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▽レス始

「旅の途中 吸血姫編 (GS×GS)」

義王 (2005-11-04 19:25)
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前回までのはなし

旅の途中、倫敦上空にて横島がヴァンパイアのエリスに襲われ下僕化した
マリアがシャーロックホームズの墓参りし、横島を探し始めた
その後にアリスがカオスと共に墓参りした


以上!



ゴーーーー・・・


「??」

エリスは何処から聞こえるジェット音なるもので目を覚ました

日の光は無い・・・日は沈んだ
雨の音はしない・・・どうやら止んだ

埃まみれの床を踏みたくないがため、スッと体を浮かし下僕の眠る棺桶を空ける

昨晩ならず昨朝は、慣れない日本風棺桶だったためよく眠れなかった

「・・・・

そうなると、グースカ幸せそうに眠る馬鹿下僕が恨めしく・・・ちゅうかムカツク
なんで私が眠れなかったのにコイツは?と

エリスはグッと拳を作りそれを高々と上げ、


ゴフ!!


横島の顔面にめりこませた
が、相手は横島、しかも現在不死身のヴァンパイア

起きない





「いい加減起きんかーーーーーーーーー!!」

「ぎゃい!?」


ちゃぶ台返しならず棺桶返しで棺桶をひっくり返えされ、横島は起きた途端に埃まみれ

横島、いや〜〜な起床であった

「な、なにするっスか!?」
「いつまでも寝てんじゃない!!さっさと行くわよ下僕!・・・っとその前に朝ご飯♪」
「あ、いや・・そんな・・・いや〜〜ん♪」
「気色悪い声出すな馬鹿!!」


フラっと立ち上がる横島の背後に浮かび、横島の首筋に歯をたてる
少しばかり血と唾が混ざったものがタラーと流れ、いささかエロい(っと思うのは俺が病んでるから?)

「そういえばなんか変な音しませんでした?」
「ふぉわ?」
「いやなんか『ゴーーーーー』って音」
「ふぁんたふぉひふぇたふぉね?」(あんた起きてたわね?)

ギクッ

「い、いや起きてたちゅうか・・・転がされるまで半分寝てたんっスよ、決して寝てやり過ごそうなんて思ってなかったっス!!」
「ふぃのなふぁがれがふぉかしいふぁよ?」(血の流れが(動揺で)おかしいわよ?)

ブスス

「あ、ああん・・・そんな奥まで入れないで〜〜♪」

カパ

「んな気持ち悪い声出すなって言ってるでしょ!!」

ドガ!!

「ず、ずんまぜん・・・」
「さ、さっさと行くわよ!」
「あ、あの〜俺の飯は?」
「その辺でネズミでも蝙蝠でも捕まえて食べればいいでしょ?」
「い、嫌じゃーー!!出来れば美人の処女の血がほすィーーーーー!!!」
「そういえばさっきの音、アナタも聞いていたんなら聞き間違いじゃ無いのね・・・」
「あ、無視・・・さすがにお子様には突っ込めないかこれは・・・」

ゴスン!!

「アンタ・・・下僕の癖に偉くふざけた態度とるわね?」
「あ、扱いが・・・昔を思い出すっス」
「??」
「い、いや、ほら亜麻色の女性がいたでしょ?あの人から昔(今もあんまし変わらないけど)こんな扱いを数年・・・」
「私はあの人みたいにお金にガメツク無いわよ!」

なんで知ってる?
つーかこの横島は今現在高校卒業したての18歳(今年で19歳)
美神の所にバイトとして入ったのが17歳なわけで、数年の付き合いってのは・・・ゲフンッ!


「そ、それは分かってますって(つーかそう願う)・・・ただ扱いが似てるな〜って」
「うっ!・・・す、少し自主するわよ」
「お願いしますですマジで・・・」

とりあえず外に出なきゃ話にならんと、横島とエリスは外へでた
星も月も雲に隠れて光は無いが、ヴァンパイアだけに良く見える

「うーーーん・・・あ〜慣れない棺桶はキツイわねやっぱり」

(俺は棺桶事態慣れないちゅうに・・・)

