七月の上旬、期末考査が週末を挟んで実施されたため、二週間ぶりに帰る妙神山。
やはり迎えてくれる空気は温かだった。
お土産のアイスがパピリオと小竜姫さまには好評で、試験結果に凹んでいた俺は二人の笑顔にいくらか慰められる。
「ふん、女の機嫌ばかりとりおって」
老師、どうせ一緒に食べるんだから拗ねるなよ。
昨晩までの連夜の一夜漬けが肉体的にも精神的にも堪えていた俺は、夕食後恒例のゲーム大会を早々に切りあげて寝床に着く。
当然、そのしわ寄せは翌日の晩に来るわけで。
「だぁ〜、眠れん!」
日中の修行で体は疲れているはずなのに、目はバッチリ冴えて眠気はいっこうに訪れない。夕べたっぷり寝たうえに、その前は徹夜の連続という不規則な生活のおかげで体内時計が大幅にずれているらしかった。
諦めて、何度も寝返りを打っていた寝床から身を起こす。
寝間着代わりの作務衣っぽい服を着たまま、与えられていた離れの坊から抜け出すと、渡り廊下を通り、玉砂利が敷き詰められた前庭に降り立った。
剥き出しの肌の上を冷えた微風が撫でていく。
東京では熱帯夜が何日続いたとかが天気予報の話題になっていたが、内陸の高地に位置する妙神山では、日が沈むと気温が急激に低下する。この時間、薄い作務衣だけだと寒気さえ抱くほどだ。
聖地の清涼な空気を全身で感じながら、俺はゆっくりと空に目を向ける。
敷地内に外灯なんてない。建物の窓から漏れる灯もなく、大気に反射する人工の光がない夜空は、吸い込まれそうなほどに黒かった。手を伸ばせば届きそうな距離で瞬く、宝石箱の中身をブチまけたかのような星の数々。
ガラにもなく、俺は雄大な大自然の景観に感動していた。
東京の街中ではあり得ない、漆黒のビロードの天幕に散りばめられた大小様々な無数の光点。星の一つ一つの色が違うなんて、これまで想像したこともなかった。ホントに同じ空なのか、と首を捻りたくもなる。随分と長いこと妙神山にいて、今まで全然気づかなかった自分の間抜けさ加減に呆れたりもした。
上に向けた首が痛くなるほどの時間、俺は黙って星空を眺めていた。
岩山の頂上のせいか、鳥や虫の声もなく、風が止めば一切の音が消失する。
微かに身じろぎすれば、靴の下から玉砂利の擦れる音がやけに大きく響いてくる。
ポッカリとここだけが時間の流れから切り離されたような、静謐な夜の底。
今夜の俺は文学青年さ。行く末はゲーテか睦月影郎か椎名高志か、ってなもんだ。
ふっ……虚しくなって俯けば、足下からクッキリとした黒い影が伸びていた。反対方向に目をやれば、山の稜線から半分ほど姿を覗かせた黄金色の月。
そういえばアソコにも行ったんだよなぁ、なんて感慨に耽ってみたりもする。思えば、俺って凄い人生を送っている。
コキコキと頸椎を鳴らしながら周囲を見渡す。
柔らかな月明かりを浴びて、暗闇の中で浮かび上がる妙神山の建築物。
そして、気がついた。
坊の外廊下、木製の手摺りに寄りかかるようにしてひっそりと佇む一つの人影。
見間違うはずがない。
例え老師が抜け毛で分身を百体ほど紛れさせたとしても、俺はあの人の姿を一発で探し当てられるだろう。
小竜姫さま。
えっ!? えぇっ!? あ、あのシルエットは……もしかして寝間着姿っすか!
意識した直後、俺の体は猛然と前方に向けて移動を開始していた。
玉砂利をキシリとも鳴らさない、修行中では決して成功しなかった流れるような足さばき!
人はどこまで速さを追求できるのか!
