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「横島ハーレムの悲劇!?(後編)(GS)」

こーめい (2005-06-04 01:52)
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注釈:人によっては「イ」指定かもしれません。

「ヒャクメぇ…頼むからもうばらしちゃってくれよ…」
「そう言ってもねー。私も忙しいし、みんな自分の状況に酔ってるっぽくて、話聞いてくれないのね」

ぐったりとテーブルに体を預けて伸びる俺。肉体的にも精神的にも疲労が大きい。
煩悩も全然発散できない。とはいえ、物理的には毎晩タンクの限界まで絞りつくされているので衝動はない。
去勢された…よりもっと悪いか? 欲求不満はあるのに、形にならない状態である。辛い。

今のところ俺の本心を知ってる女性はヒャクメだけだ。他の女性はみんな謎の悔恨やら贖罪やらで俺に接してくる。
男性陣も大体似た感じで、特に雪之丞なんか「わかる、わかるぞっ! 俺もママが…」とか号泣しやがる。
しかもその後、愛の鞭だとか言ってぶん殴るし。ピートとかも涙ぐみながら見てるし。反撃もできねえよ…。

良識派の唐巣神父にも相談してみたが、

「横島君。主は、心の欺瞞をお許しにならないよ」
「いや、本当に俺は!」
「それと、私からの経験として一言言わせてもらおう」
「…へ?」
「思い込んだ女性には勝てない」
「………」

つまり諦めろ、と言ってくれた。去り行く後姿から流れ落ちる頭髪を見ると、何も言えない。

西条にも連絡は取ってみたが、「さっさとルシオラ君を転生させて令子ちゃんを解放してあげたまえ」としか言わねえ。
タイガーは精神感応があるから俺の本心をわかってくれるのだが、役に立たない。タイガーだし。

「かくなる上は、さっさと誰かに孕んでもらって、ルシオラさんに転生してもらうしかないのねー」
「そうかもしれんが…しかし…その後俺、自分の娘を相手にすることになるんじゃないのか…?」
「…ま、神魔族にはありがちなことだから気にしないようにするのね」

慰めになるかい! 自分の意思で抱く初めての相手が娘ってのは…あんまりじゃー!


んでその数ヵ月後。
めでたく何人かは妊娠したわけだが、まだルシオラは転生していない。
妊娠した女性は残念そうではあるものの、「でも横島さんの子供だから」と愛おしそうにおなかを撫でている。
…のはいいのだが、その後もその女性がハーレムから、いや、夜のアレから出て行かない。

「横島さんを慰めるのも目的ですから!」

いや、無理しないで無理しないで! ていうかついでに俺の体の方も大事にしてやって!
相手の体、というかおなかの子供が気になって精神疲労倍増。おかげで最近は一日中ぐったり。

もう煩悩は溜まりに溜まって、一日二個くらい平気で文珠が出せるし。
やることないから練習してたら、文珠八個くらいの同時制御も出来るようになっちゃったし。
色んな種族と通じて霊気、魔力、神通力などに接しているせいか、霊力量アップしている気がするし。
周りには、ルシオラの時の悔恨から自己を鍛えていると思われてるらしい。
もう俺って本当になんなんだか。


「どうでもいいけど、小竜姫様とかワルキューレとか、本来の仕事あるんじゃないのか?」
「人界での数ヶ月や数年程度、我々の感覚から言えば大したことはありません」
「そうだ。どうせ軍のほうも今事件が起きていないから雑用ばっかりだしな」

それって留守にする言い訳になるのか? それにヒャクメはなんだか忙しそうだし。

「彼女は情報官ですから仕事には事欠かないんですよ」
「ジークも土偶羅もたまにしかいないだろ?」

まあ男はどうでもいいのだが…。

「たたたたた大変なのねー!」

なんだ? 噂をすればヒャクメが慌てて飛び込んできた。

「ちょっと横島さんこっち!」
「うおわっ!?」

いきなりテレポートで連れ去られ、気がつけば…ここは東京タワー?

