世界の何処か。
この世界の[何処か]に彼(彼女)は存在する。
否、この世界の[何処にでも]彼(彼女)は存在する。
彼は何処にいる?
私の横に今、居るかもしれないし、貴方の隣で笑っているかもしれない。
彼(彼女)は誰なのか?
それは誰も知らない、知ることはできない。
そもそも、本当に彼(彼女)は存在するのか?
……、何処かの誰かが言っていた。
「箱を開けてみるまで本当に何が入っているのかは、わからない」
さあ、彼(彼女)は本当に存在するのか?
「存在するんだなぁ……、これが」
やあ!僕は世界!この世界そのものです。
へ?世界に人格なんてあるのか、だって?
嫌だなあ、あるんですよ!ほら、僕がそうだし……。
あるの!そ、あるのあるの。
……、疑ってるね。
あれだよ?僕ってすごく偉いんだよ?
キリ○トだとかサ○ンとか言うやつらよりずっと上よ?
信じといて損は無いよ?てか、しんじれ。
って、遊んでる状況じゃないんだよ。
ぶっちゃけるとね、僕の寿命長くないんだ。
うん、そうそう、死んじゃうの。
でね、人類とか神族とか魔族とか、何もかも無くなっちゃうんだ。
え?当たり前じゃん?世界が無くなったら皆無くなっちゃうでしょ?普通。
だって、原子や分子だって世界でしょ?
つまり、人間の細胞一つ一つだって世界を構築している物質なわけだ。
ほら、僕が死んだら、皆、跡形も無いよね。
まあまあ、落ち着いてよ。
じゃあ、タイトル挿むよ~。
GS横島!!
極楽トンボ大作戦!!
第一話
……、落ち着いた?
まあ、落ち着いても僕が滅びるのは決定事項なんだけどね。
ああ、ごめんごめん、落ち着いてってば!
そこでね、君の力を借りたいんだよ。
ん?なんで自分なのか?自分は恋人も守れなかったろくでなしで、とんでもない馬鹿?
いやいや、謙遜しないでよ。君以外に適任がいないんだ、……、本当だよ?
一度君は僕を強姦魔から救ってくれてるし……。
それにね、僕は君を愛してるんだよ。
ちょっとまってよ!そんないきなりお尻抑えて逃げなくてもいいじゃないか。
僕は男でも女でもないよ、どっちにでもなれるんだから。
何で女じゃないのか?
そりゃ、あたりまえだろ?いきなり飛び掛られたんじゃ話にもならないし、それに、ふふ。
寿命が縮むことなんかしたくないしね?
や、美人局でもないから廻りを気にしなくてもいいよ。
話を戻そう、君には平行世界、つまり、別の世界に行って、僕の兄弟?に、なるのかな??
救って欲しいんだ、君の力で。
……、見事にハニワ顔、まったく意味が解らないみたいだね。
説明すると、平行世界っていうのは、「もし」の世界さ。
あ、IF、わかる?馬鹿にすんな?ごめんごめん。
言い直すよ、「IF」の世界だ。
あの時こうしていたら!とか、そういう類の世界。君が女の子だったり、君と[彼女]が添い遂げる世界だってある。
……ごめん、気に障ったなら謝るよ。
ん~、世界樹って聞いたこと無い?よくゲームとかで……、あ、持ってないか。
どういったらいいのかな?世界は大きな樹でね、根っこの部分が細分化された一つ一つの世界になっているんだ。
だから、別の結果が起こった世界が無数にあるんだ。
でね、もう、この根っこは駄目だから、切り離すことが決定したのさ、上層部、っていうか葉っぱの方がね。
だから、この世界、僕は壊死する。
やだな~、そんな顔しないでよ、良くあることさ、今回はたまたま僕だっただけさ。
そう、いつものこと、だから君を呼んだんだ。
君には「世界の使者」になってもらいたいんだ。
僕たち世界は、切り離される前に使者を選ぶ(何人かね)。
それで、使者を自分、この場合は僕か、僕の通ってきた道の中で、一番のターニングポイントに使者を送ることができるんだ。
新しい根を伸ばすために、ね。
君が世界に入れば、君は前と同じ出来事に出会う、それを君の意思で変えてくれればいい。
上手くいけば、新しい可能性にたどり着くことができるはず。
そう、これは世界の改竄だ、君には酷だろうが、君がよく知る魔神と同じことをしてもらわなきゃならない。
頼む、君だけが頼りなんだ(ま、君だけを送るってわけじゃないんだけどね)。
僕は君ほど頼りになる存在を知らない。
僕は、君に、僕の存在した意味と、証拠を持っていって欲しいんだ。
世界は懇願する、涙を流して。
俺、横島忠夫の答えは、一つしかなかった。
「わかった、任せろ」
ありがとう、世界はそう言って微笑んだ。
見惚れるほどに、綺麗な笑みだった。
その日、世界は、崩れ去った。
俺の心にだけ、その存在を残して。
俺の心にだけ、その笑みを残して。
さて、じゃあ、次の人~!!
こんにちは!よろしくね!!
僕?僕は世界さ!
ああ!怪しくないよ?怪しくない怪しくない!
え?食事中だったの!?ああ、ごめんごめん。
まあ、そんなどうでもいいことは置いといて……。
あれ?なんでそんな戦闘体勢??
二日ぶりの米??彼女の手料理??一口も??
そ、そんな魔装術なんて解いて話し合おうよ?
……ね?
にぎゃ!!ぺぎゃ!!きゅも!!?
あぎゃ!!みゅく!!ぐびょ!!?
ああ!箸で突付かないで!!
うぐぐっ!もーいい!
勝手に送っちゃえ!!!
え~~~い!!
ふう、寿命がかなり縮んじゃったよ……。
これは何かしらお仕置きしないと!
うん!世界である僕に楯突いたんだから!!
さて!転送先は……?
よし、ここをこうして~!うひひ!こうだ!!!
そんで、魂単位で刷り込んでやるぅ!!
受け取れ!世界からの愛だ!!
らぶらぶびぃ~む!らぶらぶびぃ~む!!らぶらぶびぃ~む!!!
くくく!くは~~~~っはっはっはっは!!!!
結果が見られないのが残念だよ!!
伊達雪乃嬢!!
あとがき。
ああ、やってしまった。
後悔はしません、このまま突っ走りたい。
伊達(君)が好きな方は、ゴメンナサイ。
伊達(さん)が好きな方は、バッチコ~イ!!