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!警告!壊れキャラ有り

「OPERATION TIGER 〜お前は虎になるのだ〜 vol.5 (GS)」

GAULOISES46 (2005-06-25 02:16/2005-06-25 02:32)
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前回の投稿から一月以上の間が開いてしまいましたので、展開を覚えていない方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方はまことにお手数ですが、この掲示板の素晴らしい「戻る」機能を活用してもう一度第四話を見ていただけると解りやすいかもしれないッス。




おキヌは怒声を上げる反面、内心で笑っていた。


うふふふふ、これでこのメンバーに「横島さんは私のもの!」と刷り込みは充分なハズですね。
更に地獄を見てボロボロの横島さんを優しく私が解放してあげればどストレートにラヴラヴに一直線!
もう行き着くトコまで逝っちゃって二人は新婚三ヶ月目でお腹には双子の赤ちゃんがdaj:piいfdsファドいhね亜aihあれいoijごウキャキャキャキャキャ・・・


壊れまくりのおキヌ。

何処まで壊れる気だおキヌ。

っつーか何処まで壊す気だ→俺。


どー考えても穴だらけの計画なのだが、コレが理由に恨まれるとは微塵にも思っていないあたり、横島をよく理解していると思われる。


暗転、横島視点


なんでじゃー!俺が何したっちゅーんじゃー!!なんでそっとしといてくれんのじゃおキヌちゃん!?なんで俺の周りにはこんな地雷女ばっかりなんじゃー!?


などと思っても、散歩も歩けば恨み言など綺麗サッパリ忘れてしまうからだ(注:女性限定)。


ジリジリと間を詰める魔鈴&ピート、そしてパシリことジーク三等兵。

おキヌを庇いながらジワジワ後退する横島。

そして状況の変化に付いて行けない魔理、膝枕されてる果報者タイガー。

戦況は今まさに、佳境を迎えていた。


まさか貴方が獅子身中の蟲だったとはね・・・。
かつて友と呼び、主として崇めた貴方だ、最大の礼を持ってお相手差し上げましょう!!


横島さん、貴方に罪は無い。それは僕にも解っています。しかし!今貴方につくとボクの命が大変危険なのです!
保身に走る我が身をお許し下さい・・・この償いは、必ずや来世の貴方にお返しします!(←人生終了確定発言。)


ウフフフフ、私たちを謀るなんて・・・流石横島さん、良い度胸をしてンじゃねぇかぁぁぁァァァァァァァ!?


あえて、どれが誰の思考とは言うまい(⊃ДT)。


そんな三人を横目にタイガーは死中に活を見出した。

横島は自分の幸せを妨害した憎むべき敵。だが、先に裏切りとも言える行為に及んだのは紛れも無く自分(←自覚はあるらしい)。魔理のイタイ所を見せ付けられたのは確かに許せないが、今生き残るためには追い詰められた者同士手を組む他、無い。
敵に回した横島は恐ろしいが、味方になった時は根拠も無く心強い。タフネス、煩悩から供給される霊力。そしてイザと言う時にしか頼りにならない頭脳。


自分の中の「許すな」と叫び続けるもう一人の自分と決別するために、かつて師が授けてくれた言葉を思い出す。この言葉は、思い返す度に自分に力を与えてくれる不思議な魔力を持っていた。


すなわち


「それはそれ、これはこれ!!」


タイガーは横島に視線を向けた。横島はピンチのあまりうろたえていたが、そのアイコンタクトに気付き目だけで返答した。
ココに横島とタイガーによる同盟が結成されたのである。

だが、それだけで事態が好転した訳ではない。問題はどうこの場を切り抜けるか。

「さて、と。どうします魔鈴さん?ただボコるだけじゃ何の解決にもなりませんよね?」

「当たり前じゃないですか。かと言ってどうすれば更正して貰えるか・・・。」

「魔界正規軍海兵隊、地獄の訓練キャンプに入ってハート○ン軍曹に心身ともに鍛えていただくと言うのは?」

まるで旅行先を何処にするか思案している高校生のノリである。そんな楽しそうなテンションで地獄を選ばれてはたまったものではないのだが。


そぉ〜っとおキヌの手を取り、その場を後にしようとする横島。タイガーを担いで何処まで逃げられるのかが問題ではあったが、タイガーの精神感応は使えるため置いていく訳には行かない。


(取り合えず・・・困ったときには文珠ッ!!)