背伸びをして骨を鳴らすエリスの言葉に心の中で突っ込む横島

「さて・・・何処いこ?」
「何処って・・・」
「目的決めて無いのよね、とりあえずお墓参りはしたし・・・」

とりあえず島の外に出たかった・・・ただそれだけ

「う〜〜ん、俺も倫敦の事は詳しくないですし」
「私だって百年とちょっと前に来た事があるだけで(拉致られたとも言うけど)詳しくないわ」
「行き当たりばったりっスね」

目的も無く行動すると、こういう事になるもんだ

「とりあえず町に行くわよ・・・日が沈んでるけどなんかやってるかも」
「な、なんかって・・・ま、いいけど(どうせ絶対服従やもんな〜俺)」

町に向かおうとエリスは当たり前のように体を浮かし、横島は『飛』の文珠無しの力を使い浮く

だが、

「まってください・」

後ろからの横島にとっては聞き馴染んだ、エリスにとっては聞き覚えの無い女性の声が2人を呼び止めた
振り返る2人

いたのは・・・マリア

「ま、マリア・・・」
「・・・」

横島には気付かない
エリスのマリアを見る眼が、まるで仇を見るような眼である事を

マリアは気付いていた
しかし何故自分がそんな眼で見られているのかが分からない

「連れ戻しに来てくれたんか?」
「ノー・私はただ・横島さんに会いたかった」

とりあえず殺気だったエリスを無視し、横島の問いに答えるマリア
マリアの返事には照れるものがあるため、少し恥ずかしそうにする横島



「・・・・・会ってまた騙す?ホームズみたいに?」


!?

急なエリスの発言
横島には意味不明だが、マリアには理解できた

しかし何故彼女が知っている!?
自分の過去

「な、なんの事だ?」
「やっぱり知らなかったんだ・・・」
「・・・」

止めて!!
そう叫びたい・・・

だが、彼女は嘘を言わない・・・言えない・・・
それが真実なら、エリスの言葉に修正の必要が無いのなら、発言しない

カオスの命令があれば別だが、今カオスはいない

彼女は、悲しくもアンドロイドであり、また女性でもあった

「飼い主の命令があれば、平気で人の心を弄ぶ・・・」
「・・・・」
「ま、悪いのは飼い主か・・・でも、ロボットだからって許されるわけじゃないわ」
「だ、だからなんの事言ってるんっすか!?」

冷たい表情で淡々と話すエリス
そしてそれを黙って聞くマリアの表情は、変化が無いように見えるも、横島の目には悲しい表情に見えた

「下僕・・・アンタもうこの女と関わっちゃ駄目よ、会話も駄目」
「は、はい」(糞!意味わかんねえんだよ!!)

絶対服従の身であるがため、そう答えるしかない横島
無理やりにでもこの呪縛から逃れようとするが、それは以前かかったアン・ヘルシングの洗脳とはワケが違う

純度100%のヴァンパイアの呪縛

「このロボットはね・・・飼い主の命令で私の恩人に近づいて騙したの・・・肉体交換とかくだらない理由でね」
「「・・・・」」


「分かる?私の恩人は見事に騙された・・コレがロボットだと知らずに、彼女に好意を寄せ、裏切られたのよ」



言わないで欲しかった過去を、
一番知られたくない過去を、
一番知られたくなかった人に知られた




ツー・・・

「・・・・・」
「「!?」」

マリアの目から流れる筈も無い涙が流れたかのように見えた
が、それは急に降り注いできた雨に紛る

「・・・・ふん、それじゃあ行くわよ下僕、あ〜あ雨が降ってきちゃった・・町めぐりは止んでからね」

今までの表情と打って変わって、まるでマリアとの対話が無かった事のように飛び去ろうとするエリス

「・・ひ・・け・・よ」
「なに?どうしたの下僕?」

中々ついてこない横島を急かす
なんとか此処で、この馬鹿小娘に説教の1つでもしてやりたい所だが、体が言う事をきかない

「い、いえ・・・なんでも無いっスよ」
「あっそ、それならグズグズしないの!」

最初は・・・なんというか寂しそうで、『島から出た事が無いってピートから聞いていたから少しくらい付きあったるか!』ぐらいの気持ちでいた
本気出せばこれくらい呪縛は逃れれるだろうと

だが舐めていた
純度100%吸血鬼の力

理由も何も聞かず、一方的に攻めるこの小娘


マリアだってな、好きでやったわけじゃねえだろうが!!

数百年生きようが子供は子供


大体俺はその肉体交換の元被害者だ!!
過去に悪さした事ぐらい知ている!!
それを承知で一緒にいんだよ!!

