厄珍堂の店主は、今深刻な悩みを抱えていた。
それは、最近厄珍堂内に出没し始めたネズミである。
オカルトアイテムの被害多数。そこまではまだよかった。
だが、被害が彼の宝物とも言えるエロ本に穴があけられ
糞尿塗れにされた時、怒りは頂点に達したのである。
「くっくっく、この厄珍を本気で怒らせたあるね!!!」
厄珍が手にしたのは、カオス印の『時空消滅内服液』。ネズミ
ごときを消し去るには非常に高価な薬である。しかし、この
時の厄珍は、ネズミを前にしたドラ○もんの様に思考が狂っていた。
「さて、○野屋の牛丼に、この薬をまぶして…ここでいいあるか。」
ネズミが通りそうな場所に置いて、彼は新たなエロ本を求めて、近所の
本屋へと旅立った。
この時厄珍は、店を閉めるのを忘れていた。それほどまでに、彼の失った
エロ本は貴重な宝物であり、彼の気が動転していたのが伺われる。このこ
とで彼を責めるのは酷なことであろう。
しかし、これが悲劇(?)の幕開けであった。