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▽レス始

「Legend of Devil Vol.11 Beginning その1〜3(GS)」

鱧天 (2005-10-17 00:38)
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 「横島忠夫に伝えときな! 今度合うときは必ずアンタの命を貰うってね!」


 Legend of Devil Vol.11 Beginning その1


 「な、なんだこの魔力は!?」
 「特殊空間の方です!」

 その異変にいち早く気付いたのはワルキューレだった今までに感じた事のない誰のモノとも一致しない魔力があふれ出してきたのだ。

 「みんな待つのね〜、そっちも大変だけどこっちにもお客が来てるみたいなのね〜」
 「客?!!!!?こ、この感覚は・・・・・・・・・」

 門越しに感じられる“客”の威圧感は以前体験した事があるモノだった。タマモはその感覚に恐怖し、身を固めた。

 「タマモさん大丈夫ですか!?」
 「この魔力は・・・・・・・・・」
 「メドーサか!」

 上から順に小竜姫、ベスパ、ワルキューレである。

 ドッカ〜ン!!

 そう話している間にメドーサによって妙神山の門が破壊されてしまった。

 「しっかしいっつも思うけどここの門番は役に立たないねぇ。 え? 小竜姫?」
 「メドーサ。 一体ここへ何をしに来たのですか!? ここは貴女のような者が来るところではありません!」
 「決まってるじゃないか、横島忠夫を殺しに来たのさ。 これまでの雪辱と私の右腕の仕返しにね!!」

 そう言いながら踏み込もうとした瞬間、冷たい金属音がメドーサの後方でなった。

 「そのまま動かないでいて貰おうか」
 「おやおやこれはこれは正規軍の士官ではありませんか、おや、ベスパもいるのかい。おたく私らが横島に何しようと口を出きないって言ってなかったかい?」
 「・・・・・・・・・今日は任務でね」

 (小竜姫だけならまだしもワルキューレ、ジーク、ベスハが居るとなるとさすがに分が悪いねぇ。ここは大人しく引いた方が良いかね)

 「そうかい、ま、この人数じゃさすがに分が悪いねぇ。今日はこれで帰らせてもらうよ」
 「逃がすと思うか!?」

 ワルキューレが引き金を引こうとした瞬間メドーサの眷属である蛇神が現れ爆発し、妙神山修行場の中を煙でいっぱいにしてしまった。

 「横島忠夫に伝えときな!今度会うときは必ずアンタの命を貰うってね!」

 「っく! 逃がしたか!」

 爆発による煙が晴れた頃、横島専用特殊空間の扉が開いた。扉から出てきたのは斎天大聖とその斉天大聖に担がれた意識のない横島だった。

 「「「「「「「横島(さん)!!!!?」」」」」」」
 「老師横島さんの容態は!?」
 「うむ、意識がないだけじゃ。 体自体は何ともないぞ」
 「横島の体から出ているこれは魔力?」
 「うむ、魔族への変換も無事終了したようじゃ」
 「じ、じゃぁヨコシマは?」
 「大丈夫じゃ、魔族の人格は消滅したようじゃ」

 一斎に横島の元へ集まっり口々に横島の容態を確認する小竜姫、ワルキューレ、タマモ。

 「よかった・・・・・・・・・ヨコシマ」

 横たわった横島に縋り付き、横島の胸板に顔を沈めるタマモ。

 「・・・・・・・・・フン」
 「ワルキユーレ、タマモさんの行動は横島さんを思うが故の行動でした。結果はどうであれその気持ちを尊重する事も大事ではありませんか?」
 「それは神族としての意見だな、魔族は結果が全てだ!」

 小竜姫の問いに背を向けたまま答えるワルキューレ。

 「・・・・・・・・・だが、結果として巧くいったようだな」

 そう言いながら横顔に笑顔を見せるワルキューレだった。


 続く


 「・・・・・・ベスパ、パピリオ、みんな、ルシオラを復活させようと思う」


 Legend of Devil Vol.11 Beginning その2


 「こ、ここは?」
 「ヨコシマ!!?」

 目覚めたとき一番最初に眼に飛び込んできたモノはタマモの顔だった。嬉しそうな笑顔の筈なのだが大粒の涙がたくさん溢れていた。

 「タマモ・・・・・・最近泣き虫やな?」
 「誰の所為よ」

 ガチャ!