出た。


世界最強のご都合主義アイテム・文珠。何故今まで使わなかったのか不思議なほどのアイテム・文珠。世界の因果律を全て使い手の思うままに操る、ある意味核以上の反則兵器・文珠。

「鈍」「速」文珠を精製、超加速の逆バージョン空間を作り二人(とおまけ)の時間を鈍らせ、タイガーを担いで逃げる。ピートと魔鈴(とジーク)が横島の動きに気付いた時にはもう後の祭り。


「喰らえッ!!」


「よ〜ご〜じ〜ま〜ざ〜ん〜〜!!」


どっかの式神使いのお嬢様の如くゆっくり怒鳴るピート。


「ゴルォァァァァァ・・・ヨ〜ゴ〜ジ〜バ〜!!!」


「お〜う〜じょ〜う〜ぎ〜わ〜が〜わ〜る〜い〜で〜す〜よ〜!!」


・・・この文体、書くのも読むのも疲れるなぁ。「冥子だけは絶対に登場させるまい」と作者が心に誓った事は秘密である。


OPERATION TIGER 〜お前は虎になるのだ〜 Vol.5「悪魔を憐れむ歌」


命カラガラで追っ手を撒いた横島&タイガーの現在地は、人気アトラクションの長蛇の列の中。
「木を隠すには森の中」の格言通り、人込みの中で一般人の振りをしていれば気付かれないという算段である。
事実、つい二分ほど前に三人が駆け抜けていくのを確認した。心臓バクバク、冷や汗ダラダラの緊張感をイヤと言う程味わった今は、幾分か落ち着いている。

女性二人は状況を把握していない状態(ぶっちゃけ逃げるのに邪魔)なので文珠で「夢」を見せている。誰もいない方を向いてネクタイを締めている(と思われる)おキヌと、竹刀片手にタイガーの根性を鍛えなおしている(と思われる)魔理。ハタから見てるととんでもなく怪しいコトこの上なし。行列の中で彼らの前後に若干の空間が空いている事からも周囲の抱く印象がよく解る。


「解」「毒」の文珠でタイガーを治癒した横島は今後の作戦を捻っていた。

今は何とか逃げおおせたものの、逃げただけでは駄目なのである。
要は、如何に魔鈴とピートを満足させ、そして自分達の身を守るのかである。でなければ今後も彼らの影に怯えねばならない。


「タイガー。ぶっちゃけ、あの二人を満足させるにはどーすべきだと思う?」

「ワッシと魔理しゃんが破局する芝居を打っても、多分駄目でスノー。第一魔理しゃんに芝居が出来るとは思えませんしノー。」

「俺もおキヌちゃんと喧嘩したぐらいじゃ見逃しちゃくれねぇだろーなー。」

「そもそも横島サン、当初の目的は難だったんですカイノー?それが解ればある程度期待に沿わせることも出来るんですがノー?」


「・・・・・・なんだっけ?」


「忘れんでつか〜ァサイ!大体、なんでワッシが狙われなくちゃならんのジャー!?」


「いや、それはお前も解っているだろう?もしも、お前に彼女がいない時に、雪乃丞に彼女が出来たらお前どうする?」

「・・・凄い説得力デスノー・・・。」

「だろ?そう言うことだ。そんでお前が邪魔をしたとしても、誰もお前を責める事なんて出来やしないだろ?むしろ世論はお前の味方だろ?」


数々の過去の過ちを思い起こし、タイガーは涙した。巨体が膝を折り、泣き崩れる。



「・・・・・・・・・・・・ワッシは今まで、なんて罪深きコトを・・・。」


過去の過ちは、消す事が出来ない。

どのような手段をもってしても、決して消す事は出来ないのだ。


一度過ぎ去った時間は、非情にも戻ってくる事は無い。だからこそ人は過ちを恐れ、過ちを犯してしまった時は二度と同じコトを繰り返さぬように心に決める。


そうする事で、人は自分の人生を少しずつ、少しずつ良い方向へと導いていくのだ。


などとタイガーが教訓を噛み締めていると。


「・・・・・・・・・・・・言っておくが「今日のデート」の方がよっぽど罪深いんだぞ?」


過ちに気付きながらも決して己を曲げようとしない男、いや漢が言った。



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・横島サンこそおキヌちゃんとの買い物をすっぽかした上、あの二人に黙っていたのは罪深いんじゃ無いですカイノー?」


