい!」

「威張るか謝るかはっきりしろぉぉぉ!!」

魔族は横島の叩きつけた『爆』の文珠で空を舞うとポテチと軽い音を立てて地面に落ちる。
しばらくピクピクと痙攣していたが、グッと体に力を込め雄叫びとともに立ち上がり、
口から血の混ざった唾をペッと地面に吐き捨てて不敵に笑う。

「やるな強敵(とも)よ…いいパンチだったぜ…」

「パンチじゃねぇし友でもねぇぇぇぇ!」

もう一撃食らわそうと文珠を振りかぶる横島に魔族はチッチッチッとばかりに顔の前で前足をふる。
その妙な余裕が気になる。もしかしたら罠か?
相手は魔族だ。
どれほど警戒してもしすぎるということはない。
案の定と言うべきか魔族の体に邪気が満ちていく。

「お前たちには特別に俺の力を見せてやろう。」

「お前の力だと?」

「そうだ!俺の真の力は贋作を作る能力などではない!見よ!ワオーン!」

魔族の口から放たれた黒い霊気の固まりが横島の放り投げたまま地面に転がっていたザルとその横のバケツにあたる。
何が?と見守る中でバケツとザルはウニウニと蠢くとそのシルエットを一つに重ねた。

「うけけけけけ。見たか!俺の能力!俺は異なる二つの物を混ぜることが出来るのだ!」

「なんだと!じゃああのビデオもそうやって!!」

「そうだ!中古のAVにたまたま雑誌で見た女スイーパーの写真を合成したのは俺だ!」

「あー。そういえば前に事務所に取材が来たわね〜。現役美少女GSって…」

言われて思い出したのかタマモが頷く。
つまるところ言ってみれば魔力を使ったアイコラというところか。
普通のアイコラと違って動画まで合成できるのはやはりそれが魔法の領域に属するものだからだろう。
でもタマモには凄いんだか凄くないんだかよくわからない。
首を傾げるタマモの横で横島がキラリと目を光らせて魔族を睨みつける。


「何のためにそんなことを…」

「貴様たちGSの評判を落すためよ!」

それにしてもやり方が陰湿すぎる。
ヘタレに見えても魔族。彼らに道徳などあるはずも無い。
だけどたとえ相手が魔族でも許せないもの、譲れないものはある。
横島の目に怒りの炎が燃え上がり霊力が漲っていくが、得意満面の魔族は気がつかないのか「うけけけ」と哂い続けている。

しかし「異なるものを混ぜる」とはどんな能力か。
横島の生存本能が警鐘を鳴らす。
もしや使い方によってはとんでもない威力があるのではなかろうか。
例えばイソギンチャクやハサミとジャガーを混ぜるとか、カメとバズーガ砲とかも怖いかも知れない。よくわからんけど。

「それで今、何をした。」

「うけけけけ。知れたことよ。バケツとザルを混ぜた。これでそのバケツはバケツであってザルなのだ!どうだ便利だろう!」

「「使い道が無いわあぁぁぁぁぁ!!」」

今度はタマモと横島のツープラトンで吹っ飛ぶ魔族。
やはりショボ魔族。能力も全然脅威ではなかった。

ヒュルルルルと螺旋を描いて宙に舞い、ドシャァと嫌な音とともに顔面から地面に叩きつけられてピクピクと痙攣する姿はかなりやばそう…。
だがそれでも不屈の闘志か、はたまた魔族のプライドかヨロリラと立ち上がる。
後ろ足が笑っているのはご愛嬌。

「うけけ…なかなかやるな小童…どうだ俺と取引しないか?」

「取引だと?」

「そうだ…もし俺を見逃してくれればお前のために特別にビデオを作ってやろう…そのキツネの娘なんかどうだ?」

プルプル震える前足で指名されてタマモは驚いた。
先ほど見たビデオの映像が頭をよぎる。
偽物とはいえあんなものを作られるは許せない。
自分が好きで出演している人ならいざ知らず、何も知らないところでそんなものを他人に鑑賞されるなど妖怪以前に女として断固認められない。
けど…横島はどう思うのかしら。とタマモは彼の方を見て、自分を見ている横島と目があった。
彼の目が値踏みするかのように感じられてタマモの体は小さく震える。

