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「ひのめ伝説(GS)」

こーめい (2005-10-05 02:05)
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戦いは、佳境を迎えていた。


目前の敵にひのめは闘争心を燃やしていた。

かつてない強敵。

これまで自分の領域に入ってきて、5分と立っていられた者はいないというのに。

こいつは何度攻撃を加えても倒れようとしない。


疲労が全身を蝕み脳を侵す。

倒れてはだめだ。ここは自分の領域。敗北など認められない。

今倒れてしまえば、こいつに何をされるかわかったものではないのだ。

勝利を確認してからでないと、気を失うことは出来ない。


だが、もはやろくに体が動かない。

悔しいが後一撃を加えるのがせいぜいか。

ならば、残る全ての力を乗せた最大の一撃をお見舞いしてやろう。


ひのめはそのこぶしを大きく振り上げ、

自らの力をすべてそこに凝縮し、

目前の敵に全身の体重をかけて振り下ろした。

それは敵に回避の暇も与えずに打ち込まれる。


衝撃に大きくよろける敵に満足しながらも、ひのめの目は油断をしていない。

疲労により、攻撃の反動に耐え切れず自らが倒れても、そのまま敵を睨み続ける。


やがて、目前の敵は動きを止めた。

ひのめの攻撃を耐え切り、立った姿で。

その顔に張り付いた笑みが、神経を逆撫でする。


ひのめは大きく息を吐いた。

私の負け、か。

仕方ない。好きにするといい。

例え体が弄ばれようとも、心までは自由にならないのだから。

次に目覚めた時が、お前の最後の時だ。


そう思いながらひのめは、疲労に身をゆだね意識を失った。




「隊長ー! ひのめちゃん寝ちゃいましたよ」
「あら、今日はずいぶん早いのね」
「プレゼントした新しいおもちゃが気に入ったみたいで、遊びつかれたんでしょう」
「何をあげたの?」
「起き上がりこぼしっす」


END

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