ピキッ


二人の間に火花が飛び散る。

驚くべき事に、タイガーは彼女を得た事で大いなる成長を遂げていた。

図体に見合わぬ気の弱さを所かまわず露呈していたかつての彼なら、横島の言いなりになっていたであろう。


「「・・・・・アーハッハッハッハッハ!」」


お互いの痛いところを突いてしまった二人は、当面の共同作戦の為に罪悪感への不可侵条約を無言で結ぶことに成功したようである。友情って美しいですよネ?


「さて。残りの文珠は三つ、お前の精神感応は使えそうか?」

「心の準備は出来とりますケン、安心して任せてツカァサイ。問題は文珠と精神感応の組み合わせでどうすればイイか、デスノー?」


残りの文珠は三つ。先ほどはあまりのピンチに大盤振る舞いしてしまったが、コレが最期の命綱。大事に、確実な効果を得られる使い方をしなくてはならない。


「うむ。あの二人には付け入る隙も無いからな・・・。まるでニュータ○プに覚醒したア○ロとララ○だし。互いの考えてる事が丸解りっていうか同じ思考だからコンビネーションに一分のスキも現われねぇんだ。」


横島の言葉に、タイガーが何か気付いたように考え込む。


「・・・それって横島サン、もしかして・・・」

タイガーが言葉を発するも、

「見つけましたよ横島さんッ!さぁ、観念して下さい!!」

三等兵の乱入により遮られてしまった。


時は少し戻り、ツンデレラ城前のパレード広場。

「ジーク三等兵!まだ目標は見つからないのか?!」

通信鬼に向かって怒鳴るピート。

「駄目です、依然として「虎」「ヤンキー女」「ユダ」「真っ黒幽霊」共にロストしたままです!!」

必死の形相で周囲を見渡すジーク。

「早くなさい!発見できなかったら、海兵隊地獄の訓練キャンプには貴方を送りますよ!?ハー○マン軍曹に泣いたり笑ったり出来なくなるくらい可愛がって貰いますよ!?」

叱咤だけして激励はしない女、魔鈴めぐみ。

互いの距離50mほど、明らかに通信鬼なんぞ使う必要の無い距離に見えるのだが、使わなければいけない理由がきっとあるのだろう。肉声がそのまま聞こえているような気もするが、よんどころのない事情があるに違いない。手分けして探した方が効率いいような気もするが、彼らには彼らの考えがあるったらあるんだってば。


「コレはッ!?」

ふと、ジークが何かに気付く。


「閣下!ツンデレラ城にカプールの気配がします!」

ジーク三等兵が叫ぶ。
流石は魔族の超感覚、このカプールだらけのデジャヴーランドでよくぞ・・・と思ったら大間違い。

既にデジャヴーランドにいるカップルは殆どが蹴散らされているのだ。

西でイチャ着くカップルを見ればスネに渾身のローキックを放ち、東で「はい、あ〜ん♪」とかやってるカップルを見ればピートか魔鈴が「私とは遊びだったのね!?」攻撃をかまして来たのだ。

デジャヴーランドがデートの聖地である時代は、今日終わりを告げたと言っていい。ジークが何か役に立っているのか、とかはそっとしておいて欲しい。


修羅場率80%を超えるカップル達に背を向け、奴らは本当の標的に照準を定める。
憐れ一般のカップルは巻き添えと言うか、「行きがけの駄賃」扱いで破局寸前まで追いやられているのだ。

ピートは魔の潜む城を見据え、言った。

「ジークフリード三等兵!貴様こそ我ら毒漢の名誉を体言する誇りそのものであるッ!!今、貴様に威力偵察と言う大任を任せるッ!その強靭な精神力と鍛え上げた身体能力を以って、敵勢力を殲滅するための人柱となってくれたまえ!!私は貴様にこの栄誉を与えるコトが出来る感動に、涙を禁じえないッ!!」

