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▽レス始

「GS美神if13〜18話(GS)」

テルヨシ (2005-10-30 22:30)
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「へ〜、結構にぎわっているのね」
「そりゃー去年まで女子高だったんだし。それに除霊科がどんな出し物しているかみんな楽しみなんじゃないか?」
「早く見てまわろうよ」
「そうせかすなよケイ。その前に弓達のクラスに顔を出さないと後が怖い」
「雪之丞さん、そんなこと言っていいんですか?」
「別にかまわないですよ美衣さん」
「じゃあ、弓さんに言ってもいいですか?」
「パピリオ何か食べたいものあるか? 何でも買ってやるぞ」

そんなやり取りをしながら横島達は
『第一回六道学園文化祭』
と書かれたアーチをくぐったのだった。


GS美神if13 文化祭にて


今日横島達は先日弓に誘われたので皆で六道学園の文化祭にいってみた。(カオスは事務所で何か研究しているとの事。マリアはそれに付き合い留守番。
グーラーはガルーダ達を連れてどこかピクニックにいったのでこれまたこの場にいないが)

横島達はさっそく弓達(霊能科は三年進級時にクラス替えがないのでおキヌや一文字も同じクラスだ)のクラスに向かった。


弓たちのクラスの出し物は喫茶店だった。
ただ、ただの喫茶店じゃなかったのである。
店員の学生達は各自の霊衣を着て客の応対・接客をしているのだ。

文化祭の出し物自体はほかの学校とさほど変わっていないが、やはり霊能科は違っている。
例えばここのクラスのように喫茶店にしても、ウエイトレスの制服が各自の霊衣であったり、また、占いの館がやたらと本格的だったりしている。


そんなことを横島が考えていると
「皆さん。来て下さったんですね」
横島達を見つけた弓が話しかけてきた。

「ああ、来てやったぜ」
「あなたには言っていません。ほかの皆さんに言ったんです」
「何だと!」
「何です!」
と二人のはたから見れば痴話げんか丸出しの、二人にとっては挨拶のようなやり取り。
それを特に気にすることなく、横島達はさっさと席に着き注文をした後、おキヌと一文字と話していた。


「結構にぎわってるね、おキヌちゃん」
「ええ、そうなんです。でも最初弓さんも一文字さんも霊衣着るの嫌がったんですよ。かっこいいのになんででしょう?」

そういって不思議がるおキヌちゃんに、ケイやパピリオでさえ
「そりゃそうだろうな」
と思ったみたいだが口には出さなかった。
かっこいいかどうかは個人の趣味に任せるとしても、少なくとも接客業に向いている格好だけではないのは確かだろう。

おキヌと横島達に微妙な空気が流れるが、美衣が一文字に
「そう言えばタイガーさんはもう見えたんですか?」
と質問し、その空気は霧散した。

「ああ、午前中は仕事があるってさ。午後になったら来てくれるらしいよ」
一文字は少し照れた顔をしながらそう答えた。


その後注文した物が来たのでそれを食べたり飲んだりしながら横島達は休憩に入った弓、一文字、おキヌたちと話しこんだ。
色々話し込んだ後、注文したものもすべて空になり、横島達は会計を済ませ他のクラスの代し物を見に行こうとしていた。


その時、おキヌたちのクラスメイトが横島に話しかける。

「横島さん、その男の子と女の子は誰ですか?」
「ああ、男の子のほうはここにいる美衣さんの息子でケイ、女の子のほうはルシオラの妹のパピリオだよ」
そうケイとパピリオの二人を横島が紹介すると、たちまち二人はおキヌちゃんのクラスメイトに囲まれて質問攻めにあう。

最初は丁寧に受け答えしていた二人だったが、そのうち抱きつかれたりするなどされ、困っていった。
視線と声で
「助けて」
と訴えてきたが、女子高生たちの
「横島さん、邪魔しませんよね」
的な視線の前に横島は
「自分たちで何とかしろ〜」
と答えるしかなかった。

その後二人はサイキック猫だましをつかい女子高生たちから無事脱出したのだが、横島が助けなかったことに怒ってしまい、機嫌を直してもらうのに一苦労した横島であった。
二人の機嫌を直してもらうのに数枚の夏目さんが犠牲になった。


二人の機嫌が直ったところで美衣が
「横島さん、ルシオラさん。この後はお二人で回ってはどうですか?」
と提案した。

機嫌が直ったケイとパピリオも賛成してくれたのでありがたくその提案に乗らせてもらった横島とルシオラ。


色々な出し物を俺はルシオラと見て周り、存分に楽しんだ。
また、面白半分にやってみた占いで
「二人の相性は最高です」
と結果が出たため、いつも以上にルシオラは嬉しそうだった(もちろん言うまでもなく横島も嬉しかった)。

