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「日々強く在れ・5(GS)」

ねずみ男 (2005-04-14 01:24/2005-04-14 16:37)
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「まさか…小僧がアシュタロスの記憶を掘り起こしていたとはのう」

茶の間でちゃぶ台を囲みながら小竜姫、ワルキューレ、ジークと斉天大聖は先程横島が話した、自分がどうやって力を得たかという説明を思い出す。

なんと大戦時に文珠で『模』倣したアシュタロスの記憶、一度効果が切れたそれを、今度はまた文珠で呼び『覚』ましたと言うのだ。

小竜姫とワルキューレはまさか横島が一人でそんな事をやっているとは思いもよらなかった。

斉天大聖もそんな方法よく思いついたものじゃ、と本気でそう思う。だが同時に

「…危険じゃな」

「老師どういう事ですか?」

「小僧はいつも何を考えながら文珠を使っとると思う?何も考えとりゃせんよ、ただ単に『こういうモノ』じゃと漠然に『爆』発させたり、『奪』ったりしとるんじゃ」

そう、横島は何も難しい事は考えずに文珠を使っている。以前横島は文珠を使いコンクリートの地面を『柔』らかくしたことがあったが、勉強嫌いの横島がコンクリートの材質や構造を理解している訳がないのである。

なのにコンクリートは柔らかくなった。

「つまりじゃ、文珠はイメージと霊力しだいでは文字通りなんでもありという訳じゃな。そこに来てアシュタロスの膨大な記憶じゃぞ?今までは考えもつかなかった文珠を使うかもしれん」

「はぁ、…すごいですね。ってちょっと待って下さいそれって!?」

斉天大聖の説明を聞き、重大な事に気付き声を荒げる小竜姫達。

「…おぬしらの考えている通りじゃ、小僧の霊力しだいでは神界、魔界、人界関係なく影響を及ぼすじゃろう」

つまり、そうなればデタントどころでは無いと言うことだ。恐ろしい能力である。ふとジークが呟く。

「…もし上級神魔に知れれば、横島さんは間違いなく消されますね…」

確かにそうだと納得し愕然とする小竜姫とワルキューレ。

そうなったら自分はどうするだろう。あの横島が世界崩壊を望む?ありえない。今日だってパピリオを助ける為、自分の事も考えず崖から身を投げた程のお人好しなのだ。

危険だからという理由だけで消そうとするなら横島には全く非はないのだ。

それでも神、魔はためらいはしないだろう。…では自分はどうする?

「…まぁそんなに気に病むな、霊力しだいとは言うても神魔人界に影響をだす程の力など、例え最高指導者でも難しい話じゃ」

それを聞いて、ならば横島が消される心配はまだないだろう、と安心する一同。

(…だが最高指導者の二人はすでに気付いておるじゃろうがのう。危うい事じゃ、さてわしはどうするかの?)

なんだかんだで横島と雪之丞は斉天大聖の人間での初弟子なのだから、臆病な神、魔にむざむざ殺させてやるいわれは無いのだ。


 ◆

「きゃはは!くすぐったいでち!」

「こらパピリオあばれんなって…ほいじゃあ今度はあっち向けよ」

横島とパピリオは一緒に風呂に入っていた。久しぶりのゆったりした空間に横島はのんびりできていた。今はパピリオの背中を洗ってやっている。

ふと背中を向けたパピリオの様子がおかしい。横島は手を止めてパピリオに話し掛ける。

「…どした?痛かったか?」

その問い掛けにパピリオは首を横に振って返す。横島が俺がなんかやったか?と考えていると。

「…よく三人でお風呂に入ったんでち、…それを思い出しちゃったんでち」

一端間が空く。

そっか…と軽く返事を返す横島。パピリオの肩に手を置きくるっとこっちに向きを変えさせる。

「…えーとほらっ泣くなってパピリオ。俺でよかったらパピリオが会いたい時いつでも来てやるから!な?」

横島が笑顔でそう言うが、パピリオはまだしょんぼり顔。そこで横島はなんとかパピリオに元気になって貰おうと立ち上がり…

「パピリオほらっ!ぶらぶら〜ぶら〜ん♪」

はっきり言って子供騙しだ。パピリオには全くウケていない。それどころか…

「…アシュ様のより小さいでち」

「うっ、さいですか…」
(まぁ魔神にゃかなわんわなぁ…)

横島は自分のブツを淋しく眺め、結構大きい方だと自信あったんだけどな…と呟く。

だが次のパピリオの言葉に完全に氷ついた。

「…土偶羅様の口といい勝負でち」


…はぁ?なんですって?