「サー・イエス・サ・・・・って捨て駒決定でありますか代行殿!?」


説明しようッ!!(なんか懐かしいなぁ、コレ)

知っている人も多いとは思うが、「威力偵察」とは、敵の戦力を見極めるためにぶっちゃけ、「藪をつついてみる」コトだッ!!
敵戦力が不明な場合に用いられる用兵であるゆえに、「つついてみれば大したコト無い」のが確認されることもあり、また文字通り「蛇が出る」コトも充分に在り得るッ!既に確認されている敵戦力は横島・タイガー・おキヌ・魔理の四名ッ!この四人が共同作戦を行った場合のデータ及び現在のテンションがどのくらいであるかを確認するためにジークは単独でこの任務を命じられたのだッ!四対一と言う事で既に人柱は確定であるッ!!


「ジーク三等兵・・・。貴方の散り様は姉上に報告しておきます。思い残すことなく、見事に散ってらっしゃい?」

慈母の笑みで悪魔の台詞を吐く魔鈴。つまり、無様な真似をすれば姉上に告げ口すんぞゴルァ?と言うコトだ。

元来ジークは魔族であるため、戦闘力に関して決して人間に劣っている訳は無い。
ヴァンパイアハーフのピート相手でも、通常ならわりかし余裕で勝つだろう。
それが、魔族と言うものだ。戦闘向きではないとは言え、ジークにはそれだけのスペックが備わっている。


だが。


今日この場に限って言えばジークは最弱である。彼らは知らないが、タイガーですら恋人を得て自信を持ち、横島と舌戦を互角に繰り広げているのだ。

更に横島の戦闘力・・・と言うより、追い詰められたときのスペックは計り知れない。ジークが先ほど横島の味方をしなかったのは、ぶっちゃけ「より強力な二人がいたから」だ。横島を敵に回すのと、ピート・魔鈴コンビを敵に回すのとどちらが怖いかを考え、彼は後者を選んだ。


その二人に今。


見捨てられた?


否、違う。


彼らの台詞には一片の曇りも無い。彼らにとってこの戦場で捨て駒となる事は、むしろ誇らしい事なのだ。そしてそれを拝命するジークは喜ぶべきであり、拒否するなど選択肢の中に有り得るはずも無い、と言うのが彼らの思考だった。まさしく狂信者。オウマイゴッド。(←悪魔の誇りは無いらしい)


マズイ。本来ボクは休暇をエンジョイする為に友を訪ねてきただけだったのに。


マズイ。いつの間にか士官扱いされてないどころか三等兵の捨て駒扱い、任務と言えば公言出来ない様な恥ずかしい作戦行動。


マズイ。どっちにしろこんなコトして遊んでるだなんて姉上にバレたら、「命が無いで済めば御の字」な状況が待っている。


・・・・・・・・・・・・・・・・・散ろう。


ナンボかマシさ、姉上の地獄の折檻メニューが待っているくらいなら。


男らしく、散ろう。


軍人である以上、いずれは戦場の露となる事は覚悟していたさ。まさかこんな作戦だとは夢にも思わなかったけれど。


逝って来よう。


ジークは涙を流しながら敬礼する。どうーしてこんなコトになっちゃったんだろうか、と。


魔鈴とピートも敬礼で応える。二人の目には、これから死地へと赴く(追いやった)同胞に対する愛の涙が溢れている。


「サー・イエス・サー!ジーク三等兵、これより敵勢力殲滅のため、威力偵察を行います!!」


ジークは涙を流しながらも、ビバ○プかジョ○・ウーかってなくらいに素晴らしく男の色気を感じさせる笑顔で付け足した。


「・・・司令官殿。ヴァルハラで、お会いしましょうッ!!!」


舞台はツンデレラ城アトラクション内に戻る。

ジークと対峙する横島&タイガー、あと夢見るアリスチャン約二名。


「横島さん・・・確か僕を三等兵と呼び出したのは、貴方でしたよね?」

「そ、そんな昔の事は覚えちゃいないッ!!落ち着けジーク、俺達は友達だろ?戦友だろ?」

「そうデスジャー、ジークさん!ワッシらは腐恋奴だったハズジャー!!」

「横島さん、タイガーさん・・・正直な話を言えば、ボクはぶっちゃけ出番が欲しかっただけで別に貴方達が誰と付き合おうと全く問題無いんです。その為にたとえ三等兵扱いされても構わなかった。出番さえあれば・・・それで良かったんです。」