「どうだ?うけけ。取引に応じるか?」

「ゴーストスイパーは悪魔と取引しない!!」

力強く断言する横島の顔は普段のオチャラケたそれではなく力強い意志に満ちた男の顔だった。
自分を下衆な取引の材料にしなかったこと、そして力強く宣言してくれた横島の心が凄く嬉しい。
タマモの胸でトクンと小さく音が鳴る。
その音は彼女の頬を赤く染めようとしていた。

「ではお前の上司の美神令子ならどうだ?」

「マジか?!!」

「いきなり懐柔されてるんじゃない!!」

スパーンとハリセンが横島の後頭部に炸裂し、横島は頭を押さえて蹲った。
その手ごたえの爽快さがなんだかちょっと快感のタマモだけど、今は余韻に浸っている場合じゃない。
この野郎…私じゃ煩悩の対象外と間接的に言ってくれやがりましたよ…。
何も今日一日で色々と傷ついたプライドに追い討ちをかけなくてもいいじゃない。
もうこうなったら早く帰って寝ちゃいたい。
そのためには魔族を倒さなきゃ。そして温かいシャワーを浴びて体にしみこんだ匂いを落して寝ちゃいましょ。

淡い期待感の裏返しか、目から零れる汗の熱さを感じながらタマモは魔族に向けて一歩踏み出した。
もう何だかわからないけどとにかく今は胸に滾るこの怒りをコイツに叩きつけてやろうと手にしたハリセンでピシッと指せば魔族はかなりビビったのか声を震わせる。

「う…け…け…。どうやら…この俺の本気を出さなきゃならんようだな…」

「本気ですって?」

「うけ…。見せてやろう俺の本気を!」

突然、豹変した魔族に横島は頭をさすりつつタマモを背中に庇って身構える。
相手はヘッポコだが魔族。
まだどんな奥の手があるかしれたものじゃない。
魔族はそんな人間たちの抵抗を嘲笑い、どこから取り出したかわからないが四角い機械を横島に突きつけた。
見た目は携帯電話か無線機のような形だが仮にも魔族が持つものである。尋常なものであるはずが無い。
もし援軍を呼ぶつもりだとしたらこっちが不利になる。

横島が止める間もなく、魔族はそれを肉球の前足で意外と器用にチャッチャッと操作すると耳に当てた。

「あー。もしもし。動物愛護団体ですか?ここに愛らしい犬を虐めている人たちが……「犬じゃねぇぇぇぇ!!!」…ぐふぅ!」

文珠を使うのも馬鹿馬鹿しくなったのか横島のケリで吹っ飛ばされる魔族。
だが彼はまだ諦めていない。
ガクガクと震える前足でまた機械を操作する。

「も…もし…も…し…日本野鳥の…」

「「鳥でも無いぃぃぃぃ!!」」

後先考えず残る力の全て込めたサイキックソーサーと狐火を叩きつけられ、魔族「メズースヌイ」はついに滅んだのであった。


夕方、ほとんど全ての体力を使い果たしてタマモは事務所に帰宅した。
えもいわれぬ疲労感で体が重い。
それでもあの後、ビデオ屋にも行って例のビデオが他に貸し出されていなかったことを確認できたことが彼女の心を明るくしてくれる。

なんだか妖怪の誇りとか女としてのプライドとか、色々と失った気がするけどかけがえの無い日常を守れてよかったとタマモは思う。

別れ際に横島と交わした約束。
今日のことはおキヌには内緒と彼は真剣な目で語ったが、別に言われなくてもそうするつもりだった。
約束した時にからめた小指にまだ彼の体温が残っている気がして、その温かさがなんとなく気恥ずかしく、それを支えに足を進める。

