注意)単発のはずが別の電波と合体してしまったモノです。
1とは違い、意外にまとも・・・なつもりです。
UGW(アンリミテッド・ゴキブリワークス)を食らった横島は一つの可能性に思い至った。
「そうか! アレさえあれば・・・・」
<美神令子除霊事務所>
シロはサンポに出かけ留守にしており、
タマモはのんびり『お稲荷大百科』なるマンガを読んでいる。
(OP曲で豆腐からお稲荷さんまでの作り方を教えてくれるアニメも絶賛放映中)
おキヌは幽霊時代からの趣味である包丁研ぎに精を出し、
美神はいかに税金を払わないかに腐心している。
そんないつもの通り事務所にUGWからなんとか逃れてきた横島がやってきた。
「美神さぁ〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!!」
「うるさいわ丁稚がーーっ!!」
「ふんぬらばーっ!?」
いつものように美神にシバかれるが、今日の横島はいつもと違った。
「ってシバかれてる場合じゃないんっスよ!! 美神さん、アレ出してください! アレ!!」
血を消防車の放水如く迸らせつつ、美神に迫る横島に、事務所メンバー全員が引いた。
「あ、アレって何よ?」
「そ、そうですよ横島さん、とりあえず落ち着いて説明してください」
「豆腐っを薄く切って油へと落とせ〜♪」
訂正、一人はお稲荷さんの唄に夢中である。
「あ、あぁ。ふー、ふー・・・すんません、落ち着きました」
「で、いきなりアレ出せなんて言い出したのはなんでなの? っていうかアレって何よ?」
「えっと、前にこの事務所にゴキブリが出たことありましたよね?」
「えぇ、その後すぐに追い出してやったけどね」
「そのゴキ、今うちにいるんすけどそいつに食わせた薬まだありますか?」
そう、賢明な読者の方にはもうお分かりだろう。
アレとはかつてただのゴキブリだったゴキっちを変身させたあの薬。
ジェノサイドZである。
「えぇ、もったいないから取ってあるけd「それ、オレにください!!」ってなんでよ?」
「そうですよ、何でそんなモノが欲しいんですか?」
必死になって美神に頼む横島におキヌが尋ねる。
「そいつで・・・・・・・ルシオラを復活させます」
「なんですってぇ〜?!」「え? えぇぇぇぇえええぇぇ〜?!?!」
「酢飯を入れたら〜♪ って何騒いでるのよ?」
横島が落とした爆弾に美神とおキヌは驚き、その声で唄を中断されたタマモは不機嫌そうに文句を言う。
「あの薬をこの『効』『能』と『吸』『収』の文殊でルシオラの蛍に吸収させます」
「なるほど、あのゴキブリのように蛍が変身すれば・・・」
「でも、ルシオラさんが復活するには魂が足りないんじゃ・・・」
「あぁ、これは賭だよ。失敗したらもうアイツに会えなくなるかも知れない。でも、やっぱりオレは・・・」
「そう・・・なら気が済むようにしなさい」
「ねぇ、さっきから何の話をしてるの?」
タマモの質問をスルーして3人はシリアスを続けた。
美神は引き出しからジェノサイドZを取り出し、横島へと投げた。
「ありがとうございます! それじゃ、ちょっと妙神山まで行ってきます」
「え? なんでですか?」
「そうよ、ここでやっても良いんじゃない?」
いきなり妙神山へ行くと言い出す横島についていけない2人。
すでにタマモは自分が蚊帳の外に置かれていると気づき、
ふてくされながらTVを付けていた。ちょうど『お稲荷大百科』の時間なのだ。
「パピリオやベスパの魔力も注いだ方が成功する確率が上がるんじゃないかと思ったんですけど・・・」
「確かにそうね。じゃ、帰ってくるときは2人じゃないと承知しないわよ」
「頑張ってくださいね、横島さん」
「ありがとうおキヌちゃん、美神さん」
そう言うと横島は入ってきたときのように事務所を飛び出して行った。
「・・・・おキヌちゃん、良かったの?」
