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「〜Y島さんちの小笠原さん〜 画像掲示板[123]:Y島さんちの朝8時半より(GS)」

比嘉 (2005-07-02 09:55/2005-07-05 12:02)
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うん?
なんだい、あらたまってさ・・・

あの娘の事が聞きたい?
ふ・・・ん、まっ、たしかに気にもなるかね。
あの家の中でもちょっと浮いた娘だしねぇ・・・

話してやってもいいけど・・・面白半分に吹聴するんじゃないよっ!?


・・・・・なに腰ぬかしてんのさ。

ま、その様子なら悪さはしないだろうから・・・話してあげるよ。
あの娘の事をさ。


〜Y島さんちの小笠原さん〜
画像掲示板[123]:Y島さんちの朝8時半より


昔、一人の女が居てね。
よりにもよって、半人半鬼の男に熱を上げちまったんだ。
聞いた話じゃ3〜4年は口説いてたらしいけど、まあ結局きっぱり断られちまったんだ。

理由は明快。

『あなたと僕とじゃ、生きていく時間が違いすぎます。』

・・・ってね。
ま、本人も判りきってて、あえて無視してた理由さ。
でも実際にその男に会った時、それで良かったって思ったよ。
あのタイプの男、本気に愛したら馬鹿を承知でずっとその女に操を通しちまうだろう。
女は満足して死ねるだろうけど、男はその思い出だけで異性と関わる事を裏切りと思って、ずっと肌や心の温もりから離れて生きてかなきゃならない。

長い長い時間をさ。

愛ってのも呪いだよねぇ。


もちろん今はその事は理解してるけど、その頃は納得できなかったらしくてね。
それじゃあって、不老不死や寿命を延ばす術をあれこれと調べたらしいのさ。
もちろん、どんな魔導書読んだ所でリスクの無いむしのいい手段なんてありゃしない。

けど、そんなある日小耳に挟んだらしいんだ。

そ、うちの亭主の事。

知ってると思うけど、アタシの亭主は寿命って概念が無い『人間』だ。
その代わり・・・っていうのもなんだけど、アイツと一緒に生きたいって望むやつは、アイツと同じ歩みで生きていける様になる。

良く勘違いされるけど、別に女である必要なんかないんだ。
友人としてでも仲間としてでも決心すれば、そうなれる。

けど、うちの亭主は『前科(まえ)』が『前科』だったからね・・・そのうえ望んだやつのほとんどが女でアイツの女房になっちまってる。
アハハ、アタシも含めてね。

だからあの娘・・・勘違いしちまったのさ。


『うちの亭主に抱かれれば永遠の寿命が手に入る!』


・・・・・・・


てね。

そんで、たしか新年会開いた時だったかな。なんか考えに考え抜いた作戦引っさげて、うちの旦那の誘惑にかかったのさ。


結果?


うん、『大性交』


・・・と違った『大成功』さ。

なんたって、計画では『前振り』にすぎない挑発した時点で押し倒されたんだからね・・・(嘆息)

なんせ酒も入ってたし、なによりあの頃はいきなりのモテモテで頭が桃色状態だったしねぇ。
おまけに『姫初め』期待してか、微妙に精力付く料理がならんでたし・・・
後の始末(小竜姫とか)は大変だったね。

それからどっから調達したのか分からないなんかの器械で自分の身体調べたら、喜び勇んで飛び出してったよ。
ま・・・一度肌合わせた女を、アイツの方が「家族同様」と思ってもおかしかないから、成功したのかもね。

けど、間が悪い事に相手の男はちょうど武者修行とかに出て、行く方知れずになってたのさ。
もちろんすぐ後を追って行ったらしいよ。

まあその時のアタシらが知る事が出来たのは、そこまでだったのさ。


それから半年くらい経ってからだっけ・・・うちにひょっこり当の半人半鬼の男が顔をだしたんだ。
久しぶりにこちらに来たってんで律儀に挨拶しにきたんだよ。
『戦利品です』って、キングサーモン持って来てたっけ。
グリズリーとでも戦って来たのかね?

