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「霊光波動拳継承者『横島』(改訂版)1話+2話(GS+幽遊白書)」

柿の種 (2005-11-29 20:19/2005-11-29 21:35)
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「横島さんが行方不明になってもう3ヶ月ですね・・・・・。」

おキヌが呟く。横島と美神は3ヶ月前、月にメドーサと戦いに行き、そしてその帰りメドーサの攻撃によって、マリアと共に生身で大気圏へと突入した。その後、マリアの姿は発見されたが横島の姿はどこにも見当たらなかった。

「・・・・・あいつの事はもう忘れなさい。おキヌちゃんは若いんだから何時までも引きずっていない方がいいわ。」

その呟きに対し、美神は彼女に対し背中を向けたまま答えた。

「そんな!!美神さん酷いです!!横島さんはきっと・・・・きっと・・・・・」

その答えにおキヌは激怒し美神に詰め寄ろうとする。だが、その声は途中から涙声になり、その体からは力が抜けてその場に座り込んでしまう。

「きっと・・・・生きてるんです・・・・」

 それでも言葉を搾り出し、美神の背中を見上げた。そして、その時、彼女の肩が小刻みに揺れている事におキヌは気付いた。

「私だって・・・私だって信じたいわよ!!けど、3ヶ月よ!!あの状況で行方不明になって3ヶ月も連絡がないのよ!!生きていたら連絡ぐらいするはずでしょ!!」

美神がおキヌの方に振り返って叫んだ。美神の目には涙が浮かんでいた。悲しみ必死に抑える気持ち、それがその表情から伝わってくる。

「美神さん・・・・・・・・・ごめんなさい・・・・」

おキヌは自分の行為を恥じ頭をさげる。美神は涙をぬぐうとおキヌの肩を叩いた。

「いえ、私の方こそごめんなさい。無神経なこと・・・・」

おキヌを慰めようとする美神。その時、事務所のドアが勢いよく開いて一人の男が入ってきた。

「ただいまー美神さん、おキヌちゃん。横島忠夫恥ずかしながら帰還しましたーーーーーーー!!!!!!!」

能天気な顔で敬礼のポーズをとり、某旧日本軍兵隊の真似をするその男は紛れもなく、横島忠夫だった。その姿に呆気にとられる二人。そしてその次の瞬間。

「よこしまああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」

嬉しさと愛しさと心配させた事に対する怒り、その他もろもろの感情が織り交ざり、美神は横島に対して、全力のパンチをお見舞いした。


「い、いきなり何するんですか!!!せっかく直ったのにまた、記憶喪失になっちゃいますよー!!!!!!」

殴られて壁にめり込んだ横島は10秒後復活し、抗議の声をあげる。だが、美神のガン付けの前にすぐに大人しくなった。

「散々、心配させといて何が、記憶喪失!!・・・・・・記憶喪失?」

「横島さん、記憶喪失になってたんですか?」

散在心配かけた駄目男にさらに説教をしようとするが、そこで重要な単語に気付き、言葉を止める美神。それを聞いたおキヌも詰め寄る。

「え、はい。地球に落下した時にどうも頭を撃ったみたいでそのショックでこの3ヶ月記憶喪失になってたんです。で、つい最近になって記憶が戻って急いで帰ってきました。」

横島が説明をする。それを聞いて美神も納得の表情を浮かべた。

「なるほど、そういうことね。ま、それなら仕方がないか」

「連絡がなかったのはそういうことだったんですね。それにしても横島さんが無事に帰ってきてくれてよかった」

おキヌが喜びの涙を浮かべて言う。それを見て横島も罪悪感を覚えて謝った。

「心配かけてごめん。もう大丈夫だから。そういえば、さっき美神さんも、“心配かけて!!”って言ってましたけど俺の事心配してくれてたんですか?」

そう言って期待半分、いたずら半分な口調でそう言う。その言葉に対し美神が以前のように反発しようとして、途中で変えた。

「ば、何であたしがあんたの事なんか・・・・・・い、いえ、その、私も心配したわよ、悪い!!」

この3ヶ月離れて彼女なりに横島の大切さというものを理解したのだった。それでもまだ、自分の気持ち全てを認めた訳ではないが、一歩前進というところだろう。そんな美神を見ておキヌは嬉しさを感じると共に、ライバルとしてちょっと危機感を覚えていたりもする。

