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「若き竜の涙0(GS+いろいろ)」

ハネぽん (2005-03-18 07:19)
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若き竜の涙 プロローグ
 私を異世界まで連れてって


アシュタロスとの戦いから三ヶ月、美神除霊事務所にはシロ、タマモの二人が増え今日も除霊に精を出していた。


「今日も儲かったわね〜」

事務所の所長である美神は、今日の儲けである札束を数えて非常に上機嫌である。

「死ぬ〜」
「拙者ももうダメでござる」
「きゅぅ〜」
「あぁ、大丈夫ですか?」

上機嫌な美神とは対照的に、横島、シロ、タマモは真っ白に燃え尽きてしまっていた。
その三人をどうにかしようと、おキヌはオロオロとした様子で歩き回っている。

このおキヌの行動も仕方が無い、性格が天然で体力も霊力も使い果たした者への対処法を知らないのが致命的だったのだ。


三人が何故このような状態かと言うと、美神は除霊の経費を大幅に削減する事を決めたのだ。
基本的に除霊で一番掛かる経費は美神の道具だ。それをゼロにすれば掛かる経費は交通費と人件費のみ。
そこで美神は、自分は後方での指示に専念し実際の除霊は道具を使わない三人に任せているのだ。

おキヌも道具は使わないのだが、美神はおキヌには親心を抱いておりキツイ仕事なので自分と同じ後方援護にしているのだ。


そして何時ものようにその日は終わるかと誰もが思ったとき、その依頼者はやって来た。


「助けてください、美神さん!」


突然何も無い場所から、一人の少女が現れる。
この少女は竜神の一人で、小竜姫と言う。

「どうしたのよ、小竜姫様?」
「それが・・・」


小竜姫の顔色が暗く染まっていく。
それを見た美神は、かなりの厄介事だと判断する。
そして、どの位の金を吹っかけるか考える。


「小竜姫様〜遂に神様と人間との禁断の愛を〜〜!」


お約束のように横島が復活し、神速のルパンダイブを小竜姫に仕掛ける。
が、仮にも神様である小竜姫には通用しない。
飛び掛ってきた横島を、肘で撃墜してしまう。


「それが・・・」


横島の反応に慣れている小竜姫は、床で伸びている横島を無視して話しを始める。


「覚えているでしょうか、天竜童子殿下の事を?」
「ああ、あのガキね」
天竜童子はデジャブーランドに行きたいと、小竜姫から脱走していった竜神族の王子である。

「また脱走したの?それで今度もデジャブーランド?」
「いえ、愛・地球博に」
「・・・そう」


美神は何万人もの観衆から、一人の子供を捜す苦労に軽いめまいを覚えてしまう。


「愛知までの移動も面倒よね、きっと」
「・・・今回の捜索は前回とは違うんです」
「どう違うの?まあ今回は東京じゃないけど」
「それが、殿下は異世界に流されてしまったんです」
「・・・へ?」


さすがに美神も驚いてしまう。
異世界に流されるなど、一体誰が予想できようか。


「殿下は途中、反デタント派の魔族の一派に襲われたんです。
 その時に偶然、殿下が持っていた天界の最強の結界破りの札に魔族の攻撃が当たって。
 その結果、札が暴走。殿下のその魔族の一派は共に異界に」


天竜童子が持っていた結界破りの札は、結界の内側の空間と外側を無理矢理繋ぐ物だった。
それが暴走した為に、世界と世界がくっ付いたのだ。


「・・・それで、どうして私が捜すのよ」
「私達はこの世界だけを管理する存在です。その為に異界へ行けば、無用の争いが起きるので」
「平和の為か、そんなの関係ないのに」


基本的に美神は、平和だろうと戦争だろうと気にしない。
重要な事は自分が儲かるか、儲からないかだ。


「これは世界の神に決められている事ですから」
「世界の神?」
「はい、世界は1つではありません。これは知っていますね」
「魔界や、神界でしょ」


この二つを知っているのは、もはや常識だ。
ほんの前までは知っている人間の方が少なかったが、アシュタロスの存在によって全ての人が知る事になったのだ。


「違います。この世界は、神や魔が存在する人間界。
 そして世界は無数に存在します。
 それらを管理する世界の住人がいます、その人達を私達は神と呼んでいるんです」
「本当の神様って訳?」
「そうじゃ無いです。彼等は全ての世界を管理する責任があるだけで、基本的に私達と変わりません」


(国の役人と、地方の役人か。ま、元は同じ人間って事かな)
美神は人間の世界レベルに置き換え、その力関係を把握する。
能力に差は無く、ただ権限にかなりの差があると。