「ヒャクメ? ここで話す話ってことは、ルシオラが転生したのか?」
「そうなんだけど…大変なの。とりあえず気を落ち着けて聞いて欲しいのね」

なんだ? まさか魂になる霊基構造が足りなくて、このままじゃ流産してしまうとか…?
やっぱりあいつには会えるなら会いたい。て言うか今の俺の安寧は彼女とともにしか訪れそうにない。
現状の間違ったハーレムから俺を救い出してくれるのは、今や彼女だけであって…。


「彼女じゃなくて彼。男の子なのね」
「………」


はい?

「生まれるルシオラさんの性別を、魂の状態で判別したんだけど。あ、言い換えると雄。♂。XY。凸。MAN。MALE…」
「ちょ、おい!? なんであいつが男として生まれるんだ!? ルシオラは女だぞ!?」
「生まれ変わる時に性別なんかいくらでも変わるのねー! でも縁が強いからそのままの性別だと思ってたけど」
「えー、するってーと、縁が弱かったとか?」

そう聞くと、ヒャクメは首を振った。

「どうもルシオラさん自ら、親子で間違いのないようにと希望したらしいのね。転生後はあくまで別人だからって」
「…責任感が強いというか俺が信用されていないというか。しかし…」

自分の娘相手でも倫理的にきついのに、さらに同性同士かよ!
無理だ! いくらなんでも、普通の親子として以上の愛情なんか与えられないって!
ルシオラも、転生する頃に俺の周りがこうなっているとは思いもしなかっただろうが…ちょっと恨むぞ。

「ルシオラさんは、今回はただの子供で我慢して、二人とも来世になった時に改めて会う予定だったみたい」
「納得はいかんが分かった。…で、だ。これを聞いて、女性陣はどう出ると思う?」
「もうみんな、今回のルシオラさんを応援する気でいるから…“彼”はみんなにそういう風に指導される可能性があるのね」
「そういう風って…何をするんだ?」

ヒャクメはちょっと考え込むが、

「…とりあえず拡張かな?」
「うぉい! いきなり具体的過ぎる行動挙げるんじゃねー! 何考えてるんだこら!」

どいつもこいつも、俺を何だと思ってるんだ! 俺はホモでもなければロリでもないわい!

「女性相手なら後ろでもやってるくせに、今更こだわる必要ないと思うけど」
「未だに自分の意思でやったことないわ! それに男のケツと女のケツは違うの!」
「別に違わないと思うのね…って、ちょ、うめぼしはやめて! 痛い痛いごめんなさいー!」

俺が欲情できるかどうかが問題なんだから、俺が違うったら違うんだよ!

「だいたい、親父とお袋にどう説明しろっちゅーんじゃ!」

…結婚すると言って普通に彼女を連れて行くだけでも覚悟がいる。あのお袋の目に適うかどうか。
その際に血が繋がっている事を隠すのも大変なのに、男は…男は…無理。勘弁してください。
案外両親は生暖かく認めてくれるかもしれないが、それはそれで嫌だ…。

…逃げるか? 今の俺なら文珠は思いっきり使えるが…どうだろう。

「世界中のオカルト関係者や神魔界の実力者相手に、逃げ切れると言うならやればいいのねー」

斉天大聖、竜神王やオーディンなども場合によっては出てくると言う。そこまでオオゴトなのか、俺の話って!?
流石にそれらを相手にずっと逃げられるわけも無い…。しかし…。


「…ん? そういえば、誰が妊娠したんだ?」
「え? あれ、言ってなかった?」

いきなり男だと言われただけで、聞いてないな。
やっぱその人には優しくした方がいいんだろうか? まだ妊娠してないのは…えーっと。

「私なのねー」
「そう私、って、えー!?」
「何を驚くことがあるのね?」
「いや、お前、しょっちゅう用事でいないから、あまりやってないじゃねーか」
「まー授かりものだから。仕事中ちょっと体調がおかしくなったんで調べたら、ビンゴだったのねー」

なんだかなー。まー俺の本心知ってるのこいつだけだから、そういう意味では丁度よかったのか?