NBAも真っ青のスカイウォークの射程圏内に標的を捕捉した時。
俺の両足はピタリと止まってしまった。もうそれ以上一歩も動かせない。
その、なんていうか……。
銀色の月光に包まれて佇む小竜姫さまは、あまりにも綺麗すぎて。
浅ましい劣情は一瞬にして粉微塵に打ち砕かれていた。
ルノアールの画集をオカズにはできない至極まっとうな自分の感性を、この場合は喜んでいいのかどうか。名画の一角を切り取ったかのような目の前の光景に、理性と知性は本人の許可なしに揃ってお出かけしてしまい、抜け殻になった俺はただ呆然と見惚れるだけだった。
純白の一重の衣をまとった竜神さまは、透き通る月の光の中で、周囲の闇から浮かび上がるようにして輝いていた。今にも背中から翼が生えてきそうなほどに幻想的なその姿は、虚空に向けて飛び去って消えてしまうかの危うさと儚さを滲ませていて、根拠のない不安と焦燥とに心臓を鷲掴みにされた。
声を掛けることすら憚られる、凛とした、浮き世から隔絶された美しさ。
どれだけの時間、我を忘れて見つめていたのか。
「そんな所にいないで、こちらに来たらどうですか?」
たぶん最初から気づいていたのだろう。
「あっ、は、はいっ!」
情けなくも、応えた声は普段よりも1オクターブは高かった。
気後れする両足を叱咤激励して坊の階段に向けて踏み出し……。
ベチョ
「あひやぁ!?」
次の瞬間には、俺は俯せになって地面に倒れていた。
どうも、右足に左足が絡まったようで……。
「クスッ、大丈夫ですか?」
「あは、あはは」
顔から火が噴き出る、とはまさにこの事だ。ガバッと跳ね起きると、俺はヤケになって足下の玉砂利にストンピングをぶちかます。
「この石ッコロが俺と小竜姫さまとの逢瀬を邪魔するんです。コノッコノッ!」
照れ隠し以外のなにものでもなかった。
「無機質の分際で人間様に歯向かうなんざ、一億万年早いんだよ!」
ゼェハァと肩で息しながらの八つ当たりを敢行後、なんとか気を鎮め、緊張でガチガチなった全身から力を抜くことができた。木製の階段をトントンと軽いステップで駆け昇り、坊の外廊下に上がると小竜姫さまの横に立つ。
寝間着、なのだと思う。日本の浴衣に似ているが、袖口にはヒラヒラした余分な布地はない。白の無地だが、近くによってみると、襟から胸にかけて白い糸で竜の刺繍が施されているのが判った。着物の袷を押さえる白い帯にも同じような竜の刺繍があった。
「恥ずかしいですから、あまり見ないでくださいね」
「は、はい」
まずい、勢いで頷いてしまったが、そんなもったいないコトできるわけないっすよ!
日中はおそらく下着できつく締めていたのだろう、豊かに盛り上がった胸の膨らみから視線を外すのは至難の業だった。V字型に開いた襟元から覗ける白い喉と鎖骨の盛り上がりの端。体の輪郭をうっすらと浮き上がらせている薄い布地。長袖だから昼間よりも肌の露出は少ないのに、月光を浴びる小竜姫さまは女そのものだった。
あっ、やばい、理性がお花畑に飛んでいきそうだ。
いや、もともと俺に理性なんて存在していなかったのかもしれない。
「しょ、小竜姫さ……」
「眠れないのですか?」
「へっ!?」
あぁ、どうしてこの人はこうもタイミングを外すのが上手いのだろう。それも無意識に。
「あは、夕べ寝過ぎたみたいで、いやぁ、まいったっす、あははは」
意味のない乾いた笑い声を上げながら、チラチラと横顔を盗み見る。
「小竜姫さまも、っすか?」
「私は……」
小竜姫さまは山の稜線にかかった月に眼差しを向けたまま、
「ここが騒ぐのです」
そっと両手を左胸の膨らみの上に置いた。
うわぁ、あの手になって思いっきり埋まりたい…………えっ!?
「胸が騒ぐ?」
意味が判らなかった。
「私もまだ未熟ですね」
小竜姫さまの短い髪が微かに揺れ、上品に整った顔がこちらを向く。
「気を落ち着かせるために夜風に当たるようにしていたのですが、いつの間にか、週末になるとこうして月や星を見ることが習慣になってしまいました」
「小竜姫さまが未熟なら、俺なんて……」
言いかけて、ハタ、と気づいてしまった。
週末に胸騒ぎ!?
「あ、あの、もしかして……」
舌が強張ってうまく言葉を操れない。答えは聞きたくないのに、それでも確かめずにはいられなかった。
「お、俺……小竜姫さまを、その、警戒させちゃってます?」
「警戒?」
小竜姫さまが意外そうに目を見張り、軽く首を傾げてみせた。
「私が、横島さんを?」
クスッ
そんな擬音が聞こえてきそうな邪気のない笑みの後、再び夜空の月へと顔を戻してしまった。
いや、だから答えは!?