十分に文化祭を楽しんだ後、二人は美衣たちと合流した。

「あれ? 雪之丞は?」
横島がそう美衣さんに聞くと美衣はクスクスと微笑みながら
「横島さんたちと同じですよ」
と教えてくれた。


その後雪之丞も来たので横島達は帰ることにした。

「いろいろあったけど楽しかったです」

そんなパピリオの感想に象徴される一日だった。


オマケ

横島達が去り、仕事に戻ろうとした弓達だったが、いきなりクラスメイトに囲まれた。

「なっ、何ですの!?」

「弓さん、さっきの男の人はどんな関係なんですか?」

「えっ、横島さんは氷室さんをとうしての知り合いで…」

「横島さんじゃなくてもう一人の男の人ですよ」

誤魔化そうとした弓だったが、そんなものがうまくいくはずもなく、すぐに追求されてしまった。

弓が雪之丞のことをどう説明しようかと考えていると、
「ああ、あいつは伊達雪之丞といって弓の彼氏だよ」
と一文字があっけなくばらした。

その後クラスは
「一文字さん! 何を言うんですか!」
「だって本当のことだろ?」
「え〜、弓さんの彼氏だったんですか〜!?」
「付き合ってどの位なんです?」
「どこまで進んでいるんです?」
ととんでもない騒ぎになった。接客をしているのはおキヌ他数名だった。


その後、いつの間にかいなくなっていた弓だったが、帰ってくるなり
「デートはどうだった?」
とクラスメイトに聞かれ、赤面するのだった。


これはタイガーが一文字に会いにこのクラスに出向き、去った後も同様に行われた。
違いといえば弓と一文字の立場が変わったことぐらいだろう。


あとがき

こんなの書いてみました。いかがだったでしょうか。

あっ、ルシオラが一言もしゃべってないや(汗)。
まあ、たまにはこんなのもいいかな、って事でお許しください。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「なんか緊張するな〜。皆の前で話をするなんて」
「何で俺まで。俺なんかケイ以外に何かを教えたことなんかないんだぜ」
「まあまあ雪之丞。何事も経験ですよ」
「そうジャノー。あっしも人前で話すのは初めてですケン緊張するノ〜」
「そんなに緊張しなくても大丈夫さ。何かあったらボクがフォローするから」
「西条はこういうの慣れてるか?」
「まあね。オカルトGメンの仕事の中にはこういう講演も多いからね」
横島達が雑談していると、
「そろそろ時間やで、皆」
鬼道がそう声をかけてきた。
そして横島達は講演会場へと向かった。


GS美神if14 久々の再会


それは横島達に事務所を訪れた鬼道の一言から始まった再会だった。

「横島はん、君に講演してもらいたいんだけど」
「俺が講演? 何回もしている美神さんのほうが適任だろ?」
横島がそうたずねると鬼道は
「それが美神はんはその日用事があるそうで断られたんです」
と答えた。

「それでなんで横島なんだ?」
雪之丞がそう当然の疑問を口にする。

「美神はんが推薦したんですよ。それに前回の横島はんの講習の生徒の反応もよかったので理事長も是非にと」
「それじゃ仕方ないな、横島。やるしかないだろ。それに相手は女子高生、うらやましいかぎりだな。代わってもらいたい位だぜ」
雪之丞がニヤニヤしながらそう言うので横島は人事だと思って気楽に言うなと思い、何か言い返してやろうとした。

だがその前に鬼道が
「そういってもらえると助かります。では横島はん、伊達はん。よろしくお願いします」
と言った。

「はっ! ちょっとまて!! 俺も講演するのか!?」
まさかそういう展開になるとは思っていなかった雪之丞はあわてたように鬼道に聞き直した。

「いや、どう頼もうか困っていたんですがそう言って貰えて良かったです」
鬼道がそう答え、横島も
「良かったな、お前も女子高生相手に講演ができるぞ」
と巻き込むかのように雪之丞の発言の揚げ足を取ると雪之丞はあきらめたようにうなだれた。


雪之丞も納得?したところで横島達はその講演会についての話し合いをし始めた。

日時や時間などを鬼道から説明してもらったがそこで雪之丞が
「俺達が美神の旦那の代わりに講演するのは役者不足じゃないか?」
と鬼道に聞くと
「その点は大丈夫です。お二人のほかにも小笠原さんと西条さんにも講演してもらいますから。それに生徒からの質問に答えられる範囲で答えてもらえれば十分ですから」
と難しく考えないで気楽に考えていてくださいと言った。

鬼道が帰った後、ルシオラ、ケイ、パピリオの三人が
「講演頑張ってね。ぜひ見に行くから」
とそれぞれの口調と表情で言ってきた。
それを見た横島達は恥をかかない程度には頑張ろうと硬く誓い合った。


そしてとうとう横島達が講演する日が訪れた。
見学をする三人と別れ、俺と雪之丞は控え室へと向かった。

そこにはもう他の講演者達が来ていたが、予想していた面子とは違っていた。
そこにはタイガー、ピート、それに西条がいた。

「西条はともかく、何でタイガーとピートがいるんだ?」
「ワシはエミさんの代理ですケンノ〜」
「ボクは西条さんの付き添いです。今西条さんについて研修中でして」

そういうわけで横島達四人は久々に顔を合わせた。
妙神山での修行以来、今までこの全員がそろうことはなかった。


そこでお互いに近況なんかを話していると西条が
「久々にあって積もる話もあるだろうがその前に仕事の話をすませようか」
と忠告した。

そして今日の講演について鬼道も交え六人で話し合った。
基本的には全員で生徒からの質問に答え、何かあったら西条がフォローすることになった。


そして講演が始まった。

最初こそ皆始めての講演ということで戸惑い、何度も西条にフォローしてもらっていたがそのうち緊張もほぐれ、なんとか質問に答えられるようになっていった。


そんな時、雪之丞はとんでもない質問をされる。

「伊達さんは誰のもので魔装術の修行をされたのですか?」
この質問に雪之丞はうろたえた。

まさか
「メドーサという魔族に教わりました、てへぇ」
と言うわけにもいかないどろうなと横島は考つつ会場を見れてみればそのあたりの理由を知っている弓ら(弓、一文字、おキヌ)も心配そうに雪之丞を見ている。


