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▽レス始

「月に吼える 序幕(GS)」

maisen (2005-06-26 02:14)
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「・・・・・ぁっ!ふぎゃぁ!」

―――――――――――月が出ていた。

―――――――――――今宵は満月、最も心地よく、

―――――――――――最も輝く月。


「お生まれになりましたっ! 元気な、男の子です!」

―――――――――――月の祝福であって欲しいと思う。

「男子か・・・末は立派な男となるのだろうか?」

―――――――――――そんな事は関係なく、只幸せであってくれとも思う。

「さあ?でも・・・」

―――――――――――その微笑が、消えることの辛さを。

「男の子だったら、つけたい名前があるんです」

―――――――――――失うことの辛さを。

「――・・・――ってつけたいんです。この子の名前」

―――――――――――その生涯で知ることの無いように。

「――か・・・。ふん、悪くはないな」

―――――――――――たとえ、その願いがかなわぬとしても。

「・・・ふふっ」

―――――――――――それでも、そう願うことは

「なんだ?なにが可笑し「久しぶりに見ました。貴方のそんな顔」・・・む」

―――――――――――我が子に幸せをと願うことは、わがままなのだろうか。

「それで、その名の意は?」

―――――――――――ならば、これが最初で最後の息子への想い。

「ふふっ。・・・真っ赤ですよ「名前の意は!?」・・・はいはい」

―――――――――――これは、願いでなく、誓いでさえなく

「・・・・・・・・・・・です」

―――――――――――そうやって生きていけという、想い。

「・・・・・・・ふむ。いい言霊だ。ならば、息子よ」

――――――――――神に頼るのではなく。悪魔に縋るのでもなく。只、己の力で


「お前は今宵今晩この時より――――


―――――――――――その未来を掴み取れ!


――――犬飼 忠夫と名乗るが良い」


「・・・尻尾が骨っこ食べてるとき位早く動いてますね」
「・・・息子は骨っこと同じ程度か?」
「いえいえ、多分アレが最高速ですよ」
「ふむ・・・祝いの品は骨っこでいいか?」

「うるさいぞそこっ!それと犬塚!まだ忠夫が食べられるわけないだろうがっ!」

「「いきなり見事な親ばかー」」

「ハモるなお前らっ!それと沙耶っ!しっかり休まんかっ!産後の肥立ちが悪かったらどうする!」

「はいはい、全くもう・・・顔に似合わず心配性なんだから」

「顔は関係ないだろうっ!」

「出産直後でそれだけ元気な貴方もなかなかのものだと思うが?」

「そこ!無視するんじゃないっ」

「母は強し、ですよ?」

「・・・・おーい、さやー?犬塚ー?」

「はははっ、なるほど」  

「・・・・・・おーい」

「・・・っく、悔しくなどないぞっ!」

 それは昔々―――と言うほどでもない過去のお話。
 1匹の人狼と、1人の人間の女性の間に元気な男の子が生まれた、ただそれだけのお話。

 彼らがどのようにして出会ったか。人間嫌いの人狼をどうやって口説き落としたか。
 彼らには彼らの物語。誰にでも何かの物語。

 これから語る物語は、この騒ぎの中でもぐっすり眠っている「犬飼 忠夫」の物語にございます。
人間と人狼の間に生まれたこの少年は、これからどんな物語を紡ぎ上げるのでしょうか?
 いやはや、かのバチカンの地下に存在すると言う予知魔「ラプラス」でもない私には、全く予想もつきません。
 只一つ、私が言えるとすれば、そう、「彼に平穏は似合わない」 といったところでしょうか?

 はてさて、「今度の」「彼」はいったいどんなトラブルに巻き込まれてくれるのやら。
いまから楽しみで成りません。

――――え?私ですか?私など気になさってもしょうがないですよ?まぁ、名前ぐらいなら。そうですねぇ・・・。
「シュレーディンガー」とでも、お呼びください。意味などありませんよ?言葉遊びのようなものですからねぇ。

 ・・・おやおや、もうこんな時間だ、そろそろ今回はお別れのようで。
 また会えると、思いますか?

―――それでは、良い夢を―――


---アトガキッポイナニカ---
このたび初投稿させていただきましたmaisenでございます。

実はGS美神って大好きな漫画だったんですが、こういう形の場所をはじめて知ったのが数ヶ月ほど前。投稿に至ってはここがはじめてだったりします(笑・・・エネェ

お目汚しとも思いましたが、失礼します。^_^;

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