警戒する必要もないほどの存在?
そりゃないっすよ……。
「胸が騒ぐのは、なにも不安な時だけではないのですよ」
「はい?」
不安じゃないけど胸が騒いで、週末の夜は外で星を見る……。
ダメだ、全然訳判らん。そもそもこの俺に女心を理解しろってほうが無理なのだ。
くそぉ、誰かぁ、ヘルプ・ミー!
って、本当に誰か現れたら問答無用で文珠で吹き飛ばすんだけど。
しばらく、小竜姫さまは次第に高くなる月を、俺はその端正な横顔を、無言のまま見続ける。
シンと静まり返った夜の妙神山。
身動きするのも躊躇う、静寂に押し包まれた岩山の頂上。
「今夜はいつもより月が綺麗に見えますね」
「俺にとっては、小竜姫さまのほうがずっと綺麗っす」
振り向いてきた顔を見て、アチャ〜と俺は自分の失敗を悟った。なんでこんな時に声に出すんだ、あぁ、俺ってバカ。
うぅ、静まれ胸の鼓動! こんなんじゃ小竜姫さまに聞こえちまう。
「女の身として、たとえ冗談でもその言葉はたいへん嬉しく思います」
もうダメだ。
さらば、俺のなけなしの理性。
こんな近くに立っている小竜姫さまがいけないんだ。
冗談じゃないという否定の言葉を返すかわりに、俺は両腕で小竜姫さまを抱きしめた。
「よ、横島さん?」
死んだってこの手を離すもんか。ギュッと抱く腕に力を込め、閉じ込めた竜神さまに手放す意志がないことを無言で伝えた。
「わ、私に不埒な真似をすると神罰が下りますよ」
「小竜姫さまとこうしていられるなら、神罰の一つや二つ、ぜっんぜんOKっす」
矢でも鉄砲でも美神さんでも何でも持ってこい、という気になっていた。
両腕の中にすっぽりと収まってしまう小柄な体。とても華奢で、柔らかで……。ああ、これが小竜姫さまの体温なんだ。
あれっ、えっ、この胸に当たる感触は、やっぱ、アレっすか!?
「もぉ、困った人ですね」
プチッ
切れました、ええ、切れましたとも。
お袋、親父、先立つ親不孝な息子を許してくれ。
黙って、小竜姫さまの体を横向きに抱き上げた。
「えっ、横島さん!?」
答えない。いや応えられなかった。口を開いたら、そこから人として大切な何かがこぼれ落ちてしまい、そのまま廊下の床の上に大事な女性を押し倒してしまいそうだった。
大急ぎで廊下を横切る。目星をつけていた部屋の扉を足で蹴り開ける。
予想通り、小竜姫さまの私室らしかった。橙色の光で室内が満ちているのは、就寝用の灯のせいだろう。
大股で部屋の中を突き抜け、簡素な寝台の上に抱えていた人を横たえる。
靴を蹴るようにして脱ぎ、俺もまた寝台にあがって小竜姫さまの上で四つん這いになる。
「横島さん」
不思議だったのは、まったく抵抗がなかったことだ。横になった小竜姫さまは慌てた様子もなく、落ち着いた表情で下から俺を見上げてくる。
「私をどうするつもりなのですか?」
どうする? この俺に小竜姫さまをどうこうできるわけがない。
そう、俺はただ……。
「俺は、小竜姫さまと並んで歩いていきたい、それだけっす」
「私は面倒な女ですよ?」
面倒じゃない女なんて俺の周りに一人だっていやしない、なんて思ったのは内緒だ。
「俺は面倒な女が……」
いや、これは失言。
「俺は小竜姫さまが好きなんです」
言った。言い切った。
小竜姫さまは答えず、代わりに柔らかく微笑むと、そっと瞼を閉じた。
これ以上言葉で確認するなんて野暮はしない。もし間違っていたら、小竜姫さまはベッドの上から俺を叩き出すだろう。
花の蕾のように可憐な唇に、俺は慎重に自分の唇を寄せていく……。
甘くてフワフワとした、どこか現実感の薄れた夢のような時間。
俺は溺れた。
