さて、令子も何とか落ち着き数日後。
「ヌハハハハハハハハ!! 朝からがっつりと喰らうがよいッ」
と、ダイニングで無意味に熱いアシュ。
ルッシーが作る食事を運び暑苦しく薦める。
まずは令子。 蒟蒻ゼリーヨーグルト和え、グレープフルーツジュースにポーチドエッグ。
シロには、刻みサラダ、皮無し山賊焼き、ご飯に豆腐。
タマモは、普段と変わりなく揚げの醤油がけにシロと同じサラダがつく。
令子とシロは不満顔だが、理由が理由なので黙って耐える。
20分前
シロが恒例になった超高速朝の散歩から戻りシャワーを浴びる為にバスルームへ、横島の出張が多くなった時期からシャワーを使うようになった。
「ふぅ~~~ さっぱりでござる♪ いつ先生が帰ってきても ぐふふふふふふ♪」
「毎朝、毎朝。 ホントこの犬は・・・」
「うっさいでござる! タマモも拙者の事いえないでござる!」
そう、タマモからも清潔感漂う石鹸の匂いが。
「! わ、私はただ、寝汗で匂うから」
そっぽを向くタマモの顔はほのかに赤かった。
お互い照れ笑いの獣っ子、ちょっぴり乙女チックであった。
「あらあら、お二人早起きですね。 タダオから聞いていたのより、よい意味で違って、私うれしいですよ」
ルッシーが新聞と大瓶牛乳を抱えてとことことやって来た。
「おはようでござる」
「おはよう」
「はい、おはようございます。 今から作りますからもう少し待っていてくださいね」
と、ルッシーはキッチンへ。 軽くハミングしながら動くその姿は可憐な野菊のようだ。
そこに、ご主人となってしまった令子が、また二日酔いの頭を抱えて起きてきた。
「うぅぅ~~~~~ 水」
はい、とルッシーがグラスに入った冷たい水を手渡す。
「あじがどぉ うぅ あだまがいだいぃ~~~~~」
仕方がないと肩をすくめ、ルッシーは朝食の用意にもどった。
これで終われば何もない朝なのだが・・・
「どうしたご主人、?もう更年期障害か。 ブラザーの嫁は我が娘に決定だな」
「だれが、行き後れよ!! あたたたたた・・・・」
腕を組み、令子を観察するアシュ。
「ふむ、どうやら更年期障害ではないようだな。 ほぅ 深酒か、いつまでも若くはないのだから注意するがいいぞご主人。 ドハハハハハハ」
アシュの高笑いに頭を抱える令子。
「少しは静かにしてっ! お父様」
「具はッ!!」
ルッシーの怒りのフライパンがアシュを襲う。
それを眺める獣っ子
「それにしても、お腹が減ったでござるよ」
「ほんと、親子漫才もいいけど。 私は速く食べたいわ・・・」
ルッシーは欠食児童の獣っ子の為にキッチンへ戻る。
「ふむ、欠食児童どもよしばらく待つがいい。 ? いきなりメイドガイアイ!!」
さらっと復活したアシュは令子、シロ、タマを次々にそのセンサーの視界に入れ、じっくりとデーターを確認する。
「ちょ、ちょっと何見てるのよっ!」
あせる令子、そう、メイドガイアイは立体的に透視できるのだ。
腕で必死に隠すがもう遅い、
「ほぅ、シロくんは なるほど、このままの食事では・・・
まるまるの子豚ちゃんだ」
(ガーーーーーンッ!!)
「タマモくんは、今のままでよし。 しかし、食物繊維をとらなければな
ブラザーも喜ぶ」
「♪ でしょでしょ、大豆食品は正義なのよ♪」
で、大取り令子。 アシュは右手をこめかみに当て。
「すまぬがご主人よ、年月とは地獄のようだな。
バスト2%の弛み。 ウエスト1%の緩み。 ヒップ5%の膨張だドハハハハハハハハ」
あまりの衝撃に討ち崩れる令子。 そう、長年の深酒は令子のプロポーションを蝕んでたのだ。
「お父様、女にメイドガイアイはセクハラって言ってるでしょうが!!!!!」
特急で舞い戻ったルッシーの拳が光速を超え、天馬座の軌跡を繋ぎアシュを打ち据える。
「ぬぉっっっっっっっ!!」
なぜか垂直に舞い上がり、室内なのになぜか飛ぶ飛ぶ、屋根より高く。
舞い上がり落下するアシュ、もちろん見事な車田落ちだ!
そして、今日も流血色で朝が始まるのであった。 どっとはらい。
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