『お帰りなさい』と言う人工幽霊に生返事を返して彼女は階段を登った。
今はとにかく休みたかった。
けど、その前に是非しなければならないことがある。

「シャワーだけでも浴びなくちゃ…」

そしたらまず眠ろう。何もかも忘れて寝てしまえば明日にはきっとまたいつもの日常が始まるはずだ。
屋根裏まではまだ遠い。
力の入らない足を引き摺るように階段を登る相棒の気配を察したのかシロがやってくる。
今日一日、喧嘩相手がいなくて退屈していたのかシロは挑発的にタマモを見下ろした。

「遅かったでござるな。たかがビデオを借りるのにどこで道草をくっていたんでござるか?」

「どうでもいいでしょ…」

「もうすぐおキヌ殿のご飯が出来るでこざるよ。」

「いい…お風呂入って寝る。」

「え?タマモが晩御飯を拒むなどありえん!…美神殿〜!おキヌ殿〜!」

顔色変えて令子たちを呼びに行ったシロに舌打ちする。
令子はともかく今日はおキヌと顔を合わせるのはなんだか恥ずかしかった。
明日になれば普通に笑えるという確信があるだけに今日は余計に会いたくなかった。
しかしすでにシロはいない。
それどころかバタバタと廊下を走ってくる複数の足音がする。
考えるのも億劫になってきたタマモにおっとり刀で駆けつけたおキヌが心配そうな顔で尋ねる。
その顔が嬉しくてタマモの肩から力が抜けた。

「タマモちゃん…ご飯いらないって本当?」

「うん…今日はお風呂だけでいい…汚されちゃったし…」

「「「え゛…」」」

令子たちの反応にタマモは自分がしでかした致命的な間違いに気がついた。
これはちょっとヤバイかなぁ…と思うがボールはすでに投げられた後、もはや後戻りは出来ない。

「汚された…ってどういうこと?」

「あ、あの…それは…」

必死に言い訳を考える。
まさかパンツに埋もれましたとは口が裂けても言えない。言っちゃいけない。
言ったら最後、パンツキツネと呼ばれてしまいそうで、それはあまりにも自分が可哀想。

だけど鈍った頭は効果的な嘘を考えることも出来ず、口からは「あうあう」と意味にならない言葉が出るばかり。
そんないかにも何かあってうろたえてますと全身で表現しているタマモにシロが近づくとスンスンと鼻を鳴らす。

「なんだか強烈に先生の匂いがするでござるな!」

「あ…えーと…横島のところでビデオを見たからじゃない?」

「ふーん…今まで横島君のところに行っていたの…」

令子の目が剣呑な光を宿し始める。
このパターンはマズイ。
しかしここで正直に今日の出来事を告げるわけにはいかない。
何しろ偽物だったとはいえビデオの当人が居るのだ。
横島との約束もある。

どうしようどうしようどうしよう…とりとめも無い思考だけが脳内をリフレイン。
それに伴ってますます強くなる三者三様のプレッシャー。
弱りきっていたタマモにそれに抗えと言うのは酷な話だった。

膝からクタリと力が抜けて倒れこみそうになる彼女を慌ててシロが支えた時、シロの良すぎる鼻はタマモから別な匂いを感じ取った。

「タマモ!どっか怪我したでござるか?!微かに血の匂いがするでござるよ?!」

「え…ああ…ちょっとね…大丈夫よ。そんなに痛くなかったし…。」

ハリセンで殴られて鼻血が出たとも言えない気がして、タマモは言葉を濁そうとしたがはっきりいって火に油。火薬庫にナパーム弾。

「横島さんと一緒にいて…」

(いやまあそうなんだけど…)

「血が出て…」

(鼻血だけど…)

「汚された…でござるか…」

(パンツに…ってやっぱ言えないぃぃぃ!)

事務所内の温度が急激に下がる。
気分はもう真冬の北海道。
キタキツネではないタマモにとっては耐えられるレベルの冷気ではない。
令子たちの背後に流氷の上で合掌しているアザラシの幻覚が見えるのは気のせいか?