悲しげに呟くジークの告白。

そこまで頑張ったのにやっぱり影は薄く、挙句の果てには捨て駒とされてしまった哀愁を全身で表現している。


「な、それなら話は早い!協力してあの魔人達から逃げ出そう!」

「・・・貴方はまだ、ボクを友と呼んでくれるのですね・・・・・・」

「当たり前じゃないか!だからココは見逃し「そう言って謀って、ボクを貶めるツモリなんですよね?」


度重なる不幸の積み重なるこのSSにおいて、ジークもまた成長していた。


つまり、人を信じてはいけませんという事を悟り、汚れた大人の階段を上ってしまったのだ。


そして生きて帰る事を諦め、任務に全てを賭けたジークは魔人そのもの。
つい先ほどまでのヘタレ三等兵の面影は微塵も無い。漢とは、切っ掛けさえあれば其処までに化ける生き物なのだ。


「もう、騙されませんよ横島さん。「儲ける」とは「信じる者」と書く、教えてくれたのは貴方ですからね?」


言ってねー!!


横島の叫びを無視し、ジークは一振りの剣を召喚する。

原作には少しも登場して無い割に彼の最強兵器として認識されがちな「魔剣グラム」を鞘から抜くジーク。その刃の鈍い光は妖刀シメサバ丸など比較にならぬ切れ味を誇っているかのようだ。

「さよなら、横島さん。貴方は良い友でしたがボクにも後が無いんです。怨むのなら、この狂った世界を怨んでください。」


「・・・・・・・・・・・・・何をしている、ジーク?」

ピキ、と。

世界が凍りつくような声。

ジークが機械仕掛けのブリキ人形の様な擬音を鳴らし、背後を振り返る。


「姉上!?何故こんな所に!?」


其処にいたのは、人間界潜入任務仕様、「春桐魔奈美」バージョンの魔界正規軍ワルキューレ大尉だった。


「質問しているのは私だ!!」

「さ、サー!イエス・サー!!」


さっきまでの勇壮さがガタガタと崩れ落ちるジーク。やっぱりキミには、ヘタレ三等兵が似合っている。


「続けて構わんか?」

「サー!イエス・サー!!」

「どうした、久し振りの姉弟の再会だと言うのにえらく震えているじゃないか。何か恐ろしい物でも見たような顔だな?」

「サー・ノー・サー!!」

「まさか、とは思うが私の所為か?」

「サー・ノー・サー!!」

もともと血行が良いとは言えない顔色が更に凍りついた様な色に変わる。
それしか言葉を知らないインコの様に、ジークは同じセリフを繰り返す。

「まぁ良い、先ほど貴様は私の問いに質問で返したな?私は今気分が良いのだ、特別に答えてやろう。嬉しいか?」

「サー!イエス・サー!!」

「愛する弟の貴様が困難なミッションに立ち向かっている、と聞いたものでな。たまたま休暇が取れたので、その様子を一目見ようと思ったまでだ。」

「・・・嘘ですね?」

ジークのセリフが繰り返されるのは此処までだった。


「何を言うかジーク!私が虚言を吐いているだと?上官侮辱罪に相当するぞ!?」

「姉上は今任務中の筈です!人界にいるのは確かですが、妙神山で老師のゲームの相手をする、と言うデタントに関わる重要な任務に着いている筈!!貴女が此処にいると言う事は、任務放棄と言う事だ!」


