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▽レス始

「霊装せよ!!霊能救急捜査隊!!(GS+レスキューポリス)」

煌鬼 (2005-12-07 00:12)
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アシュタロス大戦。そう呼ばれる戦いが終わった1年。愛する人を失った英雄横島忠夫は、学校を無事卒業し、正式に美神除霊事務所の一員となっていた。


「綺麗な夕日だな・・・・ルシオラ、俺は・・・どうやって生きていけばいいんだ?お前は俺の子供にしか転生できない。お前を愛したのに・・・誰かを愛せなんて・・・俺には出来ねえよ・・・」


そう言い、夕日を見ながら涙を流す横島。その姿は、悲壮という言葉が一番合っていた。そしてその様子を見ている二人の姿があった。


「横島さん・・・」
「アイツが負った傷・・・永遠に消えねえかもな・・・」


ピートと雪乃丞は涙を流し続ける横島の背中を見ながら、強く拳を握り締めていた。血が流れ出している事にも気づかない位、二人は自分たちが力になれなかった事、友の心を救えなかった事に対してだった。


「ルシオラ・・・ルシオラーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」


夕日を背に、それぞれの思いを背負った三つの魂が燃えていた・・・。


横島が悲しみに暮れていた頃、オカルトGメンではとある会議が行われていた。
アシュタロス大戦で明らかになった事、それは霊障によって起きた災害により、世界は混乱に陥れられた。特に日本への被害はひどく、霊たちの暴走により起きた災害により死亡した人々は多かったのである。


「あの大戦で、霊能者や我々Gメンだけでは悪霊や悪魔への対処で背一杯でした。もしまたこのような災害が起きた際、私たちだけでは対処は厳しいと思われます」


あの大戦で横島たちと戦った美神令子の母、美智恵が大戦で痛感した思いを会議で話していた。


「あの戦いで私は思いました。今・・・そして未来、霊障による事件で災害が起きるだろうと・・・。故に、災害によって傷ついた人々を守るべき力がいる事!!」


美智恵はその会議で提唱した。“霊能救急捜査隊”と呼ばれる存在を・・・。


美智恵が会議で提唱して数ヶ月。Gメン本部に三人の男が集められていた。横島・雪乃丞・ピートの三人である。


「なぁ西条、なんで俺たちを呼んだんだ?」


悲しみを心に押し込め、陽気に接する横島。すると西条は珍しくシリアスな表情で口を開いた。


「・・・いい加減傷は癒えたかい?横島くん」


その言葉を聞いた瞬間、雪乃丞が怒りを露わにして西条に掴みかかる。ピートも掴みかからないが、怒りを瞳に込めていた。


「テメエ!!あの戦いにいた人間が何言ってんだ!!」
「西条さん・・・・なんでですか!?」


二人の殺意の篭った視線を受け流し、西条は呆然とする横島を殴りつけた。それにより力なく地面に倒れこむ横島を見ながら、西条が声を荒げる。


「・・・君の悲しみが、どれだけ君を慕っている人たちを悲しませていると思う!!令子ちゃんも!!おキヌちゃんも!!シロ君も!!タマモ君も!!他にも大勢いる、君を心から愛し、心配する者たちがな!!なのに君はなんだ!?明らかに悲しみを隠した偽りの笑顔と行動でその場をごまかし、何事もなくこの世界で生きている」


西条は倒れている横島を立たせると、壁に叩きつける。まるで、皆の思いを代弁するかの如く、それを見た雪乃丞とピートは西条の行動に驚きを隠せなかった。


「あの戦いで君がルシオラ君を失った。それで悲しみに暮れるのは分かる。だが、それを君は永遠に引きずり続けるつもりか!!自身への戒めとして!!」


その言葉を聞いた瞬間、横島の瞳が見開く。そして、静かに口を開いた。


「・・・俺は、愛した女に生かされているんだ。守るべき人に命かけて守られて・・・俺は生きてる。そんな俺に・・・愛する資格なんてない・・・。だから・・・俺は偽りでもいいから日常を続ける・・・」
「だったら、その平穏の中で再びあのような事件が起きたら、君は誰も守れないぞ。再び、愛する人たちを無くすだろう・・・絶対に」
「絶対守る!!たとえ俺の命を犠牲にしても!!」
「ルシオラ君の想いすら無駄にする気か!!」


再び西条の拳が横島を襲った。それにより再び壁に叩きつけられ、ずるずると地面に倒れこむ。すると、横島は涙を流しながら西条に問いかける。


「だったらどうすればいいんだよ!!俺は・・・・」
「守りたい想いは・・・・本当だね?」
「当たり前だ!!」
「なら・・・これを受けてみてはどうだ?」


そう言うと、西条は一枚のファイルを手渡した。横島がそれを開いてみると、そこには何らかのアーマーやツール、そして車などの詳細がこと細かく書かれていた。


「・・・これは?」
「数ヶ月前に隊長が提唱した霊能救急捜査隊に関する細かいデータだ。現在は装備をほとんど完成し、後はその霊装アーマーを装着できる人間だけだ」
「まさか・・・」
「そう。僕としては、君をこのチームに入れたいと考えている。あと、君たちもだ」