どう答える気だろうと皆が雪之丞を見ていると
「とある魔族に教わった」
と雪之丞はいきなり言い放った。

会場がざわめく中、
「そいつは魔装術を暴走させて人間を魔族にしようとしていたんだが、途中でそのたくらみに気づいて俺はそいつももとから離れた。
でその後は修行して魔族になることなく魔装術を使えるようになった」
と続けた。
その答えに質問した生徒も含め会場のざわめきは収まった。

ピートが次の質問に答えているのを横目に見ながら横島は雪之丞に
「よくあんな受け答えがとっさに浮かんだな」
とささやいた。

すると雪之丞は
「あれは講演前に西条のダンナから『魔装術について聞かれたらこう答えるといい』といって教わっておいたんだよ」
と答えた。


その後も無難に講演は進行していったが、今度は俺が困った質問をされた。
それは
「どうやって文珠を覚えたんですか?」
と言う質問だった。

別に答えるのはかまわないのだが、それを答えると多分生徒たちは引くだろうな、と横島は思ったのだ。
どうしたものかと思案していると六道理事長が
「横島君正直に言ってくれてかまわないわよ〜」
と言ってくれた。

理事長がそう言ってくれたので横島は
「文珠を覚えるのに修行自体はたいして時間はかけていません。
多分十分くらいだと思います。文珠を使いこなす修行は今も続けていますけど」
と答えた。

そこまで聞いてた生徒は
「たった十分で文珠を使えるようになったんですか!?」
と驚いた表情を浮かべながら聞き返してきた。

「時間はね。ただし命がけの修行だったから」
と横島は妙神山の
『ウルトラスペシャルデンジャラス&ハード修行コース』
について説明し、
「ここにいる雪之丞、タイガー、ピート。それれに美神さんもその修行の経験者です」
と付け加えた。

それを聞いた生徒の大部分はやはり引いていた。例外は弓たちその辺のことを知るものぐらいだった。

そこで六道理事長は
「ここまでの修行はなかなかできるものではないし、おいそれとするものではないわ。
だからあんまりきにしないでいいわ〜。でも彼らの『上を目指す向上心』は大いに見習ってね」
と言った。

そしてそれが講演を締めくくる言葉となった。


何とか講演も終わり、横島達は六道学園から与えられた部屋でくつろいでいた。
西条は次の仕事があるとの事でピートに
「今日はもうあがっていいよ。横島クンたちとゆっくりしていきたまえ」
と言った後、早々と六道学園を後にした。

そして横島達は先ほどの続きの会話を楽しんだ。

講演は緊張したし、大変だったがピートとタイガーに久々に会えたのは良かった。
そんなことを思う横島と雪之丞であった。


事務所に帰るとルシオラ、パピリオ、ケイの三人が
「お帰りなさい。いい講演だったね」
と言ってくれたので俺と雪之丞はそろって照れくさかった。
それは後日弓たちにも同様のことを言われた時もそうだった。


あとがき

こんな感じになりました。

書きたかったのは「雪之丞が魔装術を覚えた経緯をどう説明するか」
「妙神山での修行を聞いて思わず引く生徒達」
だったんですがあんまりうまくかけませんでした。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

今年のGS試験も無事に終わった。
横島達の知り合いでは弓、一文字、おキヌの三人が受験し、見事合格した。
他にも六道学園の生徒が受験し、名門の名に恥じない合格者数を出した。

となると始まるのが修行先&就職先探しである。

通常、六道学園に来る生徒の大半は親がGSである為、そのまま自分の家で修行を続け一人前のGSと目指すのだが一文字のように突然霊力に目覚め六道学園に入学する生徒もいる。
そういった場合、自分で卒業後の修行先(個人事務所やオカルトGメンなど)を探すかそのまま六道学園の経営する事務所に所属し、そこで一人前になり独立するか六道学園の経営にかかわっていくか(六道学園の教師など)である。
そういったわけでおキヌはそのまま美神さんの下で、弓は自分の家で修行をするかと思われていたのだが・・・・・・。


GS美神if15 『彼女』の修行先はどこだ?