どこかの名探偵の孫の如く、自分の推理に確信を持って断言するジーク。


「・・・ジーク、私は嬉しいぞ。貴様いつから私に対してそのような物言いが出来るようになった?其処まで成長していたとは、ついぞ知らなかった!」

「ええ、ボクもそう思いますよ。しかし、不思議と恐怖は無い。本物の姉上相手なら、こうは行かなかったでしょうね。」

「ほう、恐ろしいまでの自信だな。よかろう、特別に貴様の推理を聞いてやろう!」


「教えてあげるのは僕の方ですよ、横島さん。つまり貴方は先ほどボクがグラムを抜いた瞬間に文珠による幻影、もしくはタイガーさんの精神感応で「僕が最も恐れているモノ」を見せたのです!コレは全て偽りの光景!先程までのボクなら間違い無く引っ掛かっていたでしょうが、僕は変わったのです!!タネは全てわれましたよ、正体を現してください!!」


「っふー!!なんで急に現れたのか全く皆目見当もつかんが、兎に角助かったのは間違いないな、タイガー!!」

「全くデスジャー、神の使いとしか思えんデスノー!」

「女神に見えたぜ俺には!!」


ツンデレラ城アトラクションを抜けて一目散に逃げる横島&タイガー。互いの相方を小脇に抱えて走る走る。


ジークの推理通りの精神感応を発動しようとした刹那、本物のワルキューレが現れたのでジークが気を取られている間に逃げ出したのだ。

流石は魔神すら打倒した三界一の悪運大王・横島。タイガーは早くも同盟の恩恵を授かった。


正体を現さない(と思っている)ワルキューレに痺れを切らし、魔剣グラムで斬りかかったジークは、今度こそ本当にヴァルハラへの扉を開いた。


「残酷なる真実を教えてやろう。ヒャクメが貴様の行動を見つけ、老師が特別に許可してくれたのだ。三週間ぶっ続けでゲームの相手をしていた労いに、な。現在老師は秋葉原にお忍びで新しいソフトを購入している所だ。貴様の推理は良い線まで行っていたが、残念だったな?」

その声が、屍と化したジークの耳に届いていたか。それは作者の知るところではない。

ワルキューレ、またの名をヴァルキリー。

戦いと死の女神であり、戦士の魂をヴァルハラの宮殿へと導く戦乙女。

彼女は悠久の時を経て再び、かつての役目に出合った。


・・・・・・・・・・・・・立派な戦士へと成長した己が弟を、その宮殿へと導くコトによって。


続け!次こそ最終話に・・・!!(TДT)




・・・・・・・・・・実はまだ生きてます、GAULOISES46です。

今更ながらに電波(の気まぐれ)と言うものの恐ろしさを実感している次第であります。

前回書いたように、今回が最終話の予定でした。

最後の最後に持って来るべきネタだけはだいぶ前から決まっているのですが、そこに至るまでをスムーズに持って来るために学校でもバイト中でもネタを考え続けて、一ヶ月以上経ってようやく電波が届いたと思ったら、また終われ無かった上にキャラ増えちゃいました。もう、笑うに笑えません。

姉上登場については前回の義王さまのコメントを参考にさせて頂きましたが、そのままでは余りなのでジークに地獄を見て頂く事に。今回はサブタイトル付きです。いやもう、このタイトルをつけるしかないと言う様な内容ですので。

ここまで読んでくださった方の広い御心に深く感謝致します。

最終話の構成はある程度考えてあるのですが、前科を見るにやっぱり次の投稿も一ヶ月ほどかかってしまうのではないかと思っております。今からでも書く所存ではありますが。


某ベトナム戦争の映画のネタが散りばめられているのは最近見たからです。軍曹萌え。

あと、十年ぶりにGS美神のアニメ版も見ました。当時もなんとなく面白かったのですが、今見ると段違いに面白いです。でもやっぱり、ビ○クリマンの後に放送するにはちょいと難しい気がしまs・・きg・・うわ!何者だ貴様やめ・・ぎゃiy(s23u


当時は小学校低学年だったので「時給255円」の意味すら解りませんでしたし。「妖刀シメサバ丸」の話ではエミが絡んでるし、アーノルド、シュワルツ、ネッガーと名を変えたエミ事務所の三人の男気に素で爆笑しました。アニメ版ももう一度見たいと思っている最近のGAULOISES46でした。

それでは、次こそ最後になる事を祈って・・・(←自分で終わらせなきゃ終わらないって)。

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