スケベな男だから、自分の初体験というヤツを何度も妄想したことがある。それこそ相手をとっかえひっかえして、幾通りものシミュレーションを試みた。
その中での俺は、一匹の獣だった。
ところが、今はどうだろう。
自分でも信じられないほど、俺は優しくて穏やかな気分に満ちていた。
すべては、限りのない包容力で受け止めてくれる小竜姫さまのおかげだった。
無力な赤ん坊を温かく見守る母のように。
やんちゃな弟を諫める姉のように。
そして、滾る欲望を持て余す男をあやす女として。
俺は精一杯のお返しをする。
短い時間の中で、快楽は目的ではなくて手段なのだと思い知る。
相手が喜んでくれるから自分も嬉しい。
幸せな時間を共有する。
そのためなら、自分の欲望を後回しにしたって少しも苦にならない。
受け入れてくれた人へ感謝と愛情を込めて、体の隅々にまで熱い接吻を送るのだ。
深く一つに重なった時の、小竜姫さまの笑顔と涙を、俺は生涯忘れない……。
実に爽快な朝の目覚め。
いつもと違う室内の様子に、ここが小竜姫さまの部屋だとすぐに思い至った。
俯せになり、枕に顔を埋めると、
「わぉ〜!」
俺は思いきり吼えた。
叫ばずにはいられなかった。
「天国のお袋、親父、忠夫はヤッたぞ!」
いや、まだ死んでないって。
あっ、小竜姫さまの匂いがする。
スゥ〜、クンクン
やべぇ、勃ってきた……。
ふと、腰にあたるシーツの感触が他の場所と違うことに気づく。
ガバッと跳ね起きて目をやれば……。
薄茶色の染みが拡がっていた。
「うわぁ〜うわぁ〜」
顔が熱く火照ってくる。ついでにアッチのほうもビンビンに充血完了だ。
どうしたって思い出してしまう。
着物の下に隠されていた艶めかしい肢体。
手の下で様々に形を変える二つの胸の膨らみ。あんなに弾力豊かだなんて、ビデオを観るだけでは決して判らなかった。唇に挟まれて徐々に大きくなってくる先端の蕾は、可憐な小竜姫さまに相応しい淡い色づきをしていた。
ふっくらと盛り上がった恥丘に乗ったひと摘みの繊毛。頬摺りをした時の綿毛ような感触は今までに体験したことのないものだ。
その下に唇を滑らせれば、甘い蜜を湛えた小竜姫さまの……。
「横島さん、目が覚めましたか?」
「あひゃい!」
廊下から掛けられた声に、俺は思わずベッドの上で正座していた。
「朝食の用意が出来ています。急いで来てくださいね」
「は、はい」
次第に遠ざかっていく小竜姫さまの気配……。
あ、あれっ!? なぜ?
ここは普通、朝のチューじゃないのか?
とりあえず、俺は急いで身支度を済ませると、洗面所に寄ってから食堂へ行く。
いつもと変わらぬ妙神山の面々がそこでは待っていた。
小竜姫さまの態度も、いつも通りの、普段と何の変わりもないものだった。
あれっ!?
パピリオや老師がいるから?
ということであれば。
朝食後、学習部屋へと場所を移す時、俺はこっそりと小竜姫さまの後をつけて一人きりになるタイミングを見計らう。
そして
「小竜姫さまぁ〜!」
ガバッ
「えいっ!」
グシャ
ホ、ホワイ……。
情を交わした男と女の甘さなんて微塵もない、普段通りの、容赦ない迎撃だった。
「殺気を押さえなければ不意打ちにはなりません。午後の鍛錬では、気の操り方に重点をおいてみましょう」
そう言うと、スタスタと、何事もなかったかのように遠ざかっていく小竜姫さまなのだった。
なぜだ?
そのあまりにも普段通りの対応に、俺は訳が判らなくなってしまう。
もしかして俺の勘違い?
あれは夢の中の出来事で……いや、そんなはずがない。
そこで、ふと気づいてしまった。
俺、小竜姫さまに告白したけど、返事もらってないぞ!?
俺、下手くそだったから呆れられたんすか? 失格すか?
