「「DOTTIの○○ショー!!」」
どこぞの料理番組のまんまなセットで、2人の男が唐突にそう叫ぶ。彼らの名前は…仮にユッキーとタダ、としておこう。
そしてコントのように話を進めるユッキーとタダ。
「いや、始まりましたねー」
「そうですねー。まずはお題から行きましょうか」
「いいですねー。さあ、まずは…」
そう言ってユッキーが振り返ると、舞台の後ろから2人の女性が登場する。
そしてその2人をノリノリで紹介するユッキーとタダ。
「貧乳な女性と!」
とビキニ姿の角のある女性をユッキーが紹介すれば…
「まだまだ未発達なバストの女の子!」
と尻尾のある、銀髪に赤いメッシュの入った、少しだけハイレグのワンピースの女の子をタダが紹介する。
そして2人が声を合わせてカメラ目線で問い掛ける。
「「あなたのお好みは……DOTTI!?」」
スパコーーン!!
「誰が貧乳ですかっ!?そりゃ確かに豊かとは言いませんが…これでも平均はあるはずですっ!」
「未発達はないでござろう、未発達は!…まぁ、確かにまだまだこれからでござるがな♪」
せっかく紹介されたというのに、紹介のされ方がお気に召さなかったらしい女性達はユッキーとタダにツッコミを入れ、角のある女性はプリプリと、尻尾の女の子はウキウキと退場して行った。
「さ、さぁ気を取り直して次行ってみましょうか!ユッキーさん!」
「そうですね、頑張りましょうタダやん!次のお題はこちら!」
ユッキーの合図で、また舞台の後ろから女性が2人登場する。
気合を入れなおしたのか、またノリノリで紹介するユッキーとタダ。
「巨乳でスタイル抜群の人妻、しかも制服バージョンと!」
警官らしき制服をミニスカートにしたり、肩パットを入れたりと改造した衣装を着た、赤毛の妙齢の女性をユッキーが紹介すれば…
「童顔で今時長く綺麗な黒髪、しかも巫女さん姿のジョシコーセー!」
タダも負けじと、何故か巫女さんの服を着た女性を声を張り上げ紹介する。
「「あなたのお好みは……DOTTI!?」」
ポン
「女性に対してそういう言い方は感心しないわね…セクハラよ?」
「しかも巫女さん姿って…服の方が重要なんですか?」
カメラに向かってポーズを取って決め台詞を言った後、肩を叩かれ女性2人に説教されるユッキーとタダ。
30分後、ようやく解放されたユッキーとタダは懲りずに次の女性を呼び出す。
「さぁ〜もう一回気を取り直して頑張りましょうか、ユッキーさん!」
「そうですね…もうすぐ終わりですし、頑張りましょうかタダやん!」
そしてユッキーの合図で最後の女性陣が入場する。
そしてこれまで以上に力を込めて紹介を始めるユッキーとタダ。
「腰まである黒髪は、あくまでしなやかさで艶やか!いつも潤んだような黒目がちな瞳!気は強いがその実内心は乙女そのもの!しかも現役名門女子高の女子高生!!」
「黒髪ショートにスレンダーボディ!自分の事より相手を優先するその優しさ、健気さ!詳しくは言えないが種族が違うんで老化もせず、いつまでもオバさんにならない永遠の若さ!!」
今までとは違い、お互いに向かって女性のセールスポイントを語るユッキーとタダ。
女性陣もまんざらではないようで、微笑を浮かべてユッキーとタダを見つめている。
「「むむむむむ……さぁあなたのお好みは…DOTTI!?」」
にらみ合いつつも、最後はやっぱりカメラ目線と決めポーズで台詞を言う2人。
だがその直後、各々勝手に喋りだす。
「勿論、考えるまでもなくこっちだよな?」
とユッキーが長髪の女子高生の肩を持って引き寄せれば…
「何を言ってんだよ。こっちのがいい女に決まってんじゃねーか」
とタダもショートの女性の腰に手をまわして引き寄せてそう言う。
「こっちだ!」
「いや、こっちだ!!」
そしてしばしにらみ合った後、ユッキーとタダは口をそろえてこう言った。
「「………やるのか?」」
「「上等だ!!」」
そして同時に答えて相手に突っ込む。
ユッキーは鎧のようなものを身に纏い、タダは光の剣のようなものと、何らかの珠をどこからともなく取り出して衝突する。
「あ〜あ…」
「まったく、しょうがないですわねぇ…」
そんな2人を見つめながら、女性の方はお互いに共感を覚えて少し仲良くなっていた。
「………………やっぱり人間ってバカ…」
妙神山で暇だったので、そこに居合わせたメンツに幻覚をかけて遊んでいたタマモは、あきれたようにそう呟いた。
だが続けて、こう口にする。
「ま、だから面白いんだけどね…」
そう言ったタマモの口には、小さな微笑みが浮かんでいた。
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