そう言うと、西条は雪乃丞とピートのほうに視線を向けた。


「お・・・俺たちも!?」
「僕もですか!?」


二人の言葉に西条は頷く。


「このチームは、霊障によって起きる災害や事件を担当とする仕事だ。悪霊は魔族を逮捕もしくは撃滅するだけでなく、それによって傷つく人々も救う事がこのチームの存在意義なんだ。・・・やるかい?」


西条が三人に尋ねる。その視線は、本気の男の眼だった。


「・・・いいぜ。戦うだけじゃなく守るってのも、嫌いじゃねえ!!」
「僕はやります。誰も傷つけたくありませんから」
「横島君・・・君は?」


西条が横島のほうを見ながら尋ねた。すると、横島はゴシゴシと袖で涙をぬぐうと、決意を決めたように西条を見据える。


「やってやる!!これ以上、大切な人を失いたくないんじゃ!!」


その瞬間三つの魂は結束し、救いを求める世界を守る優しき炎の誕生だった。


それから数ヶ月。世界では平穏が続いていた。しかし、日本では一つの事件が起きていた・・・。


「こら〜〜〜!!人質を解放しろ〜〜〜!!」
『うるせー!!こっちの要求に答えられないなら人質もろともバスを爆破してやるーーー!!』


都内付近で、悪霊がバスジャックを起こしていた。幼稚園児の乗るバスを襲い、逮捕されている悪霊たちを解放しなければ、人質事バスに仕掛けた高い霊力に探知して爆破する爆弾が仕掛けられていたのだ。Gメンに対応するために考え出した案である。


「くそぅ・・どうすりゃいいんだ?」


Gメンの一人が愚痴をこぼしていると、一台の赤い車が近くに止まった。そしてそこから、青ジャンにジーパンの青年・トゲトゲの髪に黒いコートの青年・金髪に黄色いジャケットの青年が降りていた。


「なぁ、何があったんだ?」
「あん?なんだ坊主?危ねえから離れてろ」
「ああん?お前俺たちはここに呼ばれたんだ。話も通ってないのかよ?」
「まったくですね?」
「なんだとこのガキ!!」


そう言い、Gメンの男は拳を振り上げようとしたが、その腕を止める男がいた。


「さ、西条さん!?」
「うかつな行動は止めたまえ。聞いてなかったのかい?霊能救急捜査隊が合流すると」
「それは聞いてます・・・・まさか」
「そう、彼らだよ」


それを聞き、男は呆然としていた。すると、突如バスがエンジンを再起し、急スピードで発進しだしたのだ。


「な、何だ!?」
「マズイ!!あの悪霊は重圧に負けて暴走を始めたんだ!!このままじゃ、悪霊の暴走の果てに自爆してしまうぞ!!」


西条の言葉を聞いた瞬間、横島は懐から無線機のような物を取り出した。そしてそれを、どこかに繋げた。


「正木本部長!!」
「話は全て聞いた。横島!!状況打破の判断は、隊長のお前に任せる!!」


その声を聞き、横島は二人と見合った。すると、雪乃丞もピートも決意を固めていた。


「行くぞ!!」
「おう!!」
「はい!!」


言葉と同時に横島は車に乗り込み、二人は車の横にある何かを積んだケースの前に立った。


「「「霊装!!」」」


三人はそう言うと、それぞれ持っていた無線機を車・ケースに差し込んだ。すると、横島は車の後部が自動で移動し、二人はケースの扉を開いた。そして、三人はそれぞれの姿で車の前に立つ。赤・青・黄の霊装ジャケットを着込んでいた。


「横島!!俺たちはすぐに追いつくから、先に行け!!」
「すまねえ!!」


横島はそう言うと、足に付属していたファンを回転させ始めた。


「超加速!!」


横島は次の瞬間、その場から音速のスピードでバスを追い始めた。この時、運命は動き始めた。いずれ世界の霊障によって起きる災害から人々を救う救世主になる者たちの物語が・・・。


そう・・・彼らのチーム名。それは・・・・【霊捜エクシードラフト】


あとがき
え〜三ヶ月振りのSS投稿です。色々レポート等の問題で投稿できずにいました。SS自体書けなかったので、腕が鈍ったのかが怖くて、先にこういう予告型のSSを書かせていただきました。申し訳ありません!!

今回のこのリハビリSSですが、アシュタロスのコスモプロセッサによって多大な被害が出ていたことを思い出し、霊能力を災害救助などに向けたらどうだろうと考え、このSSを書かせていただきました。

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