「で、何でかおりがここにいるんだ?」
雪之丞はそう事務所に来た弓にそう質問した。

「ここに雇ってほしいんです」
そう答える弓。

「弓さんはご実家で修行されないんですか?」
多分、ここにいる全員そう思っているであろうことをルシオラが質問した。

「そのつもりだったんですが、父から『一人前になるまで他所で修行して来い』と言われまして」
「で、ここに来たと」
「ええ、ですから雇ってもらえませんか?」
そう横島に頼み込む弓に対して
「う〜ん、正直言って俺もルシオラもパピリオやケイに色々と教えてるから弓さんに教えるほど余裕がないんだよな」
と女性と子供に優しい彼らしくもなく、弓にそう告げた。

「そうですか…」
それを聞くと弓は残念そうな顔をし、雪之丞は何か言いたそうな顔をする。

それを横目に見ながら横島は、
「だから…雪之丞が責任を持って指導・監督するならかまわないよ」
といたずらっぽく笑いながら続けた。

「「ええっ!!」」

「嫌かい? いやならこの話はなかった…」
横島がそう言いかけると二人は
「雪之丞よろしくお願いします」
「ああ、これからよろしくな」
と改まった挨拶をしていた


そのやり取りを見ながらルシオラが
「ねえヨコシマ。何であんなうそをついたの?」
と横島にささやいた。

「あんな嘘って?」
とぼけたように越える横島。

「確かにケイとパピリオに教えているけど弓さんに教えるぐらいの余裕はあるでしょ? 弓さんはもうほとんど基本はできているんだから」
「ああ、そのことか。弓さんにも雪之丞にもこの方が良かっただろ。職場で二人で居れるんだから」
「確かにね。でも二人をからかって楽しんでなかった?」
「やっぱり分かる?」
「ヨコシマの事だもの。分かるわよ」

そんな二人に聞かれたら大変なやり取りを横島とルシオラはしていた。


ところで他の二人だが、おキヌは予想通りというか予定通りと言うか美神の事務所でこれからも修行する事が決まった。

一文字はエミの事務所で働く事が決まった。

去年のGS試験でタイガーは見事GS免許を取り、その後妙神山の修行を経てから単独で除霊をすることが多くなっており、エミとしても新たな護衛役が欲しかったそうだ。
一文字の方もも六道学園でおキヌちゃんをはじめとする護衛役に回ることが多く、そういう除霊に慣れていたからエミの提案は渡りに船だったそうだ。
もちろんタイガーがいる職場、と言うのも大きな理由だろう。


また、今回からGS試験も大きな変化があったのだ。
唐巣神父が日本GS協会の理事になり、その成果か試験方法が変わったのだ。
一次試験は従来通りだが、二次試験は二回戦を勝った者プラス、審査員が試合内容を見て十分にGSの素質ありと感じた者にも合格が言い渡されるのである。

これはおキヌの『ネクロマンサー』のように直接戦闘に向いてはいないが優れた能力がある者、対戦者があまりにも強く、実力は合格レベルにある者への対応として生まれた制度だ。
もっとも、おキヌ自身は美神さん直伝の体術と横島に教わったサイキックソーサー、そしてネクロマンサーの笛を使い見事実力で合格したのだが。

なぜこんなにも横島達が詳しいかと言うと、試験を皆で見に行き、そこで唐巣神父本人から聞いたからだ。
ケイ達中学生四人組は試合を見ながら試験に出れない自分たちが少々悔しかったようだが。


第一回保護者会議でケイ達四人は高校生になるまではGS試験は受けさせない事になったのだ。
四人は不満がっていたが、
「中学生の本分は学校と勉強」
との正論に渋々ながら納得した。


その後、弓は学校が終わった後今まで以上に事務所に顔を出すようになった。
横島達と一緒にカオスから色々教わったり、除霊に行ったりもした(もちろん学校に影響が出ない範囲で)。

四月から弓が正式な事務所のメンバーになればこれまで以上に仕事が楽になるだろうし活気付くだろうな。
独立してから二年目を向かえ、横島はそう思いながらこらからも頼りがいのある仲間達と頑張っていこうと想いを新たにした。


あとがき

GS試験の新しい制度は『ナルト』の中忍試験制度を参考にしています。
『ナルト』を読んでいてこの制度ってかなり良いなと思ったもので使ってみました。

個人的にはある一定量の霊力さえあればその全員にGS免許を与え、その後の仕事と成果にあわせ行える仕事のレベルが上がる、
といったようなランキング制度みたいなものを取り入れたほうがいいのではとも思っていますが。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


横島、雪之丞、ケイの三人は今日も今日とて彼らのマンションの屋上で修行。
その一方、ルシオラ、弓(たまたま遊びに来ていた)、美衣の三人は一緒に夕食の準備をしていた。

夕食の準備もつつがなくでき、ルシオラと弓は上で修行をしている三人を呼びに行く。
特に何の音もしていないので修行も終え、何か話しでもしているかと思いながらルシオラは屋上に通じる扉を開けようとした。


GS美神if16 男達の秘め事


が、そこで
「兄ちゃんもう勘弁してよ…」
とかそぼいケイの声が聞こえ、ルシオラは扉を開けるのを躊躇する。

そんなルシオラを不思議そうにみながら弓も扉に近づくと
「だめだ。もうちょっと」
「頼む、もうちょっとだけな」
といった声が聞こえる。


そんな声を聞いてしまったルシオラと弓の二人はもっとよく聞き取るために扉に耳を押し当てる。
そんなことをせずにさっさと扉を開ければ良いようなものだが、一度タイミングを逃すとなかなか開けにくいようであり、三人が隠れて(女性陣の主観)何をやっているのか知りたいからだろう。


そんな状況になっているとも知らず、三人は何かをし続けていた。

時折聞こえる、
「―――ここが気持ち良いんだろ?」
「―――この感触がたまらないな〜―――」
「うう、恥ずかしいよ〜―――」
といった声が聞こえ、ルシオラと弓はあらぬ想像をし、パニック寸前である。
そういう世界があるのは知っていたが、まさか自分達の恋人が!!?


