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▽レス始

「史上最大?(GS+ネタばれにつき未記入)」

高沢誠一 (2005-02-17 13:04)
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 今からもう何年も前の話だ。

 一つのクイズ番組があった。そのクイズ番組の回答者の誰もが、ごく普通の人のはずなのに、輝いていた。誰もがそのクイズ番組に出てあの広大な大地を旅したいと思った。

 その番組がなくなってもう何年もたった。だが――

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 ……世に騒ぎの種は尽きることなし。今日も今日とて人・神・魔界はあくなき騒乱を繰り広げていた。その騒ぎの元となりしは横島忠夫。

――とまあ、堅苦しく書いてきてはみたが、何のことはない。もてるようになった横島を巡る恋の争奪戦が、より多くの人数を巻き込み、いよいよ激化したということである。

 ただ、エスカレートしすぎで、その結果として三界総激突に近い状況が醸成されてきたこの段にいたり、まるで茶飲み話でもするように、事態の収拾を図る二人がいた。

「しかし、キーやん。あれに困ったもんやで」

「本当ですねえ。このまま行くと三界の均衡が崩すことになりかねないですからねえ」

「しかし、横やん用のハーレム作るゆうんで解決でけへんのかいな?」

「みんな、独り占めを狙っていて、駄目です」

「何とか解決する方法はあらへんかな」

と、二人は何気無しにTVを見た。

「うん、何や。キーやん、このクイズ番組は」

「ああ、人界のTV番組ですよ」

「……!これや、キーやん!!」


 ――ここは、土曜日の赤坂にあるとあるTV局。

「お疲れさん」

といいながら、初老を過ぎた男が自分の控え室に入った。するとそこには――

「だ、誰なんだ、君たちは!?」

 ――二人の天使と悪魔がいた。

「あ、ぶしつけに申し訳ありません。私たちは神界と魔界の指導者の使いとして、やって参りました。よろしくどうぞ」

「は、はあ……」

と、その初老の男が応じると――

「早速ですが、貴方に一つクイズを出させてください。貴方は『あのクイズ番組』に対していまだ尽きぬ情熱を持っている?○か×か」

「……もちろん○ですけど?」

「それは良かった!!ではこれをご覧になってください」

と、その天使は一つの企画書をその初老の男に見せた。


 ――数分後、その書類を熟読した初老の男が悔しさを滲ませながら、口を開く。

「大変嬉しい話です。でも、もう歳も歳で私には『あのクイズ番組』の司会をやるだけの体力が……………」

 しかし、その二人の使者はその言葉を聞くとにんまりとした。

「貴方のご年齢の問題さえクリアすればよいのですね?」

「ええ……………。せめて十五ぐらい若ければ……………」

「なら、これをどうぞ」

と、その天使は、テーブルに桃を置いた。

「なんです?この桃は?」

「神界の桃です。一つ食べますと、四ヶ月の間は二十五歳は若返ります。――さて、これでもお引き受けいただけないでしょうか?」

 その言葉を聞くや、初老の男は笑い出した。

「――………フフフフフフフ、ハハハハハハ!!」

 急に笑い出した男に怪訝な表情を見せる天使と悪魔。それに初老の男が気づいた。

「失礼。そこまでお膳立てしてくださったなら、私以外の誰が『あのクイズ番組』の司会を務めるんですか?ぜひやらせてください」

「ありがとうございます!!」


 そう、これで全てのお膳立てはすんだのである。


 それから間もなく、三界に布告が出された。曰く――

1、○月×日に東京ドームにて横島を一年、自由に出来る権利を商品にしたクイズ大会を催す。商品を望むものは当日、東京ドームに来られたし。なお優勝商品はNYで優勝者を待っている

2、このクイズ大会は、東京ドームを出発地にして、アメリカ大陸を縦横に旅行しながら、ニューヨークを目指す。ゆえに、パスポート必須

3、なお、本大会を「史上最大!!第一回横島争奪 アメリカ横断 ウルトラクイズ」と呼称し、来年、第二回を開催することを約す

4、なお、敗者には、罰ゲームを敢行する

 この知らせを受けて三界から5万人が集まった。

 まずはシロタマコンビ。

「第一問目は何でござるかな!」

「さあ、でもきっとヨコシマ関連の問題じゃないかしら」


 続いておキヌ・小鳩コンビ

「そういえば、司会は誰でしょう?」

「さあ、誰かは公表していないそうですが」


 ――ザワザワ……………………

 参加者全員が東京ドーム内の席に着いたが、グランドのマウンド上に設置されたステージに司会者が現れないのでどよめきが広がる。そのときだった!!

 ――プシュー――!

 東京ドーム内の照明が落とされ、スポットライトステージの上にスモークが焚かれた。そして、ステージの底から一人の男がせり上がってきた。その男を東京ドーム中の全員が見た瞬間――

 ――ワァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!

 東京ドーム中に響く声。あるものは感動に、あるものは懐かしさに打ち震えていた。そして、マイクを持ったその男はやおら口を開いた。

「……もう三十年近くも前の話です。一つのクイズ番組が生まれました。第一問参加者はたった400人程度で始まった番組でした」

 その男は淡々と話し続けた。

「それからついには東京ドームを埋め尽くすほどの人数が参加するほどの番組になりましたが、十年以上前からその番組は、一回復活したのみで作られることはありませんでした。………………そして、こうしてまたこのようにこの番組の司会を努められる日が来るとは思いませんでした。私は今、本当に嬉しいです!皆さん!ありがとう!!」

と言うと、男は頭を下げた。

 ――パチパチパチパチ………………………!!

 東京ドーム中に拍車が鳴り響く。

「皆さん。あの懐かしい掛け声をやらせて頂いていいでしょうか?」

 ――パチパチパチパチ………………………!!

 諾、といわんばかりに拍手の音が響く。

「……では、いくぞ?」

といって、男はにやりとすると――

「みんな!NYへ行きたいか〜〜〜〜〜!!?」

「「「「おおお!!!!」」」」

「どんなことがあっても、NYへ行きたいか〜〜〜〜!!?」

「「「「おおお!!!!」」」」

「罰ゲームは怖くないか〜〜〜〜!!?」

「「「「おおお!!!!」」」」

するとその司会者は――

「……ホントだな?後悔するなよ」

と、ニヤリとした。

 ――そう。そこにいた司会者は、『世界一のアジテーター』にして『Mr.ウルトラクイズ』こと福留○男だった!

 ――・―――・―――・―――・―――・―――・―――・―――・―――・―――・――

 史上最大!第一回横島争奪アメリカ横断ウルトラクイズ、夜華時代のそれから大幅な改訂を加えて、ここにお広めであります。
 懐かしいクイズも続々と復活させますので、みなさんよろしくお願いします。

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