「でもさっさと記憶戻す予定だし、特殊な環境で一気に成長させる予定だし、産んだのが誰でも関係ないのね」
「そーいうもんか…? 種族とか色々関係あるような気が…。まあ、これで毎晩の荒行も回避できるか…」

問題山盛りではあるが、ルシオラ転生のための疲労からは回復できるだろうと考え、俺は少し気分を前向きにした。
…前向きにしないとやってられない気分だったからだが。


しかし。事態は全然好転しなかった。

「横島さんを慰めるのも目的ですからっ!」

いい加減それは無理がありませんか!? とっくにそっちの都合で俺弄ばれてるでしょ!?
最近は式神の要領で俺の体を操ったりと、色々な研究に余念がありませんね? 俺、知識だけはたっぷりついちゃったよ。

ぐったりとして床に就くと、「あはは、おつかれー」とヒャクメが迎えてくれる。
彼女は流産の危険を最大限避けるため、あれには参加していないのだ。
仕事のほうも妊娠を理由に在宅勤務にしている。どうせ瞬間移動できるんだから関係ないようにも思うが。

「なんかこー最近、みんな激しくなっている気がするんだが」
「ま、そりゃーそうでしょ。ルシオラさんが生まれたら身を引く約束なんだから、それまでに子供を欲しいんじゃない?」
「純粋な愛にしては俺の体を好き勝手してくれているのがなぁ」
「まあそりゃー気持ちいいほうがいいに決まってるし。…さすがに連日、横で見てるだけだと腹立つけど」

拗ねるヒャクメにキスしてやって寝る。何かこう、この時だけは普通の恋人っぽいよな…。
母体を大事にするとかで、俺はヒャクメとも一緒に寝ることを許されてないのだが。


そして約一年後。…ヨコシマハーレムの全員が一度(一部は二度)妊娠した頃。
ルシオラの生まれ変わりが誕生した。

別に外見は普通の人間で何の変哲も無い。ちょっと神通力が入ってるかな? 目が沢山あったりはしない。
髪の色も黒で、どうやら外見もルシオラそっくりになる予定だそうだ。…スタイル的にもな。

「これで、ハーレムは終わりってことか」

これからも色んな意味で辛いのだが、とりあえず毎日搾り取られることはなくなるだろう。
あの家はそのまま俺とルシオラ(男)の住居になり、彼女たちは出て行くそうだ。
この一年でもう俺としてはいい加減開き直ったので、ルシオラ(男)といたすことには抵抗しない。
だが折角自由になるんだ。隠れてナンパでもして、せめて俺の、自意識による初めては女相手にっっ!


…となるはずなんだが。どうして俺は今、裸で拘束されているのだろう。

「今日で、私たちが横島さんに会うのは最後となります」
「拙者らはそれぞれ里や元の世界へ帰るでござる」
「ま、妙神山に来てくれれば会えまちゅけどね」
「そうですね。たまにはこの子にも会いにきてください」
「私たちからは会いに行かないわ。だって、そんなの未練がましいもの」
「でもね〜。こんどは〜ルシオラちゃんが〜苦労しそうだから〜」
「餞別として、金輪際浮気できぬようにしてやろうというわけだ」
「ま、みんなで考えた末の結論だから、受け取っておくれよ」
「貧ちゃんの福の神の祝福の力と、」
「アタシの九尾の狐の変化の力と、」
「あたしの霊基分解毒を混ぜる」
「えーと、調合は私なのね」
「仕上げに妖精の粉をかけて、出来上がり」
「さ、召し上がってください」

ぱくり

「むぐー!?」

おっそろしい味が舌の上で炸裂した。
俺の意識は刈り取られ、揺さぶられ、攪拌され、押し潰された後、闇に沈んだ。

「じゃあね…。横島クン、さようなら」

最後に別れの言葉を耳に受けながら。


さて現在。

俺たちは幸せに暮らしている。
たまーに昔のハーレムの女性たちを訪ねて子供に会ったりしているが、それ以上なにもない。
あれ以来性交渉を行ったのはルシオラ(男)のみ。たっぷり覚えた性知識が役に立っている。