「はぁん!?なんですと!?そりゃないだろパピリオ!もっとよく見てくれ!ほらっ!」

「ふーん、やっぱり変わらないでちよ?」

そんなぁーとがっくり床に膝から崩れ落ちる横島。そんな横島の背中をパピリオは優しい顔で…

「そのうちいい事あるでちよ」と慰めてやるのだった。

予定通り?パピリオは元気を取り戻したが自分が落ち込んでどうする。


 ◆

二人がお風呂からあがると、ジークが作った夕ご飯をテーブルに運んでいるところだった。

「横島さん、雪之丞さんを呼んできてもらえますか?」

小竜姫にそう言われた横島は雪之丞がいると思われる外に裏口から探しにでる。

「あいつこんなとこで何やってんだ?」

入り口側とは違いこちら側はひらけていて草原が広がり景色がいい。遠くには夕焼けが見え隠れしている。

そんな中雪之丞はいた。夕日をぼーっと眺めながら草原に座りこんでいる。

「おーい!雪之丞メシだってよ――」

と横島は声を掛けながら、雪之丞に歩み寄るが、反応がない。

「な、なんだよ。まだ落ち込んでんのか?もう二度としないから機嫌なおせって」

「…そんなんじゃねぇ」
(会いたいよママ…)

ふーん…と適当に相づちしながら横島はやっぱ気にしてんじゃねぇかと思う。

しばらく二人でそうしていると雪之丞がふとぼんやり呟く。


「夕焼けってよぉ、昼と夜の間、その一瞬しか見えねぇから綺麗なんだよなぁ〜」

「…はい?」


…今こいつなんつった?


言った。

間違いなくこいつは言った。

自分とその相手二人しか知らないはずの台詞を…

今はもう会うこともできない恋人と同じセリフを事もなげに言いやがった。

それは自分にとって特別な言葉。

二人を繋ぐたった一つの絆の言葉。

その台詞をこいつはいいやがったのだ。


「う…うぅうぅ〜」
(ル、ルシオラぁ〜)

「ん?どした横島?そういやぁメシだって言ってたな。俺ハラ減ったから先に戻るぜ」

そう言って雪之丞は後ろ手を振りながら去っていった。


「ぐぅ…うっうっう…」

ああ、涙が止まらない。横島は半年ぶりにルシオラを思い頬を濡らした。すごく大切な何かを無くしてしまった気がした。


 ◆

皆で夕食を食べ終わった後、小竜姫は横島に呼び出されていた。

(横島さん…あんな真面目な顔をして私に大事な話があるなんてどうしたんでしょう。

もしかして…横島さん。わ、私のことを?…まさか

でも…今日の横島さん、なんとなく素敵でした…)

そんな事を考えながら小竜姫が裏口から外に出ると横島はいた。夕日をじっと眺めながら草原にたたずんでいる。

「横島…さん?」

「…小竜姫様」

こっちを振り向き、横島はフッと微笑む。歳に似合わない哀愁を漂わせるその微笑に小竜姫の胸がドキンと高鳴る。

横島はまた夕焼けに目をやるとそっと呟く。


「――綺麗ですね夕焼け…昼と夜の隙間、その一瞬しか見えないから綺麗なんですよね」

哀しげに呟く横島が、なんだか今にも消えてしまいそうで…

(――横…島、さん)

小竜姫はそっと横島に寄り添い、一緒に夕焼けを眺めた。


横島は考えていた。

大事な台詞を雪之丞なんかに言われる位なら、もういっその事皆に言いまくって流行らせてしまおう。と…

(なぁ…ルシオラ?)

