無限の魔人 第三十話 ~過去より帰りし者+来たる者~
「なっなななななななんなんじゃんっ!?」
「ラピス説明頼む。」
「ええ!?界人がしなよ!自分の事じゃないか。」
「・・・・そんなにしりたいか?」
ハーピー説得後、文珠でさっさと元の時代に帰ろうと思い実行したのだが・・・文珠を出した時ハーピーは腕の中で半ば眠った状態だった為に俺が文珠を出したところを見ていない。
ハーピーが起きたのは時の流れから飛び出すとき、元の時代に帰り着いた時に起きた時空震で目が覚めたのだ。
そのためかなり驚いて俺に詰め寄ってたりする・・・・。
顔が近い、俺の顔4cm手前にハーピーの顔がある。
ちょっとだけ焦ったりしたが、ここは顔に出さないように耐える。
文珠は説明すべき事なのだろうが、2度も同じ事を1から説明するのは面倒なのは変らない。
できれば説明したくない・・・・そういえばこれから何度説明すればいいんだ?
俺という存在はそのまま受け入れられないような者であるから仕方ないといえば仕方ないが・・・。
まぁ、正体を隠しとおせれば説明する必要も無い・・・・。
ハーピーはしきりに首を縦に振って、如何にも「教えてください」といわんばかりだ。
ハーピーにとっては初めてだとしても、俺にとっては2度目の説明・・・・やっぱりやりたくないことには変りなし、さっきのことも有るからメドーサよりもラピスの方が良いだろうと思ってラピスに頼んだのに・・・・はぁ、此処は軽く説明するだけにしておこう。
「俺はこれから起きる事を体験して戻って来た者。ちょっと特殊な能力の持ち主って所、オーケィ?」
「ちょっと特殊なって、時間移動できるのが『ちょっと』なの!?」
・・・軽く説明すると質問ばっかり返ってくるのか。
やっぱりさっさと説明するのが吉。
「あ~、俺の能力は文珠って言ってだな・・・
・
・(カット(え
・
という訳で、大体のことはこれがあれば出来るんだ。」
「へぇ・・・やっぱり界人って凄いじゃん。」
なんていって抱き着かれたり。
「はいはい、抱きつくのは後にして・・・・界人これからどうするのさ、龍美の応援でも行くかい?」
応援・・・か、どうしようかな・・・・世の中の厳しさをあいつに知ってもらう必要もあるし、あいつ自身の能力限界も知る必要があるな・・・。
「いや、龍美の方は好きにさせるさ。社会勉強だ。」
「界人って結構スパルタなんだね。」
そうか? むしろあれは俺の思いやりの結果なんだが。
「可愛い子には旅をさせろって言うだろ。それにあいつが危険になったらすぐ駆けつけられるし。」
「なんで?」
「いや、龍美は俺の眷属なんだ・・・いや、一部と言ってもいい、あいつに何か有ったら直わかるようになってんだよ。」
何か俯いてぶつぶつ呟いてる3人。
一体どうした!?
「ど、どうした3人とも・・・ちょっと怖いぞ?」
何故か嫌な予感が・・・・いや、嫌なのかどうかも良く解らない。
なんだこの感覚は!?
1人は指をあごの下につけて、もう1人は左手を頬に添えながら、最後の1人は指を唇に這わせて・・・。
ちょっと色っぽい、何て考えながら様子を見る。
「ブツブツブ・・・・眷属・・・・ピンチになったら駆けつけてくれる・・・・ブツブツ・・・・龍美ちゃんだけ・・・・。」
「眷属・・・・・縛られる・・・・のは嫌、ああでもそれも良いかも・・・なんて・・・ああ、でも・・・。」
「ああ、一部・・・・界人と同じ・・・・素敵。」
聞こえない、聴こえない。俺は何も聞いてない。
・
・
・
「「「界人!!」」」
「は、はい!」
「僕も眷属になるよ!」
「あ、あたいも眷属にして!!」
意気込んで前の二人は言ったが、メドーサだけは――――
「龍美だけって事も無いだろ?」
――――――流し目で言ってくれました。
龍美のは体を作る時に俺の存在力を使ったから仕方が無いとはいえ・・・・うーん、人を縛るって言うのは嫌なんだよな。
でも、眷属にしてくれって・・・・。
それに・・・・アレがあるから眷族にしても一緒に渡れるか解らない。
な!?
今何を、何を考えた!?
ふざけるな!
二度とあんな事を起こさせないと決めたんだ!
アレはもう起こさないだ!
二度と異世界になんか行ってやる物か!!