「み、美神さん・・・・・・。」

その美神の言葉にいつもなら飛び掛る所の横島もそれを少し超えて感動を覚えた。美神は顔を赤くして背けている。こうして、事務所に3ヶ月ぶりに3人が揃う事になった。


「そういえば、あんた記憶なくして今までどこにいたの?」

再会の感動が落ち着き、今日の仕事を何と全てキャンセルした美神達は居間に座ってくつろいでいた。そこで美神が尋ねる。それに対し、横島は疲れた目をして答えた。

「えー、実は幻海って婆さん・・・・あ、もう婆さんじゃないか。ともかく、その人に助けられてそのままお世話になって、そこで修業させられてたんですよ。」

その時の修業の事を思い出し、横島は恐怖に怯える。その修業はまさに地獄。妙神山の修業が楽に思えてくるぐらいに。だが、美神は別の所に驚いた。

「幻海って!!まさか、あの幻海!?」

「え、いや、あの幻海って言ってもわかりませんけど。物凄く強くて人間とは思えないぐらい強い霊力を持ってましたよ。あ、そういえば猿じじいと同じでゲーム好きでした。」

驚きながら思いつく限りの答え返す横島。その答えに美神は神妙な顔をして呟く。

「ゲーム好きってのはどうかわからないけど、どうやらあの幻海で間違いない見たいね。」

「美神さん、知ってるんですか?その横島さんを助けてくれた人の事。」

その呟きに対し、おキヌが尋ねる。美神は顔を上げて答えた。

「一世代位前、世界最強と言われた伝説のGSよ。世界中の妖怪に恐れられ、下級、中級の神魔からさえ警戒されたと言われているわ。その強さに何人もが弟子入りを希望したけど誰一人として弟子は取らなかったって話だけど・・・・・・何でまたあんたなんか弟子に取ったのかしら。」

美神がジト目で言う。それに対し、横島はただ驚いた表情を見せた。

「あの婆さんそんな凄い人だったのか・・・・・。」

その時、電話がなった。それを聞いておキヌが受話器を取りに行き、そして大きな声を上げた。

「え!!?」

「どうかしたの、おキヌちゃん?」

その声に驚き、美神が尋ねる。横島も心配そうに見つめる中彼女はすこし震えた声で答えた。

「弓さんと雪の丞さんが、3人組の魔族に襲われて病院に運ばれたって・・・・・・。」


病室のドアを勢いよく開ける横島。そして彼は大声で叫んだ。

「雪之丞おおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!てめえ、俺がいない間に彼女作るなんてどういうこったああああああああああああああ!!!!!!!!!!」

弓と雪之丞は横島がいない間に落ち込んでいたおキヌを慰めようと開いたパーティで出会ったのである。元々、弓達友人グループとGSメンバーがそれぞれ企画したこの催しで、両方の誘いを断れなかったおキヌはこれを共同で開く事を提案し、実際にそのような形で行なわれた。そして、その場で起こったちょっとしたハプニングによって弓と雪之丞は何となく仲良くなったのである。つまり、結果的にいえば、横島をダシにして二人は付き合い始めたとも言えるのだ。

「よ、横島、お前無事だったのか!!」

横島の姿を見て驚く雪之丞。その声には喜びよりも先に、彼の言葉と迫力に対する後ろめたさも手伝った怯えがあった。

「おー、無事だったともさ。ついでに地獄を見てきた。それによって手に入れた俺の新しい技喰らってみるか?」

「お、おい、ちょっと待て!!俺は怪我人だぞ!?」

「そうか、怪我人か・・・・。なら・・・・・・」

横島が雪之丞の胸に手を当てる。その時、遅れてやってきた美神達はその光景を見て、ここにくるまでのウ横島のキレ様を見ているだけに流石に止めようとした。だが、それよりも早く横島の手が光る。