そして二人はお互いを見合い、うなずきあった後意を決っして屋上につながる扉を開け放ち、
「一体何を…」
と言いかけて言葉を失った。

屋上にあった光景はある意味二人の想像を超えるものだったのだ。


そこには、若干恥ずかしがりながらも気持ちよさそうにしているケイ(ネコ形態)と、そのケイをかわいがり、楽しそうな顔をした横島と雪之丞がいたのであった。


「で、一体これはどういうことなの?」
思考停止から復活したルシオラは複雑そうな顔をしながら男三人にそう問いかけた。


「ん? 先日俺と雪之丞と街を歩いていたら可愛い子ネコがいてな。
かまいたかったんだが思ったんだが、人通りの多いところで男二人がネコを可愛がるってのは気恥ずかしいだろ?
でそのネコとは別れたんだが、なんだか妙にネコと遊びたくなって。
そこでケイに冗談半分に『お前ってシロやタマモみたいに動物形態になれるのか?』って聞いたらなれるって答えたんだ。
そこでケイに動物形態になって貰って雪之丞と一緒にケイをかまっていたんだ」
「そしたら結構面白いというか、はまったというか。まあそんなわけでそれ以来屋上での修行が終わった後たまにケイに動物形態になってもらってたんだよ。
で今日がたまたまその日だったってわけだ」
そう言いながら横島と雪之丞はケイの肉球をぷにぷにといじる。
心なしか幸せそうな顔をしている二人。


「そういうことでしたか。でもそれなら何で私達にも秘密にしていたのですか?」
知っても別にからかいもしませんわよ、と弓。

「何となく言いそびれただけだよ」
「そうそう」
「うんうん」
急に息のあった答えするをする男達を若干不審がりながらも一応納得するルシオラと弓。
夕食できたので早くくるように言い、その場を後にした。


女性陣が去り屋上の扉がしまった後、男性陣はなにやら相談し始めた。

「どうしよう兄ちゃん! あの二人に知られちゃったよ!!」
「ケイが嫌だっていっても納得しないだろうしな。まずったな」
「やばくなったら仕方がない、『忘』の文珠でも使うか?」


彼らの心配事はケイに動物形態になってと女性陣も頼むのではないか、ということだった。
「ルシオラさん達にもなでられたりするのは恥ずかしいから」
その為、最初に横島と雪之丞がケイに動物形態になってもらった時からこの事は男達の秘密になっていたのだ。


そして彼らの心配は見事に的中し、彼らの計画は失敗した。
夕食後、ルシオラ達がケイに
「私達もネコケイ君と遊びたいな」
と言い、横島がすかさず文珠を使おうとしたのだが発動前にバレ、記憶を消せなかったのだ。


その上、
「「ヨコシマ(雪之丞)はいいのに私達はダメなのね」」
との言葉と共に「よよよ」という効果音が似合いそうな動作で目元を隠した。
あからさまにあてつけで、ウソ泣きなのだがその光景にケイはたじたじになってしまった。


―――ケイが女性陣の圧力に耐えられたかどうかは、秘密にしておこう。
ケイの名誉とプライドのために……。


ただ、困っているのをただ見ていただけ(二人に言わせれば、助けたくても助けられなかったのだが)の横島、雪之丞の二人にケイが機嫌を損ね、
機嫌を直して貰おうをする姿や、四人でネコケイを可愛がる姿がみられたことをここに告げておこう。


オマケ

「う〜恥ずかしいからもう嫌だよ!」
我慢の限界か羞恥心の限界か?
ともかくケイは断った。

それを聞いた四人はただジーとケイを見つめる。
もっとも視線が露骨に
「もっと〜」
「後ちょっとだけ」
「ケイクンのいけず」
「頼むよ、なあ」
と語ってはいたが。


そんな視線に負けないようにケイは叫ぶ。
「そんなにネコと遊びたいのなら母ちゃんに頼めば良いじゃないか!!」


その言葉に男性陣は自分がネコ化した美衣を可愛がる姿を想像し、女性陣は自分の恋人がネコ化した美衣の体を触って遊んでいる姿を想像した。


「「イヤ、ソレハマズイダロ(大汗)」」
「「ソレハダメヨ色々ト(大汗)」」
「そ、そうだね(汗)」
言いだしっぺのケイも何やらマズイモノを感じたようだ。


彼らの間に一瞬の沈黙が訪れるが、
「あら、私なら良いですよ?」
美衣の言葉によりそれは崩れ去る。

「「「「遠慮シトキマス」」」」
四人の息のあった返答。

「そう? 残念だわ」
と美衣はオトナっぽい笑みと共にそう呟いた。

本気だったのか、はたまた冗談だったのかは彼女自身しか分からない。


また横島事務所の平和な記録が一ページ。(By 銀英伝)


あとがき

いかがだったでしょうか?
本当はもうちょっと男達三人にやおいな匂いを出させたかったのですが、私の力量ではこの辺が限界でした。


皆さんの感想を読ませていただいた結果、ちょっと修正とおまけをつけました。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「横島、お前とまたこんな風に戦える日が来るとはな。腕が鳴るぜ」
「俺としてはどうでも良いんだが」
「そうつれない事言うなよ。あのときの決着をつけてやる」
雪之丞は神通棍を正眼に構える。

「そいつはそうかもな」
対する横島は左足を前にし、若干腰を落とす。

「では」
「いざ尋常に」
「「勝負!!」」
その刹那、二つの神通棍が交差した。


「楽しそうね、二人とも」
「そうですね」
「見てるこっちも興奮しますね」
ギャラリーたるルシオラ、弓かおり、氷室キヌはそう感想を述べる。

こうして横島忠夫、伊達雪之丞の撮影はスタートした。


GS美神if17 新たな一面?