ズコーンと落ち込んだ。
ル〜ル〜と滂沱として流れ落ちる滝涙。
その日の俺は腑抜けだった。
凹んだまま、やる気が一切湧いてこない。
修行中、何度も老師や小竜姫さまに叱責されたが、こればっかりはどうしようもない。
「そんな調子でいたら怪我しますよ」
「はぁ」
恨めし気に見つめ返してもみるが、当の小竜姫さまは俺の気持ちなどお構いなしで容赦なく罰を与えてくる。
さすがに心配になったのか、夕食の席でパピリオが小さく声を掛けてきた。
「ポチ、どうしたんでちゅか? 元気ないでちゅよ」
「あ、いや、うん、なんでもない……」
チラリと横目で小竜姫さまの様子を窺うが、こちらを気にした風もなく、いつも通りに優雅に箸を使って食事を続けている。
「はぁ〜」
「ホントに変でちゅ」
「あはは、俺が変なのはいつものコトだろ」
すっかり日も暮れて。
いよいよ俺がアパートに帰る時間がやってきた。
「小僧、今度来る時もその調子なら、今後妙神山への出入りを禁止するぞ」
玄関まで見送りにきた老師が師匠らしい言葉を掛けてきながら、右手に握られた紙きれを俺にむけて差し出してきた。
黙って受け取る。
ゲーム雑誌の切り抜きだった。
「なんすか、コレ?」
「うむ、初回限定ボックスの予約を頼む」
この猿爺。
「ポチ、またアイスを買ってくるでちゅ」
「ああ、判ったよ」
俺は転移用の文珠をポケットから取り出すと掌の中で握りしめる。
「横島さん」
いつも通りの涼し気な小竜姫さまの声が耳に流れ込んできた。
顔を合わせづらい。
俯いたままでいると、視界の中に白くてほっそりとした二本の腕が入ってきた。
「いってらっしゃい」
伸びてきた腕が首の後ろに回される。
えっ!?
背伸びした小竜姫さまの体重が首に掛かり、僅かに上体が前屈みになる。
チュッ
えぇっ!?
一瞬、目の前が真っ白になった。
気がつくと、俺は安アパートの玄関に立っていた。
うわぁ〜、バカだ俺、びっくりして文珠を発動させちまったよ!
チュッ、ってなんすか!
この唇に残る感触はなに?
「小竜姫さまぁ〜!」
もうワケわかんないっすよ!
……次の金曜までは、とっても長かった。
あとがき
というわけで『よこしまな夜』は人外専の純愛艶話なのでした。
まともな展開を期待していた方、どうもスミマセン。
ピンク宣言しましたが、あまりエロエロにすると全体の流れがブチ壊れになるので今回は控えめにしました。
そっち方面を期待していた方、どうもスミマセン。
とりあえず、少年誌から青年誌へ連載を移したような雰囲気と、痒くなるようなラヴを少しでも感じてもらえれば……。
こんなんで良ければ「第二夜 岩山に舞う蝶の精」頑張りたいと思います……いつになるかは判らないけど。
たくさんのレス、ちょっとビビッてます。感謝の気持ちでイッパイです。
>一毒者 様
サイドストーリーとしてぜっんぜん相応しくない内容で、思い切り期待を外してしまいました。
>quiqui 様
原作通りの口調で一人称やると文章がバカっぽくなるので、ちょっとだけ大人っぽく。
>ろろた 様
今回の後編、多少は期待に応えられたでしょうか?
>Loops 様
状況に流されっ放し、なのが横島君の生き方かもしれませんねぇ。
>S 様
横島君らしい恋愛って考えると……やっぱギャグになる?
>紅 様
横島君視点なので、あえて小竜姫さまの心理描写は省いています。こんな小竜姫さま、萌え?
>ぬ 様
妙神山で修行、が小竜姫さまの攻略フラグなので、横島最強SS=修行、と似ちゃうのかも。
>義王 様
逃げずに後編やってみました。どんな感じでしょ?
>D, 様
というわけで、若夫婦誕生、です。
>hanlucky 様
青年誌の横島君、な雰囲気を感じてもらえたら嬉しいです。
>gupi 様
書いてる本人は、笑い、よりも痒かったですぅ。
>MAGIふぁ 様
過分な誉め言葉、心よりありがとう、です。
>ユキナリ 様
昼間の小竜姫さまは〜……内緒です。
>朧霞 様
恋愛です、ラヴです、この世は愛で満ちているぅ〜……作者には縁がないけれど……。
>LINUS 様
あんまり期待されると……うぅ、アップした後編が恥ずかしい。
>邪我 様
この後編でも横島君らしさが表現できていればいいなぁ。
>偽バルタン 様
女性から迫られる、のではなく、あくまでも横島君主体の恋愛を目指してみました。
>Dan 様
残念ながら、この話では猿を含め横島君以外の男キャラは目立ちません……すまぬ。
>柳野雫 様
まずいなぁ、なんか期待されているのとは全然違う方向へ走っちゃったような……。
>猿サブレ 様
わぁ〜い、後編はラヴでイッパイだぞぉ〜。
皆様、読んでいただき、心よりお礼申し上げます。
でわでわ