 その時タマモの後方にある扉が勢い良く開かれ3人ほど中へと入ってきた。

 「横島さん、目が覚めたのですか?」
 「え? 小竜姫様?」
 「ヨコチマー!!」

 ドゴス!

 「ぐほぉ!」

 素晴らしいパピリオのヘッドタックルがヨコシマの鳩尾へときれいに決まった。

 「パ、パピ・リ・・オ・・・・・・」

 横島はまたも深い眠りへと・・・・・・・・・

 「ヨコチマどうしたんでチュか!?」
 「アナタの所為でしょ!?」
 「俺生きてるンスか?」
 「当たり前だ」

 横島の質問に扉の奥から答えが返ってきた。

 「義兄さん大丈夫そうだね?」
 「ワルキューレ! ベスパ!」
 「しかしギリギリのタイミングじゃったの」
 「師匠!?」

 感動の再開の中斉天大聖も扉の奥から入ってきた。

 「お主の霊力倍増、少し遅ければお主はヤツに喰われとった。 じゃが早ければ体がついていかず破滅しとったじゃろう。 体の魔族化途上でのギリギリのタイミングじゃったの」
 「じゃぁ俺は」
 「うむ、体も、霊格も魔族になっておる」
 「私が確認したのね〜!」
 「僕も確認しました!」

 斉天大聖の言葉に続きしゃしゃり出てきた2人。

 「ヒャクメ! ジーク! ・・・・・・居たのか?」
 「酷いのね〜(です)! 最初っから居たのね〜(ましたよ)!」

 同時ツッコミ。なにげに仲のいい神魔情報士官の2人だった。

 「さて、横島これからのお前の身の振り方なのだが・・・・・・・・・」
 「あぁ」
 「人界及び妙神山において魔力コントロールを身に着ける事!」
 「え!?」
 「確かに横島を魔神として受け入れる事にはなっているが力のコントロールの出来ない魔神ではどうなる事か解ったものではないからな。 魔力を完全にコントロールするには100年ほどの鍛錬が必要だ。 100年は好きに生きろ。 これが上の決定だ」

 ワルキューレの言葉をポカンとして聞いていた横島。どう反応すればよいか分からなくなっていた。

 「返事は!?」
 「ハ、ハイ! ・・・・・・・・・ワルキューレ、ありがとう」

 横島は神魔両族の慈悲深さに涙した。

 「・・・・・・ベスパ、パピリオ、みんな、ルシオラを復活させようと思う」
 「ホントでチュか!!?」
 「あぁ、ルシオラの霊格は俺の中でもう隔離してある。 そしてこの霊波片に合わせれば・・・・・・・・・復活出来るはずだ」

 横島の「いくぞ?」という言葉とともにルシオラの復活儀式?が始まった。横島が常に肌身離さず持っていた蛍の形をしたルシオラの霊波片に横島の体内にあったルシオラの霊気構造を合わせていく。

 「ダメか」
 「霊気構造が足りないんだ。 今はこれが精一杯さ」
 「・・・・・・・・・そうだな」
 「でもルシオラちゃんはルシオラちゃんでチュ!」
 「そのうち記憶も戻るはずなのね〜。 姿が以前のルシオラさんと重なればフラッシュバックで元に戻るのね〜」
 「ホントでチュか!?」
 「えぇ、プロテクトがかかってるみたいだけど記憶はルシオラさんの中で眠ってるのね〜」

 間延びしたヒャクメの言葉に元気づけられる一同であった。


 続く


 「え、えぇまぁ、この子の名前も蛍(ほたる)、横島蛍になりました。」


 Legend of Devil Vol.11 Beginning その3


 美神除霊事務所

 「暇ね〜。 何かドガッと一億くらいの依頼来ないかしら?」
 「タマモちゃんて静かだったけど居ないとやっぱり寂しいですね」
 「女狐が先生のところに行ってもう一月でござるか」
 「「「はぁ〜」」」

 美神達が所長席やソファーで項垂れているとき人工幽霊壱号の声が響いた。

 「美神所長、お客様です」
 「え〜、誰よ? 面倒くさそうなら帰って貰って」
 「え〜と、横島様とタマモ様です」
 「「「横島(せんせい)くん(さん)!!?」」 と、通して