事の起こりは横島事務所への、近畿剛一こと銀一からの依頼電話だった。
内容は『踊るゴーストスイーパー』の劇場版が好評だった為続編を作ることになり、そのクライマックスで悪役GSと銀一が一対一で対決するシーンがある。
その参考にしたいので本物のGSの対決を見せてもらいたいという物だった。

ほかでもない友人たる銀一の頼み、横島が断るわけもなくその依頼を受けた。
で本日がその依頼の日であり、横島、雪之丞の他に付き添いとしてルシオラ、かおり、おキヌが撮影スタジオにやってきたのだ。
(ちなみにかおりの他におキヌがいるのは前回の銀一の依頼の際に本人におキヌが会えなかった為、横島達が気を遣って誘ったのだ)。


上記の面々と撮影スタッフが見守る中、横島と雪之丞の撮影という名の模擬戦闘は続く。
二人の扱う神通棍がある時は二人の頭上で、ある時は顔先でまばゆいばかりに交差する。
一方が攻撃すればそれはもう一方に完璧に防がれた。

今度はお互いに距離を取っては破魔札を投げ合う。
が、互いの中間でぶつかり合い爆発が起こる。

二人の実力が拮抗している為か、互いに有効打が出ないでいる。

何十合目と分からなくなるくらい神通棍を交えた後、二人は指し示したように距離を取った。
あれだけ激しい戦闘をした二人だが、ほとんど息は切れていなかった。


「そろそろ」
「終わりにしようか」

そして二人は懐にある最後の破魔札を同時に投げる。
今迄で一番大きな爆発が起こり、爆煙で二人の姿が見えなくなる。

爆煙が晴れるとそこには互いに神通棍を突きつけた状態で止まっている横島と雪之丞がいた。
その光景はヒロイックサーガのようだった。


「すごいな、横ッちも伊達さんも!」
銀一が二人の所に来るなり口を開く。
かなり興奮しているようだ。

美神とは違うが、二人の神通棍を使う姿はなかなかさまになっていた。
美神を柔とすれば二人は剛といった感じだろうか。

そこに女性陣も到着する。
「お疲れ様」
そう言いながらルシオラとかおりは二人にタオルとドリンクを渡す。

横島と雪之丞は
「サンキュー」
と答えそれを受け取った。

「それにしても横島さんも雪之丞さんもあんなに上手く神通棍使えたんですね」
感心しました、とおキヌ。

「ああ、妙神山の修行で一応剣術も教えてもらったから」
「実際の除霊じゃ持っていってもめったに使わないがな」
「どうしてですか?」
「神通棍って使えば使うだけ徐々に消耗するだろ? そのこと考えると勿体無いしサイキックソーサーと栄光の手で十分」
「それに魔装術で直接ぶん殴ったほうが向いてるし、気持ちが良い」
おキヌの問いに彼等らしく答える。

「サイキックソーサー? 栄光の手? 魔装術? 一体なんのことだ?」
そんな三人の会話を耳ざとく聞いていたのか銀一が疑問の声を上げる。

「ああこれだよ」
横島はサイキックソーサーと栄光の手を、雪之丞は魔装術を展開する。
「俺達はこっちが本来の除霊スタイルなんだよ」
魔装術を解除しながら答える雪之丞。

それを聞いた銀一は何かを考え込むような様子を見せたが、すぐさま横島と雪之丞に顔を向け、
「悪いけどそっちでも戦ってもらえんか?」
と頼み込んだ。


そして少し休憩した後、横島と雪之丞は再度対峙した。
横島は右手に霊波刀形態の栄光の手、左手にサイキックソーサーを構え。
雪之丞は魔装術を身に纏う。


先手は雪之丞。
まずは小手調べ、とばかりに霊波砲を連発する。

対する横島はすばやくかわし、避けきれなかったものは栄光の手で切り裂くかサイクックソーサーで弾き返した。
はじき返された霊波砲に雪之丞が対応する一瞬出来た間を使い、横島は両手にサイキックソーサーを展開し時間差をつけ雪之丞に投げつけた。
霊波砲で迎撃しようとするが、その霊波砲を切り裂きながら雪之丞に迫るサイキックソーサー。
それを見た雪之丞は自らもサイキックソーサーを作り相殺する。

その間に出来た隙を使い横島は距離をつめ、栄光の手で切りかかる。
本来のスタイルだからだろう、先ほどの神通棍で見せた剣術より速くしなやかな攻撃。

対するする雪之丞はそれらの攻撃を交わし防ぎながらじりじりと間合いをつめ、自らが得意な超接近戦―――殴り合いの距離―――に移行させようとする。
そうはさせじと横島は栄光の手を振るう。
しかしこの距離の戦いでは雪之丞に一日の長がある。
ついに雪之丞が攻撃をかいくぐり、横島に肉薄する。
慌てて横島が距離をとろうとするが雪之丞の攻撃のほうが速い。