そう叫びたい・・・

彼女は泣いている・・・涙は雨で分からないけど

彼女は確かに泣いていた
叫んで・・・叫んで・・・安心させたいのに・・・

『んな昔の話なんて関係ない!絶対に俺はマリアを嫌いにならない』っと・・・

だが、体はいう事を聞かない
吸血鬼の力を軽々しく思っていた思量の無さと、自分の霊力なのに言う事聞かない霊力が腹ただしい

なんとか頑張ってみるものの、体が勝手に飛び去ろうとする

嫌だ!!
マリアをこのままにして置けるか!!


(だ、誰かなんとかしてくれーーーーー!!・・・ってあれ?」


思った事を口にする癖
今回ばかりは良い方向に動いたようで、その癖は横島を助けた

癖とは人が無意識に行うもの
霊力などは関係なく、しかも『誰か』なのでマリアとは喋ってない

ガシッ!!

「おわっ!?」
「横島さんなんとかする・」

今まで黙って俯いていたマリアが、飛び去ろうとする横島の足首を掴んだ

「な、なに邪魔してんのよ!!」
「横島さんが『誰かなんとかしてくれ』って頼んだ・この場に誰か・マリアしかいない・」
「くっ!」
「マリアがどう貴女に思われても・マリアは横島さん助ける・横島さんにどう思われても・マリアは横島さんを・・・助ける」

グッと足首を引っ張るのに力が篭る
が、最後の『助ける』は弱々しい

嫌われようと、横島を助ける
自分で自分に出した決意にも似た命令

「じゃ、じゃあ下僕!!そのロボットに離すよう言って!!」
「ま、マリア・・・離し・・て・・・くれ・・・」

意思に反して勝手に動く横島の口
だが、眼は離すなと・・

「ノー・今現在横島さんの状態では・横島さんの口から出る命令全て偽りと判断・」

そしてマリアの判断
舐めてもらっては困る
彼女とて自分で判断し行動するのだ

なにせ横島が言ったのは『なんとかして』
なんとかって何?
それを判断するのは誰かであり、マリアは自分で判断したのだ

『横島は行きたくないのだけども、強制的に連れて行かれようして助けを求めている』っと


「くっ!!このロボットが・・・」
「ノー・マリアはアンドロイド・ロボットとは違います・」
「ひ、人を簡単に騙す癖に・・・」


エリスはわからない
自分は、悪くない筈なのに・・・ただ、恩人を騙した奴を懲らしめたかった・・・傷つけたかった
なのに状況はまるで自分が悪人

子供の単純な発想なのだ
相手は悪い事をしたんだから、懲らしめてやる!っと第三者なのに正義の味方ぶる

何も知らないのにでしゃばるのは・・・子供でなくとも大人でもいるが


イラだつ

自分は悪くないと・・・


「下僕!!もういいわそのロボット壊しちゃってよ!!」


横島にとって最悪の命令を、エリスは叫んだ



「下僕!!もういいわそのロボット壊しちゃってよ!!」

マリアさんを追って早数時間
廃屋の近くで聞こえたのは、忠夫さんを浚った子の声

懐中電灯と傘を片手に、私達が廃屋の近くを探していると聞こえてきた声

「い、今のは忠夫さんを浚った子の声・・・」
「い、いかん!あの小娘、小僧にマリアの破壊を命令しよったな!!」

今忠夫さんはあの娘の眷族化している
つまり自分の意思でなくとも、主の命令があれば・・・忠夫さんはマリアさんを攻撃してしまう

「ど、どうしますカオスさん!?」
「う、うむ・・・戦闘に介入するのは無理じゃ、なにせあの2人の力が強すぎるからのう」
「じゃ、じゃあどうすれば!?」

ドゴン!!

忠夫さんを止めたいのに、私達2人だけだと圧倒的に力が足りない
聞こえてくる破壊音が、既に戦闘が始まってる事を私達に知らせた

「ヴァンパイアの小僧を呼んできて、隙を見て小僧を噛ませる・・・それしかなかろう」
「そ、そんな・・間に合わなかったら・・」

此処からピートさんが来るのを待つには、どう考えても時間がかかる
その間に忠夫さんがマリアさんを・・・そんな事になったら・・・・


時間を稼ぐしかない!