そうだ!二度と行かないのであれば眷族にしても問題は無いじゃないか。
俺という存在と共に在る事を求められている。
嬉しいじゃないか、素晴らしいじゃないか。
俺が随分沈黙していたので3人が不安そうにこちらを見ている。
ふぅ、そんな顔させてしまうとは・・・俺も馬鹿だな。
「良いのか3人ともそれで?」
「構わないよ。」
「うん。」
「あたいの命を救ってくれたんでしょ? だったらその命を界人にあげるよ。」
ああ、くそっ。
そんな嬉しそうな顔で言われたら断れないだろうが。
「解ったよ。契約を。」
3人が三角形の頂点となり、俺が中心に。
4人を包む空間が出来上がる。
一種の結界の中で契約は行われる。
結界の中は真っ暗で、光1つ見えないのに3人の姿が良く見える。
契約の呪は昔見たことがある。
まさか俺自身が使う事になるとは思わなかったけど。
言葉の契約。
いや、言霊の束縛。
これから行うのはそれ。
言葉には力がある。
呪文然り、呪い然り。
そこに俺の存在力も言葉に乗せて発する。
どうやら俺の眷属になりたいというよりも、俺と深いつながりが欲しいらしい。
存在での繋がり。
龍美と俺の繋がり。
嬉しいような恥ずかしいような・・・・。
さて、準備は整った。
さぁ、始めようか!
我の名と共に契約を。盟約を。束縛を。安息を。
此処に告げるは名の契約。
汝らを縛りし法の名は魂の束縛。
主死し刻、汝らもまた死なん。
全ては一で一は全。
此処に告げしは同化の法。
此処に在りしは四つの御魂。
此処に在りしは四つの真名。
告げよ、汝の名を。
「メドーサ」
告げよ、汝の名を。
「ラプラス」
告げよ、汝の名を。
「ハーピー」
聞け。留めよ。
汝らの主の名を。
我名は界人。
今此処に契約は成らん。
ブゥウン
俺たちを包んでいた結界が消え、昼間でも電気をつけないと薄暗い倉庫(寝床)に出た。
「これで終わり、何か変わった所は?」
「何か界人に常に抱きついてるような感じがする!」
「そ、そう・・・他は?」
「そうだねぇ・・・うん、大体ラピスと一緒かな。そんな感じ。」
「何か恥ずかしい(////)」
顔を真っ赤にして言うハーピー。
「ぶっ!なななな・・・一体何を感じてんだっ!?」
「こんなの初めてで・・・。」
ああ、兎に角喜んでもらえたのなら良かったってことにしておこう。
・・・・龍美怒るかな。
「これで龍美ちゃんと一緒だね!界人!」
いつも通りラピスに抱きつかれた。
んー、もう抱きついてくる必要は無いような。
「ラピス、抱きついてる感じがしてるんだろう?何で抱きつく。」
「ん?やっぱり触感も大事だよ!」
さいですか。
無限の魔人 第三十話 ~過去より帰りし者+来たる者~
end
あとがき
2日後までにはアップするって言ってたのに・・・(;´Д`)
かなり遅れましてすいません。ああ、こんなに遅れる予定じゃなかったのに。
何があったかは言いませんが。
さて、今回は不意に言ってしまった界人君の一言が原因で皆家族化計画似発展です。(え
何かもう開き直っちゃったぞ感がある界人君ですが、愛されてますね。
私もそれくらい愛されてみたいです(蹴
さて、現在三つの方面から展開していますが、一番難しいのが界人君側です。
何故って?もうぶっちゃけ好きにしていいよっていう事ですから、何をすべきかが・・・うーん。
真っ白いキャンパスに「さぁ、好きな物を描きましょう!」といわれて悩んでる状態です。
愚痴ですけどね。すいません。
次回は龍美とゆっきー大活躍のお話!?(未定
ですが、お楽しみに。
レス返し
>Danさん
残した式神使いは最高ですね!
そこに式神があるからさ・・・萌えますね!(何
>かれなさん
あんまり深く考えるとがっかりしますよ。そんな原作を考えてはいけません。
二次創作は原作ぶち壊しが前提ですので、気にしたら負けです!
>トレロカモミロさん
これは伏線かっ!?と思ってもそのままスルーすることもありますし、まさかこんな事がっ!?って言う事もあります。
鬼道最強に成りつつありますね。ちょっと私もびっくりです。
でも、鬼道って元々強かったし・・・うーん、そんなに原作無視ってわけでもないですよね。
>法師陰陽師さん
鬼道はきっと夜叉丸での近接戦闘しかしたことが無い為、遠距離攻撃に憧れてたんだと思います!(え
>柳野雫さん
ぶっちゃけ人のうちの喧嘩なんて笑い話のネタにしかなりません。自分が巻き込まれて怪我さえしなければどうでも良いような気がしませんか?
身1つで出てきた横島、では煎餅を持ってきたのは必然的に美か(ぐはっ