で、その時にあの娘の話題がでたんだけど、そしたら・・・

「え? 彼女ですか? ・・・以前お別れしてから会っていませんよ。」

と来たもんだ。
あの勢いで追っかけてった彼女が、この情報過多の世界で、武者修行と言っても別に逃避行していた訳でもない男を半年経っても見つけられてないときた。
あたしらもさすがに揃って首を傾げたよ。


その理由が分かったのはもう半年たった頃さ。


雪が降ってたから12月半ば過ぎくらいだったかね。
朝方いきなり玄関を叩く音がしてね。もう、戸のガラスが割れんばかりに。
何事かと思って出てみたら、そこに立ってたのさ。


赤ん坊を抱いたあの娘が。


アタシが感心しちまうくらいの殺気に満ちた顔してたね。
小竜姫が懐刀抜きかけたくらいだったよ。

そして呆然としてる亭主の前までくると、その赤ん坊をドンと押し付けてこう言ったのさ。


「アンタの子供なワケ! ちゃんと責任もって育てるワケ!!」


後は有無を言う暇もなく振り返るとサッサと出てっちまった。

まあ、その直後の修羅場は流すとして・・・

魂の色からしても、間違いなく旦那の子供だったよ。
で、まあなんだかんだと言い合ったあげく、うちで育てるってことになったのさ。
クク、うちもちょうど上の子たちが生まれた時だったから、赤ん坊に母性本能丸出しになってたやつも多かったし、一応予測もしてたからね。
ん? 予測してたのになぜボコるのかって?
まあ

「それはそれ」

さね。

実際タマモなんざ「行きずりの女に当て(?)て、なんであたしには当て(?)ないのよー!」って、かなり切実に怒ってたしね。
それでまあ、旦那の頭にコブが十個ばかり「追加」された後、けっこうあっさりとその子はうちの籍に入れたのさ。


・・・ああ、その後のあの娘の事かい?
次に会ったのは、そうだねぇたしか・・・・・


ガララッ!

「おジャマするワケ!!」


その日の夕餉どきだったから、十時間後くらいだったかね?


・・・なにコケてんだい? ほんとの事さ。
本人曰く、

「様子見に来たワケ!」

つってね。
そのまま上がり込んで、子供のおむつ変えたり、お乳やったり、添い寝してやったりして、次の朝帰ってったよ。


ガラララッ!!

「おジャマするワケ!!」


その日の夕方、また来たけどね。


まあ、そんな調子でくりかえして、もう『4年』くらいになるのかね・・・
あの娘の言い分じゃ、「子供がいじめられてないか見に来てるだけなワケ!」って事らしいけど、仕事に行く以外は寝食ともにウチでとってるんだよねぇ。
本人がそう言い張りたいんなら、別にあたしも文句もないけどさ。

ん? だったら旦那とはどうなのかって?

さーてねぇ。
三ヶ月も経った頃にゃみんなとも馴染んじまったし、1年目くらいに何かけじめつけるみたいに髪を切っちまったりしてたけど・・・
押し掛け女房って、こーいうのもそう呼ぶのかね? ・・・・・・って聞いてみたらほっぺた真っ赤にして怒り狂ったけどね。
ま、そこんとこは適当に考えな。
そこまでつっこんで聞くのは野暮ってもんだし。
あたしにとっちゃ別に大した事じゃないし、むしろいい晩酌相手ができてありがたい事だったしね。


どうしてもそれ以上聞きたいんなら・・・本人に聞いてみな。
なに、別に難しかないさ。


・・・後ろ振り返ればすむんだからさ


今日は一緒に飲む約束だったんでね。
ちょうどよかったろ?
とりあえず、健闘だけは祈っといてあげるよ。

じゃ、がんばりな。


おしまい


※あとがき※
はじめまして、画像投稿掲示板に投稿させてもらってる比嘉といいます。
今回投稿した絵の裏事情が、あちらでは説明しきれないと思ったので、小説っぽいものにしてみました。
絵と合わせてみないとわからない、一本立ちしていないお話ですので、「なんだこりゃ」と思われた方には、平に申し訳ないと謝らせていただきます。

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