 突然の訪問に驚き、中には前のめりになりすぎて転ける者も居た。当然シロである。

 「開けられる?」
 「ちょっと難しいな」
 「じゃぁ私が抱いてるわ」
 「ん? じゃぁ頼むわ」

 扉の向こう側で横島とタマモの声がするが小さすぎて何を言っているのかは聞き取れなかった。

 ガチャ

 扉が開き、以前見慣れたジーパン、ジージャン、そして赤いバンダナを巻いた少年?と金髪を九つのポニーテール(ナインテール)にしている少女の姿が目に入ってきた。

 「こんちはッス、美神さん。 おキヌちゃん、シロ久しぶりだね」
 「横島さん!!」
 「せんせぇ!!」

 「横島くん久しぶりね。 今日はどうしたの?」

 横島の以前聞き慣れた挨拶に美神も返事を返したが

 「や、やめろって、シロそんなに舐めるなよ」

 おキヌに抱きつかれ、シロに顔を舐め尽くされ横島は返事どころではなかった。


 一段落つき、シロは頭に大きなたんこぶをつくってソファーで小さくなっている。どうやら美神にドツかれた様だ。そんな中紅茶を入れて事務所に入ってきたおキヌは

 「スイマセン、ついはしゃいじゃって・・・・・・・・・」

 と言っていた。

 「さて、それで今日はどうしたの?」
 「えぇ、ちょっと挨拶に」
 「挨拶?」
 「あれ? その赤ちゃんなんですか?」

 おキヌの一言で漸くタマモが抱えている赤ん坊に気付いた美神、シロ。

 「えぇ、その事もあって。 この子は・・・・・・・・・ルシオラです。」
 「「え゛?」」

 横島の言葉に驚いた美神とおキヌは顔を見合わせ

 「み、美神さん、確かルシオラさんて横島さんの子供としてじゃなきゃ生まれてこないんですよね?」
 「え、えぇ。 でも何でそのルシオラをタマモが抱っこしてるのよ?」
 「妖狐ってどの位で子供産むんですか?」
 「よ、良く分からないのよね・・・・・・・・・」

 視線をタマモに戻しもう一度赤ん坊を確認した。

 「「横島くん(さん)とタマモ(ちゃん)の子供!!?」」

 美神とおキヌの叫びに事の内容を微妙に理解したシロはテーブルを叩きつつ

 「ほ、ホントでござるか!!?」
 「え、えぇまぁ、この子の名前も蛍(ほたる)、横島蛍になりました。」

 ペコペコ頭を下げながら言う横島。横島は嘘をついた。実際タマモが子供を産んだ訳ではないのだから。しかし魔族化に伴って様々な危険が横島を襲う中、美神達を巻き込みたくないと言う横島の願いから美神達には魔族化を隠す事となり、復活したルシオラを見つかる前に紹介する為の口実として考えついたのがこれであった。(タマモ提案)

 「「「はあぁぁぁああぁぁぁ!!!!!?」」」

 口裏合わせとして美智恵や妙神山の面々には了承を得た。1つ問題があった。横島自身がこの嘘をつきとおしていけるか否かだ。嘘が苦手、いや性格というか本能的に嘘が付けない横島にはかなり苦しい生活が訪れるだろう。それでも横島にとっても、ルシオラにとっても新しい生活が始まるのだった。


 終わり


 あとがき
 こんにちは鱧天です。LoDを最終話まで書いてしまいました。さて、LoD11−1に書いたメドーサの襲撃ですが、どうしてももう一度出しておきたかったんです。鱧天はLoDを書き始めた頃書きたくてしょうがない作品がありました。それは『ゴーストスイーパー横島蛍』です。この作品はLoDの続編にと考えていた作品で、そこでもメドーサさんには大暴れして貰いたいと言う事でLoD11−1にも出場して頂きました。さてさて、凡そ10ヶ月にわたってお送りしてきた『Legend of Devil』ですがこれが最終話です。諄いようですが全35話でお送りしてきたLoDも終わり、次回より『ゴーストスイーパー横島蛍』をお送りしていこうと思います。今後ともどうぞよろしくお願いします!m(_ _)m


 レッスがっえっし♪
>ライガさん
>魔横島って横島君の影響まったく受けてない
はい、魔横島はルシオラの霊気構造と横島の霊気構造の影響で生まれた別人格ですからね。実際人格としては人間のそれよりも魔族のモノに近いと考えています。(だから基本は魔族の本能のみで動きます)

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