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▽レス始

「横島日誌2(GS)」

マッキー (2005-02-18 22:56/2005-02-20 01:24)
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初仕事の当日は、朝から雲ひとつない見事な晴天となり、まさしく絶好の仕事日和だった。

その日の昼過ぎ、美神除霊事務所のメンバーは、これから除霊へと向かう横島たちを見送

るために事務所の前に集まっていた。並んで立つ彼らに、事務所に残るメンバーから激励

の言葉がかけられていく。まずは、状況との相性から惜しくもお見送りとなったおキヌだ。


「初めてのお仕事、頑張ってきてください。くれぐれも気をつけて、怪我とかしないようにして下さいね。シロちゃん、タマモちゃんも気をつけて。」

「ああ、有難う。おかげで元気が出てきたよ。」「はいはい。」「分かったで御座る。」

さすがに初仕事の前で緊張していた彼らであったが、彼女の優しい言葉に、緊張がほぐれ

ていくのを感じていた。言葉は素っ気ないタマモも、その口調は柔らかだった。


次は、事務所のオーナーである美神だ。彼女はまず、横島に除霊に必要な道具や書類の入

った袋を手渡した。と言っても、全員が自前の攻撃能力を持っているメンバーなので、中

身はお札や書類などの微々たる物だ。


「今日は絶対に成功させること。私の顔に泥を塗ったら許さないわよ、いいわね!」

「はっ、はいぃ!」

「あんたたちの力があれば間違いなくできる仕事なんだから、怪我なんかすんじゃないわ

よ!」


言葉は厳しいが、これが美神流の激励であるということを皆分かっていた。彼女の期待に

応えようと、横島はいっそう気を引き締めた。た。


「あとこれ、仕事が終わったら三人で美味しい物でも食べてきなさい。」

そういって美神が横島に渡した封筒には、一万円札が二枚入っていた。

普段の美神からは想像も付かないことだが、今回は特別だ。

今回の依頼が成功すれば、彼女の利益は相当なものになる。なにしろ、三人とも結果用の

お札以外の元手がかからないのだ。財布の紐も緩くなろう。この金額も、利益の1%にも

満たない額だ。


それでも、彼にとって大事件であることには変わりない。

「美、美神さんっ・・・」


『来るかっ!?』

美神は「横島感激ーっ!!」とか叫びながら飛び掛ってくると思い、打ち落とそうと身構

えたが・・・


意外にも、彼は全く動かなかった。


「有難うございます。がんばります!」

と言って、彼女に頭を下げた。そのときの彼の顔は、普段からは想像も付かないほどに引

き締まっていて、まさに戦う男と言って差し支えの無いもであった


不覚にも彼女は、一瞬その顔に見とれてしまった


「・・・どうかしました?」

固まってしまった美神を心配して横島が声をかけると、彼女はようやく我に帰った。

「な、なんでもないわよっ!いいから早く行きなさい!」

「は、はいいぃぃ!」


こうして、三人は記念すべき初仕事へと送り出されていった。


現場は、最寄りの駅から出て徒歩十分ほどの位置にあった。帰りに行く料理屋のことなど

について話しながら歩いているうちに、目的のビルが見えた。

建物はフェンスで封鎖され、四十歳くらいの警備員が見張りに立っていた。横島たちが近

づいてくるのを見て、不審気な視線を向けてくる。その時間にGSがやってくることを聞

いてはいたのだが、せいぜい高校生ぐらいにしか見えない彼らがプロのGSだとは思えな

かったのだ。横島の提示するGS免許を見ても、彼は信じられないと言った顔をしていた。


それもそうだろう、横島らはみな彼の息子程度の年なのだ。


「本当に君たちが霊を退治するのかね?そっちの女の子なんか、十四歳くらいにしか見え

ないが・・・」

「大丈夫ですよ。このシロはワーウルフですし、こっちも詳しいことは言えませんが、か

なりの力を持っています。頼りになる仲間です。」


その言葉を聞いて、彼は道を開けた。


警備員の見送りを受けて、横島たちはビルの中へと入っていった。


ビルの中は、およそ予想通りの状態になっていた。無数の悪霊たちが、四方八方から次々

と襲い掛かってくる。それぞれが融合でもしたのだろうか、個々の強さもかなりのものだ。

そこらのGSならば下手をすると死ぬような状況なのだが、彼らは普通の人間ではない。

横島とシロの霊波刀が切り裂き叩き伏せ、タマモの狐火が焼き払う。

迫り来る悪霊を危なげなく片付けていくその姿は、まさに一流のGSのそれであった。


戦いながら、シロとタマモの二人は、初めて見る横島の強さに驚いていた。

今までの彼女たちの横島に対する認識は、少々霊能力が使えるだけで、大して強くは無い

というものだった。

しかし、目の前で戦う彼の姿を見て、彼女らはその印象を大きく変えていた。


以前はただのセクハラ少年だったのに、今の彼はワーウルフのシロに勝るとも劣らぬ戦い

をしていた。体力こそ劣っているものの、総合的な戦闘力ではおそらくシロを上回ってい

る。短期間にここまで成長した彼に感心しながら、二人はひとつ疑問を感じていた。


彼がここまで強くなったのは、なぜなのだろう?


ここまでの強さを得るのは、並大抵の努力ではなかったはずだ。しかし、あのお気楽な彼

にそこまでの修行をさせたものとは何なのか?二人は、除霊が終わったら是非その理由を

聞こうと決意した。


三人の奮闘の甲斐あって、仕事は順調に進んでいった。人外の体力を持つ彼らであるから、

疲れからミスを起こすことも無く、快調に進んでいく。ビルに入ってから二時間ほどで、

内部の悪霊は完全に殲滅された。最上階の指定された場所にお札を張り、後は屋上だけだ。

見鬼くんに反応がないので、屋上には悪霊はいなかったらしい。下で戦う彼らにひきつけ

られたのだろう。


「あとは屋上にお札を張って終わりか。二人ともご苦労さん、今日は助かったよ。」


「お礼ならキツネうどんでね。」「拙者はステーキがいいでござる!」


「ああ、じゃあ早く終わらせて帰るか。」


そう言って屋上に出ると、彼は何か衝撃を受けたように立ちすくんで、動かなくなってし

まった。


不審に思ったシロとタマモが屋上に出てみると・・・


「「わぁ・・・。」」


屋上で彼女たちが目にしたのは


西の空を鮮やかに染め上げる


美しい夕焼けであった。


つづく????

またやってしまいました。

前回のが人生最初の投稿だったので、どんな酷評が届くかと

戦々恐々でしたが、そうでもなかったので一安心です。

(今日の実力テストの返却より怖かったです。)

読んでくださりありがとう御座いました。


(マッキーというのは学校でのあだ名なので、呼ばれるたび心臓が跳ね上がりました。)

>通りすがり様
最初のご意見ありがとうございました。これからもミスを見つけましたら
お知らせください。

>ダブル・ソフト様
はい、変換ミスです。気をつけたつもりなんですが、
パソコン初心者なもので。ほかにもあったらお知らせください。

>人狼様
魔界には居るかもしれませんが、どうでしょうか。とりあえず、神界にはいて欲しくないです(笑)

レス返しってこれでいいんでしょうか?

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