「美神さんこそ・・・」
「私はいいのよ。今回ダメでも必ず来世は捕まえてみせるから」
「ふふふ、私も来世では負けませんよ」
「それじゃライバルね。・・・でも、今日ぐらいは泣いてもイイかな」
「えぇ、今日ぐらいは」
二人は自室へと戻り、泣いた。
人工幽霊一号は黙して何も語らず、事務所にはただ嗚咽とタマモが見ているTVの音だけが響いた。
『食らえ! お稲荷さん乱れ撃ち!!』
『なんの、必殺! 手巻き寿司マシンガン!!』
なにげに激しいバトル系のアニメらしい。
<妙神山>
「それでは、ルシオラさんの復活を行います」
「ふむ、ベスパ軍曹にパピリオ、ヒャクメも準備はいいか?」
「あぁ、こっちはいつでもイイよ」
「パピもOKでちゅよ」
「こっちも準備できたのね〜」
横島は妙神山へ行くと、ハヌマンや小竜姫にも説明し、
魔界のワルキューレとベスパさらに神界からヒャクメを応援に呼んだ。
「それじゃあ、いくぞ! 『効』『能』『吸』『収』!!」
「帰ってきて! 姉さん!!」
「ルシオラちゃん、また一緒に遊ぶでちゅ!!」
「微調整は任せるのね〜」
ルシオラの蛍にジェノサイドZと4つの文珠、ベスパとパピリオの魔力が注がれる。
ヒャクメは蛍、ベスパ、パピリオとケーブルを結び、魔力の流れを調節、モニターでの観察を行う。
ジェノサイドZはゆっくりと蛍にとけ込み、完全に溶けきった瞬間、眩い光が辺りを強烈に照らし、さらに煙が部屋に充満した。
「うわっ!」
「きゃ!!」
「眩しいでちゅ!」
「目が痛いのね〜」
光が収まり、全員が蛍のあった場所へと目を向ける。
煙が消えるその瞬間、そこから横島へと一つの影が飛びついた!
「横島ぁ〜〜〜〜!!!」
「「「「「ルシオラ(ちゃん)((さん))(姉さん)!!!!!」」」」」
横島が、パピリオが、ベスパが、そしてついでとばかりにヒャクメと小竜姫が叫んだ。
「・・・・会いたかった、横島。そしてただいま、ベスパ、パピリオ」
「・・・・・良かった・・・良かった・・・ホント良かった・・・・・」
「お帰り、姉さん」
「お帰りでちゅ、ルシオラちゃん」
「おひさしぶりなのね〜」
「こら、ヒャクメ。こういうときに出しゃばらないの!」
「うむ、感動の再会に水を差してはいけないぞ」
感動の再会後、妙神山ではかつて無いほどの大宴会が行われた。
パピリオはルシオラに思い切り甘え、ベスパはワルキューレと酒を酌み交わし、
ヒャクメは何故か小竜姫に説教をされ、ハヌマンは某運命のエロゲーを攻略し始め、
横島は酒を嬉しすぎて飲み過ぎ、酔っぱらいと化して鬼門をぶちのめしていた。
<次の日、美神令子除霊事務所にて>
二日酔いでズキズキする頭を抱えながら、横島は事務所へと入っていった。
「こんちゃーす」
「「横島君(さん)どうだったの(どうでした)!?」」
美神とおキヌは横島に掴みかからんばかりに質問した。
よく見れば美神は目元の化粧をいつもより濃いめにして泣いた跡を隠し、
おキヌも目が赤くなっていることに気づいただろう。
まぁ、横島なので気づくことは無かったが・・・
「はい、ばっちりでした! ルシオラ共々、今後も宜しくお願いします!!」
「お久しぶりです、皆さん」
こうして、ルシオラは復活した。
アツアツな二人を見て、シロが暴走したり、タマモが対抗して真友と付き合ったり、今回は諦めたはずの2人が嫉妬して修羅場と化したりするが・・・
それはまた別のお話。 fin
<後書き>
ども、コブラです。
ムシキング2、いかがでしたか?
ゴキっちの活躍を期待した方(いるのかな?)ごめんなさい。
ルシオラ復活ネタとしてジェノサイドZを思いついたのでこんなお話になりました。
たぶんこのシリーズはこれで終わりです。
でも、また何かムシ系のネタを思いついたら・・・w
ではでは、コブラでした〜(^^)/~