「横島さん!!」

それを見ておキヌが静止の声をかける。だが、事態は彼女の予想と反対方向に動いた。

「これで、動けるよな?」

「えっ?あれ、動くぞ」

悪魔の笑みを浮かべて言う横島。その言葉通り、先ほどまで動けなかった筈の雪之丞の身体はある程度回復し、怪我も癒えていた。文珠を使った訳でもないのに横島がそうした事に驚いた顔をする雪之丞。

「君が弓さんといちゃついてる間にねえ、俺が地獄を見て会得した霊光波動拳は体を効率的に破壊すると同時に効率よく修復もできるんだよ。と、言う訳で・・・・・・・覚悟はいいな?」

そう言って、横島の右腕がハンズ・オブ・グローリーに変わる。

「え、ちょっと・・・・」

「問答無用・・・・・」

たじろぐ雪之丞に対し、詰め寄る横島。

「いい加減にしなさい!!」

だが、そこで美神が横島をどついて止めるのだった。


「それで、一体何があったの?」

「よくわからん。いきなり攻撃されて、センサーみたいなもので霊力を探られた。パワーをむりやり吸い出してバラバラにする荒っぽいやり方だ。」

「なるほどね・・・。」

とりあえず、横島を復活させた後、美神が雪之丞から事情を聞く。雪之丞の答えに頷く美神。その時だった、強烈な霊圧と共に3人の女魔族が病室に侵入してきたのだ。

「なんて、霊圧なの!?」

「気をつけろ!!俺達を襲ったのはこいつ等だ!!」

驚愕する美神。その姿を見て雪之丞が叫び、魔装術を身に纏う。

「あら、さっきの男でちゅね。もう動けるんでちゅか?頑丈なんでちゅねえ」

その女魔族の一人、子供みたいな少女が雪之丞を見て言う。

「そうね、けど、パピリオ。それより、あっちの女が調査対象でしょ?魂の色もメフィストに似てるみたいだし期待が持てるかもね。早く調査してましょう」

「わかったよ、ルシオラ、あんたは真面目だねえ。じゃあ、それ終えてさっさと終えてかえろーぜ」

「待ったくべスパは」

ついで、二人の女魔族、ルシオラとべスパがそう言いあって、意識を美神に向ける。雪之丞はそんな彼等に立ちふさがった。

「おい、雪之丞無理だ!!動けるようにしたとはいえ、全快には程遠いんだからな。お前完全な状態でも負けたんだろ!?」

「そうです!!それに、この人達凄く強い!!」

横島とおキヌが警戒の言葉を投げかける。そしてその時美神が動いた。

「こうなったら・・・・・・・逃げる!!」

「あさましいこと!」

美神は飛び出し窓から逃げ出そうとした。だが、それよりもルシオラの動きは早かった。美神を拘束し、雪之丞と同じようにリングで捕らえ、霊力を吸い出したのだ。そして美神が崩れ落ちる。