雪之丞の拳が横島の鳩尾に吸い込まれるように放たれる。
これで決まるのか!?
見ている誰もがそう思った瞬間、雪之丞の拳は不可視の壁に阻まれた。

雪之丞は攻撃が防がれたと分かった後、ほとんど無意識にその場から離れようとする。
が、それより早く横島の栄光の手が喉の下に突きつけられた。
こうして二人の戦いに決着がついた。


この戦いを見ていたすべての観客は声が出なかった。
先ほどと違い、二人は一言も発することなく戦っていたので妙に現実感がないように感じられたのだ。
それこそBGMさえあれば十分映画のワンシーンであった。

戦いの内容もすごかった。
一般人がGSというとほとんど神通棍とお札で戦うというイメージがある為、横島と雪之丞の戦いはまるでアニメかマンガの世界のように感じられたのだ。


そしてしばしの時間がたつと撮影スタジオに二人をたたえる拍手が鳴り響いた。


「でも雪之丞のあの攻撃を何でふさがれたのですか?」
先ほどより疲れたのか、いすに腰掛け休んでいる二人にドリンクを渡しながら聞くかおり。

「ああアレね。実は戦う前にこっそり『防』の文字を込めた文珠をポケットの中に入れといたんだよ」
「何かせこいですよ、横島さん」
「そう言うなよおキヌちゃん。一対一の戦いは雪之丞に分があるんだから。それに俺は文珠使いなんだからアレぐらい予想範囲だろ?」
「まあそうだな。色々言いたいことも無い訳じゃないが、友人の前だからいいところは譲ってやるさ」

オトナな対応の雪之丞。
そんな雪之丞に横島は
「悪いな」
と笑うのだった。


その後二人は撮影スタッフのいくつか質問に答え、依頼は無事終わり横島達は銀一と食事に行くのであった。
横島と銀一の暴露大会で大いに盛り上がった。
おキヌも念願の銀一にサインを貰うどころか色々話せて喜んでいた。


これから約半年後、『踊るゴーストスイーパー』の劇場版二作目は歴代の邦画の記録を塗り替える大ヒット作品になる。
そしてその後に発売・レンタルスタートされたDVD・ビデオも記録的に売れた。
その巻末には映像特典として横島と雪之丞の模擬戦闘シーンが入っており、それにより横島事務所の名前は飛躍的に一般人の間でも有名になる。
ただその影響で横島と雪之丞宛のファンレターが事務所に来るようになり、そのあまりの多さに皆が驚いたのは。


今はまだ先の話である。


あとがき

いかがだったでしょうか?
戦闘シーンは向いてませんね。ホント、うまく書ける人がうらやましいです。

神通棍をうまく扱う横っちとユッキーってのは新鮮かな〜と思うんですがどうでしょうかね?


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


ほとんどの者が何がしかの進路を決め、おキヌたち六道学園高等部三年生は残すは卒業のみといった感がある。
だがその前に六道女学園からあるある意味学校生活最大の行事が彼女達を待っている。

一週間合宿所に泊り込み、そこで外部からも講師を招き、霊能教育最後の大仕上げをするのである。
氷室キヌ、弓かおり、一文字魔理はもちろんのこと。
講師として美神令子、小笠原エミ、横島忠夫、伊達雪之丞、タイガー寅吉、ドクターカオス。
手伝いとしてルシオラ。
忙しい為全日程参加できないが唐巣神父、西条輝彦&ピエトロ=ド=ブラドー。

そんな豪華(すぎる位の)講師陣に鬼道ら学園の教師で最後の授業を行うのがこの合宿の目的である。


GS美神if18 卒業前の修行合宿


この合宿は基本的に生徒のタイプ別に行われる。

美神のように神通棍や破魔札などの除霊道具を使うのが主な者。
エミのように呪術師系。
雪之丞のように霊力を身にまとい攻撃、または霊波砲の得意な生徒。
タイガーのように精神感能能力者タイプ。
鬼道のように式神を使うもの。

このような分類に別れてそれぞれに行われる。
なお横島は先日見せたように神通棍、破魔札もそれなりにつかえる為美神と雪之丞の補助。
ルシオラは雪之丞とタイガーの補助である。
カオスは上記に分類されない除霊道具作成や研究者タイプの講義を受け持っている。


カオス以外の授業は基本的に実戦である。
生徒を式神ケント紙との対戦させ、その戦いの良い所悪い所を指摘する。
エミとタイガーの授業はその能力の特性上補助になることが多い為、講師陣が式神ケント紙と戦い、いかにその補助が出来るかがポイントとなった。
こうして午前午後は消化される。

夕食後は講師陣が自らの経験を踏まえたその時々の対処法、除霊道具の選定方。
実際の除霊で気をつけなければならないことなどを教える。
生徒とは比べ物にならない戦い、あるいは修羅場を潜り抜けてきた面々の言葉である。
その一つ一つに重みがあり、生徒は神妙な表情で聞き漏らすまいと真剣に聞いていた。