そう…昼と夜の間の一瞬の隙間が美しいのに変わりはないのだから。


 ◆

次の日の朝、横島と雪之丞は帰り支度を整えると小竜姫達に挨拶をした。パピリオとジークはいない。パピリオはまだ寝ているのだろう、ジークは朝ご飯の支度だろうか?

「また来てくださいね?パピリオも喜びますから」

「次に来たときは私が手ほどきしてやろう、まぁ私は小竜姫と違いいつもここに居る訳にはいかんがな」

小竜姫とワルキューレに見送られながら二人は妙神山の門を後にした。

ふと横島は妙案を思いつく。

「雪之丞、近道しようぜ」

「ん?そんなんあんのか?」

ああすぐそこだよ、と崖の方を指を差す。怪訝そうな顔をした雪之丞の背中を思いっきり突き飛ばす。

「のわっ!」

地に足をつけず、雪之丞は5メートル程吹っ飛ぶ。そしてそのまま崖下に消えていった。


(なんだなんだなんだー!!何が起きやがった!)

吹っ飛んだかと思えば、すぐさま恐ろしいスピードで落ち始めた自分の体。雪之丞はさっぱり意味が解らない。ふと横から気配を感じ視線をやるとニヤニヤしているライバルが見えた。

「―――っ!――っ!」

てめぇ何しやがる!、そう叫びたいが声にならない。
一方横島は落ち着いている。なぜならポケットに入れた手の中ではすでに『柔』の文珠を握りしめているからである。

あとは地面にぶつかる前にこれで柔らかくしてやればいいだけだ。

「どーだ雪之丞!俺昨日こんな所から落ちたんだ。な?めちゃくちゃ恐いよなぁー!」

余裕があるからか二回目だからか普通に話す横島。

「―っ!――っ!」

「あん?なんだって?」

「―っ!!!」


横島の発動した文珠で二人は柔らかい地面の上を何バウンドかした後無事着地した。お陰で怪我一つない。

「てめ横島なんてことしやがるっ!そこで待ってろぶん殴ってやる!」

「…それはいいが、お前ちゃんと立てよ。膝が大爆笑しとるぞ」

横島の言葉の通り、起き上がった雪之丞の膝はガクガクプルプルと面白い位に震えている。

「それにこれは妙神山帰りの儀式だ。確かめてみろ自分の力を…」
(なーんちゃって)

「なにっ!…あ、ああ言われてみればそんな気が…」

とたんに拳を握り締め嬉しそうにな顔をする雪之丞。

「よし横島!向こうに着いたらバトルで勝負だ!」

「ああ、わかったわかった」
(はぁ、アホやなぁ〜『バトルで勝負』だぁ?お前はポケモンリーグでも目指す気か?)

そんなバカな言い合いをしながら森を抜けると帰路につくのだった。


あとがき

どーもねずみ男です。批判が恐い今日この頃。他の方の横島に比べて俺のはすっごい調子こいた奴だと思ってしまう。こんな横島でもいいですよね?ちゃらんぽらんで都合の良い軽くてお手ごろ〜な奴なんです。

最後に…

こんな実写番GS美神は絶対嫌だ!

美神役/青木さやか
「ふざけないでよっ!あんたどこ見てんのよっ!」

横島役/出川哲郎
「美神さん勘弁して下さいよ〜マジやばいッスよ」


オロチ様へ
文珠についてはその通りですね、さすがにそれは最強過ぎですよ

ガパソン様へ
幼児退行俺もしたいです。ってか幼児逆行したい!

D,様へ
あんまり要らないんじゃ…と思われますよね?まぁ確かに今はいらないような感じですが後々色々あると思います!

nacky様へ
チビ雪とでも言っていいのでしょうか?すぐ泣く悪ガキって感じで自分も気に入ってんです。また出したいと思います

柳野雫様へ
こんな感じで二人には『なんだかんだで気の合う相棒』的な雰囲気だせればいいなと思います


みなさんそろって『らしい』と言って下さり本当に嬉しいです。それってキャラが生かせてるって事ですよね?…え?ですよね?いや頑張りますよ!

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