「カオスさん・・・後お願いします!!」
「ちょ、待て娘!!」


カオスさんの静止の言葉を振り切って、私は大きな音のする方へ向かう




シュ!
横島の拳を、紙一重で避け、

ドゴン!!

横島の蹴りを、力の方向へ自ら飛び、

ズドドドドドドドドン!!

横島の放つ霊波砲を、対魔フィールド一点集中で必要最低限受ける

「・・・右腕・左腕・共に軽い裂傷・・・問題無し」
「ちっ・・しぶといわねこのロボットは」

初手から全てが紙一重の防戦
人間を遥かに越えた攻撃を、全て受けきるマリア

流せる拳は流し、流せぬ蹴りは殺し、避けれない霊波砲は1度とはいえ魔神の攻撃を受け止めた対魔フィールド一点集中で受け止めた
全回路を回避と防御に集中・・・攻撃は考えない

「くっ・・・」
「・・・・」

苦痛の叫び
が、それは横島からのみ発せらる

攻撃なぞ、したくない


「やめてくださいエリス・・・横島さん・苦しんでる・」
「だ、だから何よ!?ソイツは私の下僕なのよ?どう扱おうと私の勝手でしょ!!」
「ノー・・・横島さん・エリスの下僕違う・・・・



ミス美神の下僕」


───おひ!

ガクっと崩れ落ちるエリス、そして膝をつき滝の涙を流す横島
どうやらマリアの中ではそういう設定らしい

横島とエリスの行動を見て、頭に?マークが出ているマリア

「???違いましたか?」
「・・・い、いやあってるっちゃあ、あってます・・・うううっ」
「何泣いてるのよ下僕?」

たとえ恋する相手でも、下僕は下僕なわけです
下僕に惚れたご主人様にめちゃめちゃ強くなった下僕・・・それでも下僕はやっぱ下僕!!

「う、うるせーーーぞ畜生!!」
「・・・ソーリー横島さん・・・設定修正しときます・」
「哀れね下僕・・・


・・・って、攻撃は!?下僕ロボットに攻撃!!」

マリアのボケのため状況を忘れていたエリス
マリアに指を刺し、攻撃命令を再度出す

「ちい!!(やっぱそのままお流れじゃ駄目か!?)」
「・・・・」

再び繰り広げられるマリアの防戦一方の超接近戦
抵抗してるのか、サイキック・ソーサーやハンズ・オブ・グローリー、そして文珠を使わないのが唯一の救い、だがそれでも横島は強く・・

エネルギー残量残り30%


(活動停止まで・・・・残り5分)

この計算は横島の攻撃を受けるエネルギー量をも計算した結果
残り5分・・・絶望的な時間

「・・・・」
「・・・・・」

お互いに無言で、しかし横島は苦痛に顔を歪めて、そしてエリスも・・・

「くっ・・・」

イライラと・・苦虫を噛み潰した顔で、2人の戦闘を見ていた

自分は悪くない・・・が、心に溜まる罪悪感が分からない
それがエリスをイラつかせる


自分の恩人・・・シャーロックホームズ
その人を騙した悪人・・・・ヨーロッパの魔王ドクターカオスと、そのカオスの作り出したアンドロイド マリア


悪いのは・・・誰?



ズルッ


ドグシャ!


考えに浸っていたエリスの意識を引き戻したのは、何かが泥に足を滑らす音
そして・・・

「・・・・・」
「・・・・・・・・」

飛ばされ、木に衝突し、雨にうたれるがままに倒れるマリアの音だった


{あとがき}


ながーーくなっちまったよーー!!・・・義王です・・・覚えてます?

マリアVS横島
一度やってみたかっ


た・・・ってわけですが、どうでしょう?
昔に色々やっちまったもんな〜カオスは・・・そのツケを払っといてもらわんと、旅の最後のイベントに入れないからな〜

さて、それでは久しぶりのレス返し!!
いってみよう元気よく!!


>Dr.J様

早く見てみたいですよ♪
Dr.J様の作品を♪

>SIRIUS様

いや〜俺も月刊は読まないんですけどね、たまたま暇を持て余して本屋で立ち読みしたら・・・・うお!?発見!?なんて事になり速攻買ったんっすよ
でね〜かな〜椎名高志先生の短編集


はい、それでは次回に!!
シーユー♪

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