ルシオラ(男)も記憶を戻した当初は自分の境遇に驚いていたが、みんなの心遣いだとわかると感謝していた。
生まれて数日で十六才くらいに成長させられているため義務教育を受けていないのだが、元が賢いルシオラだ。問題ない。
もうすでに色んな怪しげな機械、兵鬼を作るのを趣味としている。少し常識に疎いが。

生まれ変わりは別人なんじゃないかって?
生まれてすぐ前世の記憶を戻したから、人格が別と言ってもちょっと上塗りしただけのようなものだ。
魔族から人間になった時点で自分の体が大きく変わったのだが、それについては大して困りはしなかった。
むしろ性別が変わることによる色々な感覚の違いが問題だったようだ。

俺はGSとしてもそれなりに活動しているが、やはりルシオラ(男)に心配かけたくないからあまり依頼を受けていない。
文珠も一時ほどは作れなくなってしまった。また、ここしばらくは信用できるGSに文珠だけ渡して仕事を任せている。
GSを辞めるつもりはない。普通の働きより効率がいいから、ルシオラ(男)との時間をたっぷり取れるからだ。
ルシオラ(男)は前同様機械いじりが趣味なので、その辺にお金が少々かかるから、遊んで暮らすわけにもいかないし。

「あ、ヨコシマ。ここに居たんだ?」
「あ、うん。ちょっと日記を」
「へえ? …ちょ、こんなにいちゃいちゃしてたかなー?」
「大体こんな感じだって。間違いないよ」

今はもうルシオラ(男)も横島なんだけどな…。呼び方は変わっていないのだ。
笑いながら俺は日記を閉じる。ふと見ると、ルシオラ(男)の手に手紙が握られているのを見つけた。

「…それは?」
「ああ。お父さんたちからヨコシマ宛に」
「ありがと。えーと…」
「…どう?」
「うわ、何か俺に弟が出来るらしい」
「ええ!?」
「まあ、俺がこんなんなっちゃったからね。次に期待したいんだろ」


そう言って俺は、結構膨らんだ自分のおなかを撫でる。…六ヶ月だ。


「ごめんね。私があれ着けなかったから」
「いいって。俺もわかっててやったんだから」
「…そう? でも、妊娠できるとは思わなかったね」
「そうだな。女にされたときは見た目だけかと思ったんだけど」

あの最後の餞別の効果がこれ。
すっかり体内機能も女になってるもんだから、このとおりだ。
ついでに言うと、妙な変化をかけられたせいで俺の体はこれ以上変化させられない。
つまり文珠でも“男”になれないし“戻”ることもできない。

「まあ、確かにこれで浮気は出来ないわね」
「そりゃ女同士じゃあナンパする気も出ないよ」
「私以外の男、相手にする気もないわよね?」
「相手がルシオラだから出来るんであって、他なんて願い下げだって」
「そうね。私もヨコシマ以外の女は相手にしたくないわよ」
「あはは、そりゃそうか」

そう言って笑いあう俺たち。


多分俺の人生は恵まれている方なんだろう。
これからだって不幸になる要素なんてないはずだ。

だけど、時々ふっと、今俺は幸せなのか考えてしまう。

異性に恵まれ、環境に恵まれ、知人に恵まれ、さらに今度は子宝にも恵まれて。

それはもちろん幸せに決まっている。うん、決まっているのだ。


だってそうじゃなきゃ…何だっていうんだ!?

女言葉の男と男言葉の女でカップルになって何が悪い!?

伴侶が血の繋がった子供だがそれが何だ!?

ついでに言や俺は一生精神的に童貞だがどうだっていいだろ!?

何だよ! 言ってみろよ! こら! ヒャクメ! 見てんだろ!?


「…あはは…ノーコメントで…お幸せにー」


…うわあああああああああん…!


BAD?END

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