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▽レス始

「横島の野望―あるいはこんな○○話― その2(GS)」

運値 (2005-05-05 03:25)
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横島忠夫は、今深刻な悩みを抱えていた。

それは、数日前に行った覗きに起因する。

何時もの様に時間を見計らって、バスルームの窓を開く。

しかし、その日は彼の目的とする人物はそこにいなかった。いなかった

のなら問題は発生しなかったのだが、そこには別の女性が入浴中であった。

彼女の名はおキヌちゃん。


止まる時間

轟く悲鳴

あがる血飛沫

覗きの対象が彼の雇主である美神令子であるのならば、鉄拳制裁のみで許され

たのかもしれない。しかし、対象が彼女以外であった場合にはその限りではな

い。

「横島、あんたしばらく給料無し」

「そんな殺生なー!!!」

また、時期も悪かった。ちょうど給料日前。もう既に金は無く、食料も底をつ

いている。

普段なら、諌め役にまわるおキヌちゃんも今回は、汚物を見るような目で横島

を見ている。

脳裏に『餓死』がちらつく。

(…今回はさすがにやばいかもしれない)

後悔先に立たず、イン○はずっと勃たず。横島はこの日から、水を中心とした

食生活を余儀なくされたのであった。


「あー、腹減った…」

そんな出来事から数日後。横島は美神の命令で厄珍堂にオカルトアイテムを取

りに向っていた。

「ちわーっす、厄珍いるかー?」

店の軒先をくぐり、声を掛けてみるが返答が無い。

「いねーのかって…ん?」

店内を見回すと、美味しそうな匂いが漂ってきた。

暫く店内を探すと、床に無造作に○野屋の牛丼が置いてある。

ここで情報を整理しよう。

@横島は数日、ろくに食事を口にしていない。
A目の前に美味しそうな牛丼
B周囲には誰もいない
Cいま、彼は空腹のため思考能力が大幅に低下している


結論

「いっただきまーーす!!」

数分で食い終わる横島。

「久しぶりに、飯を食ったぜ…。でもなんで牛丼がこんなところに」

お腹が膨れると、思考能力が戻っきた。

ここは厄珍堂であり、まともな物は置いていないはず。

「まあ、いいか。多分奴の昼飯か何かだったんだろうが」

そのとき、厄珍がちょうど帰店した。

「ただいまアル。ってボウズ何してるあるか!?」

厄珍の目の前には、空になった牛丼。そしてそれを食ったと思われる横島。

ただ、牛丼を食ったことで怒っている様には見えない挙動不審の厄珍に疑念を

抱き横島は言った。

「おい、何かあるのか?この牛丼に」

「ワタシ何も知らないアル。食ったお前が悪いアルよ!!」

「何だと!?…って、うぐっ」

横島はこの感覚をかつて体験していた。

(この感覚は時空消滅内服液入りケーキを食った時と同じってことは…)

「いやじゃああああああああ!!!」

時既に遅し。どんどん透けていく横島の体。

「ボウズも悪い奴じゃなかったが、今回ばかりは運が悪かったアルな」

「てめえ、ふざけるな!!」

「勝手に、食べたお前が悪いアル。まあ運がよければ助かるアルよ」

「ぐう、呪ってや………」

瞬間、消える体。

静まり返った厄珍堂で一人厄珍だけがとり残された。

「…って、ワタシここで何してたアルか?あ、牛丼が空になってるアル。ネズ

ミに天罰が下ったアルね」

にやりと笑う厄珍。


この日、誰にも知られること無く、一人の男が世界から消滅した。


(…ん、ここはどこだ?)

横島が気がつくと、見覚えのある建物が目の前にあった。

「GS資格取得試験2次試験会場って、もしかして…」

どうやら横島はGS試験真っ最中に逆行してしまったようだ。

「どうしたの?横島君」

横には、ミカ・レイこと美神令子が不思議な顔をしてこちらを見ている。

「い、いえ。何でもないっす」

(ってことは、ヤバイ。この世界のおキヌちゃんはまだ幽霊だったか…。俺、死んだかな)

そう、時空消滅内服液から逃れるための唯一の手段は、呑む前に起こった一番印象深いことを

再現することである。前回は美神とのキッス。今回は、おキヌの裸を覗くことであることは間違いない。

しかし、彼女は幽霊であり、基本的に裸になることは無いし、脱げと迫るわけにもいかない。

(俺、神様に嫌われてるのか!!!)

確かに神様に対してスキンシップという名のセクハラはかましてきたが…。

白く燃え尽きた横島をよそに、試合は進んでいく。

そして、横島の出番になった。

「ちょっと、何たそがれてんのよ。横島君。試合が始まるわよ」

ミカ・レイの声で我に返る横島。

「ま、てきとーにがんばんなさい!相手は誰?」

「九能市氷雅、18歳です。お手柔らかにおねがいしますわ♡」

目の前に美人な対戦相手が挨拶に来た。

(くっそー、こーなりゃやけじゃ。セクハラしまくったる!!!)

「何口走ってるの、あんた!」

「ああ、考えてたことが口にでてしまったーー!!!」

ミカ・レイにシバかれすでに試合前に血みどろになってしまった。


そんなこんなで試合開始。

(たしか、こいつは霊刀で攻撃してきたっけか)

頭の中で必死に過去を思い出す。そう、刀を折った後にムチムチの衣装になっ

て・・・・

と、手の中に霊力がたまり『折』の字が入った文殊が出来上がる。

(おかしい、俺の霊力が逆行前と変わって…って)

「うお゛ーーーーっ!?」

辛うじて氷雅の居合いをかわす横島。

「おや…?私の居合いをおかわしになりましたね…」

「くっそー、えっちなねーちゃんなのに、危ない奴!!」

ハンズオブグローリーを出して構える横島。それを見て氷雅の目つきが変わる。

「その、剣はいったい!?…まあ、良いでしょう。全力でお相手いたしますわ」

「い、いや、出来ればお手柔らかに」

「問答無用!!!」

迫る刀を何とかいなし、文殊を出すタイミングを計る。

三度目の鍔迫り合いの時ついにチャンスは訪れた。刀の束を左手でつかみ、一

瞬の隙を作る。相手が振りほどこうとした瞬間、霊波刀を消し、文殊を刀に叩

き込む。

「何、今のは!?」

驚愕する氷雅。見ると手元の刀が根元からパッキリ折れていた。

「げへへ、逃がしはせんで!!」

鼻息荒く追い討ちをかける横島。

後は一方的な展開だった。セクハラを働こうと飛び回る横島と、必死に逃げ回る氷雅。

しばらく、鬼ごっこを繰り広げた末に・・・

「ギ、ギブアップですわ…ハアハア…」

「し、勝者横島忠夫選手!」

宣言する審判。しかし横島は…

「なんやと、ねーちゃん、まだ乳もさわっとらんぞ!?」

試合そっちのけで更なるセクハラに励もうと、氷雅に向って飛びかかろうとし

て…

「あんた、いい加減にしなさい!!!」

「ノーーー!!!」

最後にミカ・レイの強烈な突込みが入り、この試合の幕は閉じた。

こうして、観客どっちらけ(女性客は引きまくった)で横島のGS資格取得が決まった。 

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