さてここでそのいくつかを紹介しよう。


西条の場合〜作戦の重要性〜


「まあ当分君たちはまだ使われる立場だからまだ関係ないかもしれないが、知っておいて損はないから聞いて欲しい」
そう前置きして西条は話し始めた。

「自分一人で除霊出来れば良いが、多くのGSは合同で除霊に当たる事の方が多い。
そのときにきちんと役割分担し作戦を立てないとせっかく集まっても意味がない」
そして西条は事例を挙げながら有効的な作戦案を挙げていった。


「流石は西条さん。伊達にママの弟子じゃないわね」
「西条と美神さんとどっちが戦術家として上ですか?」
そんな西条の講義を脇で聞いていた美神と横島の師弟コンビが小声で会話する。

「それは西条さんよ。いくら高価な除霊道具使いたい放題といってもオカルトGメンには未だ人手が足りないから除霊で怪我人が出ただけで大幅な戦力低下につながるわ。
それだけに慎重な作戦が求められる。それに除霊失敗ということになれば私達以上に信用問題になるからシビアよ」

美神も雇用者という立場から作戦を立てることは多々ある。
だがおキヌ、シロ、タマモはかなり有能で高戦力GS(実際にはシロとタマモはGS見習いだが)であるし、
前衛のシロ、後衛のタマモ、戦闘補助のおキヌ、万能型の美神とバランスのいいメンバーであるから作戦も立てやすい。

ちなみに横島事務所は雪之丞は前衛後衛両方をこなし、横島、ルシオラとも万能型である。
特にルシオラのパワーは飛びぬけているため細かい作戦などいらず力づくでかたがつく。
その為彼等の作戦は如何に効率よく除霊するかではなく、如何に除霊対象物に被害を出さないかが目的である。
(ここで言う前衛は近接戦闘者、後衛は遠距離攻撃が出来るもの、補助はネクロマンサーの笛やタイガーの精神感能など、万能型は言わずもがなのその両方が出来るものである)


美神&横島師弟の場合〜GS最強は誰か〜


これは生徒からの質問から始まったものである。
「今の日本GS界で最強って誰なんですか?」
とある生徒が何気なく質問したのだ。
他の生徒も気になるらしく是聞いてみたい様だ。

が肝心の美神と横島は困った顔をした。
「難しい質問ね。何を持って最強とするの?」
と逆に聞き返した。

もちろん生徒はその質問に答えられなかった。

「その質問は範囲が広いね。例えば戦略家としては隊長・・・美神美智恵さんだろうし、近接戦闘―――つまるところド突き合いだけど―――なら雪之丞。
呪術士としてはエミさんが最高峰。精神感能ならタイガーの右に出るものはいないだろうしな」
「そうね。戦術家としてならママか西条さんだし知識ならドクターカオス。式神使いとしては冥子だろうし」
具体例を挙げながら師弟コンビは話していく。

「それじゃ美神さんと横島さんではどちらが強いんですか?」
「条件によるわね」
「そうっスね」
「どういうことですか?」
魔理が聞いた質問に美神と横島は答え、それを聞いたおキヌは疑問の声を上げる。

「俺と美神さんじゃ同じ万能型でも意味が違うからね。
俺はサイキックーソーサーと栄光の手、文珠を使う除霊道具を必要としない自らの霊力を収束するタイプ」
「それに対し私は神通棍、破魔札、精霊石に霊体ボーガンなどの道具を使う、自らの霊力を増加させるタイプだから。
条件次第でどちらか有利かぜんぜん違うわ」

「だからそうね。限られた条件で戦えば横島クンが有利だし、無条件で戦えば私のほうが有利かな」
「でしょうね。美神さんが『竜の牙』と『ニーベルンゲンの指輪』を使えば約千マイトまで霊力が増強出来ますからね」
ちなみに横島がその二つを用いてもそこまでは増強出来ない。

これは横島とこの二つの相性が悪いのではなく、美神との相性が良いからである。
除霊道具の性能を横島が百パーセント引き出せると仮定すると、美神のそれは百二十〜百五十である。

「ま、そんな訳でどちらか上かは一概に言えないな」
「それにどちらか上って事よりも、如何に依頼を無事に成功させる事の方が大事よ」
そう締めくくられた。


この後の日程も問題なく消化され、あっという間に最終日になった。
「さて皆さんご苦労様。これで授業は最後になるけど各自これからも修行は怠りないように」
それが合宿最後の行事、大宴会の開幕の挨拶であった。

皆が高校生ということもあり、当然アルコールは厳禁だが合宿が終わったという開放感も手伝い、大いに盛り上がった。

あらかた食事も終わると余興の超豪華景品付ビンゴゲームが始まった。
ちなみに景品は講師陣も出している。


美神は自らも使っている最高級神通棍。
横島は元手こそかかっていないが『防』と刻まれた文珠。
雪之丞は無料で除霊を手伝う券(子供っぽいが雪之丞の実力を考えるとお得である)。
六道理事長からは各種除霊道具。
そして各講師陣からマンツーマンで指導が受けられる権利。
などなど。

数字が鬼道から読み上げられるたびに一喜一憂する生徒。
こうして一週間にわたった修行合宿は大盛り上がりのうちに終わったのだった。


あとがき

いかがだったでしょうか?
ちょっと理屈っぽい話でした。
それにしても合宿と言いながら修行光景がほとんどないですが気にしない方向でお願いします。

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