「あ、あのね…何か誤解してない?」

「ううん…いいのよタマモ…あなたは悪くないわ…」

「いや…あの…だからね…」

「タマモちゃん…ご飯出来てますから食べててくださいね…」

「えーと…だから…」

「ゆっくり休むでござるよ。」

そして三人はニッコリと微笑むと寒波を残して事務所の外に出て行った。
どこに行ったかなんて考えるまでもない。ていうかこの先に起こるであろう悲劇の予感を弱ったタマモの心は受け止められそうに無かった。
廊下の壁に背をつけたままズルズルと崩れ落ちるタマモの前に新しい幻覚が現れる。
ちょっと横島に似た感じのキタキツネが悲しそうな顔で流氷ごと沖に流されていく。

(ごめんね横島…でも何だか凄く疲れたの…とても眠いの…)

流氷の上のキタキツネがしょんぼりと下を向く。
彼が何かを言おうと顔を上げた瞬間、流氷の下から飛び出したのは三匹のシャチ…。

(あ…食われた…)

いまはもう誰も乗ってない流氷を瞼に描きながらタマモの意識は闇に落ちていった。


次の日、白井総合病院の一室で、昨夜局地的に発生したバイオレンスな世界をその身で受け止め、全身包帯に包まれてベッドに横たわる男の横で、「ほんとーにすみませんでしたっ!!」と平謝りするナインテールの少女がいたそうである。


おまけ

横島たちに倒された「メズースヌイ」だが、ヘタレとはいえ魔族は魔族。
完全に滅んだわけではなく、その思念は令子たちの評判を落そうと今も暗躍しているらしい。

たださすがに学習したのかその手口は映像媒体から文字媒体に移り、壊れた話をあちこちに撒き散らしているとのことである。


うけけけけけけけけけけけ。


おしまい


後書き

ども。犬雀です。
えーと…今回とある雑談で「GSキャラのAVもの」なんてパスを貰いまして、さて面白そうと書き始めて気がつきました。

これって…犬の技量で書いてしまったら思いっきり地雷じゃん?

オロオロとうろたえつつ犬は考えました。
どうせ踏むなら一個も二個も同じこと!と。
というわけで今回は タマモを壊しまくろう!とついでにもうひとつ踏んじゃえと言うお話であります。

ご批判、罵倒、投石は甘んじてこの漢臭い胸で抱きとめて見せますので、これからもまたよろしくお願いいたします_| ̄|○


1>HAL様
子ぎつねヘレンは連れて行けとせがまれておりますが…泣きそうなので躊躇っております(笑)

2>ヒロヒロ様
それは面白そうなビデオ屋さんでありますな(笑)

3>偽バルタン様
わはは。犬はエッチいビデオをよく知らないので描写が出来なかったのです(目を逸らしつつ)

4>フル・サークル様
エロ可愛いおキヌちゃん…クるものがあるますなw(何が?)

5>からんだ様
えーと。ごめんなさい。見逃しました。
また次回作も読んでくださいませ。

6>昔話派様
わはは。AVはほとんど関係ありませんでした。
お見事な推理であります。(笑)

6>純米酒様
なかなか難しい心理描写でありました。なにしろ体験がないもので(大嘘)

7>k82様
中身がおっさんのAVは犬も書いててつらいです(笑)

8>藤竜様
>美神や美智恵、エミ辺りなら違和感がない…
犬の中の横島君も同じ考えのようです(笑)

9>ヴァイゼ様
すみません。こういうオチ(ある意味、ありきたり)でした(笑)
やはり横島君には病院がよく似合う(笑)

10>なまけもの様
聖地ですか!むう…奥が深いですな。
いえ犬は全然知りませんにょ。あおい空がすきとかもにゃいですにょ(笑)

11>とおり強行偵察型様
実はおキヌちゃんの出番はほとんど無しという詐欺のような話でありました(笑)

12>まちす様
わはは。実は「ごんぎつね」も考えましたのですよ(笑)

13>柳野雫様
わははは。今回はタマモ崩しに挑戦でありました。
漫才になっていたでしょうか?(笑)

14>こんきつね様
サリバン先生物語は知りませんでした。今度、機会があったら見て見たいと思います。

15>orb様
結局、おキヌちゃんは誰とも絡んでませんでした。
というか出番すらほとんどなしというトンでも展開でしたorz

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