『分類神魔混合、種別「攻」霊圧5.6マイト 結晶未確認』

「5.6マイト・・・!?何、低すぎて話しにならないじゃない。」

リングが計測を発する。それを聞いてルシオラは期待外れな結果に女魔族が落胆の色を見せる。

「美神さん!!美神さん!!」

横島が美神を抱き起こし、その名を呼びかける。だが、美神は反応だに見せない。そして、女魔族達は目的は果たしたと興味を無くし立ち去ろうとしていた。

「待て、コラ!!」

「だめ!!横島さん!!いくら修業して強くなったって言っても!!」

だが、そんな彼女等に対し、横島は立ち上がる呼びとめ睨み付ける。それを見て止めようとするおキヌ。

「どう、思う?」

「調べるまでも無いわね。せいぜい2、3マイト。」

そんな、横島を見て軽視する女魔族達。横島は一歩前に踏み出す。そして・・・・・・

「俺を・・・・・・・・子分にしていただけませんか?ね!?ね!?」

女魔族達に対してへこへこと頭を下げる。それを見てずっこけるおキヌと雪之丞。

「と、コケが入って油断した隙に!!」

と、そこで、横島は即座に態度を翻し“凍”の文字が入った文珠を投げ付けた。それをまともに喰らい凍りつく3人。

「よし、やった!!」

ガッツポーズをとる横島。ところが・・・・・・・

「痛ったああああああ、もー、しもやけが出来ちゃったじゃない。」

「一瞬だけど霊力にして700マイトを超えてたわね。あー、肌がかさかさ。」

「よくもやったでちゅねー!!パピはパピは痛かったでちゅよー!!」

3人の女魔族は僅かなダメージしか受けていなかった。しかし、その攻撃で怒り狂ったパピリオは強力な横島に対し霊力波を放ってきたのだ。

「横島さん!!」

「れ、霊光鏡反射!!」

悲鳴をあげるおキヌ。だが、その時、横島の手に鏡のようなものが生み出され、魔力砲がそれに直撃した瞬間、その攻撃は放った彼女達のもとへ跳ね返っていった。

「なっ!?」

驚愕の表情を浮かべるルシオラ。そして3人は跳ね返った魔力砲に飲み込まれ、そのまま壁をぶち破って吹き飛んでいった。

「す、凄い、横島さん・・・・。」

「てめえ、何時の間にそんなに強く・・・」

しばしその光景に呆然とし、やがて女魔族達の姿が見えなくなった事に気付いた後、感嘆の声を漏らすおキヌと雪之丞。だが、肝心の横島はというと。

「び、びびったああ。文珠が効かないなんて反則やー!!そんなの幻海さんだけで十分やー!!」

と、思いっきりびびり、膝が震えていた。その光景におキヌと雪之丞はカクッとこける。

「おい、それより君達彼女を!!」

だがその時、部屋には居たがさっぱり目立っていなかった医者が叫ぶ。その叫び声を聞いて横島とおキヌは慌てて美神の元に駆け寄ろうとした。だが、そうすることは出来なかった。

「あんた、よくもやってくれたね」

「さっきは本気じゃなかったんでちゅからね」

「人間の癖にやってくれるじゃない!!」

反射した霊波砲に飲み込まれた筈のべスパが病室に戻ってきたのである。そして、更についで他の2人も。その表情には激しい怒りが浮かんでいた。しかし、その姿を見てその場にいた彼女達以外者は思わず噴出した。

「「「ぷっ」」」

「わ、笑っちゃ悪いですよ」

 それをたしなめつつ、おキヌも必死に笑いを堪えている。何故なら、戻ってきた3人の魔族の髪形がアフロになっていたからである。

「わ、笑うな!!」

 自分達の今の状態の間抜けさを理解しているのか、顔を赤くして叫ぶベスパしかし、笑いは止まらない。ちらちら彼女の頭を見ながら噴出す横島と雪之丞。

「わ、笑うなって言われても・・・ぷっ」

「そんな間抜けな頭して言われてもなあ・・・くくっ」

「「「笑うなって言ってるんだろ(でしょ)(でちゅ)ーーー!!!!!!!」」」

3人の魔族が怒りと共に特大の魔力を放出する。そして、とてつもなく強大な力が収束を始めた。

「ちょ、ちょっと、この魔力シャレになんないぞ!? おい、横島さっきみたいに跳ね返せ!!」

「い、いくらなんでもこんな凄い力跳ね返せるかー!!」

 その魔力の強大さに流石に笑いを止め、慌てる雪之丞と横島。そして特大の魔力砲が放出され、彼等のいた病室は吹っ飛んだのだった。


(後書き)
以前投稿した作品の改訂版です。読み直して見ると色々とアラが見つかり、過去作品は既にログに入ってしまって修正できないので管理人の米田鷹雄さんに許可をいただいて改めて投稿させていただく事にしました。以前の展開ではここで、横島が勝利していましたが、今回はこのように敗北?致しました。今後の展開がどう変わっていくかはまだわかりませんが応援していただければありがたいです。

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