「それで、どの世界に飛ばされたか分かるの?」
「はい。どうやら同時期に世界を渡った方達がいるらしく、それに引っ張られて同じ世界に飛んだそうです」


小竜姫は、懐から一枚の御札を取り出す。
それを美神の机に乗せる小竜姫。


「これは?」
「世界を渡る為の物です。これを使えば事務所ごと移動できます」
「事務所ごと?」
「向こうで住む場所を探す手間が無くなりますよ」


小竜姫の言うとおりなので、美神は承諾する事にする。

この世界の貨幣は、向こうの世界では使えないかもしれないのだ。
・・・金塊も大量に持っているが、それを人の身では運ぶ事ができない。


「それじゃ、よろしくお願いします」
「え、もう行くの?」


美神の声に答えたのは、机に置かれた御札だった。
御札が光だしたのだ、まるで閃光弾のように。


「美神さん、何ですこの光?」
「いや〜死ぬ〜」


突然の事態に慌てる二人と、慌てる気力も無い二匹。


やがて光が収まる。
そこにはもう、御札は存在していなかった。


「異世界に着いたのかしら?」


自分達には何の異常も無い為、美神には本当に異世界に来たのか実感がまるで無かった。


「オーナー、TVを見てください」
「TV?」


人口幽霊一号に言われ、美神はTVのスイッチを入れてみる。
内心、異世界でTVが映る訳無いと考えながら。


「はーい、今日は千葉県浦安市にあるディズ○ーランドに来ていまーす」

TVに映る女性レポーターは笑顔で遊園地の情報を伝えていく。


「デジャブーランドじゃないの?」


「ここではミッ○ーに会えるんですよ〜」


 これを聞いた美神は、ここが異世界だという実感をえる。
元の世界にはこんな巨大テーマパークはなかったし、こんな有名なキャラクターは存在しなかった。


「ふぅ、それじゃ天竜童子を捜しましょうか。
 ここなら車も使って大丈夫でしょ」
「それじゃ準備しますね、美神さん」
「お願いね、おキヌちゃん」


TVを見て、この世界が自分達の世界と変わらない事を知った美神は外に出て捜索を開始する事にした。


「そうだ、美神さん」
「何、横島くん?」


またアホな事かと、美神は横島を叩きのめす予備動作に入る。


「この事務所って、今はどこにあるんです?
 こんな事務所が突然現れたら、かなりの騒動になるんじゃ」
「・・・それもそうね」


珍しくまともな意見に、美神は唖然としてしまう。
これも異世界だからだろうか?


「それは大丈夫です、横島さん」
「そうなの?人口幽霊一号」
「はい。ここは空き地のようですし、以前オーナーが私に付けた透明化の結界を展開しているので」
「透明化?」


何故そのような結界があるのかと、横島は疑問に思う。


「気にしないの、ね」


その横島も、美神の頬への軽いキスでその疑問を忘れてしまう。


(庭に作った物置を隠す為なんて、言えないでしょ)


そうこの結界は常に庭にある、美神が新しく作った物置を隠す為のものなのだ。
そして物置の中には、脱税の証拠などヤバイ物が大量に隠されているのだ。


「ほら、行くわよ」
「シロちゃんとタマモちゃんは無理みたいです」


煩悩で回復した横島と違い、この二人はまだ燃え尽きたままだった。


「しょうがない。おキヌちゃん横島くん、行くわよ」

「「はい」」


こうして美神達は行方不明の天竜童子を捜しに行くのだった。


「やっぱ見鬼くんじゃ見つからないわね」
「そうっすね〜」
「あの、何か手がかりは?」


捜し始めてすでに数時間、もう日も暮れて真っ暗だ。
そして車一台がようやく通れる道を走っていると、前から一台の車がやって来る。


「ちょっと、どきなさいよ!」
「美神さん、そんなに怒鳴らないでください」
「無理だって、おキヌちゃん」


クラクションを鳴らし、美神が怒声を上げる。
その美神におキヌは常識人として、その行動を咎めるが何の意味も無いようだ。


「ふん、あんたらこそどいたらどうなのさ」


相手の車から、若い女性の声が響いてくる。
どうやらこの女性も美神と似た性格のようだった。


「ちょっと待ってください」


一緒に車に乗っていた男性が、その女性をおキヌと同じよう止めようとする。


「もう仕事の時間じゃないのよ、そんなお説教しないでくださる?」
「仕事以前の問題でしょう」


この時の美神達には分からない事だが、この若い女性は薬師寺涼子。
今年から警察に入った新人で、国家公務員試験一種を突破したキャリアだ。


そして連れの男性が泉田準一郎。階級的には涼子の下なのだが、現在涼子の研修を担当しており微妙な関係なのだ。
なにしろこの研修が終わったら、涼子は雲の上の人になるのだから。


「ちょっと、さっさとどきなさいよ!」
「五月蝿いわね、私を誰だと思ってるの!」
「知るわけ無いでしょ、アンタなんか!」
「なら教えてあげるわ!警視庁の薬師寺涼子とは私の事よ!」


涼子はまるで時代劇の主人公のように、自信満々にそう叫ぶ。
もちろん、新人の涼子の名前はまったくマイナーだ。
・・・5年後の未来では違うが。


「美神さん、ヤバイですよ!相手は警察っすよ」
「警察が怖くてGSが出来るか!」
「でも、私達ってここの世界の住民じゃないんですよ。捕まったら不味いんじゃ」


この言い争いは、なかなか終わらないようであった。


そしてこの時、美神達が捜している天竜童子の身に危険が迫っていた。


若き竜と炎の王子の遭遇まで、あと少し・・・


あとがき
どうも、GS小ネタ掲示板に進出してきたハネぽんです。
以下のあとがきは、よろず小ネタ掲示板に投稿している転生日記を読んでくださっている事を前提に書いていきます。


前回のあとがきで、何故この世界に美神がいるかを書きます、と書いたので書きました。
おまけのつもりで。
そして予想外に長くなってしまったので、この話しだけ独立させて投稿する事にしました。

よろずの方に投稿しようと思ったんですが、GSが主なネタなのでこっちにしました。
そして今後はGSサイド、風の聖痕サイド両方から書いていきます。

両サイド同時に投稿していくので、投稿する頻度が落ちると思いますがご了承ください。


ところで、こういう投稿はOKなのでしょうか?
注意事項には無かったので、こんな投稿になっていますが。
まずいなら移動するので言ってください。


転生日記のレスは転生日記で返しますね。

まったくの余談ですが。
風の聖痕のSSを書きながらROをプレイしていたら、GDで聖痕を拾いました。
ちょっとびっくりでした。何かのお告げかな?さっさと書けって

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